( ^ω^)雨は知っているようです

5: 留学生(岩手県) :2007/03/13(火) 23:43:18.25 ID:eujjUpFT0
  
――――第一話 三月一日


三月一日。
その日はほとんどの高校が卒業式だそうだ。少なくとも僕が通っている2ch高校はそうなわけで。
周りは嬉しい顔。名残惜しい顔。泣いている顔。みんないろんな顔をしていた。
この学校も今日で最後。そう思うと感傷が込みあがってくる。そんな思いにふけているとき、彼等がきた。



7: 留学生(岩手県) :2007/03/13(火) 23:46:01.32 ID:eujjUpFT0
  
  _
( ゚∀゚)「お〜い!何してるんだブーン!!」

夢見るおっぱいハンター。ジョルジュ長岡。

川 ゚ -゚)「なにをしている。探したんだぞ」

冷静なツッコミマシーン。素直クール。

('A`)「カラオケ行くんだろ?はやくしないと部屋取られるぞ」

ミスター無愛想男。ドクオ。

( ・∀・) 「これだからピザは・・・」

僕らのリーダー格。モララー。



10: 留学生(岩手県) :2007/03/13(火) 23:48:07.48 ID:eujjUpFT0
  
ξ゚听)ξ「さぁっ!!行きましょう行きましょう!!」

底知れぬ魔性のツンデレ。ツンデレ。

そして・・・

( ^ω^)「おっおっお。みんなすまんこ」

ムードメーカー。内藤ホライゾン。

そんな僕の頬に張り手が飛んでくる。

ξ///)ξ「なななななななによ!!すまんこって!!」

川 ゚ -゚)「君も言ってるぞ。しかも確信犯ときた」

( ・∀・) 「恥じらいも知らぬ女の子。その名はツン」



11: 留学生(岩手県) :2007/03/13(火) 23:50:33.66 ID:eujjUpFT0
  
ξ゚听)ξ「うるさわねっ!!はやくカラオケに行くわよ!!私についてきなさい!!RPGの仲間の如く!!」
  _
(;゚∀゚)「なんつー我がまま・・・。しかもツンが勇者かよ」

('A`)「学校からでたら速攻殺されそうだな。当然最初に棺に入るのはブーン」

(;^ω^)「確定かお・・・。じゃあ僕はここに住むお」

くだらない雑談がこの時間を和らげる。学校を出たのはその30分後。
僕たちは家に帰らないでそのままカラオケに直行した。
理由は簡単。最後の制服を楽しむために。

( ^ω^)「明日から制服着たらコスプレだお」

('A`)「コスプレktkr」

(;・∀・) 「ドクオは普通に明日も着てそうで怖いな・・・」



12: 留学生(岩手県) :2007/03/13(火) 23:53:46.34 ID:eujjUpFT0
  
ジョルジュが曲を入れる。
  _
( ゚∀゚)「一番手は俺だ!!貴様ら俺の魂をその胸に刻み込め!!曲名はおっぱい伝説!!」

川 ゚ -゚)o彡「おっぱい!おっぱい!」

ξ;゚听)ξ「クー・・・、あんたって子はいやらしい子!!」

あっという間に過ぎた5時間。
カラオケをあとにし、ゲームセンターへ行く。もちろんプリクラを撮るために。
題名は卒業記念日。

川 ゚ -゚)「もっと寄れドクオ!!私が写らん!!」

('A`)「んなこと言ったって・・・」

(;・∀・) 「大体6人でとるのは無謀なんだよ・・・」

(;^ω^)「そこはツン様がおっしゃったことだから逆らえないお」
  _
( ゚∀゚)「ツンに逆らうとろくなことがないからな」

ξ#゚听)ξ「あんたとり終わったら覚えときなさいよ?」
  _
(;゚∀゚)「俺が最初に棺になりそうだな・・・」



13: 留学生(岩手県) :2007/03/13(火) 23:56:25.82 ID:eujjUpFT0
  
ハイ、チーズ!!

川 ゚ -゚)ξ゚听)ξ(・∀・)(^ω^)( ゚∀゚('A`)

('A`)「お前なに俺にキスしてるんだよ・・・」
  _
( ゚∀゚)「うるさいッ!!俺のファーストキス返せこの毒男!!」

(;^ω^)「お前らゲイだったのかお・・・」

('A`)「みんな尻穴隠せ!!」

吹き出る笑い。
この場を笑いが支配する。それは幸せなこと。
しかし、当然別れの時間は訪れる。



14: 留学生(岩手県) :2007/03/13(火) 23:59:45.12 ID:eujjUpFT0
  
川 ゚ -゚)「モララー、もう時間だ」

モララーはクーの腕時計をみる。

( ・∀・) 「こりゃあ早く駅に行かないと次の電車は2時間後だぞ」

( ^ω^)「電車通いは大変だお」

都会は数分のうちに何本も電車はくるがここは田舎。
数時間のうちに一本なんてざらだ。
  _
( ゚∀゚)「もう行くのか?」

川 ゚ -゚)「ああ。すまない」

('A`)「そっか・・・」

ドクオは誰もがわかるように落胆する。

ξ゚听)ξ「また・・・逢えるよね?」

( ・∀・) 「当然だ。また逢えるよ。じゃ、僕たちはこれで」

クーとモララーが手をふる。
僕たちもそれに応え、二人の背中を最後まで見届けた。



15: (岩手県) :2007/03/14(水) 00:02:49.93 ID:hQKUHne10
  
('A`)「あの二人・・・付き合ってるのかな?」
  _
( ゚∀゚)「多分な」

( ^ω^)「えぇ!?そうなのかお?初耳だお!!」

ξ゚听)ξ「あんたってホントに鈍感ね・・・」

さてと、と続ける。

ξ゚ー゚)ξ「私たちももう帰りましょう。いくら田舎だからといって夜は危ないわ」

('A`)「そうだな」

僕たちは自転車にまたがる。
しばらく同じ帰路につくがツンとドクオと途中で分かれる。ジョルジュとは同じ区域なので最後まで一緒だ。
僕はジョルジュと今日のことを話しあった。
楽しかった時間のことを。



16: (岩手県) :2007/03/14(水) 00:05:18.21 ID:hQKUHne10
  
  _
( ゚∀゚)「じゃあな!」

ジョルジュが別れを告げる。
気づくとそこは僕の家とジョルジュの家との別れ道であった。

( ^ω^)「また遊ぼうお」
  _
( ゚∀゚)「当然だ!!寂しくなったらいつでも呼べよ!!」

そこで彼と別れた。



17: (岩手県) :2007/03/14(水) 00:08:28.32 ID:hQKUHne10
  
僕たちが住んでいる2ch市。
全体的に過疎が進んでおり、人口も全国区レベルで少ない。
当然おしゃれな服屋も少ないし、喫茶店も少ない。そのためみんなが行くところはほぼ同じとこである。
遊ぶ所がないというのは年頃の子には嫌なものだ。特に僕の住んでいるVIP町は酷い。田んぼしかない。
そんなところだろうか。僕が上京する決意をしたのは。反対する親を押し切り都会の大学を受験。そして合格。
上京するまでの日にちは2週間をきっていた。

( ^ω^)(あと2週間かお・・・)

田舎に遊ぶところが無いように都会にも無いところがある。
それはこの自然。空気は澄み、樹が奏でる自然のハーモニー。そして川のせせらぎ。
この自然を感じることができるのはあと2週間。それは寂しいものだった。



18: (岩手県) :2007/03/14(水) 00:11:36.38 ID:hQKUHne10
  
( ^ω^)(今更後には引けないお)

正直、多少なりとも後悔している。
周りの友達で上京する人は少ない。いたとしても自分と同じ都市ではない。
当然、知っている人がいない地に踏み入れるのは怖い。

カーテンを捲る。
周りは闇に覆われている。今日はもう遅い。寝ることにしよう。
立ち上がり、電気を消す。睡魔が僕を呑みこんでいくのはすぐだった。

・・・・・・
・・・・
・・




19: (岩手県) :2007/03/14(水) 00:14:43.61 ID:hQKUHne10
  
次の日。
しばらくは時間に縛られることはない。そのため起きた頃には12時を過ぎていた。
顔を洗い、朝食(昼食?)をとる。そこで初めて携帯に着信があるのがわかった。
着信件数は20件。

( ^ω^)「誰かのいたずら・・・・かお?」

不審に思い、携帯を開く。
全てジョルジュからのものだった。

( ^ω^)「なんだおあいつ?一応かけてみるお」

無機質なコール音が耳に鳴り響く。
コールが3回鳴った後、ジョルジュは出た。



20: (岩手県) :2007/03/14(水) 00:17:09.51 ID:hQKUHne10
  
( ^ω^)「どうしたんだお?」

『なにしてたんだお前は!!ずっとかけてたのに出やしない!!』

電話の向こうのジョルジュは怒っていた。
こんなジョルジュは初めてだ。しばし驚きながら返答する。

(;^ω^)「お・・・落ち着くお・・・。で、どうしたんだお?」

『ツンが・・・ツンが・・・死んだ・・・』

携帯電話が、つるりと手からすべり、地へ落ちた。



戻る第二話