( ^ω^)雨は知っているようです
- 56: (岩手県) :2007/03/14(水) 20:19:29.76 ID:hQKUHne10
- ――――第二話 三月二日 昼
パジャマを脱ぎ捨て、外服をあわてて着る。
時計を見ると12時半頃。歯を磨き、寝癖を直しているとチャイムが鳴った。
_
( ゚∀゚)「ブーン!!用意は出来たか!?」
勝手に扉を開け、大声で叫ぶ。
これは彼が幼い頃からの知り合いだからできる行動で普通の人はしない。
(;^ω^)「ちょっと待っててお!!」
ドライヤーの設定を強にし、急いで髪を乾かす。
( ^ω^)「よし、OKだお!」
急いで家から出て、ジョルジュの車に乗り込む。
18歳の分際で新車を買ってもらうとは贅沢な奴だ。
新車特有の匂いが鼻を突く。
- 57: (岩手県) :2007/03/14(水) 20:22:43.09 ID:hQKUHne10
- ( ^ω^)「窓を開けていいかお?」
_
( ゚∀゚)「おおいいぜ。悪いな、まだ匂いがとれてないみたいなんだ」
窓を全開に開ける。そこから流れる気持ちのいい風。
しばらく風の心地よさを堪能したあと、ジョルジュに話を切り込む。
当然、ツンのことについてだ。
( ^ω^)「・・・ツンは・・・死んだのかお?」
ジョルジュは少し押し黙ったあと、応える。
_
( ゚∀゚)「あぁ・・・。病院に運ばれた時はまだ息があったらしいが・・・」
ジョルジュは続ける。
- 58: (岩手県) :2007/03/14(水) 20:25:07.75 ID:hQKUHne10
- _
( ゚∀゚)「その・・・、原因が・・・ドクオらしいんだ」
思わずジョルジュの顔をみる。
( ^ω^)「どうゆう・・・・ことだお?」
_
( ゚∀゚)「そのだな・・・。昨日別れたあと、ドクオがツンにドライブに誘ったらしいんだ。そのドライブのときに事故ったわけだ」
( ^ω^)「ドクオは無事なのかお?」
_
( ゚∀゚)「ドクオは幸いかすり傷程度ですんだらしいんだが・・・」
なんともやりきない雰囲気。
ドクオがドライブに誘い、ドクオが事故って、ドクオは生きている。
ツンはドクオに振り回され・・・死んでしまった。
- 59: (岩手県) :2007/03/14(水) 20:28:53.30 ID:hQKUHne10
- _
( ゚∀゚)「ついたぞ」
そこの病院は2ch市でも栄えてるニュー速町にある総合病院。
僕とジョルジュはツンの病室を受付の人に聞き、病室に行く。
そこにいたツンは・・・無残な姿だった。
顔は綺麗だった。
身体はところどころ傷付いていることからかシートが被されている。
それでも相当ひどい怪我ということがわかった。
僕がツンをみているなか、ジョルジュはツンの家族に挨拶をしていた。
こいつはこういうときは律儀な奴なんだよな、と思いながら僕も挨拶をする。
( ^ω^)「はじめまして・・・。ツンさんの友達の内藤ホライゾンと言いますお」
そこからは質問攻めであった。
ツンは学校ではどんな子だったの?とか学校の皆には迷惑かけてなかったの?とか。
僕とジョルジュがツンの学校での生活を喋るたびに声を上げて泣く家族。
悲しかった。
- 61: (岩手県) :2007/03/14(水) 20:31:49.59 ID:hQKUHne10
- _
( ゚∀゚)「ブーン・・・。そろそろ・・・」
ジョルジュが言いたいことがわかった。
この病室から出たいのだろう。僕も相槌をうつ。
( ^ω^)「それでは僕たちはこれで・・・」
ツンの病室をあとにする。
後ろからはまだ鳴き声が聞こえる。
後ろめたかった。
その後適当に喫茶店に入り、ジョルジュと会話する。
- 64: (岩手県) :2007/03/14(水) 20:34:37.47 ID:hQKUHne10
- ( ^ω^)「ドクオはどうしたんだお?」
ジョルジュは腕を組む。
_
( ゚∀゚)「昨日、モララーとクーは病院に行ったらしいんだ。俺も行きたかったんだがどっかの馬鹿が寝ていたために行けなかった」
(;^ω^)「すまんお・・・」
_
( ゚∀゚)「んでそのモララーから聞いた話によるとドクオはツンの家族に病室から追い出されたらしい。さんざん罵倒されたあとにな。
当然っちゃあ当然かもしれないが・・・・」
僕はコーヒーに口をつける。
ほどよい苦味が口に広がる。
( ^ω^)「なんでドクオはツンと二人きりでドライブに行ったんだおか?」
_
(;゚∀゚)「う〜ん・・・、なんでだろうなぁ・・・。俺にもよくわからん」
その言葉を聞いたあと、ふと窓の外をみる。
忙しく歩く人。友達と歩く人。家族と歩く人。楽しそうに歩く人。
そんななか、見知った顔をみつける。
- 65: (岩手県) :2007/03/14(水) 20:37:35.46 ID:hQKUHne10
- ( ^ω^)「ギコだお。お〜い!!」
窓をトントンと叩く。
ギコは気づいたようで店内に入ってきた。
(,,゚Д゚)「お〜久しぶりだなぁゴルァ!!」
(;^ω^)「昨日会ったじゃないかお・・・」
(,,゚Д゚)「ん?そうか?ギコハハハハハハ!!」
下品な笑いが店内に響き渡る。
_
( ゚∀゚)「お前は・・・知っているのか?」
ジョルジュは声のトーンを落とし尋ねる。
(,,゚Д゚)「ん?ツンのことか?気の毒になぁ」
あっけらかんとした声。
僕は少しいらついたがすぐに納まった。その理由はギコとツンは特別な接点がないからだ。
お互い仲は悪くないが必要以上に干渉しない。そんな関係。
だから彼にとってツンがいてもいなくても全然関係ないのだ。
- 67: (岩手県) :2007/03/14(水) 20:40:14.84 ID:hQKUHne10
- (,,゚Д゚)「ドクオは・・・告白しようとしたんだろうなぁ・・・」
( ^ω^)「どういうことだお?」
思わず聞いてしまう。
ギコはえ?と聞き返す。
(,,゚Д゚)「てっきりお前らなら知っていると思っていたんだが・・・」
ギコは僕のコーヒーを勝手に飲んだあと続ける。
(,,゚Д゚)「ドクオは昔からツンのことが好きだったらしい。しょっちゅう相談に乗ってた」
_
( ゚∀゚)「ギコがか?」
(,,゚Д゚)「おう」
( ^ω^)「・・・・・」
- 68: (岩手県) :2007/03/14(水) 20:41:35.80 ID:hQKUHne10
- 悲しかった。
僕たち仲良しグループに相談しないでギコに相談したことが。
ジョルジュもそういう気持ちだったからギコに繰り返し聞いたのだろう。
でも、それ以上悲しかったのは、ドクオもツンのことが好きだったことだ。
僕を出し抜いてまで・・・仲間に内緒にしてまで・・・ツンのことを殺した。
ドクオ、僕は君のことを許さない。ツンは・・・僕のものだ。
戻る/第三話