( ^ω^)雨は知っているようです

117: 高校生(岩手県) :2007/03/15(木) 10:58:14.12 ID:6L82rmL60
  
――――第四話 三月三日


その日も起きたのは12頃だった。
日中の暖かい光が部屋を満たし、軽いサウナ状態になっていた。

(;^ω^)「暑いお!!」

窓を開け、気温を逃がす。
代わりに来たのは涼しい風。ほどよい室温になったところで窓を閉める。

親は仕事に出かけていて家にはいない。
テーブルの上にあるのは朝食と昼食。とりあえず昼食を食べることにする。

( ^ω^)「カーチャンのスクランブルエッグはうめぇお!!」

次に手を伸ばしたのはサラダ。
なんでもご近所さんから頂いた新鮮な野菜らしい。
口に広がるみずみずしい甘さ。



118: 高校生(岩手県) :2007/03/15(木) 11:02:26.91 ID:6L82rmL60
  
( ^ω^)「野菜うめぇお!!」

次々に食べ物を突っつき、昼食どころか朝食も食べてしまった。
腹が重い。

(;^ω^)「食べ過ぎたお・・・」

爪楊枝で歯を掃除する。とれたのは肉の筋。すっきりする。
しばらくソファで横になった後、用事を思い出し立ち上がる。

( ^ω^)「そうだ、物置に行かないと」

家を出、物置へむかう。開けたときに香るカビた匂い。
しばらくその匂いに戸惑っていたが鼻が慣れてきたようだ。
昔、理科の先生が行っていたのを思い出す。鼻とは刺激に弱い器官で、多少の強い匂いでマヒを起こすらしい。
だから慣れたというのも鼻がマヒを起こして匂いを十二分に嗅げないということだろう。



119: 高校生(岩手県) :2007/03/15(木) 11:05:27.33 ID:6L82rmL60
  
( ^ω^)「たしかここらへんだったと思うお・・・」

取り出した荷物はキャンプセット用品。
そこから取り出すのは刃渡り13cm程度のスナックナイフ。
ポケットにしまう。

( ^ω^)(念のためだお・・・念のため・・・)

全ての道具を元に戻し、物置を後にする。
日がさんさんと降り注ぐ。暑い。それもそのはず、日が一番高い位置にある2時なのだ。

( ^ω^)「なんだかこの頃異常気象だおねぇ〜・・・。3月だというのに暑いお」

まだ時間はある。
まだ2時なのだ。気を紛らわすためにゲームをすることにする。

・・・・・・
・・・・
・・




120: 高校生(岩手県) :2007/03/15(木) 11:08:23.90 ID:6L82rmL60
  
5時。
カバンに服を詰め込む。
着ている服装はジャージ。動きやすいためだ。

( ^ω^)「さて、行くお」

自転車に乗る。
向うのはドクオのいる家。
そんなに遠くはない。時間に換算すると20分くらいでつく。

ドクオの住んでいる町の独身男性町は山のふもとにある小さな町。
家も点々と建っていて、お隣さんははるか向こうにある典型的な田舎町。
そこに彼の家はあった。

( ^ω^)「・・・・・・・」

ドクオの家は悲惨であった。
マジックやらスプレーやらでいろいろ書かれている。
主な内容はこうだ。



121: 高校生(岩手県) :2007/03/15(木) 11:11:06.88 ID:6L82rmL60
  


『人殺し』    『さっさとひっこーし!!』    『この町に悪影響を及ぼすな!!』    『人殺し』




123: 高校生(岩手県) :2007/03/15(木) 11:13:10.65 ID:6L82rmL60
  
僕はそれをみて驚きはしたが同情はしない。
なぜそうなのか?僕はわかっている。
僕も同じ気持ちだからだ。

時計をみる。
5時30分を指している。
大丈夫、奴はきっと出てくる。大丈夫だ。
習慣とはそう簡単には変えれない。たとえこんな状況になっても。

それから数十分経ち、6時になった頃。
奴は現れた。
奴は高校のとき陸上部で朝、晩走ることが習慣になっていることを前に教えてくれた。
まさかそんなどうでもいい情報がこんなときに役立つとはおもわなかった。

僕は、こんな状況になっても習慣を突き通す奴が憎かった。
奴が走り出そうとする。が、僕はその前に声をかける。
もちろん逃がさないために。



124: 高校生(岩手県) :2007/03/15(木) 11:16:19.15 ID:6L82rmL60
  
( ^ω^)「ドクオ」

('A`)「ブ・・・・・ブーン・・・・・」

文字通り目が点になっているドクオ。
まだ走ってもないのに額から汗が出ている。
わかってる、それは冷や汗だ。

('A`)「どうして・・・ここに?」

沈黙を先に破ったのはドクオの方であった。
僕はそれに答える。

( ^ω^)「君に、話があって」

目で相手を威圧する。
彼はしかたなくといった感じでうなずいてくれた。

( ^ω^)「ここじゃあなんだからそこの広場へ行こうお」

('A`)「あぁ・・・」

そこの広場に行くまでずっと沈黙であった。
自販機でコーヒーを2つ買い、ドクオに渡す。



125: 高校生(岩手県) :2007/03/15(木) 11:19:44.31 ID:6L82rmL60
  
('A`)「サンキュー」

タブを開け、コーヒーの香りが広がる。

('A`)「・・・で、なんだ?話ってのは」

僕はその話の切り出し方にいらついてしまった。

( ^ω^)「・・・とぼけるなお。ツンのことについてだお」

風が吹く。
その風で少し落ちついた。

( ^ω^)「なぜ今まで僕の前に現れなかった」

('A`)「・・・お前達にあわせる顔がなくてな・・・。特にお前にはな・・・」

( ^ω^)「どういう意味だお?」

('A`)「お前、ツンのこと好きだったろ?」

(;^ω^)「・・・・え?」

なぜそのことをこいつが・・・?
ドクオは無視し続ける。



126: 高校生(岩手県) :2007/03/15(木) 11:22:54.02 ID:6L82rmL60
  
('A`)「そのツンを・・・死なせた俺には合わす顔がなかったんだ・・・」

死なせたのではなく、殺したんだろーが・・・。
出そうになる言葉を踏みとどませる。

( ^ω^)「だからショボン君を使ったんだおね」

('A`)「お前にはあやまらなきゃいけないと思ってな・・・」

ドクオが吹っ飛んだ。
いや、違う。僕が殴ったんだ。頬を思いっきり。

( ^ω^)「てめーであやまりにこいお・・・」

('A`メ)「・・・だからあわす顔がなかったって言ってるだろーが!!」

ドクオが僕の足に蹴りをいれる。
陸上部で鍛えられた足。一瞬、後ろからカックンをやられたような感じになる。
足が痛い。
ツンを殺したドクオ。僕も殺そうとしているのか。
なら殺られる前に殺るだけだ・・・。



127: 高校生(岩手県) :2007/03/15(木) 11:25:26.57 ID:6L82rmL60
  
( ^ω^)「・・・もう容赦しねーお」

ポケットを探る。
もちろん出したのはスナックナイフ。

('A`;)「お前・・・それ洒落になんねーぞ・・・」

( ^ω^)「人殺しに言われたくないお」

ドクオは逃げる。
この広場の出入り口は一つしかなく、背には山。
僕が出入り口側にいるため必然的にドクオは山に行くしかなかった。

('A`;)「・・・くそッ!!!おかしーぞあいつ!!!」

どんどん山の奥へ進む。
奴は走るのが速いが僕も負けていない。
差は広がりも縮みもしなかったがそんなことは問題ではない。
ほら見ろ。奴は転んだ。



128: 高校生(岩手県) :2007/03/15(木) 11:28:07.07 ID:6L82rmL60
  
('A`;)「あぁ・・・・ぁ・・ぁぁぁ・・・・ああ・・・・・・」

まるでギックリ腰になった人みたいに奴は立ち上がらなかった。
射程距離に入る。

( ^ω^)「チェックメイトだお」

('A`;)「・・・・・・・・・・・ッ!?」

ドクオの右頬にスナックナイフを刺す。
左頬からはナイフの先端が出ていた。

(;A;)「ぁwせdrftgyふじこlp;@」

( ^ω^)「なにか言いたいことは?」

(;A;)「やふぇて・・・・くふれぇ・・・・」

( ^ω^)「なんて言ってるかわかんねーお」

ナイフをゆっくりと引く。
少しずつ切れていくドクオの両頬。
血がぽたぽたと垂れている。



129: 高校生(岩手県) :2007/03/15(木) 11:30:08.45 ID:6L82rmL60
  
(;A;)「ふぎゃあああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!」

めんどくさくなったので無理やり引いた。
ドクオの口は見事までに切れた。その姿は口裂け女。

( ^ω^)「すごい顔だおねー」

ふと上をみると、雨が降っていた。
最初は小雨で、だんだんと土砂降りになっていく。

( ^ω^)「さてと、止めを刺そうかお」

のたうちまわるドクオの髪を掴み、前を向かせる。
そしてその額を、、、、ぶすりと、、、、。

奴はもう動かない。
僕はその場で返り血を浴びた服を脱ぎ、鞄から服を取り出し、着る。

( ^ω^)「さて、行くかお」

広場まで戻り、自転車にまたがる。
家に帰る頃にはびしょぬれになっていた。
僕は、人を殺した。
数日前までは親友・・・仲間だった人を。
なぜか後悔はしなかった。



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