( ^ω^)雨は知っているようです

163: 高校生(岩手県) :2007/03/15(木) 23:51:17.44 ID:6L82rmL60
  
――――第六話 三月四日 もう一つの昼


ニューソク町にある寂れた警察署。
そこの刑事課にある一つの事件が訪れる。

( ^Д^)「フサギコさん!例の事件の資料持ってきました!!!」

初々しい刑事がフサギコと呼ばれる男のもとに行き、資料を渡す。
その男は来客用のソファにだらしがなく座り、テーブルの上に足を置いている。

ミ,,゚Д゚彡「ありがとさん」

短く伝え、手をひらひらとふる。
初々しい刑事【プギャー】はそれを見届け、自分のデスクに戻る。



164: 高校生(岩手県) :2007/03/15(木) 23:54:59.31 ID:6L82rmL60
  
■事件内容:独身男性町に住む、ドクオ(18)が何者かに殺害される。

■事件発覚までの経緯:【仏】の母が通報。普段から夜にランニングをしており、いつまで経っても戻ってこないため警察に連絡した模様。

■犯行日時:遺体の死後経過後から37時間前程度に行われたとおもわれる。

■現場:独身男性町の毒男広場の裏山

■第一発見者:山で遊んでいた近所の男の子、ぃょぅ(12)

■凶器:12cm〜14cmの刃物

■【仏】の傷:頬に打撲痕、両頬の裂け傷、額に刃物による刺し傷

■【仏】について:先日、同級生のツンデレ(18)をドライブの時に起こした事故で死亡させる。

■その他:犯行日に雨が降っており、足跡も埋もれており捜査は難航。【仏】に少々の衣服の乱れがある。



165: 新聞配達(岩手県) :2007/03/16(金) 00:00:22.89 ID:QIK2BOvH0
  
男は一通りみたあと、唸る。

ミ,,゚Д゚彡「この町も物騒になったなぁ〜〜〜〜〜!!!」

プギャーがフサギコの方をみる。

( ^Д^)「まったくっすよ!!平和だけが取り柄だったのに」

プギャーはぶつくさ文句を垂れる。

ミ,,゚Д゚彡「まぁ〜事件がなければ俺達は用無しだしな。神様がたまには働けってことだろう」

自分で言って苦笑する。
なにを言ってるんだ俺は。神なんて信じたことないのに。

(;^Д^)「う〜ん・・・・そういうもんっすかねぇ・・・」

やはり若い者はいい。
良い意味でも悪い意味でも。
プギャーの首根っこを掴む。



167: 新聞配達(岩手県) :2007/03/16(金) 00:05:13.42 ID:QIK2BOvH0
  
( ^Д^)「どうしたんっすかフサギコさん?」

ミ,,゚Д゚彡「お前一番暇そうだから俺と一緒に現場に行くぞ」

(;^Д^)「俺まだやることがあるのに・・・・」

ミ,,゚Д゚彡「いちいちううるせぇ野朗だなぁ!!男なら黙ってついてこいや!!」

( ^Д^)「はいはい、わかりましたわかりました。まったく、フサギコさんにはかなわないっすよ」

この生意気な部下。
俺はこいつにある男と重ねあわしていた。
それは失った俺の息子。俺は息子に何もしてあげれなかった。
その罪滅ぼしであろうか。俺はこいつを一人前にしようと育てている。
その心は親心であった。

パトカーの助手席に乗る。プギャーは運転席に。
シートベルトを締め警察署を跡にする。



169: 新聞配達(岩手県) :2007/03/16(金) 00:08:24.09 ID:QIK2BOvH0
  
外の流れる景色を見ているとプギャーが話しかけてくる。

( ^Д^)「フサギコさんは今回の山どうみてます?」

ミ,,゚Д゚彡「ん?犯人は誰だってことか?」

プギャーは小さくうなずく。

ミ,,゚Д゚彡「まずお前の考えを聞かせろ」

質問を質問で返す。
これは決して意地悪で言っているのではない。
少しでもプギャーに現場を見る力をついてほしいからだ。

( ^Д^)「そうっすねぇ・・・。愉快犯・通り魔、それと先日仏が死なせたというツンデレちゃんの肉親とか怪しいと睨んでいます」

ポケットを探り、煙草を出す。
銘柄はマイルドセブン。もう何十年もの付き合いのコイツから一本取り出し、火をつける。

ミ,,゚Д゚彡「いい線だと思うぞ。俺もそうみている」

プギャーが嬉しそうにこちらを振り向く。
俺はもう一つの線もあるぞと伝えるとプギャーは落胆した。
この一喜一憂する男を見ているとついからかいたくなる。
そんな俺につい笑ってしまう。



170: 新聞配達(岩手県) :2007/03/16(金) 00:11:50.40 ID:QIK2BOvH0
  
ミ,,゚Д゚彡「ドクオ・ツンデレの二人を知っている知り合いとかもだ」

窓を開け灰を落とす。

ミ,,゚Д゚彡「ツンデレを死なせたドクオに対する憎悪・嫉妬を持つ知り合いかな」

( ^Д^)「なるほどぉ〜」

ミ,,゚Д゚彡「ただこの場合だと狂信的なまでにツンデレを好きな奴ではないとな。
      今言ったなかでは一番可能性が低いと思う。」

( ^Д^)「そういえばお医者さんから聞いた話だとツンデレちゃんの家族はドクオに対して凄まじかったらしいですよ。
      この世にあるかぎりの暴言を吐きに吐いたとか」

俺は思わず身がかたまってしまった。

( ^Д^)「? どうしたんです?」

ミ,,゚Д゚彡「お前にも自分の家族をもてばわかるよ」

短くそれを伝える。
プギャーの頭に?がついていた。



171: 新聞配達(岩手県) :2007/03/16(金) 00:15:07.44 ID:QIK2BOvH0
  
ミ,,゚Д゚彡「まぁ現段階ではなんともいえん。あくまでも可能性だ」

車が止まる。
どうやら着いたようだ。

ミ,,゚Д゚彡「さぁ〜て、仕事しますか」

自分の行動を正しいと信じている男、内藤ホライゾン。
自分の正義は正しいと信じている男、フサギコ。
自分の信念を信じている彼等が会う日は近い。



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