ドクオは正義のヒーローになれないようです
- 48: ゲーデル(岡山県) :2007/04/27(金) 22:02:49.25 ID:Kwt7L0J40
- 第二十二話『頂上対決、ロマネスクVSトラ男!』
〜前回までのあらすじ〜
[材料]
・牛ひき肉 (または、牛・豚の合挽き肉) 400g
・玉ねぎ 中〜大 1個
・プロセスチーズ 2〜3切れ
・ピーマン 2個
・にんじん 半分
・食パン 1枚
・牛乳(または水)
・塩
・ケチャップ
・ウースターソース
・カレー粉
・バター
・油(サラダ油など)
・つけあわせの野菜(お好みのもの)
- 49: ゲーデル(岡山県) :2007/04/27(金) 22:03:29.83 ID:Kwt7L0J40
- [作り方]
1.玉ねぎ、ピーマン、にんじん、チーズを細かく刻む(5−6ミリ位)。
2.玉ねぎをバターで透き通るまで炒め、冷ましておく。
3.食パンを少量の牛乳、または水に浸す。
4.ボールにひき肉を入れ、冷ました玉ねぎ、ピーマン、にんじん、
水気をよくしぼった食パンを入れ、よく混ぜる。
5.そこへ、ケチャップ大さじ山盛り2杯、塩小さじ1杯、
ウースターソース大さじ山盛り1杯、
カレー粉小さじ山盛り1杯を入れて、
手で粘りが出るまでよく混ぜる。よく混ぜるのがポイント。
6.粘りがでたら、チーズを入れ、さっと混ぜる。
7.全体を4つに分けて、小判形に丸める。
お子さん用など小さめがよい人は8つに分けてもよい。
火がよく通るように、真ん中をすこしへこましておく。
8.フライパンに流れるくらいの量の油をとって熱くし、
丸めた肉を入れて焼く。火加減は最初は強火。
片面に色がついたらひっくり返し、中火にする。
両面に焼き色がついたら弱火にして、ゆっくり焼く。
焼き上がりまで、大体7〜8分位かかる。
9.つけあわせの野菜といっしょに皿に盛る。
お好みでデミグラスソースやケチャップをかけて召し上がれ。
- 51: ゲーデル(岡山県) :2007/04/27(金) 22:04:10.61 ID:Kwt7L0J40
* 以下、何事も無かったかのように再開 *
イ从゚ ー゚ノi、「…………」
ドクオのアパートの部屋の中、
銀は膝を抱えてしゃがみこんでいた。
昨日ドクオが出て行ってから、もう大分経つ。
財布も持たずに出て行ってしまったから、現金ももう尽きている筈だ。
自分の鼻を使えば、すぐに見つかるのは分かっている。
だが――
銀には、それが出来なかった。
「俺は、お前のような化物とは違うんだ!」
目を閉じれば、ドクオのあの言葉が再生される。
それが、銀の心を苛んでいた。
ドクオに会っても――
また、拒絶されるだけなのではないか。
その恐れが、銀をこの部屋から出さなかった。
- 52: ゲーデル(岡山県) :2007/04/27(金) 22:04:51.54 ID:Kwt7L0J40
- ――だが、ドクオを恨むべきことではない。
悪いのは、ドクオにあの言葉を言わせたのは、
他でもない自分自身だ。
あの時――
あの警察署で、自分はドクオに言った。
殺した者には、殺される義務がある。
だから――殺せ、と。
その言葉が、ついこの間までは普通の一般人だったドクオを、
どれ程追い詰めていたことか。
そんな理屈は、人間の理屈ではない。
自分達、人外の理屈だ。
それを、ドクオに押し付けようとしたのだ。
化物と言われたって、しょうがない。
- 53: ゲーデル(岡山県) :2007/04/27(金) 22:05:34.88 ID:Kwt7L0J40
- イ从゚ ー゚ノi、「…………」
ここを出て行こう、銀はそう考えていた。
あの力を宿したままのドクオを放っておくことになるのは気がかりだが――
自分が傍にいれば、もっと悪影響になる。
幸いにも、ドクオがこの前知り合った杉浦ロマネスクという男は相当の使い手らしいし、
その男にドクオを任せておけばひとまず心配は無いだろう。
そもそも――
人間と化物が一緒に暮らすなど、
最初から上手くいく筈がなかったのだ。
そんなこと――
何百年も前から、60年前から、分かりきっていたことではないか――
- 54: ゲーデル(岡山県) :2007/04/27(金) 22:07:52.33 ID:Kwt7L0J40
- イ从゚ ー゚ノi、「!?」
と、銀は何かを感じて立ち上がった。
ドクオの声が、聞こえた気がした。
ドクオが、助けを呼んでいる。
ただの気のせいか、
それとも、人外故の人並み外れた第六感からか――
確かに、声が銀の耳には聞こえていた。
「助けてくれ」
そう、聞こえていた。
イ从゚ ー゚ノi、「――――」
銀は下に俯く。
行ってどうする。
また、拒絶されるだけだ。
自分が化物であることを、再確認させられるだけだ。
行って、どうするというのだ。
……それでも。
それでも――!
イ从゚ ー゚ノi、「――――ッ!」
日本刀を腰に差し、銀はドクオのアパートを飛び出した。
- 55: ゲーデル(岡山県) :2007/04/27(金) 22:08:31.65 ID:Kwt7L0J40
* * *
(=゚д゚)「ラギイッ!」
先に動いたのはトラ男の方だった。
トラ男の体が発光したかと思うと、
一瞬にしてその体を金色の体毛の半獣人のそれへと変える。
変わった時には、既にロマネスクの目前にまで距離を詰めていた。
(=゚д゚)「ラギ!!」
トラ男の右ストレートがロマネスクの顔面に命中した。
(=゚д゚)「ラギ!!」
更に左手でのボディーブロー。
これも、ロマネスクの体に吸い込まれるように当たる。
(=゚д゚)「ラギ! ラギ! ラギ! ラギィィィッ!!」
トラ男の連打が、次々とロマネスクに襲い掛かった。
まずいぞ。
ロマネスクは、まるでトラ男の攻撃を防御出来ていない。
どころか――
避けようとすらしていない。
!?
ロマネスクのあの顔、笑っている?
あれだけぶちのめされていて、どうして?
- 59: ゲーデル(岡山県) :2007/04/27(金) 22:10:51.30 ID:Kwt7L0J40
- ( ФωФ)「じゃれあいにも飽いてきたな……」
ロマネスクがぼそりと何か呟いた。
こいつ、まさかわざと相手の攻撃を受けているというのか!?
有り得ない。
なんで、そんなことを?
(=゚д゚)「ラギィィィィィィッッ!!」
トラ男が渾身の力を込めた右フックをロマネスクに振るう。
その右拳はロマネスクの顔面を見事に直撃して――
( ФωФ)「大魔王パァァァァァァァンチッ!!」
攻撃を喰らいながら、ロマネスクが強引にパンチを繰り出した。
(=゚д゚)「くッ!!」
右腕はパンチの為に使ってしまっていた為、
トラ男はその攻撃を左腕だけで受けるしかなかった。
(=゚д゚)「!!!!!!!!!!」
しかし――
そんな防御は、何の役にも立たなかった。
防御した腕ごと、トラ男の体は大きく吹き飛ばされて滑り台に激突する。
- 60: ゲーデル(岡山県) :2007/04/27(金) 22:11:29.68 ID:Kwt7L0J40
- これが――
これが、杉浦ロマネスクか。
テクニックだとか特殊能力だとか――
そんな瑣末な物の一切を問答無用で薙ぎ倒す、圧倒的にして純粋な暴力。
さっきのパンチにしてもそうだ。
技も何も無い。
ただ殴っただけ。
だが、その殴るだけの行為が、
完全に桁外れの威力だった。
防御も糞も無い。
例えば正面から時速200キロのダンプカーに衝突されて、
上手く防御することや受身を取ることが、一体何だというのだ。
当たれば、死。
トラ男がやらねばならないことは、
ロマネスクからの攻撃を何としても避けることのみだったのだ。
- 62: ゲーデル(岡山県) :2007/04/27(金) 22:14:29.07 ID:Kwt7L0J40
- ( ФωФ)「どうした。
立ってこないのか、下郎。
まさか、今の一撃で終わりだとでも?」
ロマネスクが大破した滑り台の残骸の上に倒れているトラ男に向かって尋ねた。
冗談じゃない。
こんな化物が、俺を宿敵と定めているのか。
(=゚д゚)「チッ……」
そして――
トラ男も、また同様の化物だった。
少なからずダメージは受けているようだが、
闘志は一切衰えていない。
勝負はこれからだとでもいうように、勢い良く残骸の中から立ち上がる。
- 63: ゲーデル(岡山県) :2007/04/27(金) 22:15:02.81 ID:Kwt7L0J40
- (=゚д゚)「わざと攻撃を受けてたみたいラギね。
その気になれば、防御なり何なり出来た筈なのに――
どうしてラギか?」
体についた埃を落としながら、トラ男が尋ねた。
( ФωФ)「知れたこと。 我輩は宇宙大魔王。
その我輩が、下郎からの攻撃を恐れるようでどうする」
当然のようにロマネスクは言い放った。
あほだこいつ。
そんな下らない理由で、わざわざ痛い目にあってたのか。
(=゚д゚)「しかし――
それだけの力を持っていながら、
どうしてそこの正義のヒーローもどきの肩を持つラギ?
さっき悪の帝王だ何だとか言ってたけど、
悪を目指すならこっち側、悪の秘密結社に来た方がいいんじゃないラギか?
俺達の仲間になれば、いくらでも悪事が働けるラギよ?」
トラ男がロマネスクに言った。
そうだ。
こいつは地球征服が目的の、宇宙大魔王だったんだ。
それなら、怪人側にいたっておかしくない。
なのに、何で今、こいつはその怪人と闘っているのだ?
- 67: ゲーデル(岡山県) :2007/04/27(金) 22:18:37.42 ID:Kwt7L0J40
- ( ФωФ)「フンッ、仲間になれば、だと?
身の程知らずが。
どうか仲間に入れて下さいロマネスク様、だろう」
ロマネスクはトラ男からの誘い出を即答で断った。
( ФωФ)「それに、貴様らが悪の秘密結社だと?
笑わせるな。 貴様らは、悪などではない」
怪人達が、悪じゃないだって?
だったら、悪じゃないなら、一体何だと言うのだ。
( ФωФ)「以前我輩が成敗したキムチ男なる怪人が、
子供の乗るバスを乗っ取っていたな。
それだけじゃない。 どうやら、最近の惨殺も貴様らの仕業らしいな」
(=゚д゚)「それがどうしたラギか?
それこそが、俺達が悪である証明じゃないラギ?」
( ФωФ)「ふざけるな!
抵抗する力も満足に持たない弱者をいたぶり殺すことが悪だと!?
悪を侮辱するのもいい加減にしろ!
そんなものは悪ではない!
畜生にも劣る、ただの外道だ!!
悪とは真の信念と美学に裏打ちされた誇り高き称号!!
貴様ら如きがその悪を名乗ろうなど、この我輩が断じて許さん!!!」
ロマネスクが吼えた。
自分は悪である。
悪である故に、怪人達を許せないと。
- 68: ゲーデル(岡山県) :2007/04/27(金) 22:19:01.97 ID:Kwt7L0J40
- 俺も、怪人達は許せない。
だけど、それは俺が悪だからじゃない。
多分――正義のヒーローを、信じているからだ。
ならば――正義とは、悪とは、一体何なんだろうか。
俺と、怪人と、ロマネスクと――
一体、どこが違うんだろうか。
悪とは、正義とは、一体何なのだろうか。
- 69: ゲーデル(岡山県) :2007/04/27(金) 22:19:23.00 ID:Kwt7L0J40
- (=゚д゚)「ハッ――」
トラ男が笑った。
まるで、嘲るかのように。
(=゚д゚)「馬鹿馬鹿しい。
たかだか悪党になる為だけに、一々御大層なことラギ。
まあ、どうでもいいラギ。
こっちもそろそろ様子見は止めにするラギ。
仲間にならないってんなら――」
トラ男が右腕をゆっくりと掲げ――
(=゚д゚)「今ここで、消し炭にしてやるラギッッッ!!!」
( ФωФ)「!!!!!」
トラ男から放たれた紅蓮の焔が、ロマネスクの体を飲み込んだ。
〜第二十二話『頂上対決、ロマネスクVSトラ男!』 終
次回、『正義のヒーローの義務』乞うご期待!〜
- 72: ゲーデル(岡山県) :2007/04/27(金) 22:20:23.54 ID:Kwt7L0J40
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