( ^ω^)ブーン達の冒険はまだ始まったばかりのようです
- 27: 声優(東京都) :2007/04/04(水) 21:01:28.86 ID:SPBjeLoH0
第4話
見果てるまでに広がる地平線。
そんな空間の中にポツンと佇む城。
そして城の前に集まる個性豊かな6人の登場人物達。
その6人の中でも特に目を引く双子の兄弟が口を開いた。
( ´_ゝ`)「あのさ、この話ってゲーム化されてたんだよな?」
(´<_` )「それで俺ら思ったんだけど……」
そして同時に言葉を紡ぐ。
( ´_ゝ`)(´<_` )「「ゲームの人気上げて漫画を再開させれば良いんじゃね?」」
- 28: 声優(東京都) :2007/04/04(水) 21:02:15.10 ID:SPBjeLoH0
ξ゚听)ξ「さて、どうやって連載を再開させましょうか」
( ^ω^)「とりあえず僕は一般読者の間で知名度を上げたいお」
( ^ω^)「ブーンの存在知られるにはやっぱり連載を再開しなきゃ意味無いから厄介だお」
流石兄弟の提言を見事にスルーする一同。
どうやらダメそうな意見は全て無かった事にする主義らしい。
( ´_ゝ`)「何だが胸が痛いんだが……」
(´<_` )「兄者、あんな奴らは放っておいて俺らは城の中でゲームの方向性について語ろう」
( ´_ゝ`)「俺はアクション性重視が良いな」
(´<_` )「俺は格ゲー派だ」
そんな話をしながら城の中に消えていく兄弟。
残された4人は消えゆく兄弟を特に気にすることもなく話を続ける。
- 29: 声優(東京都) :2007/04/04(水) 21:03:20.41 ID:SPBjeLoH0
( ^ω^)「なかなか良いアイデアが浮かばないお……」
ξ゚听)ξ「そう易々と浮かんだら苦労しないわよ」
( ^ω^)「とにかく僕の出番が欲しいお」
邪魔な兄弟が消えてもなかなかちゃんとした意見が出ないようである。
そんな中、1人溜息をつくドクオ。
('A`)「ハァ……」
( ^ω^)「ん? ドクオ、どうしたんだお?」
ドクオの異変に気付いたブーンが尋ねる。
その疑問に対し、まるで全てを達観したかのようにドクオが答える。
('A`)「もう止めないか?」
- 30: 声優(東京都) :2007/04/04(水) 21:04:28.91 ID:SPBjeLoH0
( ^ω^)「え?」
思わず声を上げるブーン。
そんなブーンに少し目を向けて、ドクオはまた話し出す。
('A`)「どんなに頑張ったところでここは既に終わった世界なんだ。再開なんて無理に決まってる」
(#^ω^)「ドクオ! それξ#゚听)ξ「それってどういうことよ!」
ブーンの言葉にツンの言葉が重なる。
ツンの刺すような眼差しを向けられたドクオは、特に怯む様子もなく話し続けた。
('A`)「無駄なのを承知で挑戦するのが面倒くさくなってきたんだよ。
俺はこのまま退屈な世界のままでも別に困らないし」
- 31: 声優(東京都) :2007/04/04(水) 21:05:49.86 ID:SPBjeLoH0
ξ#゚听)ξ「あんた何言ってんのよ! そんなのただの逃げじゃない!」
ドクオの言葉を受けて激昂するツン。
それとは対照的に少し冷静さを取り戻したブーンがドクオに声を掛ける。
( ^ω^)「ドクオ…… 本当にそれで良いと思ってるのかお?」
('A`)「あぁ、俺はもうどうでも良くなってきたからな」
( ^ω^)「そうかお…… それなら仕方ないお」
ξ#゚听)ξ「ちょっと何ブーンまで諦めてんのよ!」
ドクオに対するブーンの態度を見て、更に怒りを高めるツン。
そんなツンと先程から殆ど発言の無いブーンへ、ブーンが静かに言葉を投げ掛ける。
( ^ω^)「ツン、ブーン、一旦向こうまで一緒に行って欲しいお」
- 33: 声優(東京都) :2007/04/04(水) 21:07:03.12 ID:SPBjeLoH0
そう言って少し離れた場所へ指を向ける。
そこは特に何もない白黒の平野。情景描写ができないくらいに何もない。
話を流されたツンは渋々と、やっと出番がもらえそうなブーンは意気揚々と示された場所へと向かっていった。
( ^ω^)ノ□「とりあえず、これを見てもらいたいんだお」
一足早く着いていたブーンが2人に何やら紙のような物を見せる。
ξ゚听)ξ「こんなの取り出してどうするつもりなのよ」
(;^ω^)「実際それは僕には関係の無い代物だお……」
少し落ち込み気味なブーンを横目に、それを見たツンは訝しげにブーンに尋ねた。
( ^ω^)「これでドクオを釣れば……」
ブーンが自分の考えた作戦を伝える。
説明を受けた2人は段々とその顔に明るみを増していった。
ξ゚ー゚)ξ「これならきっと上手くいくわね。ブーン、よく考えたわ」
( ^ω^)「ドクオもこのままじゃ引き下がれないお」
- 34: 声優(東京都) :2007/04/04(水) 21:08:37.54 ID:SPBjeLoH0
( ^ω^)ノ□「ドクオ、ちょっとこれを見てくれお」
ドクオの元へと戻ったブーン一行。
ブーンの手には先程の紙が握られている。
('A`)「ん? 何だそれ」
( ^ω^)「この話の人気が絶好調だった時に行われたキャラクター人気投票の結果だお
発表された時ドクオはどっか行ってていなかったから見たこと無かったお?」
('A`)「そういやそんなのもあったっけな。見せてくれよ」
( ^ω^)「おkだお。ほい」
ブーンからドクオへと皆が見守る中、紙が渡される。
そして紙の中の情報を順番に読み取っていくドクオ。
- 35: 声優(東京都) :2007/04/04(水) 21:09:33.14 ID:SPBjeLoH0
1位 ツン 1172票
('A`)「お前主役なのに1位じゃないのかよ」
(;^ω^)「放っておけお。僕はちゃんと2位にはランクインしてるから良いんだお」
2位 内藤ホライゾン(ブーン) 748票
ξ゚听)ξ「まぁ私に大差をつけられての2位だけどね」
( ^ω^)「主役なのに悲惨だお。って、ん?」
3位 まだ見ぬラスボス 629票
( ^ω^)「一度も出たこと無いのに何故か僕が3位だお!」
(;^ω^)「登場したこと無い奴に投票するなんてこの漫画の読者は皆バカなのかお」
そしてランキングは続いていく……
- 36: 声優(東京都) :2007/04/04(水) 21:10:45.13 ID:SPBjeLoH0
58位 門番B(弟者) 12票
78位 門番A(兄者) 8票
ξ;゚听)ξ「何でこいつらも最終回にしか出てなかったのに投票されてるのかしら」
( ^ω^)「僕が3位なんだから特に気にしなくても良いと思うお」
( ^ω^)「もうこの人気投票わけわかんねぇお」
皆が皆ランキングに対して意見を述べている中、1人だけ無口の者がいた。
('A`)「……」
ドクオだ。
味方側。しかも主要キャラにもかかわらず未だ名前が出てこない。
彼は頭の中で様々な思いを駆け巡らしていた。
まぁ10位以内に入れなかったのは許そう。
最終回にしか出番の無かった脇役に負けたのもまだギリギリ許容範囲だ。
少し努力が足りなかったのかもしれない。
でも……
- 37: 声優(東京都) :2007/04/04(水) 21:11:53.38 ID:SPBjeLoH0
('A`)「なんで俺が132位なんだよ」
彼の見つめる先には人気投票の結果。
ドクオの名前が書かれていた。
132位 ドクオ 1票
( ^ω^)「逆に1人でもドクオに票を入れてくれた人がいることに僕は驚きだったお」
ξ゚听)ξ「いっそのこと0票の方が潔かったかもね」
( ^ω^)「票数が僕の629分の1かおwww こんな不人気キャラ部下に欲しくねぇお」
各々が思うがままの言葉を発している。
そんな状況の中
('A`)「……伏線」
ドクオがポツリと呟いた。
- 39: 声優(東京都) :2007/04/04(水) 21:13:47.36 ID:SPBjeLoH0
( ^ω^)「お?」
(#'A`)「伏線が…… 伏線が残ったまま終わったから俺は不人気だったんだ!
連載が再開して伏線回収すればきっとベスト10に入れる!」
段々と声を荒げて主張するドクオ。
自分が不人気ということは把握していたものの、ここまで不人気とは思っていなかったらしい。
ドクオにとって予想外な出来事は、彼の冷静さを失わせるのに十分な要因であった。
( ^ω^)「じゃあ連載再開へ挑戦し続けるのかお?」
(#'A`)「もちろんだ! 再開させて伏線全て回収させてやる!」
ドクオが高らかに宣言をしている時、彼の見えないところではハイタッチをしているブーンとツンの姿があった。
(*^ω^)「狙い通りだお」
ξ*゚ー゚)ξ「単純で良かったわね」
- 40: 声優(東京都) :2007/04/04(水) 21:15:03.00 ID:SPBjeLoH0
(#'A`)「そうだ! 名案が浮かんだぞ!」
急に響くドクオの声。
油断していた一同はその声に驚かされることになる。
Σ(;゚ω゚)「うおっ! いきなりなんだお」
ξ;゚听)ξ「急に大声を出さないでよ。ビックリするじゃない」
( ^ω^)「でも、名案ってなんだお?」
ブーンに問われたドクオは自信に満ち溢れた表情で答える。
(*'A`)「この漫画ってアニメ化されてたろ? アニメ再放送で人気上げて漫画も再開させれば良いんだよ」
(*^ω^)「それはナイス名案だお」
(*^ω^)「ドクオにしては良くやったお」
ドクオの提案に素直に賛成するそっくりな2人。
その影では半ば呆れ顔のツンがいた。
- 41: 声優(東京都) :2007/04/04(水) 21:16:23.88 ID:SPBjeLoH0
ξ゚听)ξ「……バカじゃないの」
自信満々に発言したドクオに対して、冷たく言い放つツン。
その声に一同は一瞬凍らされることになる。
そんな凍てついた空気の中、ドクオが恐る恐る口を開く。
(;'A`)「な…… なんでダメなんだよ? ケチのつけようがないくらいの名案だろ」
ξ゚听)ξ「ダメに決まってるじゃない。漫画すら再開できてないのにどうやってアニメを再放送させるのよ」
(;'A`)「あ、そこは盲点だったわ」
ガックリと肩を項垂れるドクオ。
ツンに意見を潰されて落ち込んでいる彼を見て2人が一言。
( ^ω^)「そんなんだから不人気キャラなんだお」
( ^ω^)「本当にこんなキャラ部下に欲しくないお」
簡単に否定組に入る主役とラスボス。
どうやらドクオのせいでブーンのやる気まで削がれてしまったらしい。
( ´ω`)「これはもう完全に終わったかもわからんね」
もうこの場にドクオの味方は1人もいなかった。
('A`)「本当にこんな展開鬱だ」
- 44: 声優(東京都) :2007/04/04(水) 21:18:00.99 ID:SPBjeLoH0
〜一方城の中では〜
(#´_ゝ`)「うおぉぉぉぉおおおおお!! 三十七式波動球!!!」
(´<_`#)「なんの!! 超ウルトラグレートデリシャス大車輪山嵐!!!」
(;´_ゝ`)「あれはワシの百八式より危険だぁー!! みんな伏せやーっ!!」
刹那、爆発音。
上がる砂煙。
見えない兄者の姿。
(メメ´_ゝ`)「いたたたた…… 弟者、少し気合い入りすぎだぞ」
砂煙が晴れてきた頃、兄者がやっと姿を現す。
(´<_` )「悪い悪い、格ゲーになると少し力が入りすぎてな」
- 46: 声優(東京都) :2007/04/04(水) 21:19:15.61 ID:SPBjeLoH0
どうやら2人は城内で格ゲーの技を試していたようだ。
互いに右手にはラケットが握られているところを見ると少々風変わりな格ゲーなのだろうか。
(メメ´_ゝ`)「とりあえず弟者、今の衝撃で俺は閃いたぞ」
弟者の技で受けた傷を気にすることもなく兄者は話し出す。
(´<_` )「ん? 何をだ?」
(メメ´_ゝ`)b「この話に新展開をもたらす方法をだ」
d(´<_` )「そんなことを思い付くなんて流石だな兄者」
- 47: 声優(東京都) :2007/04/04(水) 21:20:39.33 ID:SPBjeLoH0
遂にこの話に新展開をもたらせる。
つまりは目標を達成する方法が判明したのだ。
しかし、何処か浮かない顔で兄者は話を続ける。
(;メメ´_ゝ`)「ただこの方法だと……」
(´<_`;)「……え?」
話を聞いた弟者も思わず驚嘆の声を上げ、右手に握られたラケットが音を立てて床に落ちる。
果たして兄者の提案とはどのような物なのであったのだろうか。
(´<_`;)「でも…… それしかないかもしれないな……」
弟者の声が虚しく響く。
床のラケットはそれに答えることはない。
寂しげな静寂が城を包んだ。
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