( ^ω^)と(*゚ー゚)は恋人同士のようです

  
155:理系(大阪府) :2007/04/22(日) 19:04:56.73 ID:+W80BKbE0
  
( ^ω^)と(*゚ー゚)は恋人同士のようです

第5話「ガールズスタンド」


しいを送るために家の外に出たブーン。
冬の乾いた夜空は輝いていて、少し綺麗に思えた。


(*゚ー゚)「ねえブーン。」
( ^ω^)「お?」


(*゚ー゚)「ちょっと外散歩しない?」
( ^ω^)「お。いいお!」



  
156:理系(大阪府) :2007/04/22(日) 19:05:27.30 ID:+W80BKbE0
  
( ^ω^)「前までだけだとおもってサンダルできちゃったおw」
(*゚ー゚)「生活感丸出しじゃんw」

( ^ω^)「これからはちょっと気を使うおw」
( ^ω^)「お!」

ブーンはしいに手を差し出す。
(*゚ー゚)「ありがと♪」

二人の手はつながれ、影は一つになった。

(*゚ー゚)「あのさ、ブーン。やっぱりちょっと…元気がないみたいにみえるよ?」
( ^ω^)「そ、そうかお?ブーンは元気だお?」

しいが立ち止まった。

(*゚ー゚)「何か言いにくいことがあるの?気にせずいってくれていいんだよ?」
(*゚ー゚)「言わないようにする努力より、言えるようになる努力、だよ♪」

(*゚ー゚)「あたしはブーンの言ったことを正面から受け止める。それじゃダメ…かな?」

( ^ω^)「しい、ありがとうだお。」

ブーンはしいを抱き寄せる。
(*゚ー゚)「わわ!」



  
157:理系(大阪府) :2007/04/22(日) 19:06:17.29 ID:+W80BKbE0
  
( ^ω^)「気にしてくれてるだけでもすっごいありがたいお!ブーンは大丈夫だから、心配しなくても大丈夫だお!」
(*゚ー゚)「…そっか♪いつでも苦しくなったらいってね?」
( ^ω^)「約束、するお。」

(*゚ー゚)「じゃ、お散歩再開だね♪」
( ^ω^)「おーん。」

(*゚ー゚)「そういえば、ブーン8月生まれだったよね?」
( ^ω^)「そうだお!しいはいつだお?」

(*゚ー゚)「あれー?彼女のことくらいしっててほしかったなw」
(*゚ー゚)「あたしは11月。11月1日だよ。」

( ^ω^)「1のゾロ目だお!すごいお、しい!」

(*゚ー゚)「そんなにほめてくれなくてもw」

(*゚ー゚)「あれ、こんなところに公園なんてあったんだ!」
( ^ω^)「そうだお!ブーンは小さい頃この公園でよく遊んだお!」

( ^ω^)「この公園は、ロリータ三角公園っていって、ここらへんのマンションとか住宅に住む子供がよく集まる場所だお。
この前あった、ドクオやツンとも、小学校中学校時代によくここで遊んだお!」

自分で言った瞬間、ハッとした。



  
158:理系(大阪府) :2007/04/22(日) 19:07:30.53 ID:+W80BKbE0
  

――ツン。



(*゚ー゚)「……。」

(*゚ー゚)「ツンちゃん…と、何かあった?」
(*゚ー゚)「今、ツン、っていったときに…なんか変だったよ?」

(*゚ー゚)「…隠さないで、言って?ブーン。」

しいを不安にさせている。
行き場のない怒りと、自分への嫌悪が体にしみていくのがわかった。
もう、言うしかない。


( ^ω^)「…。…言われたお。」
(*゚ー゚)「……。」

( ^ω^)「好きだ…って、言われたお。」



  
159:理系(大阪府) :2007/04/22(日) 19:08:20.89 ID:+W80BKbE0
  
(*゚ー゚)「……。そっか。やっぱり、ツンちゃんの気持ちはおっきかったんだ。」
( ^ω^)「お?なにかいったかお?」

(*゚ー゚)「んーん。なにもいってないよ。」

(*゚ー゚)「ブーンは……どう思った?」
(*゚ー゚)「ツンちゃんに、好きっていわれて、ブーンはどう思ったの?」


( ^ω^)「ブーンは…うれしかったお。」

正直に、言ってしまった。
僕は、ツンに好きっていわれて、うれしかったんだ。

しいに言われた好きとは、また違ったけど、うれしさに変わりはなかった。

(*゚ー゚)「そうだよね…うれしいよね。」
( ^ω^)「うれしかったんだお…でも、しいに言われた好きとはまた違ったうれしさだったお。」


――思ったことをすべて口に出してしまう僕を呪った。

(*゚ー゚)「……違った…って?」



  
160:理系(大阪府) :2007/04/22(日) 19:08:53.27 ID:+W80BKbE0
  
しいは、少し不安を帯びた目で僕を見てくる。
不安にさせた僕は、心配させた僕は、バカだ。


しい、ごめん。ごめんなさい。

僕の一番は、しいなんだ。

一番だけど、二番と三番なんて、無い。

しい、だけ。

しいだけ、なんだ。



( ^ω^)「違ったんだお。しい。」

( ^ω^)「ブーンは、しいの『好き』が欲しかったんだお。」
(*゚ー゚)「あたしの…好き?」

( ^ω^)「そうだお。」
( ^ω^)「しい以外の『好き』は、ブーンにはうれしいだけだお。」

(*゚ー゚)「…そっか。」

(*゚ー゚)「ツンちゃんに好きって言われて……なんて答えたの?」

( ^ω^)「ブーンには、しいがいる…ってこたえたお。」



  
161:理系(大阪府) :2007/04/22(日) 19:09:16.30 ID:+W80BKbE0
  
(*゚ー゚)「…ありがとう。」

こんな情けない僕を好きでいてくれるしいを、あらためて好きになった。
しい、ありがとう。

(*゚ー゚)「ブーン…。」

公園の中、青白く光る砂場を横目に、僕たちはキスをした。

その日と次の日は、しいの唇の感触が忘れられずにいた。


( ^ω^)と(*゚ー゚)は恋人同士のようです


第5話「ガールズスタンド」完



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