( ^ω^)ブーンの通う学校に痴女が来たようです

  
3: 歌手(樺太) :2007/04/09(月) 20:11:00.25 ID:z2vcaDleO
  

 >>1乙です。

 この作品はドロドロ恋愛アドベンチャーです。
 なので童貞の方々に閲覧はお勧め出来ません。

 では投下始めます。



  
8: 歌手(樺太) :2007/04/09(月) 20:14:14.86 ID:z2vcaDleO
  

 ※

( ^ω^)「今日はいい天気だお!」

 春だぜ。あぁ、春だ。
 春といえば桜や菜の花、それに心地よい陽気。
 しかし僕にとって春という季節は女性を意味する。
 それは何故かというと三つ程の理由があるのだが――

 いや、そんな事より今は風が気持ちいい。
 例えるならば夏に扇風機が作り出すような生暖かい風。
 外気の涼しさと相まって、それが柔らかく感じた。

 入学式に入社式。クラス換えに、転校生。
 人々が"出会い"を体験する、それはもう素晴らしい季節。
 僕という人間は、そんな季節に生まれる事が出来た。

( ^ω^)「新学期早々遅刻をしてしまった訳だが……
       致し方ない。HRには遅れて行くしかないお」



  
9: 歌手(樺太) :2007/04/09(月) 20:15:07.74 ID:z2vcaDleO
  

 そう、僕は高校二年生。
 ここVIP高校の生徒である僕は、期待に胸を膨らませていた。

 だってよく考えてみてよ。
 一年生は新しい環境に慌てて、馴染む事で精一杯。
 三年生は進路やら何やらで大忙し。
 僕ら二年生は、一番楽で楽しい一年を送れるのだ。

( ^ω^)「桃色ってレベルじゃねーくらいの学園生活。
       僕は、そういうギャルゲー並の生活が夢なんだお!
       ……なのに最近は、野郎ばっか寄ってきて困る。
       くそみそばかりのこんな世の中じゃ――」

 ポイズン。
 因みに僕はGTOの愛読者なんだよね。
 お勧めシーンは鬼塚が腕相撲するとこかな。
 いや、もしかしたら渋谷とのバトルシーンの方が……

 「あの、ハァ、ッちょっ、と、いいでしょぅ、か」

( ^ω^)「……ん? 誰だお?」

 恐らくは女性のものであろう声に、振り返ってみる。
 そこには、息を切らした少女が立っていた。



  
10: 歌手(樺太) :2007/04/09(月) 20:16:20.80 ID:z2vcaDleO
  

 ※

ξ;゚听)ξ「やだもう、何で遅刻しちゃうかなぁ」

 せっかく今日から転入生としてキャラを作るのに。
 最初から遅刻なんてしては、計画が台無しね。

ξ ><)ξ「ってキャア!」

 ビチャッ!

ξ ゚听)ξ「いたた……なんなのよ、もう……水溜まり?
      ……ひどいよ、なんで私にいじわるするの!」

 前から転んでしまったのは誤算だった。
 私のスカートはびちょ濡れで、なんだか気持ち悪い。
 それでも、始業式に遅刻だけはしちゃいけない。

 そう。私は、このドジっ子キャラを変えるのだ。
 もちろん目指すは最強萌え属性――ツンデレ。
 ツンという名前なのだから、ツンデレを目指しても不思議じゃないよね。

 私はツンデレとなり、攻める人間になるのだ。
 それはもう、『ちょwwwwおまwwwねーよwwww』ってぐらいに。
 あ、間違えた。『うはwwwwwwwモエスwwwww』ってぐらいに。



  
11: 歌手(樺太) :2007/04/09(月) 20:17:36.81 ID:z2vcaDleO
  

ξ ゚听)ξ「えーっと……ここで合ってるよね……」

 この地域には、二つの高校が建っている。
 一つは私の通う、VIP県立VIP高等学校。
 もう一つは向かいに構える、私立のラウンジ学園だ。

ξ;゚听)ξ「わかってるわかってますともこの展開……!
      私の事だ、最悪の場合『てへ、行く学校間違えちゃった☆』
      みたいになってしまう事もあり得る。
      ここは冷静に、道を聞くのが英断ね……」

 そう考えた瞬間、すぐ前を歩く制服姿の人間を発見した。
 時間を見ると既に遅刻決定だったのが悔しい。

ξ ゚听)ξ(あ、もしかすると……あそこの学校かな?)

 私は濡れたままのスカートを、絞るように押さえる。
 片手に鞄を持ち、全速力でその人物に向かって行く。
 追いつき、息を整える間もなく声をかけた。

 ああ、優しそうな人ね。
 この人なら親切にしてくれそうだ。



  
12: 歌手(樺太) :2007/04/09(月) 20:18:56.93 ID:z2vcaDleO
  

 ※

ξ;゚听)ξ「あの、ハァ、ッちょっ、と、いいでしょぅ、か」

 その声が聞こえた瞬間、僕は間違いなく春を感じた。
 去年まではキモくもなくカッコよくもなく……
 そんなポジションにいた僕に、フラグが立つのではないかと。
 僕のタイプである純真無垢で清楚な女の子が、声をかけてくれるのかと。

( ^ω^)「……ん? 誰だお?」

ξ;゚听)ξ「あのぉ、っはぁ、ここがVIP高校で、大丈夫っぁ、ですか?」

( ^ω^)「……」

 スカートから滴る、水滴。
 ……君は何故に、自らの股間を押さえながら喘ぎ声を出すんだ。
 うん……どうみても濡れています本当にありがとうございました。

(;。ω。)「痴女は嫌いだおぉぉぉっおぉぉぉぉぉお!!!」

 僕はその場から逃げ出した。
 目の前の少女に、襲われるかと思って。

ξ;゚听)ξ「痴女……?」

ξ ;凵G)ξ「ふえぇ……ひどいよぉ……」

 本日ハ晴天ナリ。
 そんな単語が、頭の隅をかすめた。



  
13: 歌手(樺太) :2007/04/09(月) 20:21:03.59 ID:z2vcaDleO
  

      『お兄ちゃん、遅刻しちゃうよぉー!』
          ――お節介な幼なじみ――
   『もう、ブーン君ったら……昔から、変わってないなぁ』
          ――口煩い妹――
          『先輩、これ、あの……お弁当です……』
          ――引っ込み思案な後輩――
 『ああーっ! それ僕のおかずだよーっ!』
          ――部活熱心な僕っ娘――


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☆☆☆☆☆☆( ^ω^)ブーンの通う学校に痴女が来たようです☆☆☆☆☆☆
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              『だが断ギャアアアアアアア!!』
          ――男達の奪い合い――
  『昨日転校してきたツンちゃんさー』
          ――広まる誤った噂――
        『やらないか』
          ――リアルHOMO――
    『お前って空気作者だよなー』 俺『ごめん』
          ――突き刺さる一言――



  
14: 歌手(樺太) :2007/04/09(月) 20:22:17.04 ID:z2vcaDleO
  

 昨日の不思議体験アンビリーバボー。
 その嵐が過ぎ去った学校は、いやに静かだった。

 ある者は美少女転入生の話題。
 ある者はさすらいのツンデレ痴女の話題。
 僕ら三人組は、その後者側の話をしていた。

('A`)「よ、何とか落ち着いたみたいだな」

( ^ω^)「いや……ヤバいってレベルじゃなかったお」

(´・ω・`)「まさかあの娘が巷で有名な"ツンデレ痴女"だとはね。
       流石の僕も度肝を抜かれてしまったよ」

 ドクオとショボンが、交互に声をかけてきた。
 この二人とは幼なじみであり親友である。
 割り切った話を出来る、たった二人のグループなんだ。

('A`)「そういやぁ今日、ツンちゃん遅いな。
    もしかしたら露出してんじゃねーか?」

( ^ω^)「まさかwwwwあり得ねーおwwww」



  
15: 歌手(樺太) :2007/04/09(月) 20:23:18.02 ID:z2vcaDleO
  

ξ ゚听)ξ「おはよう」

( 。ω。)「ギャアアアアアアア!! 痴女っうぇぉぇえ!!!」

('A`)「ブーン落ち着け! 今のところツンちゃんは正常だ!」

(´・ω・`)「今のところね」

ξ;゚听)ξ(え……今のところ正常って……
      私何か変な事したかしら……いいえしてないわそんなはずないわ!
      昨日はずっと"ツンデレ"を演じていた……
      だから私が実は"ドジっ娘"なんて知られてないはず!
      そうよ何を慌てているのツン! 私は至って正常よ!)

(;^ω^)「……ハッ! 脳が赤信号を……
       いや、二人共騙されちゃいけないお!
       こいつはとにかく変態だお……
       おら、次は一体何をする気なんだお!?」

 僕が質問をすると、彼女は待ってましたと言わんばかりにニヤつく。
 しかし可愛い。可愛いけど、やはり痴女は嫌いだ。



  
16: 歌手(樺太) :2007/04/09(月) 20:25:14.36 ID:z2vcaDleO
  

ξ*゚听)ξ「な、何言ってんのよ、このピザが!
      あんたに痴女呼ばわりされる覚えなんて、無いんだから!」

( ^ω^)「……」

ξ ゚听)ξ(これ完璧だろーwwwwwwwツンデレだろーwwww)

 痴女呼ばわりされる覚え……いやあるだろ。
 僕の前で自慰をしてたくせに、何を言っているんだ。
 天然やドジっ娘なら守備範囲だけど、流石の僕でも痴女はねーわ。

('A`)「ははは。そういやツンちゃんさ、どこ住み?
    転入生だけど、家は近いんだったよね」

ξ ゚听)ξ「ええ。ラウンジ駅前の集合住宅よ。
      べ、別に教えたくて教えた訳じゃないんだから!」

('A`)(うわーすげーキャラ作ってるわー……
    もしかすると素性は"ツンデレ痴女"じゃなくて"只の痴女"なのかなぁ)

(´・ω・`)「あ、僕とブーンもラウンジ駅前だよ。
      もし良かったら帰り一緒に帰らない?
      案内とかしたいし、自己紹介なんかもしたいし」

ξ ゚听)ξ「いいわよ。じゃあ帰りに校門の前でね。
      す、少しでも遅れたら、許さないんだから!」



  
17: 歌手(樺太) :2007/04/09(月) 20:26:28.56 ID:z2vcaDleO
  

 彼女はそう言って、ぷりぷり怒りながら席に着いた。
 残された僕ら。共通ではない、疑問が出来ていた。

( ^ω^)「あの娘は本当になんなの?」
('A`)「あの娘は本当にツンデレなのか?」
(´・ω・`)「あの娘は本当に痴女なのかい?」

( ^ω^)「OKお前ら、時に落ち着け。
       まずは一つずつ疑問を解消していくお」

('A`)「じゃあまずは俺の疑問からだが……」

( ^ω^)「は? 普通は僕の疑問からじゃないの?」

(´・ω・`)「というか、『何なの?』って疑問点がはっきりしてないよね。
      疑問というよりは君の心情じゃないのかい」

('A`)「だから俺でいいじゃん」

( ^ω^)「はっ?」

(´・ω・`)「君話聞いてた?」

('A`)「ひっど。お前らひっど」



  
19: 歌手(樺太) :2007/04/09(月) 20:29:30.66 ID:z2vcaDleO
  

( ^ω^)「チンカスは黙ってろお。
       それよりショボン、お前とは拳で語り合う日が来たらしいな」

('A`)「ちょっと待って、チンカスって誰?」

(´・ω・`)「いいね、かかってきなよピッツァ。
      先に言っておくけどドクオちょっと黙ってろ」

('A`)「ふーん。お前らの気持ちよく理解した」

( ^ω^)「僕……ドクオのそんな優しい所好きだお」

('A`)「俺お前に助太刀するわ」

(;´・ω・`)「な……汚いぞお前ら!」

( ^ω^)「世の中多数派が支配する世の中なのだよ!」

('A`)「今だショボン、やれ!」

( ^ω^)「羽交い締めとかwwww」
( ^ω^)「やめろ!」

(´・ω・`)「多数派が支配するwwwww世の中なのだよwwwwwwww」

('A`)「だよwwwwwww」

( ^ω^)「wwwwwwwwwwww」

('A`)「何で俺が殴られてんのwwwwいたwwいwwwwww」



  
20: 歌手(樺太) :2007/04/09(月) 20:30:30.73 ID:z2vcaDleO
  

   キーンコーンカーンコーン
 下校時間になりましギェエエエエエエ!!!
 誰か助けギギギギギギギギギギィ! アアアアア!!
   キーンコーンカーンコーン



('A`)「じゃあなー」

( ^ω^)「二度と学校来んなおー」

(´・ω・`)「一生顔見せないでねー」

('A`)「遺書にお前らの名前書いとくから」

 チンカスと別れた僕らは、隣にいる痴女に目を向ける。
 心なしか顔が紅潮していて色っぽさを感じた。
 だけど、どうせ穴に何か挿れてるんだろうな。

( ^ω^)「気をつけるおショボン……隙を見せちゃ駄目だお……
       この娘は自らの快感のためなら……いやこれ以上は言えない」

(´・ω・`)「なんともはや……」



  
21: 歌手(樺太) :2007/04/09(月) 20:32:16.95 ID:z2vcaDleO
  

ξ;゚听)ξ「さ、さっきから、なんて言い掛かりつけるのよ!
      私は一度もそんなオ……そんな行為、した事ないんだから!」

( ^ω^)「嘘つくなお! この目でしかと見たんだお!
       君が快感に身を委ねて、そのスカートに染みを作っていた事実を……!」

ξ;゚听)ξ「染み……? ……ちょ、違うわよ!
      あれは、ただ水溜まりにはまっちゃっただけなんだから!」

( ^ω^)「じゃあ、どうしてスカートの前が染みてたんだお!
       お前が……アレをコレしたからじゃないのかお!!」

ξ;゚听)ξ(駄目だわ駄目よツン……ここで引いちゃ駄目よ!
      こんな所で『私ドジだから、つまづいてそのまま突入しちゃったんだニャン☆』
      なんて言ったら、それこそツンデレという化けの皮が剥がれてしまう!
      そうよ、ここはこの状況を利用すればいいの。
      ツンデレっぽく回避すれば、一石二鳥じゃない!
      ああなんて才女なの私! なんて策士なの私!)



  
22: 歌手(樺太) :2007/04/09(月) 20:33:56.44 ID:z2vcaDleO
  


ξ#゚听)ξ「何で水溜まりにはまったかなんて、決まってるじゃない!
      私 が 濡 れ た か っ た か ら よ !」





(;´・ω・`)「Mだーーーーーーーーーー!!!」
(;゚ω゚)「M痴女だーーーーーー!!!
ξ#゚听)ξ「ぬわーーーーーーーーーーーー!!!」



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