ξ゚听)ξツンが感情を喰うようです

89: ドラッグ売人(コネチカット州) :2007/04/17(火) 23:59:48.87 ID:NMmYom8aO
  
6 ヘイトレッド



(´・ω・`)「感情を喰うっていうのはメリットではない
      ツンさんのように、喰えないと苦しむばかりだからね」


時計は午前11時を指し示す
私は高岡の恐怖を喰った事で、
最低だった体の調子は嘘のように治っていた

バーボンハウスは昼は喫茶店、夜はバーらしい
今バーボンハウスには、私達以外にお客はいない
しかしバーになればそれなりの盛況を見せるとか



91: 新宿在住(コネチカット州) :2007/04/18(水) 00:01:14.79 ID:MurNK6KgO
  
リラクシィと同じく、ショボンさんは
お客さんの憎しみを喰うそうだ。
それが中々評判で、『ヘイトレッド』の異名を持つとか


从 ゚∀从「金儲けに使ってる癖によく言うぜ…」

(´・ω・`)「マイナスをプラスにしているだけさ
      憎しみなんか尚更不要だよ」

ξ゚听)ξ「でもそれは…個人を否定しています」

(´・ω・`)「そうかもしれないね
      でも、人にぶつけるよりマシさ」


憎しみが怒りと違う点
危害を加えるか、加えないか、だ。


( 'A`)「…物は言いようだな」

(´・ω・`)「…この論議、結論は無いよ」


ショボンさんは間を置き、また話しだす
彼も、気にはしているのかもしれない



92: チーマー(コネチカット州) :2007/04/18(水) 00:02:56.98 ID:MurNK6KgO
  
(´・ω・`)「感情は見えない。相手のなんか特にね
      それを僕らは喰うんだ、不必要問わず」

从 ゚∀从「人が奪ってるみたいに言うなや」

( 'A`)「お前は奪ってるだろ」

从 ゚∀从「…否定できん」


高岡はどうやって感情を喰っているのか気にはなったが、
私にはまだ大きな疑問が残っていた


ξ゚听)ξ「感情は定期的に
     喰わないといけないんですか?」

(´・ω・`)「んーそうだねぇ…例えると」


ショボンさんは透明なグラスを棚から出して、
お茶をふち一杯に並々注いだ


(´・ω・`)「これを高岡ちゃんの、さっきの状態とする」

从 ゚∀从「タンマ」



94: チーマー(コネチカット州) :2007/04/18(水) 00:04:02.59 ID:MurNK6KgO
  
(´・ω・`)「…何?」

从 ゚∀从「高岡ちゃんはやめろ」

(´・ω・`)「下の名前は?」

( 'A`)「ハインリッヒ」

ξ゚听)ξ「え?ハーフなの?」

( 'A`)「いや…」


ドクオ君は携帯を取出し、いじる
3秒程で私とショボンさんに画面を見せた


(´・ω・`)「なにコレ」


そこには

覇陰律火

と書かれていた



96: 新宿在住(コネチカット州) :2007/04/18(水) 00:06:04.18 ID:MurNK6KgO
  
ξ゚听)ξ「覇陰律火って…まさか」

( 'A`)「コイツの名前」

从 ゚∀从「かっこいいだろ!」

(;´・ω・`)「何というDQN名…」

ξ;゚听)ξ「当て字ってレベルじゃねーわ」

从 ゚∀从「どういう意味だ?」

( 'A`)「格好いいってよ」

从 ゚∀从「ギャハハ!そうだろそうだろ!」


嬉しそうにバンバンと机を叩く覇陰律火


(´・ω・`)「彼女は…頭でも打ったのかい?」

(;'A`)「かもしれん…」



98: チーマー(コネチカット州) :2007/04/18(水) 00:08:23.19 ID:MurNK6KgO
  
ξ゚听)ξ「じゃあハインって呼ぶわよ?」

从 ゚∀从「うむ、くるしゅうないぞよ」


ふんぞり反るハイン
馬鹿だ…


(´・ω・`)「さて、このコップがハインちゃんの状態だ
      ハインちゃんはリング2を見て、恐怖が最大限まであふれ出た」

( 'A`)「お茶が恐怖ってか」

(´・ω・`)「そう、そしてツンちゃんが…」


ショボンさんがお茶を一気に飲む
コトリと置いたコップは、すっかり空になっていた


(´・ω・`)「げぷ、コレがハインちゃんの現在の状態」

从 ゚∀从「恐怖は0ってか」

(´・ω・`)「そう、コレが喰われる側
      ツンちゃんが知りたいのは次」



99: 新宿在住(コネチカット州) :2007/04/18(水) 00:10:47.19 ID:MurNK6KgO
  
ショボンさんはまたコップにお茶を注いだ

(´・ω・`)「コレがツンちゃんの…箱」

ξ゚听)ξ「箱?」

(´・ω・`)「感情を入れておく所さ、要は心かな。
      心が感情を欲するのか、
      箱が欲するのかは知らない」

( 'A`)「ショボンが勝手に付けた名前だ」

(´・ω・`)「今ツンちゃんの箱は満杯だね」


確かに…今、心は感情を欲してはいない
ついさっきまで、空腹と同じように心も空を知らせていた
高岡の恐怖を喰った事で私の箱は満足したのか…


(´・ω・`)「箱の中身が減る条件、それは…」


ショボンさんは、またコップをグイッと飲み干した


(;´・ω・`)「うっぷ…使用すると減る」

从 ゚∀从「わざわざ飲むなよ…」



100: 新宿在住(コネチカット州) :2007/04/18(水) 00:12:20.53 ID:MurNK6KgO
  
ξ゚听)ξ「使用…?」

(´・ω・`)「ツンちゃんが恐怖を感じれば、
      その分だけ箱の中の恐怖も減るのさ」

ξ゚听)ξ「…なるほど」


もしかしたら私は、前から喰う必要があったのかな…
恐怖なんて…そう感じる物じゃないし
そうだ…私は恐かったんだ

食べても食べても肥えない心が。
それで、どんどんすり減ってったんだ


ξ*゚听)ξ「なんか…すごい安心した」

(´・ω・`)「ツンちゃんや僕は減りにくいからね」

从 ゚∀从「俺も悲しいなんて思わねぇぜ」

ξ゚听)ξ「でしょうねぇ〜」

从 ゚∀从「…?」



101: 新宿在住(コネチカット州) :2007/04/18(水) 00:14:21.65 ID:MurNK6KgO
  
すごい安心した…これで大丈夫
私は生きられるんだ
ブーンと…居られるんだ…


(´・ω・`)「残りは僕の見解では2人」

ξ゚听)ξ「喜びと…嫉みですよね」

从 ゚∀从「軟弱ドクオちゃんは、
     幸せを喰う奴が居るのか気にしてるんだよなぁ〜?」


ハインがドクオの顔を覗き込み、言った

幸せを喰う。そんなの…


( 'A`)「どうなんすか?ショボンさん」

(´・ω・`)「幸せの定義は僕にはできないよ
      まぁそれは憎嫉恐にも言えるけどさ。
      幸せは感情じゃないと…思う」

( 'A`)「…曖昧っすね」

ξ゚听)ξ「しぃさんから聞いたんですけど、
     どうやって調べたんですか?」



102: 新宿在住(コネチカット州) :2007/04/18(水) 00:16:04.78 ID:MurNK6KgO
  
(´・ω・`)「それは…」


ショボンさんの表情が曇る


从 ゚∀从「それは言えないんだってよぉ〜」

(´・ω・`)「すまないけど、そろそろお昼時なんだ
      悪いけど…今日は帰ってもらえるかい」

ショボンさんは急に私達に背中を向け言った


( 'A`)「…帰りましょうツンさん」

ξ゚听)ξ「え…あ、うん」

从 ゚∀从「…ヘッ」




バーボンハウスの前の道路
ドクオ君が口を開く



103: チーマー(コネチカット州) :2007/04/18(水) 00:18:03.76 ID:MurNK6KgO
  
( 'A`)「ヘイトレッド…リラクシィもさ」


彼は眉間にシワをよせ、下を見て吐き捨てる


( 'A`)「俺は信用できねぇ」


そう言うとドクオ君は何処かに歩いて行った


从 ゚∀从「…ツン」

ξ゚听)ξ「なに?」

从 ゚∀从「何かあったら呼べよ」


そう言うとハインは丸めた紙を私に放り投げ、
ドクオ君が去った方向へ走っていった


ξ゚听)ξ「ハインのアドレスかな?」


ドクオ君の言葉は気になる
けれど、私はそれ以上に嬉しかった
私は紙をポケットに入れ、家に帰った



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