( ^ω^)エアーがクオリティーを育てるようです

19: 声優(福島県) :2007/04/10(火) 21:07:26.72 ID:m+0QWMY90
  
下は黒靴、上は黒帽子。身体は子供、頭脳は大人みたいなもんだ。
でもって全身黒ずくめな俺の名は兄者。
色々あって指名手配されているナイスガイです。
脳内で自己紹介と言うのもよく考えたらキモいが、今回は一人称という形式を取っているので仕方が無い。視点は俺だ。文句を言うな。

( ´_ゝ`)「うぅ……寒い……」

不審者狩りの騒動から四ヶ月の月日が経った。
季節はウィンター、今は夕方。おでんが美味い時間帯だ。
北風の吹く並木道を抜け、24時間光り輝く箱の前に立ち止まる。

って言うか俺気持ち悪っ。
何故自分の行動を脳内で実況しながら生きてるんだ。
下手糞な比喩まで交えやがって。何だよ24時間光り輝く箱って。
直接コンビニって言えば良いじゃない、誰かが聞いてる訳じゃないんだから見栄を張るな。

そんなこんなで自動ドアが開く。
時間と機械は待ってくれない、人間はいつも置いてきぼりだ。

(´<_` )「死ねいらっしゃいませ!!」

レジにはたった一人の血を分けた兄弟、弟者の姿があった。
ホストに懲りて、今はコンビニ店員だ。
時給は多少低くても、一からやり直すには最適な仕事だと本人は言う。

元気な挨拶は良いが、死ねって聞こえたような気がする。
「shine」
なるほど、輝けという事か。
こうやって互いを励ましあっている、俺達の仲が裂ける事は絶対に無いのだ。



23: 声優(福島県) :2007/04/10(火) 21:09:41.58 ID:m+0QWMY90
  
( ´_ゝ`)「おでんくれ、こんぶとこんぶと……それとこんぶな」

(´<_` )「ヘイヘイ……飽きないね、まぁ脳味噌が単純なんだろうな」

いや、駄目だろこの店員は。
神であるお客様に対して、こんな態度は大問題だ。
こんぶを器に持っていく作業も、手際は良いがボチャボチャとやる気の無い音を立てる。

(´<_` )「ハイ、おまんとさん」

ぬわーーーーーーー!!!
おでんの汁に親指と小指入ってるじゃねーか!!
最低だろ、オーナーでもチーフでも総書記でも誰でもいいから呼んでこい。こいつ殺せ。
まずどんな持ち方してんだ。その二つの指が混浴するのはおかしいだろ。常識的に考えて。

(#´_ゝ`)「『俺達の仲が裂ける事は絶対に無いのだ。』とか思ってた俺が馬鹿だった!
      他作品の俺達を見ろ! 絶妙なコンビネーションを展開してるというのに!」

(´<_` )「そんなもんですかねぇ、1340ウォンになりまーす」

(#´_ゝ`)「テメェ……一応俺は客だぞ!まともな接客の一つもできねぇのか!!」

(´<_` )「指名手配犯が偉そうに吠えるな。俺はマニュアル通りに、
      仕事をこなしている。客層で『12歳以下』みたいな扱いにしてやるぞ。
      ニートは黙ってK-1ダイナマイトでも読んでろ!!」
  スイートハニー
俺の愛読書を見下したように言いやがって。
いくら温厚な俺と言えど、流石にハラワタが煮えくり返って、いいダシが取れそうだ。
丁度店内に他の客はいないし、ぶん殴ってやろうか。



24: 声優(福島県) :2007/04/10(火) 21:11:11.42 ID:m+0QWMY90
  
喧嘩腰になっていると、後方からガラガラと扉が開く音。あれ?手動?

('、`*川「あ、どうも……」

(´<_` )「あぁ伊藤さん、そういやもう交代っすね」

この時間帯からは彼女のシフトらしい。今知った。
挨拶を済ませ、そそくさとバックスペースに入っていったので良く確認出来なかったが、
コートの下にかつての愛犬▼・ェ・▼がプリントされているトレーナーを着ていた。ねーよ。

( ´_ゝ`)(まだあの犬の事を……)

フラッシュバックするあの朝の映像。
それは犬を相手に、不純性行為に勤しむ男の背中。

('A`;)『ハァハァ……犬たんっ!犬たんっ!』

▼;ェ;▼『キャウーン!キャウーン!』

ああ、記憶にモザイクがかけられたら、どんなに良いだろうか。
今も鮮明に甦る悪夢。画質は最高、そこらのデジカメには負けない自信がある。
うっかり油断して昼寝してしまうと、たちまちロードショーが始まってしまうのだ。
それほど刺激的な光景であった。18歳未満の方は閲覧できません。



28: 声優(福島県) :2007/04/10(火) 21:12:48.15 ID:m+0QWMY90
  
しかしあのレインボーマントイエローブリーフは銃殺されたのだ。
脱獄に脱獄を重ねた男だろうと、あっちの世界から現世に戻ってくる事は無い。
ちなみにジャイアントドクオフシンシャゼロ →【'A`】も粗大ゴミの日に出したので、
正真正銘あのガイキチも、その分身も、この世から抹消された訳だ。

さて、これ以上この場に居座り続けるのも野暮ってもんだ。
弟者もキリのいい所まで仕事をするつもりらしい。
俺はおでんの器を持って、シャイニングボックス24を後にした。












(#´・ω・`)「オラッ、こっちこい不審者め!!」

/( ´_ゝ`)\「ハイ、このパターンでーす」


( ^ω^)エアーがクオリティを育てたようです

『( ´_ゝ`)兄者は果てしなく不審者のようです 外伝前編』
    〜弟者とボクと時々、いや極稀に兄者〜



31: 声優(福島県) :2007/04/10(火) 21:14:59.72 ID:m+0QWMY90
  
(;´_ゝ`)「毎度の事だけどさぁ……いちいち取り調べすんのやめてよ
      しかも何で俺自らがカツ丼作らなきゃならないんだ……」

     この放送は明るいニートをつくるVIPと

(#´・ω・`)「ああもう、そこのカツもっと衣をつけろよ!料理の一つも出来んのか!!」

     合作(エアー)

( ´_ゝ`)「余計なお世話だ。ビニコンさえあれば料理なんてこれっぽっちも
      する必要ねーんだからwwwwwwwwwww」

     まとめサイトの方々

(#´・ω・`)「基本的生活習慣ってのがなってねぇんだよ……
       最近の若者はセクロスのやり方しか知らねぇから困る」

     その他、色んな人と西のスナイパー、ガンマの提供でお送りします。

( ´_ゝ`)「やり方は知ってるが、如何せん、実践が無いんだ。
      つーか提供やってんだから、俺ら喋るのよろしくなくね?」

(´・ω・`)「……ときに兄者、今日君を職務質問したのは他でもない。
     君の自宅から歩いて十分……いや三十分、ん〜一時間くらいかな、
     その辺りにトンネルがあるだろう?」

( ´_ゝ`)「一時間あれば大抵の場所には行けるぞ。
      トンネルとか言われてもピンとこねーよ、ポリ公マン」

(´・ω・`)「しらばっくれるなよ。そこで昨夜、殺人事件が起きたんだ」



35: 声優(福島県) :2007/04/10(火) 21:16:09.44 ID:m+0QWMY90
  
『殺人事件』
聞き慣れてしまった現代人が怖い。
しかしそれと俺に何の関係があると言うのか。
「怪しい」「きもい」「黒い」はもう聞き飽きたが、「人殺し」と言われたら、
いい人で有名な俺も奮起するぞコラ。

(´・ω・`)「君に容疑が懸けられている。今、君は罪に罪を重ねているんだよ?」

(;´_ゝ`)「んなバカな!!何処にそんな証拠があるってんだ!!」

あるはずがない。今回は潔白だ。寧ろ今回も潔白だ。
めでたい外伝なのに、俺が殺人犯になって再登場!とか酷すぎるだろう。
俺の手は汚れちゃいない。生命線は途切れてるけど。

(´・ω・`)「そのトンネル、一週間前にも同じ殺人事件が起きてるんだ」

そういうのは劇場版コナンでやってくれ。

(´・ω・`)「奇妙なんだ。昨日の被害者も一週間前の被害者も、両足が切断されている。
     死亡推定時刻はどちらも深夜、午前二時なんだよ」

( ´_ゝ`)「ふーん、午前二時トンネルに望遠鏡を担いでったわけか」

(´・ω・`)「いや全然違う……トンネルじゃ駄目だろう……
     とにかくこの事件は「ゴング」を越えた恐怖だよ。
     ガンファイターの嘘紹介を逆手に取った凶悪殺人事件さ」

(;´_ゝ`)「だから何で俺が容疑者なんだよ!!」



41: 声優(福島県) :2007/04/10(火) 21:17:54.31 ID:m+0QWMY90
  
(´・ω・`)「往生際が悪い……そこまで言うなら証拠の写真を見せてやるよ!!」

しまじろうの顔が描かれたウエストポーチから、一枚の写真が取り出される。
一週間前の事件のものらしい。

それを見て俺は絶句した。



まず、脚を切断された死体。
目を背けたくなるほどの出血だ。
暗くて顔はよく見えないが、セーラー服を着ている事から女子高生で決まりだろう。
可哀想に……いやもっと可哀想な人がいた。

俺だ。

死体の足元、いや、足はもう無いのだから臀部の近くだ。
小さく白い文字で『兄者参上!』と書いてある。
いじめだろコレ。俺が何したってんだ。

もっと信じられないのは写真中央に映っている人物。
俺の目の前にいる警官とどうやら同一人物。
右手でスリーピースを作っている。
そして左手には白いチョークが。

( ´_ゝ`)「ねぇ何これ」

(#´・ω・`)「ようやく自首する気になったか!!」

(#´_ゝ`)「ようやくお前を訴える気になったよ!!」



47: 声優(福島県) :2007/04/10(火) 21:19:25.63 ID:m+0QWMY90
  
(´・ω・`)「僕が命がけで入手したこの写真……上に通したら、
     すぐに君が容疑者として浮かび上がった。なんせこれだけ堂々と、
     自分の名前を残すとは……大胆不敵で格好良いけど、愚策だよ兄者」

(;´_ゝ`)「お前以上にキャリアの方々が許せないぞ!!
      ド真中でお前ピースしてるじゃん!兄者参上も自分で書いたんだろう!?」

(´・ω・`)「自分の容疑を晴らしたかったら、真犯人を捕まえてみるんだな兄者!!」

読めた。それが本題か。
俺が容疑者というのも真っ赤な嘘。全てはこの孔明もとい公務員が仕組んだ罠だ。
俺に真犯人を捕まえさせ、(最悪相打ちでおk)手柄を横取りする気じゃないか。
危険な事は他人に押し付け、美味しい蜜は自分だけ啜ろうって魂胆が丸見えだ。
もしかしたら今まで指名手配の俺を捕まえなかったのは、単に親しいからではなく、
こういう事態に備えて、あえて放置したのでは?
もし断れば、躊躇も無く、この男は俺の手に輪を掛けるのではないだろうか。

そう考えたらショボンという男が恐ろしい者に見えてきた。
デビルだ。いや、デーモンの召喚だ。サターンだ、セガサターンだ。

(´・ω・`)「これで君が活躍すれば、不審者狩りの一件はチャラになるかもね。
     そもそも本部のちんぽっぽさんが街を破壊した主犯みたいなもんだったし、
     世間はそれほど君の事を危険視していないよ。つーかシカトしてる」

( ´_ゝ`)「それは聞き捨てならん……公務員をギャフンと言わせてやるぜ」

不審者だってやれば出来るという事を世に知らしめてやりたい。
そうすれば街を歩いていても、変な目で見られずに済む。寧ろヒーロー扱いだろう。
将来の夢が不審者になる子供達だって増加するはずだ。日本始まったな。
ゆくゆくは俺の歌手デビュー、おふくろさん改め、ふしんしゃさんが光を浴びる。



49: 声優(福島県) :2007/04/10(火) 21:21:24.33 ID:m+0QWMY90
  
川 ゚ -゚)「お帰り、遅かったな。バケツにカレーがあるから食え」

家出という伏線を放置されたままの女、クーは紫色のエプロンを着て待っていた。
今は亡き、不審者協会の会長ドクオを崇拝しており、
めちゃくちゃブレてる写真が飾られた仏壇にはカレーがぶっかけられている。

( ´_ゝ`)「仏壇にカレーをかけるな!インド人もビックリするわ!!」

それ以前に床は畳なんだから染みがつくだろうが。
こういう常識というものが欠如しているのだよ、今の若者は。
そもそも死者に対してカレーはねーよ。

川 ゚ -゚)「しかし……会長が死んでから、もう半年は経つな。
     天国で通報されてないだろうか、そればかりが不安で仕方が無い」

( ´_ゝ`)「天国には行けないだろう……あの男は」

ここ最近、そんな会話ばかりしているが、会長の遺体は未だ発見されていない。
我々は実際に銃殺される瞬間を見ているのだから、殺された事は事実である。
だが、すぐに巨大ロボによる戦闘が始まって、会長死亡どころでは無かった。
よって誰が会長の亡骸を回収したのか、それだけが謎であった。


とりあえず俺はバケツに隆々と盛られているカレーを食べ始めた。





(;´_ゝ`)「グフッ……ポケモンカレーかよ……」



50: 声優(福島県) :2007/04/10(火) 21:23:00.85 ID:m+0QWMY90
  
午前一時半・イワヤマトンネル

辺りは真っ暗、闇の空間だ。
蛍光灯の一つでも設置してくれれば……いや、今の時代はLEDだ。
しかしこのトンネルの暗さは異常。そりゃ事件も起きますよ。

(´・ω・`)「遅かったな兄者、ウォーリーに赤丸書いて図書館の人に怒られてたのか?」

(;´_ゝ`)「そんな非道な事するか。暫く腹痛で動けなかったんだよ。カレーの所為で。
      てか、今夜犯人が訪れるっていう確かな証拠はあるのか?」

(´・ω・`)「無いよ。それより聞いてくれ、第一の事件の被害者は女子高生、
     第二の事件では女子中学生がやられている。この事から推理すると、
     次の標的は恐らく――――――――女子小学生だ!!」

(;´_ゝ`)「今無いって……アレ?聞き間違いかな……
      もしかして犯人が現れる日まで、毎晩こうして待機するんじゃ……」

(´・ω・`)「その通り!」

( ´_ゝ`)「20番で」

(´・ω・`)「黒の兄者さん、20番に飛び込んだっ!(ポンポンポーン)
     あ〜これで一面真っ黒に染まりましたね〜、未来を暗示しているかのよう!
     優勝者の兄者さん、感想を一言」

( ´_ゝ`)「帰っていいすか?」



56: 声優(福島県) :2007/04/10(火) 21:26:40.20 ID:m+0QWMY90
  
同時刻・ラブホテル「むじんはつでんしょ」

(´<_` )「いや、本当何もしないから。マジで」

('、`*川(こんな場所に連れてきて、何もしないなんてありえない……
     弟者君がいい人なのは知ってるけど……やっぱりこういうのは良くない……)

(´<_` )「何にもしないって本当!ここ料金タダだしね!
      いやマジ信じてよ伊藤さん、俺の眼を見てくれ!
      俺が無理矢理女性を襲うような男に見えるか!?
      己の欲求のために、他人を傷つけるような人間に思えるかい!?」

('、`*川「思います、見えます」

(´<_`;)「…………」

('、`*川「家で一人、妹が私の帰りを待ってるんです。それじゃ」

(´<_`;)(帰っちゃった……やはり俺の口説きテクニックが衰えたのか)

( ^ω^)「ちなみに説明しよう!
      このラブホテル「むじんはつでんしょ」は弟者の言った通り、
      無料の施設だお。セクロス最中にベッドがギシギシするのを、
      エネルギーとして電気を生み出す素晴らしい発電所だお!!
      実際にこんなホテル出来るといいNE!」

('、`*川(もぅ……何やってんだろあたし。しぃはもう寝てるよね……
     用意しといた夕飯食べたかな。もうすぐ家に着くからね……今日はごめんね)



59: 声優(福島県) :2007/04/10(火) 21:28:40.00 ID:m+0QWMY90
  
一方こちらは伊藤さん宅。
幼いしぃちゃんがうとうとしながら待ってるよ。
よっぽどお姉ちゃんが好きなんだね。もうすぐ帰ってくるからね。

                    語り部 モナー先生 (´∀` )

(*゚ー゚)「ムニャ……お姉ちゃん遅いなぁ……」

ガチャガチャ……ピンポーン

(*゚ー゚)「お姉ちゃん!」

凄い勢いで跳ね上がり、一目散に玄関へ走り出したよ。
嬉しさの余り、何で姉が鍵を持っていないんだ?という疑問は浮かばなかったようだね。

                   語り部 モナー先生  (´Д`*)ハァハァ

(    )「おじちゃんと一緒に来てくれお……」

(*゚ー゚)「お姉ちゃんじゃ……ない!?」

ハンカチで口を塞がれると、そのまましぃちゃんは気を失ってしまったよ。
その薄れ行く意識の中で彼女は思ったんだ。
「本当に全身黒タイツの人間っていたんだ……」と。
男はそのまましぃちゃんをビニール袋に入れ、逃走したよ。
犯人は誰だろう、絶対に許せない!!

衝撃の逃走シーン→ ⊂二二二(    )二⊃ブーン

                    語り部 モナー先生 (´∀`) (´∀`) (´∀`)



61: 声優(福島県) :2007/04/10(火) 21:29:49.35 ID:m+0QWMY90
  
( ´_ゝ`)「二時になったが……何も起きないな」

起きない事に越した事は無いが、睡眠時間を削ってまで待機しているのだから、
少し悔しいような気持ちもある。いや、勿論誰も殺されなくて済むのが一番なんですよ?

(´・ω・`)「おっ、これは?」

懐中電灯を振り回し遊ぶ、駄目警官が何か見つけたようだ。
側まで寄ってみると、何やら雑誌らしい。

(´・ω・`)「小学生のスク水姿やブルマ姿を隠し撮りした、ロリロリ倶楽部三月号だ……
     僕は全く興味無いが、兄者はこういうの好きだろう?よかったらやるよ」

( ´_ゝ`)「悪いね、俺はもうそういうの卒業したんだ」

偽りの無い本心。
以前の俺なら、真っ先に飛びついて、舐めるようにして見た事だろう。
しかし今は違う。そんな色気の欠片も無い子供を眺めて、
しこしこ頑張るのは馬鹿馬鹿しいと気付いたのだ。そう、あの時から――――

(;´・ω・`)「なっ……しょ、正気か兄者!?ロリが嫌いな不審者なんて認めないぞ。
      じゃあ何故、毎日のように小学生の通学路をウロウロしてるんだ!!」

( ´_ゝ`)「ありゃもう慣性に従って歩いてるだけだからな。
      食事睡眠と同じ、生活の一部になっちまった訳ですよ」

(;´・ω・`)「信じられない。作者が高校時代、英検三級に二回も落ちた事以上に信じられん」

本当に混乱している様子を見ると、俺のイメージって一体……っていう気分になる。



65: 声優(福島県) :2007/04/10(火) 21:31:25.71 ID:m+0QWMY90
  
(´・ω・`)「いや待て、その雑誌よく見ると血が付いてるぞ!」

懐中電灯を当てる。
渇いて黒ずんでいるものの、それは確かに血液だと認識出来た。

( ´_ゝ`)「なんてこった……その持ち主は毎日毎日、血が出るまで抜いていたのか」

(´・ω・`)「ペロ……これは女子中学生の血!
     第二の殺人の被害者も中学生、それを考えると……
     犯人は被害者を殺し快楽に浸りながら、小学生を次の的に定めたという事だ」

なんという推理。間違いなくミステリーを馬鹿にしている。
しかし締め切りが近い事から、もうこの線で決定だろう。
だから一ヶ月前から書き始めていろと、言い聞かせていたではないか。

更にページを捲っていくと、俺達はとんでもない結論に辿り着く。

(´・ω・`)「この『突然の突風による奇跡のパンチラ!』のコーナー……
     左下の写真、兄者の家の近くじゃん。投稿者はお前か!?」

( ´_ゝ`)「悪い冗談はよせ、……ん?いやまさか……しかしこれは……!?」

その写真に載っていた人物。
考えたくは無かったが、自分がかつて恋をした小学生に酷似している。
顔にはモザイクが掛かっているが、必殺『兄者アイ』(眼を細くして見る)
により、しっかりと表情が判別出来た。

(*゚ー゚)

(;´_ゝ`)「あああああ――――ッ!!」



72: 声優(福島県) :2007/04/10(火) 21:33:28.54 ID:m+0QWMY90
  
(;´・ω・`)「……いやぁ驚く咆哮だったね、まだ頭がガンガンするよ。
       それで、どこまで話をしたかな」

( ´_ゝ`)「盗撮の定義についてだ」

(´・ω・`)「してねーよ」

見ると、そのいたいけな少女を囲むように、血で輪を描いている。
考えたくはないが、近所だと知って次のターゲットをこの娘に定めたという事か。
だとしたら大変な事態だ。一時は友達以上の関係になった女が、
凶悪犯の手によってズンドコベロンチョされてしまうかもしれない。

(´・ω・`)「つまり無理矢理まとめると、
     一つ、犯人の次に狙っている獲物は、順序からして小学生。
     二つ、放置されていた雑誌を見て、あのしぃちゃんに目を付けた可能性がある。
     三つ、穴だらけの推測だけど、展開的にこうじゃないと困る。
     四つ、これ以上伸ばすとgdgdになるし、犯人は今日現れる!!」

なんてこった。
この男の頭脳はバーローや金田一の比ではなかった。
マジカル頭脳パワーの功績なのか。

そんな思いを巡らせていると、奥の方から僅かに声がした。
野太い男の声で間違いはない。現場に緊張が走る。

あの娘に何か起こるのだけは避けたいのだ。
そうじゃなくても自分が一度傷つけた。
周りは変態だらけ、そんな環境でも笑顔を絶やさなかった泥中の蓮。

こっちの世界で繰り広げられる戯曲に沿って踊るのは、変態だけでいいのだ。



76: 声優(福島県) :2007/04/10(火) 21:36:02.95 ID:m+0QWMY90
  
イワヤマトンネル・奥の方にて

( ^ω^)「おいすー、今日も約束の娘を浚ってきたお」

(    )「ご苦労……いつも済まないね。しかし警察も動いてきている。
      この遊びも今日で最後になるかもね……」

( ^ω^)「じゃあ僕の仕事はここまでかお。
       では約束通り、月宮あゆ1/1スケールを……」

(    )「おらよ http://www.kajisoku.org/img03/img508_k89.jpg



82: 声優(福島県) :2007/04/10(火) 21:37:28.93 ID:m+0QWMY90
  
( ゚ω゚)「ぐああああああああああ!!!!」

(    )「もうお前……用無しなんだよ。これが何だか見えるかい?」

( ゚ω゚)「ナ、ナイフかお!?冗談もいい加減にするお!!
      僕はお前の事なんてこれっぽっちも喋らないから……見逃してくれお!!」

(    )「地獄で会おう」

( ゚ω゚)「やm(*゚ー゚)「やめてえええええええ!!」

(    )「起きたかお嬢ちゃん。今からその男を殺し、次に君を壊す。
      焦らなくてもイインダヨー」

( ´_ゝ`)「グリーンダヨ!」

男が反応する前に俺はナイフを奪い取った。
殺すつもりは無いが、許すつもりだって毛頭ない。
ナイフを黒ウエストポーチに仕舞い込み、渾身の蹴りを腹部に当ててやった。

(´・ω・`)「兄者、ナイスだ!そのままひっ捕らえろ!」

それはアンタの仕事だろう。
と、言ってる場合でもないので、俺はすぐさま相手を押さえ込む。
両手もしっかり掴んだ。もう抵抗は出来まい。

(*゚ー゚)「兄者……さん?」

( ´_ゝ`)「………………!!」



85: 声優(福島県) :2007/04/10(火) 21:39:03.08 ID:m+0QWMY90
  
(    )「ぐぐ……何故私が犯人だと分かった……」

( ´_ゝ`)「第一の殺人、被害者は女子高生。犯した後に脚を切断した。
      俺は最初、単なる狂った性癖で脚を切り落としたかと思った。
      しかし、それは違う。犯人……つまりお前には別の目的があったんだろう」

(´・ω・`)「本来の目的は女性の身体じゃない。鍵なのは脚さ、
     不審者本編を見直せばすぐ分かる……キーワードに当てはまる人間が」

不審者を最初から読んだ人はもうお分かりであろう。
この犯人の正体が。

( ´_ゝ`)「脚と言えば、アンタしか思いつかないんだよ……」

下に押さえつけている、その男の顔に電灯を当てた。
悪に歪んだその表情が露になった瞬間である。

( ´_ゝ`)「犯人はお前だ!!」

(*゚ー゚)「う、嘘でしょ!!?……なんで……なんで……」



88: 声優(福島県) :2007/04/10(火) 21:41:02.26 ID:m+0QWMY90
  
(*゚ー゚)「モナー先生!!!」

(;´∀`)「ぐぐ……ばれたかモナ。まさか脚から私に繋げるとは……」

被害者の脚が切断されている。人気の無いトンネルでの犯行。
これらの事から、俺は一つの仮説を立てた。
今まで俺は、美少女の脚を狙った異常な性癖の持ち主が犯人だと思っていたが、
逆に考えるんだ。その脚が邪魔でしょうがないと考えるんだ。
つまり、犯人が本当に愛していたのは上半身の方だったのさ。……と考えたけど、
それは余りに無理矢理過ぎるので却下。

そこで過去を振り返り、これまでの凶悪犯罪と照らし合わせてみた。
会長による『獣姦事件』。
ジョルジュ長岡による『スクールジャック事件』。
ちんぽっぽによる『不審者狩り&都市破壊事件』。

思えばスクールジャックの時、獲物にされたクラスの担任だった男がいた。
そいつは元・アメフト選手と地の文が言っていた。
アメフトといえば大事なのは脚だ。
ググったらモナーは現役の頃、最強の走者と称えられていたらしい。

( ´_ゝ`)「そう!アンタは自分の鍛え上げた脚に自信があった!
      だから自分以上の美脚を持つ女、またはそうなる素質を持った少女を、
      始末したという事だ!!」

(´・ω・`)「まぁそんな推理をベラベラ喋らなくても、刃物を人にちらつかせている時点で
     立派な犯罪だけどね。モナー先生、言い逃れは出来ますか?」


( ´∀`)「……すいまセーン……ボク嘘ついてマーシター……」



93: 声優(福島県) :2007/04/10(火) 21:42:25.86 ID:m+0QWMY90
  
( ´∀`)「小学生とか……ヘドが出るほど嫌いデース。
     ボクのストライクゾーンによると2歳から5歳までしか興奮しまセーン」

( ´∀`)「スーツ……こんなスカスカした洋服いりまセーン……
     福島では、教育現場はジャージに短パンって決まってマース」

(;^ω^)(な……なんだお、この人!?)

( ´∀`)「このイシツブテとズバットだらけのイワヤマトンネルも気が滅入りマース。
     ワンリキーと共存?クソくらえデース。
     ボクの国では先に進みたかったら喉が渇いてる警備員を殺して進みマース」

( ´∀`)「あ、あと上に乗っかってる不審者、一つだけ推理間違ってマース」

( ´_ゝ`)「ほう」

( ´∀`)「自分以上の美脚を持つ女、またはそうなる素質を持った少女、
     と言いましたね……そんな奴いる訳ありまセーン。
     そこそこ綺麗な脚をもぎ取って、世界一美しい私の脚と比べて
     優越感に浸りたかっただけデース!!」

(;´_ゝ`)´・ω・`)*゚ー゚)^ω^) ´∀`)「な、なんだって――――――――!!!」



96: 声優(福島県) :2007/04/10(火) 21:43:37.21 ID:m+0QWMY90
  
その時だ。無数の光が、暗闇を照らす。
俺からしても、犯人からしても、決してそれは希望の光ではなかった。

( ><)「お前らそこまでなんです!!」

( ´_ゝ`)「うおっ、まぶし!」

目の前に立ちはだかる警官の数……ざっと見て三十近くは固い。
スピーカーの大音量で喋るもんだから、つい振り向いてしまった。
指名手配の俺が完全に顔を見られた。しかし、今は凶悪犯を捕まえた英雄である。
ショボンが何とかフォローを入れてくれるはずだ。

(´・ω・`)「この光景をご覧頂きたい。どう見ても不審者と異常性癖者の極悪犯が、
     今からksmsを展開する場面だ!!」

(;´_ゝ`)「バカヤロwwww確かにそれっぽく見えるのが返ってタチ悪いわ!!」

( ><)「全国指名手配の兄者がいたんです!突撃――――!!」

「驚異的な大人数でハレ晴レユカイを踊るOFF」の警官登場シーンの如く逃げた。
だが、相手は毎日腹筋五万回を欠かさない警官隊。素人が振り切れるわけが無い。
俺がブ男に囲まれ、揉みくちゃにされていると、声を震わせた女性が現れた。

('、`*川「しぃ、良かった!家にいないから……本当に心配で……ごめんねごめんね」

(*゚ー゚)「お姉ちゃん……」

どうやら彼女が警察に妹の捜索依頼を出したのが全ての発端らしい。
少女は無事に保護、連続殺人犯も逮捕、逃走中の指名手配犯も逮捕となれば、
警察もさぞ鼻が高かろう。(デイビットだけに)そして俺は今――――――



104: 声優(福島県) :2007/04/10(火) 21:45:16.93 ID:m+0QWMY90
  
(;´_ゝ`)「……って、ここ何処やねん……」

目が覚めると見知らぬ部屋。広くも狭くも感じない空間。
空気は非常に冷たく、天井の蛍光灯もやる気なさげなので薄暗い。
上も下も壁もコンクリートだと気付くのに時間はかからなかった。

(;´_ゝ`)「なーんでこんな事になったかなぁ……」

一人の警官が振るった警棒で、俺は意識を失った。
それから目覚めたのは病院のベットの上……ではなく現在地である。

1レスの間に何があったのか、と考えても結論は出ず。
扉は一つあったが、案の定開きません。これで外に出られた方が逆に不気味だけど。

「何をやってんだお前は……」

(;´_ゝ`)「あれ……俺以外に人が!?」

(´<_` )「俺だよ、さっきからずっと居たのに何故気付かないんだテメーは」

(;´_ゝ`)「弟者!?」

見知らぬ異国の地(?)にて我が弟を発見。
顔は青白く、生気を感じない。

(´<_` )「俺だけじゃないさ……」

周りを良く見渡すと、同じ様に負のオーラが漂う人間が座り込んでいた。
ひーふぅーみー……俺と弟者を含め、この部屋には四人。何か見た事のある面子だなー、
とか考えていると、設置されていたスピーカーから声が響いた。



107: 声優(福島県) :2007/04/10(火) 21:47:42.26 ID:m+0QWMY90
  
『皆さんごきげんよう この放送は花王の提供で……』

(´<_` )「何だこれは。ふざけているのか?」

『ふざけてなどいないわ!!』

スピーカーからレーザーが飛び出し、弟者が爆発した。
多分生きていると俺は信じ、放送の続きを聞く事に専念した。

『君達にはゲームをしてもらう』

(ツトム)「それってもしかしてマリカ?」

どう頑張っても顔文字に見えない馬鹿が発言した。
しかし俺自信もそうであってくれと切に願った。てか、こいつツトムじゃねーか。

『君達は死刑を執行された変態であり、元々戸籍も無い人間だ。
 よって、君達には憲法が保障する基本的人権は適応されない……と思う」

(*‘ω‘ *)「なるほど、変態だから何をしても構わないと」

見るからに端正な顔立ちはしていない女性が立ち上がる。
コイツはどう見ても本編のラスボス・ちんぽっぽです。本当にありがとうございました。

てか俺戸籍ないんかい。ここにきて新事実発覚かよ。



111: 声優(福島県) :2007/04/10(火) 21:48:37.57 ID:m+0QWMY90
  
『さて、ゲームのルールを説明しよう。君達のパンツの中に小型の機械が入っているよ』

確かに入っていた。微妙に白い毛が付いている所を見ると、ついに俺の珍毛もトシか。
サイズはたまごっちくらい、黒と白のボタンがあり、液晶画面には1と表示されている。

『その3という数字は君達のポイントだ。0になったらゲームオーバーを意味する』

(;´_ゝ`)「え??さん?俺の1って表示されてるんだけど!!?」

『運が悪かったな兄者。ドンマイ!』

(;´_ゝ`)「ちょwwwwwwwwww」

『君達にはその機械を用いてデスノ並の心理戦をして貰う。
 ルールは簡単、本家の死刑囚を見れば一発で把握出来る』

(´<_` )「面白いしな」

『禁止するのは直接的な暴力行為だ。もし暴力を働いた場合、
 行為者は、これから見る全てのブーン系小説がトマトに見えてくるという催眠をかける』

(*‘ω‘ *)「それはある意味恐ろしい」

(ツトム)「質問よ。レイプは直接的な暴力に含まれるの?」

何の心配をしているんだこのオカマは。
どちらかと言うと、我々がお前に狙われないかヒヤヒヤしているというのに。

『レイプはダメ、ゼッタイ』



118: 声優(福島県) :2007/04/10(火) 21:50:26.64 ID:m+0QWMY90
  
(ツトム)「なぁんだ……残念」

『しかし、くそみそと見なされた場合は認知する。溜まってばかりじゃツライだろうし』

(ツトム)「わーいwwwwwww」

わーいじゃねええええええええええええええ。
ルールがおかしいだろうが。

『詳しいルールは本家死刑囚を見てくれ。尚、兄者に関しては
 どのスイッチを押そうとマイナス1となるから注意してくれ』

(´<_` )「なーる……こりゃ優勝すれば褒美はあるのかい?」

『高級エステのチケット三回分と、賞状が送られる』

(#´_ゝ`)「うはwwwwwwみwなwぎwっwてwきwたw」

『0になった者が出た場合、黒服ズがダンスと共に登場するから、
 パフォーマンスも是非楽しんでいってくれ。五人の頑張りを期待しているよ』

( ´_ゝ`)「うむ五人と言うと、俺と弟者とツトムとちんぽと……」

指折り数えても四人にしかならない。
疑問に思っていた矢先、開かずの扉が開き、黒服に抱きかかえられた男が五人目だと
説明された。

しかしその男……



121: 声優(福島県) :2007/04/10(火) 21:51:38.84 ID:m+0QWMY90
  
( ゚∀゚)「だーだーwwwwwwっうぇwwwっうぇwww」

(;´_ゝ`)「て、店長……!?何故生きている!?」

黒服の優しい説明によると、店長は確かに一回死んだ。
しかし火葬寸前で復活。見事奇跡の生還を果たした。
だが脳の一部が破損、それにより幼児化してしまったとか。

そしてスクールジャックという罪も消える訳ではない。
店長の起こした事件は許しがたい物だ。そこでゆっくり、ぬっちょりとリハビリをし、
最低限の生活習慣、言語を学ばせてから罰としてゲームをやらせようと提案されたらしい。

( ゚∀゚)「あぶぶぶ……リョボット!リョボット!どがーん!!」

黒服「コ、コラ! その機械はロボットではありませんぞ!!」

( ゚∀゚)「ねぇ、あぬじゃー……あそぼ! あそぼ!」

(;´_ゝ`)「え……?」

確かにその名前を呼んだ。店長は俺を覚えている。
それが妙に嬉しくて、つい俺も機械をロボット代わりにして遊んでやった。
  _   ∩
( ゚∀゚)彡「おっぱいロボ!! おっぱいロボ!!」

( ゚∀゚)「おっぱいミサイル!」

そう叫ぶと店長は、機械の背中にあるミサイルボタンをカチッと押した。
機械の白黒スイッチが宙を舞う。それがやがて加速し、俺の機械にバキッと当たった。



124: 声優(福島県) :2007/04/10(火) 21:52:30.19 ID:m+0QWMY90
  
( ´_ゝ`)「あ」

俺の機械がコンクリの床に落ちる。同時にカチッとした音。
どうやら落下の衝撃で、スイッチが押されたようだ。

『1ターン目終了、兄者ゲームオーバー』

(;´_ゝ`)「あれれれ!? もうこの機械、煙噴いて動きませんけど!?
      応えろぉぉぉっダイヴィッパァァァァァァ!!」

『兄者、それはダイヴィッパーではない。諦めろ』

たちまち黒服が登場し、フォークダンスが始まった。
せっかくなので俺達も混ぜて貰い、気が付いたら二時間が経過していたという事実。

パフォーマンスが終わり、暫くして黒服が俺に向かって手招きする。
まだ死にたくない。こんな所で、醜い最期なんて遂げたくない。
しかし無情にも黒服の腕が俺を引っ張っていく。
右腕を引っ張る黒服、左腕を引っ張る黒服……統一しろ、身体が張り裂けるわ。

そして悲しんだ様子も無い四人の顔が、妙に印象に残った。

(ツトム)「……弟者ちゃんは何でここに?」

(´<_` )「むじんはつでんしょの電気で携帯充電してたら、急に捕まった。
      そういうアンタは?大方、全裸で暴れたとかそんなんだろーけど」

(ツトム)「全裸でイラクを一周してたら……アッラー」



127: 声優(福島県) :2007/04/10(火) 21:53:55.09 ID:m+0QWMY90
  

(^ω^)-┐「よく来てくれたね兄者」

連行されてきた場所は、フラスコの中に奇妙な液体が入ってる……
そんな想像をして貰うとありがたい、研究所のような場所。
白衣を身に着けた博士のような老人は、『ブーン2』と名乗った。
1の事もよく知らないのに、いきなり2が現れても困る。
声質からしてスピーカーの主と見てよさそうだ。

( ´_ゝ`)「お久しぶりです。ジョセフおじさん」


(^ω^)-┐「いや、初対面だろう。
       あと殺したり、野蛮な事はしないから安心汁」

む? じゃあゲームオーバーとは何だ?
明らかに死に直結しているような言い回しをしておいて、逝く事では無いという。


(^ω^)-┐「人生のゲームオーバーには変わりないかも知れんが……」

博士はにやけながら、手前のレバーを引く。
その瞬間、白い煙と共に地面からドアが現れた。


(^ω^)-┐「おめでとう、君はパラレルワールド行きに選ばれた。
       そこのドアを開き、足を踏み入れるがよい」

よくありませんよ。きちんと説明して下さい。
その上で検討しますから。九分九厘逃げると思うけど。



129: 声優(福島県) :2007/04/10(火) 21:54:51.14 ID:m+0QWMY90
  

(^ω^)-┐「時空の歪み……というかのぉ、私は偶然この世界の入り口を見つけた。
       止まらない好奇心……私はパラレルワールドと名付け、是非探険したいと
       思った。しかしワシはもうジジイ!」

ジジイでもいいだろう。向こうの世界で骨を埋めればいいんだから。


(^ω^)-┐「最近足腰が弱って……夢は若者達に託したいと願った……」

だが、と老いぼれは続ける。
もう聞いてられない。帰りたい。帰って爆ボンやりたい。


(^ω^)-┐「今の若者はセクロスのやり方しか知らない腑抜けばかり!
       そこで考案したのが、死刑になるようなアホを強制的に
       入れさせて、戻って来れるか実験しよう!という物じゃお。
       ゲームに負けるようなアホくらいが丁度いいしNE!」

(;´_ゝ`)「……って事は俺が始めてじゃないんだな!!?
      ちゃんと成功例があって……その上で俺を行かせるんだな!?」


(^ω^)-┐「うんにゃ、お前が二人目である。一人目のモルモットは、
       まだ帰ってこないのぅ……」

( ´_ゝ`)「ふ、ふざけるな!親から貰った大切な命……簡単に捨てられるか!!」

逃げ出そうと、博士に背を向けた瞬間。
マジックハンドでまんまと捕まれ、俺は御用となった。ゴヨーダ君っていたな。



134: 声優(福島県) :2007/04/10(火) 21:56:11.13 ID:m+0QWMY90
  
ドアノブが捻られ、その世界が映る。
虹色が渦を巻いた不気味な空間が、目と鼻の先に出現した。


(^ω^)-┐「さぁレッツ&ゴー!!」

(;´_ゝ`)「ぐあああああ!!!」

強烈な飛び蹴りで俺はパラレルワールドへ潜り込まされた。
足腰メッチャ元気やん。

歪みに呑みこまれ、俺はそのまま視界が真っ暗になった。


(^ω^)-┐(しかし……本当にあの一人目帰ってこないお……
       出発前は『黄色ブリーフと虹色マントさえあれば他に何もいらないぜ!
       不審者に不可能は無い! HAHAHAHA……』とか宣言していたのに……)












チュン……チュン……



137: 声優(福島県) :2007/04/10(火) 21:57:21.32 ID:m+0QWMY90
  
晴れ晴れとした朝、小学生は元気に通学。
警察は元気にパトロール……そんな元気な時間帯。

(*゚ー゚)「おまわりさん、おはようございます!」

(´・ω・`)「ああおはよう、怖い夢とか見なかった?」

(*゚ー゚)「見ましたwでも兄者さんが最後に助けてくれました。
     夢の中でも助けてくれるなんて……きちんとお礼したかったけど、
     兄者さん、何か私を見る眼が冷たくなったような気がしてならないんです」

(´・ω・`)「……兄者はどうやら、君を一度傷つけた時から、
     君のような小さな子を愛する心を失ってしまったようなんだ。
     表面はそうでもないけど、内心、かなりショックが大きかったようでね……」

(*゚ー゚)「そうですか……でも、今度会った時に必ずありがとうって言いたいです!
     じゃあ学校に遅れるんで!」

(´・ω・`)ノシ「うん、行ってらっしゃい!」

(´・ω・`)(兄者……かつてのロリコンに懸ける情熱は何処にいったんだい……?
     誰か、兄者の閉じた心を開いてくれる子が現れればいいが……)

学校へ向かい走る、赤いランドセルを見て、ふとそんな事を考えた警官がいた。

(´・ω・`)(あとサブタイのボクって誰だよ……)

もこみち。

『( ´_ゝ`)兄者は果てしなく不審者のようです 外伝前編』 糸冬



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