( ^ω^)エアーがクオリティーを育てるようです
- 398:レースクイーン(アラバマ州) :2007/04/14(土) 02:49:27.05 ID:8EfekdEx0
- 第五話 「正義の味方」
(´・ω・`)「で、何から話そうか?」
場所は変わって『バーボンハウス』。
ショボンはカウンターに立ち、ブーンとペニサスにコーヒーを差し出した。
('、`*川「どうしてショボンさんは、私達の居る場所が分かったんですか?」
ペニサスはコーヒーを一口啜ると、始めに口を開いた。
(´・ω・`)「君たちの帰りが遅かったから、『断駒』に乗って付近を捜索していたんだ。
でも辺りが暗かったのもあって、なかなか見つからなくてね。
そこに突然、声が聞こえてきたんだ」
( ^ω^)「声?」
ブーンはコーヒーの中にミルクと砂糖を入れ、スプーンでそれをかき回しながら聞いた。
(´・ω・`)「そうだ。あれは紛れもなくペニサスさんの声だった」
('、`*川「じゃあ、ショボンさんはあの付近に居たの?」
(´・ω・`)「いや、確かに近いと言えば近かったが、君たちの居た場所をはっきりとは特定できなかったんだ」
('、`*川「それってどういうことですか?」
- 400:レースクイーン(アラバマ州) :2007/04/14(土) 02:50:58.48 ID:8EfekdEx0
- 辺りが静かだったとは言え、かなり近くに居なければ当然声は届かない。
それを疑問に思い、彼女はショボンに尋ねた。
(´・ω・`)「正確に言えば、頭の中に直接、貴方の声が響いてきたんだ」
( ^ω^)「頭の中に直接ってどういうことですかお?」
(´・ω・`)「まあ、言葉の通りだが……とにかく、ペニサスさんが助けを求める声を聞くことができたんだ。
いわゆるテレパシーみたいなものかな?それに二人のいた場所もなんとなく感覚で分かった。
それで君達を発見できたんだが、何か心当たりはないのかい?」
('、`*川「まさか……」
彼女は先程のことを思い出した。
それは屍に追い詰められた時に、ペンダントが七色に点滅したことである。
彼女はそのことをショボンに伝えた。
(´・ω・`)「なるほどね。またそのペンダントか。……うーん」
ショボンは、彼女の胸元のペンダントを見つめながら呟いた。
そして両腕を組み、何か考え込むように唸った。
(´・ω・`)「治癒能力だけではなく、テレパシー能力もあるのか。
……ペニサスさん、少しいいかい?」
('、`*川「え? あ、はい。」
(´・ω・`)「貴方は、能力が発動させるときに、どうやって力を引き出しているんだい?」
('、`*川「う〜ん、どうやって…って言われても……」
- 403:レースクイーン(アラバマ州) :2007/04/14(土) 02:52:34.57 ID:8EfekdEx0
- 彼女が言うとおり、彼女自身特別なことは行ってはいなかった。
ブーンを治療した時は、怪我が治るように祈っただけで、
ショボンを呼んだ時といえば、助けを求めるために願っただけである。
('、`*川「あ……」
と、そこで彼女は気がついた。
('、`*川「私は特別なことはしてないけど……ただ祈っただけで」
(´・ω・`)「祈った? それだけかい?」
('、`*川「ええ、他には特に何も……」
(´・ω・`)「……そうか……うーん……なるほど」
再びショボンは唸った。
垂れ下がった眉が、さらに深く垂れ下がる。
( ^ω^)「ショボンさん、何かわかったんですかお?」
二人のやり取りを黙って見守っていたブーンは、ショボンの様子を見て、すかさず問い掛ける。
(´・ω・`)「いや、これはあくまで仮説なんだが……
ペニサスさん、ちょっと試してみたいんだが」
ショボンはそう言いながらしゃがみ込むと、カウンター下の戸棚から何かを取り出した。
- 405:レースクイーン(アラバマ州) :2007/04/14(土) 02:54:18.10 ID:8EfekdEx0
- (´・ω・`)「これを元通りにしてみてくれないか?」
彼はカウンターの上に二つに割れた皿を差し出した。
その縁には繊細な装飾が施されており、陶器に関して素人である二人にも充分それが高価なものであることが分かった。
('、`*川「……とりあえずやってみるわ」
そう答えると、直ぐに彼女は顔を下げ、目を閉じた。
(;´・ω・)(;^ω^)『……』
しかし、ペンダントは一向に光ることなく、変化は全く見られなかった。
(;^ω^)「……何も起こらないお」
ブーンは息を呑んでその様子を見守っていたが、
ペンダントが発動しなかったのを見ると落胆の表情を浮かべた。
それでもショボンは、落ち込むわけでもなく冷静に口を再び開いた。
(´・ω・`)「……実はこれは僕の亡くなった母の形見なんだ。
街が荒れた混乱の際に割れてしまってね。すまないが、もう一度やってくれないか?」
('、`*川「そうだったの……もう一度やってみるわ」
その事実を知ると、再び彼女は顔を下げ、目を閉じた。
今回はさっきよりも強く、心の底から皿が元通りになることを願った。
(;´・ω・)(;^ω^)『!?』
- 407:レースクイーン(アラバマ州) :2007/04/14(土) 02:56:09.88 ID:8EfekdEx0
- その瞬間、ペンダントから虹のような光が放出され目の前の皿を包んだ。
そして二つに分かれた皿は、すぐに一つになる。
('、`*川「あら……元に戻っちゃったわ」
彼女は、間の抜けたような声を上げて、元通りになった皿を眺めた。
(´・ω・`)「……成る程。これで大体予想が付いた」
シャボンも元に戻った皿に目をやりながら大きく頷いた。
(;^ω^)「どういうことですかお?」
(´・ω・`)「どうやら、そのペンダントは、彼女が望んだことを現実化する力があるんじゃないかな?
但し、本気で心から祈らないといけない。
君の傷を癒したり、僕に助けの声を届けたりした時のようにね」
(;^ω^)「……すごいですお」
ブーンは彼の説明を聞いて呟いた。
賞賛の言葉は、ペンダントの能力のみではなく、少ない情報でそれに気づいたショボンの聡明さにも向けられている。
('、`*川「おやまあ、そんな力があったなんてね」
( ^ω^)「!?……だったら、そのペンダントを使って、この世界を元に戻すことを祈ればいいんだお」
ブーンは自分の閃きを彼女に提案した。
ペンダントの能力は、『彼女の祈りの現実化』。
ならば、心から願いさえすればどんなことでも出来るはずだ。
- 412:レースクイーン(アラバマ州) :2007/04/14(土) 02:58:13.41 ID:8EfekdEx0
- ('、`*川「あ……それもそうね」
彼女は、彼の提案に乗って再び祈りを捧げた。
今までよりもさらに深く、この世界の再生を望んだ。
(;´・ω・)(;^ω^)『……』
その様子を、二人は真剣に眺めた。
その間、彼らは無言であった。
彼女の祈りを妨げてはいけないと思ったからだ。
そして、『バーボンはハウス』には重々しい空気が流れる。
('、`*川「だめ……みたい」
だが、その後数分経っても世界に変化は無かった。
彼女は諦めたように溜息をつく。
(´・ω・`)「恐らく、できることにも限界があるようだね。
ペニサスさんはペンダントの力を使う度に疲労しているようだ。
その願いを叶えるには貴方の精神力に比べて大きすぎる。
つまりMP1の状態でミナデインを使おうとするようなものだ」
('、`*川「その例えの方が分かりにくいけど……把握したわ」
彼女は残念そうな表情を浮かべた。
しかし、その横で更に暗い表情をしているブーンの姿があった。
(;´ω`)「はあ……」
- 415:レースクイーン(アラバマ州) :2007/04/14(土) 03:00:06.77 ID:8EfekdEx0
- ('、`;川「どうしたの? ブーンちゃん?」
彼女は彼の変化に気がつくと、すぐに優しく声を掛けた。
(;´ω`)「二人とも凄いんだお……ペニサスさんはペンダントが使えるし、
ショボンさんは頭が良くて、『断駒』みたいな機械が造れるお。
それに比べて僕ときたらなんにも役に立ってないお」
('、`;川「そんなことないわ。私だってそんなに大したことはできないし……」
(;´ω`)「ペニサスさんは街で怪我している人を沢山治していますお。
……僕はその後ろでオロオロしていただけですお」
言葉を交わすごとに、彼は落ち込んでいくようであった。
しかし、彼女は彼を励まそうとさらに続ける。
('、`;川「……それに屍に襲われた時、あんなに必死になって私を守ってくれたじゃない」
(;´ω`)「……でも、僕は結局屍を倒してないですお。
最終的に助けてくれたのはショボンさんですお」
('、`;川「あ……」
その言葉はブーンにとって逆効果であった。
彼の周囲だけ、暗雲が立ち込めたように影が覆っているようだ。
「少年よ元気がないようだな……そんな時には筋トレだッ!!」
その時、店の扉の奥から『奴』の声が聞こえてきた。
- 419:レースクイーン(アラバマ州) :2007/04/14(土) 03:01:38.21 ID:8EfekdEx0
γ'⌒ヽ . γ'⌒ヽ
,i ii ____ (`・ω・´) ___ i ii
| (0) .|i===iuuσ======〃`ヽ 〈=====iっuiヾ=)) |i
. | |i . ゝ iγ´⌒´-−ヾvーヽ⌒ヽ/ ノ. | |i
ゝ、__ノ . / | ⌒ ィ `i´ ); `| ヽ、.ゝ、__ノ
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)ゝ、__,+、_アノ
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| ,, ソ ヽ )
.,ゝ ) イ ヽ ノ
y `レl 〈´ リ
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(。mnノ `ヽnm
「少年よ、筋肉を抱けッ!! byマッスル・クラーク」
- 422:レースクイーン(アラバマ州) :2007/04/14(土) 03:03:19.11 ID:8EfekdEx0
- ( ゚д゚ 川( ゚д゚ )『……』
(※注:ブーンとペニサスです)
それはシャキンであった。
百キロ超のバーベルを携えて、彼は『バーボンハウス』に現れたのだ。
もはや彼の存在は空気を読めないキャラナンバーワンの地位を築くほど、濃厚な存在だった。
(*´・ω・)「……うほっ、いい筋肉。……ゴクッ」
しかし、ショボンだけは生唾を飲み込み、彼の神々しい姿に釘付けになっていた(性的な意味で)。
(`・ω・´)「やあ、マスター。この店は開店中かい?」
シャキンは、そのガチムチとした肉体を見せつけながら、ショボンの元へと近づいていく。
(*´・ω・)「ああ、ミスター。この店はガチムチ兄貴を大いに歓迎するよ」
ショボンのジュニアはカウンターの陰でエレクチオンしていた。
(`・ω・´)「それはよかった……皆、入ってきたまえ」
『オッス!!』
その掛け声と共に、扉の奥から次々と小麦色の肌をした百人ものマッチョ達が押し寄せてくる。
彼らは一瞬にして、店内を暑苦しい空気に変えてゆく。
そしてあっという間に汗臭い熱気が店一杯に充満してしまった。
- 424:レースクイーン(アラバマ州) :2007/04/14(土) 03:05:29.55 ID:8EfekdEx0
- ('A`)「いよう、ショボン。 久しぶりだな」
(*´・ω・)「……これは珍しい。ドクオじゃないか。
どうしたんだい? 僕好みの豊満な体になって。ハアハア」
('A`;)「いや、別にお前を喜ばせたいわけではないぞ。……なぜか背筋が寒くなってきた」
そして、その中から一人の男が、ショボンに近づいていた。
お互い見知ったように言葉を交わした。
(;^ω^)「ショボン……さん? このマッチョなお方は誰ですかお?」
ブーンは混沌とした空気の中、恐る恐る聞いた。
その表情から察するに、かなり引いているようである。
(´・ω・`)「ああ、彼は『悪の組織』の『しっと団』首領、ドクオだ」
('A`)「いや、『しっと団』はもう解散した。
今はそこにいらっしゃる、ゴッド・オブ・マッスル、
もとい筋肉神さまの元で『筋肉教』教祖補佐官をやっている」
(´・ω・`)「……それは素晴らしい組織だね。一体どんな活動をしているんだい?」
('A`)「俺達は『人類補完計画〜マッスル・バージョン〜』を目的として活動している。
簡単にいえば人類総マッチョ化だ。今、布教活動の一環としてこの付近を回っていたんだ」
(*´・ω・)「ハアハア……それは素晴らしい計画だ。決めたよ……僕は心から援助するよ」
('A`;)「いや……お前はいい。おぞましい事になりそうだし……」
- 426:レースクイーン(アラバマ州) :2007/04/14(土) 03:07:09.90 ID:8EfekdEx0
- ('∀`;川「これは夢よね……夢に決まってるわ。
ピンクの河童が追いかけてくるわ……うふふふふふ」
(;^ω^)「ちょっwwwペニサスさん!? しっかり気を保つんだお!!」
(*`・ω・)「……今日も私の大腿二頭筋は、美しく脈打っているようだ(うっとり」
彼等の出現によって、『バーボンハウス』は相当カオスな状態になってしまった。
もはやまともな人間はブーンしか居ない。
(´・ω・`)「で……どうしてここに? 布教だけが目的じゃないだろう?」
一通り落ち着いた所で、ショボンはプロテインの入ったカップを皆に差し出すと、ドクオに『バーボンハウス』に来た目的を聞いた。
('A`)「ああ、『J』のことでちょっとな。奴は最近ここに来ていないのか?」
(´・ω・`)「……『J』か。彼は3日前に出て行ったきり帰ってこないよ」
('A`)「……やはり、な」
(´・ω・`)「なにか事情を知っているようだね。詳しく聞かせてくれないか?」
('A`)「実は――」
ドクオは、『J』が『筋肉教』本部から出て行くまでの顛末をショボンに話した。
(´・ω・`)「そういうことだったのか……すまない。
彼に代わって礼を言うよ。で、彼を探すのかい?」
- 430:レースクイーン(アラバマ州) :2007/04/14(土) 03:08:51.26 ID:8EfekdEx0
- ('A`*)「べっ、別に奴を心配しているわけではないからなっ!!
ただ、また奴をぶん殴りたくなっただけだからなっ!!」
ドクオはツンデ(ry
(`・ω・´)「やれやれ、君の筋肉はそう言ってないんだが……
しかし、ナイスマッスルな彼をあのままにしておくには惜しくてね。
我々総出で捜索しているんだが、全く見つからないんだ」
(;^ω^)「それでこんな夜遅くまで……でも、屍に襲われなかったんですかお?」
(`・ω・´)「ん? 君は? ……脂肪が多いようだ。もっと筋トレをしたほうがいい。
ちなみに屍とは、あの腐った筋肉をした者達のことかい?
それなら、私が直々に筋トレを施したら、ハードトレーニングに耐えられずに崩れてしまったよ」
(;^ω^)(……こんな変な人ですら屍を……僕って一体……)
ブーンはそれを聞くとさらに凹んだ。
(´・ω・`)「とりあえず夜も遅いから君達もここに泊まっていくといい……フヒヒヒ」
ショボンはそんな中、彼は『筋肉教』のメンバーに対して提案した。
しかし、それは厚意などではなく、彼の欲望から出たものであった。
(;^ω^)('、`;川(大丈夫かお(かしら)……)
こうして二人の不安をよそに、バーボンハウスの夜は更けていった。
- 432:レースクイーン(アラバマ州) :2007/04/14(土) 03:11:12.79 ID:8EfekdEx0
- 一方その頃、『J』は夜の街を彷徨っていた。
傷口の痛みに耐えながらも、ゆっくりと歩く彼の足取りは重い。
_
( ゚∀゚)「ッ……痛てえ」
『筋肉教』本部から飛び出した彼だったが、特別行く当てがあった訳ではなかった。
ただ、彼は純粋に一人になりたかったのだ。
_
( ゚∀゚)「俺は……一体何がしたいんだ……」
彼は迷っていた。
己の目的が分からなくなっていた。
彼は、クーの死以来、絶え間なく屍を狩り続けた。
それは、純粋に彼女の復讐のためであったはずだ。
だが、彼女は再び彼の前に現れた。
彼が憎んでいた屍と化して。
そして、彼女は彼を喰らうことを望んだ。
_
( ゚∀゚)「……もう、どうでも良くなっちまった」
彼は小さく呟くと、そのまま地面に力無く倒れこんだ。
空を見上げてみると、雲は晴れ、中天には月が覗いていた。
常に暗雲に覆われているこの世界では珍しいことである。
_
( -∀-)「……もう、疲れた」
そして、彼は目を瞑る。
静かだった。
物音一つ無い静寂は、彼に心地よさを与えていた。
- 435:レースクイーン(アラバマ州) :2007/04/14(土) 03:13:05.03 ID:8EfekdEx0
- 「キャアアアアアアアアアアッ!!!!」
しかし、それは突然の悲鳴によって掻き消された。
_
Σ(;゚∀゚)「うおっ!?」
彼は体を震わせて起き上がった。
その反動で傷口に激痛が響く。
_
(;゚∀゚)「……んだよ……人が気持ちよく寝てるってのに」
「キャアアアアアアアアアアッ!! たすけて!!」
その声の細さから、声の主は若い、いや幼い子供の声であることが分かった。
その必死な様子から、誰かに助けを乞う様子が伺えた。
しかし、『J』は落ち着き払っていた。
_
(;゚∀゚)「強盗か、屍か? 俺には関係ねえよ」
何者に襲われているか分からなかったが、彼は無関心を装っていた。
夜になれば、ならず者や屍達に一般人が襲われることは珍しくない。
それを知っていて、彼は敢えてその場から動こうとしなかった。
「たすけて!! だれか!! だれかッ!!!!」
_
(;゚∀゚)「五月蝿えな……不幸だったな、こんな夜に出歩くなんてよ。
だが、俺は助けてやらねえぞ……」
だが、助けを呼ぶ声は一向に止まなかった。
彼はそれに耐えられないのか、渋い表情を露わにする。
- 439:レースクイーン(アラバマ州) :2007/04/14(土) 03:15:27.15 ID:8EfekdEx0
- 「キャアアアアアアアアアアッ!!!!」
_
(;゚∀゚)「……」
_
(;゚∀゚)「ああッ!! 畜生がッ!!」
我慢の限界を超えたのか、彼はようやく飛び跳ねるように立ち上がった。
そして、すぐさま声のする方向へと急いで駆け出す。
_
(;゚∀゚)「くそっ!! なんてこった……正義の味方は廃業したってのによ」
彼は何とも言えない複雑な気分に襲われていた。
正直な所、彼はもう戦うことを放棄していた。
それでも、何故か自分の傷ついた体を動かさずにはいられなかった。
そんな自身の姿を省みて、彼は諦めたように苦笑する。
しかし、決して悪い気分ではなかった。
現に、腹部に痛みが襲っても走ることを一向に止めなかった。
もしかしたら、彼の身体の奥深くに眠っていた、
――否、彼が無理矢理に押し込んでしまった、正義を愛する熱い血がそうさせたのかも知れない。
_
(;゚∀゚)「ここか……」
『J』は声が聞こえてきた場所の目前で立ち尽くした。
それは、小さなドーム状の民家だった。
壁には大小の亀裂が所々に入り、随分と荒れ果てた様子である。
人が実際に住んでいるのかは定かではなかったが、事実、彼の耳にはこの中から声が聞こえている。
- 442:レースクイーン(アラバマ州) :2007/04/14(土) 03:17:38.66 ID:8EfekdEx0
- 「いやああああああああああッ!!!!」
_
(;゚∀゚)「ちっ……」
中からは涙声の混じった割れんばかりの叫びが響いて来る。
彼はそれを確認すると、小さく舌打ちをし、扉を思い切り蹴破って中へと入っていった。
_
(;゚∀゚)「……奥からだな」
玄関から屋内を伺うも、彼の居た位置からは人影は確認できなかった。
そうしている内にも、向こう側からは幼い子供の声が響いてくる。
彼は瞬時に判断すると、そのまま奥の部屋に向かって駆け出していった。
从;∀;ノ!リ「いやあああああ!! 来ちゃ嫌なのじゃ!!」
(;;;;。_ゝ゚)「フヒ……ヒヒヒヒヒヒ」
(゚<_。;;;;;)「グヒ……ヒヒヒヒヒヒ」
_
(;゚∀゚)「うわあ……」
彼が奥の部屋で目の当たりにしたのは、二体の屍が、十歳にも届かない幼女に襲い掛からんと迫る姿だった。
しかし屍達は他のそれとは違い、酷く下劣な声を上げて彼女に近づいていた。
その様子は、彼女を餌と見ているというよりも、もっと別の、おぞましいことの対象として見ているようである。
――そして、彼は確信した。
_
(;゚∀゚)(ああ……コイツ等、屍になっても変態だ。……馬鹿は死んでも直らないんだな)
彼の中にも流れる変態の血が、この屍達が変態だということを瞬時に感じ取らせていた。
- 445:レースクイーン(アラバマ州) :2007/04/14(土) 03:19:20.27 ID:8EfekdEx0
- _
(;゚∀゚)「ともかく、何をやろうとしているかは想像がつくが……
未来あるおっぱいの源を汚すわけにはいかねえッ!!
同じ変態として俺が退治してやんよ!!」
そして、彼は二匹に向かって駆け出した。
_
(♯゚∀゚)「喰らえッ!! 『ROP』(ロケット・おっぱい・パンチ)!!」
(;;;;。_ゝ゚)「グッ……ぐひー!!」
_
(♯゚∀゚)「テメエもだッ!! 『BOK』(ボイン・おっぱい・キック)!!」
(゚<_。;;;;;)「ブッ……ぶひー!!」
一瞬にして、二体の屍達は壁を通り抜けて吹き飛んでゆく。
そして、彼は素早く幼女の元へと駆け寄った。
_
( ゚∀゚)「よお、お嬢ちゃん。怪我はねえか?」
从;∀;ノ!リ「うええええええん!! 怖かったのじゃ!!」
幼女は彼を見ると直ぐに、彼の脚に顔を埋めて泣きじゃくった。
見たところ怪我は無いようであったが、よほど怖かったのであろうか、彼の脚を捕まえて離そうとはしなかった。
(;;;;。_ゝ゚)「……グ……グギギギ」
(゚<_。;;;;;)「……ガ……グガガガ」
しかし、二体の屍達は彼の攻撃に堪えていなかったのか、瓦礫を押し退けて、なおも立ち上がる。
- 448:レースクイーン(アラバマ州) :2007/04/14(土) 03:21:01.58 ID:8EfekdEx0
- _
(;゚∀゚)「ちっ……変態とは言え、やはり屍だな。……完全に殺さないと直ぐに立ち上がっちまう」
平然とした様子の屍達を確認すると、彼は再び舌打ちをした。
身体を完全に破壊しない限り、彼らは腕だけになっても動きを止めない。
そう判断するや否や、彼は左腕を前に差し出す。
しかし、止めを刺そうとした彼に幼女の衝撃的な言葉が飛び込んでくる。
从;∀;ノ!リ「ちっちゃいあにじゃに、おおきいあにじゃ!! もうやめるんじゃ!!」
_
(;゚∀゚)「ッ!? ……んだと?」
彼は発動しようとした左腕の動きを止める。
_
(;゚∀゚)「おいッ!! コイツ等、お前の兄貴なのかッ!?」
彼は、彼女の口から出た事実を確かめようと問い詰める。
从;∀;ノ!リ「……ぐすっ……そうなのじゃ。
いきかえったとおもったら……きゅうに……おそってきて……ううっ……」
彼女は涙声で答えた。
_
(;゚∀゚)「マジかよ……」
彼はその言葉と共に、力が抜けたように左腕を下げた。
- 451:レースクイーン(アラバマ州) :2007/04/14(土) 03:22:48.75 ID:8EfekdEx0
- 彼は彼女の苦しい思いを痛いほど理解していた。
自分の大切だった人間が、突然、屍となり自分の前に姿を現す。
屈強な彼ですらそれに動揺したのだ。
彼自身よりもずっと幼い彼女にとって、それは更に辛いことであろうことは容易に想像できた。
そう考えると、やりきれない思いに駆られ、止めを刺すことが躊躇われた。
(;;;;。_ゝ゚)「グギャアアアアアッ!!!!」
(゚<_。;;;;;)「グガアアアアアアッ!!!!」
そんな混乱の最中、彼の思いも知らず、二体の屍は容赦なくその牙を向けこちらに駆け出してくる。
_
(;゚∀゚)「……ええいッ!! くそったれッ!!」
彼は歯噛みした後、脚に纏わり付く幼女を引き剥がすと、自分の背後に立たせて構えを取った。
(;;;;。_ゝ゚)「グギャアアアアアッ!!!!」
始めに向かってきたのは、背が大きい方の屍だった。
右方向から、目にも止まらぬ速さで飛び掛ってきた屍は、爪を伸ばすと、そのまま彼の腹を抉るように突き出してくる。
_
(;゚∀゚)「うおおおおおおッ!!!!」
彼は咆哮を上げ、その突撃に合わせるかのように右拳を繰り出す。
同時に腰を横に捻り一撃をかわすと、そのまま突き上げる形で拳撃を顎に見舞った。
カウンターの要領で放った見事な一撃だった。
(゚<_。;;;;;)「グガアアアアアアッ!!!!」
- 455:レースクイーン(アラバマ州) :2007/04/14(土) 03:24:32.91 ID:8EfekdEx0
- 突如、彼の背後から残った方の屍が尖った牙を突き立てて襲い掛かる。
_
(;゚∀゚)「まだまだああああッ!!!!」
彼はそれを読んでいたのか、刹那の反応で反対方向に構え直した。
待っていたかのように左腕を顔面の前に覆うようにして、屍に噛ませる。
そして、直ぐに左腕を大きく伸ばし屍の身体を牙ごと上に持って行くと、がら空きになった胴体に向かって右の正拳を見舞った。
(;;;;。_ゝ゚)「グギッ!!!!」
(゚<_。;;;;;)「グガッ!!!!」
それでも、二体は怯まない。
体勢を立て直すと、再び牙と爪を伸ばし向かってくる。
_
(;゚∀゚)「畜生ッ!!!!」
『J』は、次々と繰り出される屍の攻撃を、払い、往なし、受ける。
何度も左腕を使おうと本能的に身体が動くが、必死でそれを理性で押さえつけた。
今は、彼の左腕は防御の為だけに使われている。
从;∀;ノ!リ「……ううっ」
傍らで、彼女は不安げに目の前の激闘を見守っていた。
彼女が一つの攻防を見た瞬間、彼等は次の攻防へと移っている。
まさに目にも止まらぬ速さで、一人と二匹は消耗戦を繰り広げていた。
_
(;゚∀゚)「……ハアッ……ハアッ」
しかし、彼は限界が近づいていた。
- 458:レースクイーン(アラバマ州) :2007/04/14(土) 03:26:26.78 ID:8EfekdEx0
- 時間が経てば経つほど、彼の体力は一方的に削られていく。
対して、屍達の方は全く堪えていないようで、その勢いは変わらない。
彼は決め手に欠いていたのだ。
屍達の動きを止める方法、それは身体の破壊に他ならない。
ただ、通常攻撃ではどうしてもそれは出来ない。
それが可能なのは彼の左腕だけであった。
_
(;゚∀゚)(やべえ……腹が……疼きやがる)
その上、彼には腹部の負傷という爆弾を抱えていた。
彼の体力を奪っていく大きな原因だ。
そして、それは彼に大きな隙を与えることになってしまう。
_
(;゚∀゚)「……ぐあっ!?」
不意に、彼の傷口に激痛が疾った。
それに伴って、彼の動きは一瞬止まってしまう。
(;;;;。_ゝ゚)「グギャアアアアアッ!!!!」
その隙を突くかのように、屍の片割れの巨爪が眉間に飛んで来る。
_
(;゚∀゚)「くそったれ!!!!」
彼は咄嗟に左腕を振り上げ、その軌道を逸らした。
左米噛みに一筋の傷を作るも、直撃だけは免れた。
屍は彼の左方に前のめりにバランスを崩し、転げようとする。
从;∀;ノ!リ「!! キャアアアアッ!!」
- 462:レースクイーン(アラバマ州) :2007/04/14(土) 03:28:14.11 ID:8EfekdEx0
- しかし、往なした方向が悪かった。
その直線上には、彼女の姿があったのだ。
行き場を失った爪は、そのまま彼女に向かっていく。
_
(;゚∀゚)「しまっt――」
彼はそれに気付くも、間に割って守る余裕は無い。
屍の爪は彼女の喉元を切り裂かんと、数センチ前まで伸ばされる。
(;;;;。_ゝ゚)「ギ――」
だが、彼女が貫かれることはなかった。
彼は反射的に、屍の頭を弾くように左腕で飛ばしたのだ。
屍の頭部は、ア、と言葉を続けようとしたが、完全に言い切らないままにそのまま床に転がった。
(゚<_。;;;;;)「グガアアアアアアッ!!!!」
片割れの動きが止まる寸前に、もう一方の屍も彼に向かって牙を立て、背中から齧り付こうとする。
(゚<_。;;;;;)「グ――」
その牙も同様に、標的を捉えることはなかった。
_
(; ∀ )「ッ!!」
彼も同時に裏拳を放っていた。
その一撃はその屍の頭部を砕く結果となる。
残った屍もまた、言葉を発することなく崩れ去ってしまった。
- 465:レースクイーン(アラバマ州) :2007/04/14(土) 03:29:57.55 ID:8EfekdEx0
- 从;∀;ノ!リ「ううっ……あにじゃ……」
_
(;゚∀゚)「……」
彼女は、舞い上がる炎の中で涙を溢していた。
しかし先ほどの叫びとは違い、弱く、か細い声で泣いていた。
彼はそんな彼女に掛ける言葉が見つからず、その様子を眺めることしか出来ずにいた。
彼は、倒された屍達を廃材と共に焼くことにした。
頭部を破壊しても動き出す可能性が充分にあったからだ。
それは、彼にとっても辛い選択である。
_
(;゚∀゚)「……なあ」
从;∀;ノ!リ「ううっ……なんじゃ?」
彼は何かを決心したのか、泣きじゃくる彼女の肩を叩き声を掛けた。
_
(;゚∀゚)「本当にすまなかった。俺も奴らを……いや、お前の兄貴を殺したくはなかった。
だが、ああするより仕方なかったんだ。でなければ、お前はあの二人に殺されてしまっていた」
从;∀;ノ!リ「……ぐすっ……」
_
(;゚∀゚)「だが、大好きだったやつを……大事な肉親を……俺はこの手で殺してしまった。
さぞかし、お前は俺の事を恨んでいるだろうな」
大切な人間を――もしそれが屍であったとしても、彼は結果的にその手にかけてしまったのだ。
その辛さを彼は誰よりも分かっているつもりである。
だから、彼は心の底から彼女に謝罪したのだ。
- 470:レースクイーン(アラバマ州) :2007/04/14(土) 03:32:11.39 ID:8EfekdEx0
- _
(;゚∀゚)「だから、俺のことを煮るなり焼くなり、それで気がすまなかったら……
殺されたって文句は言わないさ。お前が好きなようにしてくれ」
そう言いきると彼は地面に胡座をかいて、目を閉じ、座り込んだ。
从;∀;ノ!リ「……」
_
(;-∀-)「さあ、どうにでもしてくれッ!!」
彼は、完全に覚悟を決めて拳を握り締めた。
从;∀;ノ!リ「……こ……こ」
_
(;-∀-)「……へ?」
しかし、彼の想像とは違ったことが彼の身に降りかかった。
頭を優しく掌でなぞるような感触だった。
殴られるか、もしくは切り刻まれるかを覚悟していた彼にとって、それは意外なものであった。
_
(;-∀゚)「なにを……」
彼はそれに驚き、思わず瞼を開いた。
从;∀;ノ!リ「いいこ……いいこ……」
_
(;゚∀゚)「ちょ……おい……何やってるんだよ?」
彼の目に浮かんだのは、彼女が必死に涙を堪えて彼の頭を撫でている姿だった。
その表情は、悲しみを押し殺し無理に笑顔を作っているような、そんな不自然なものに見えた。
- 472:レースクイーン(アラバマ州) :2007/04/14(土) 03:33:52.35 ID:8EfekdEx0
- _
(;゚∀゚)「俺は、お前の兄貴を殺したんだぞ?
それなのに……なんで俺の頭なんて撫でているんだよ!!」
从;∀;ノ!リ「……って……じゃが……」
_
(;゚∀゚)「……えっ?」
それに対して、彼女は声を振り絞るように答える。
从;∀;ノ!リ「だって……いつもあにじゃが……
えらいことをしたら……そのひとをわらって……ほめてやれ……って」
_
(;゚∀゚)「は? 俺は、お前の兄貴を……」
しかし、彼の言葉を遮るように彼女は続ける。
从;∀;ノ!リ「……あれは……あにじゃではないのじゃ……
あんなの……あにじゃではない……あにじゃは……もっとやさしいのじゃ」
_
(;゚∀゚)「……」
彼は固唾を飲んで、黙って彼女の言葉を聞き届けた。
ひどく稚拙で、たどたどしい言葉だったが、彼はそれでも無言で聞いていた。
从;∀;ノ!リ「……あにじゃが……わるいことをしてたから……
ははじゃみたいに……とめなくちゃ……いけなかったのじゃ……
でも……ははじゃもいないから……かわりに……おじちゃんが……」
_
(;゚∀゚)「……もういい」
- 476:レースクイーン(アラバマ州) :2007/04/14(土) 03:35:33.77 ID:8EfekdEx0
- 今度は逆に彼が彼女の言葉を遮り、そして、言った。
_
(;゚∀゚)「もういいんだ……これ以上我慢する必要はねえッ!!
馬鹿野郎……こんなちっこいのに……何でこんなにしっかりしてるんだよ!!」
彼は、それと同時に、彼女をその腕でしっかりと抱きかかえた。
大きく受け止めるように、そっと優しく、力強く抱きしめた。
从;∀;ノ!リ「う……」
从;∀;ノ!リ「うあああああああああああ!!! あにじゃあああああ!! 」
ずっと我慢していたのだろう。
彼の胸に顔を埋めると、彼女は何かが外れたかのように泣き出した。
泣きじゃくった。鼻水が流れることも気にしないで、心の底から泣いた。
そして、失った大切な者の名を叫んだ。腹の底から叫んだ。
_
(;゚∀゚)「……」
彼はその全てを受け止めるかのように、じっとして動かなかった。
そして、彼女を励ますかのようにぽつり、と呟いた。
_
(;゚∀゚)「……お前の兄貴も姉貴も……父ちゃんも母ちゃんも……すげえ人だったんだな。
だって……こんなに強くて……優しい子に育ったんだもんな」
从;∀;ノ!リ「うあああああああああああ!!!」
彼女は暫くの間泣き続けた。
しかし、彼は彼女が泣き止むまで離れることはなかった。
- 480:レースクイーン(アラバマ州) :2007/04/14(土) 03:37:44.99 ID:8EfekdEx0
- 从・∀・ノ!リ「おじちゃん、いってしまうのじゃ?」
日が昇りかけた時、彼女は泣き止んでいた。
彼女は腫れぼったくなった目をこすりながら、立ち去ろうとする彼に問いかける。
_
( ゚∀゚)「まあな……俺にはやらなければいけないことが出来たんだ。
俺も逃げてばかりいないで決着を付けなければいけない」
彼は空を見上げ、何かに思いを馳せるように、自らに言い聞かせるように言った。
从・∀・ノ!リ「そうか……おじちゃんも、いろいろたいへんなのじゃ」
彼女はその言葉を聞くと、溜息を大きくついてほんの少しばかり表情を暗くする。
_
( ゚∀゚)「そんな顔すんなって……また危なくなったら直ぐに飛んできてやるさ」
彼は、そう言いながら彼女の頭を軽く撫でた。
彼女の艶の入った髪の毛はくしゃくしゃになった。
从・∀・ノ!リ「……ところで、おじちゃんのなまえはなんていうんじゃ?」
彼女は大きく首を振って乱れた髪の毛を元に戻すと、彼に尋ねた。
- 485:レースクイーン(アラバマ州) :2007/04/14(土) 03:39:49.41 ID:8EfekdEx0
- _
(;゚∀゚)「さっきから気になってたが……おじちゃんって呼ばれる歳なんだな」
三十の中程までに近づいていた彼にとって、その言葉はとても気になるものであった。
だが、それを頭の中で否定した後で、彼女の問いにこう答えた。
_
( ゚∀゚)「 ……俺には名はない。……だが、代わりに――」
从・∀・ノ!リ「……わくわくてかてか」
そして、彼は一呼吸置いた後に続けた。
_
( ゚∀゚)b「――『J』。正義の味方『J』とでも呼んでくれ」
こうしてこの日、義手の『英雄』、『J』は復活を遂げた。
それは珍しく空が澄んだ、太陽の眩しい日であった。
第五話 完
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