( ^ω^)エアーがクオリティーを育てるようです

416: すずめ(dion軍) :2007/04/11(水) 20:26:26.03 ID:JxlIAxi70
  
ξ゚听)ξ「ホント、嫌なメンバーだコト」

少女は興味無さそうに、そっぽを向きながら話を聞いていた。
協力する気はないのだろう、跳ね除けようという様が見て取れた。

ξ゚听)ξ「最後は私かしら? 私はそうね、面倒だしツンでいいわよ。ただの一般人よ、よろしくね元公安さん」

( ・∀・)「……ああ、よろしく」

媚を売るような態度に、モララーはまた頭を抱えた。
どうしてこうも異色のメンバーが揃うものなのか、今は協力して現状を把握するべきだろうというのに……
さらさら協力できる気がしない。


ツンが手短に紹介を終わらせるものだから、その場一体がまた静かになった。
これは改めて確認できたと見て間違いないだろう、互いが互いを信用できないという事を。


(´・ω・`)「やれやれ、元公安に自分の事を語らない女とはおっかないね、兄者」

(;´_ゝ`)「あ、ああ、まったくだぜショボンさん」

兄者は出来る限り胸を張ってショボンに付和雷同した。
あまりナヨナヨしていてもいけないだろう、出来る限り相手を刺激しないように流れを読まねば。

( ・∀・)「そういえばショボン君、死刑が決まったといわれていたと思ったが……」

(´・ω・`)「どうだったかなぁ……クックック」

(;・∀・)(まったくこれは未曾有の事態だね、自分の遭遇してきたどの事件よりも殊更に厄介だよ……)



419: すずめ(dion軍) :2007/04/11(水) 20:28:26.86 ID:JxlIAxi70
  
( ・∀・)「とりあえず自己紹介も終わったし、この4人で協力して現状の把握に努めようか!」

(;´_ゝ`)「おおーッ……てアレ!? 誰もノッてきてくれないの!? もしかして俺またういてる!?」

モララーが盛り上げようとするも、誰一人と便乗しなかった。
それぞれが険悪なムードを作る。

(;´_ゝ`)(地の文からも省かれると流石に淋しいな……)

ξ゚听)ξ「私は無理ね、どうしてこんな殺人者達といっしょにいなきゃいけないの?
   元公安さん、ちょっと意見が安直過ぎじゃなくて?」

(´・ω・`)「信じる相手は選んだ方が良いよ、僕もそのガキと一緒はいただけないな」

ξ#゚听)ξ「相変わらずよくもそんな言葉が並べられたもので」

突っ掛かるツンだが、ショボンが目を鋭くすると逃げるようにモララーのそばへと寄った。
そして隠れるように後ろへ回る。

ξ;゚听)ξ「ちょっと、元公安でしょ、アイツをどうにかしてよ!」

( ・∀・)「どうにかって今は協力するべきだと思う」

ξ#゚听)ξ「だからふざけないでよ、何甘ったるい事言ってんのバカじゃない?
   平和主義なんて今時耳障りったらありゃしない!
   だから公安も辞めさせられるのよアンタは、さっさとアイツをどうにかしなさいよ!」

後ろで叫ぶツンに、モララーは顔を向けた。
そして表情を崩す事無く、冷静な声で言葉をかける。



421: すずめ(dion軍) :2007/04/11(水) 20:30:30.60 ID:JxlIAxi70
  
( ・∀・)「公安は辞めさせられたんじゃない、辞めたんだ。
   それに僕は君の勝手のほうが気になるな、僕は君にバカにされる筋合いはない」

ξ#゚听)ξ「はぁ? 一般人の意見を汲み取りも出来ないだなんてたいした公安さんだコト。
   辞めただなんて随分と都合の良い言葉ね、この上なく胡散臭いわ。
   大方仲間達から省かれて一人虚しくなって辞めたんでしょうね」

(;´_ゝ`)(アレ? それって今の俺の境遇と相似するんだけど気のせい?)

( ・∀・)「ちゃんと一般の方々の意見は聞いているさ。
   ただ公安も一つ一つバカ正直に相手していられなくてね、特に最近多いんだよ、私事を公安に解決してもらおうという人がね」

ξ#゚听)ξ「あーあーなるほど、少しでもあんたを信用しようとした私こそバカだったって事が良く分かったわ。
   この分じゃ元公安ってのも怪しいものね」

( ・∀・)「そうだね、信用出来ない相手に頼み事はするべきじゃないと僕も思うよ」

モララーはつい噛み付いてしまった。
彼は彼なりの理由で公安を辞めた、そしてその結論に自信を持っていたからついムキになってしまったのだ。
そう、仲間達から省かれたということが、なまじ正しかったからこそ余計に。

(´・ω・`)「まあまあ君達、協力するんじゃなかったのかい?
   それともこれが君達流の友好なのかい? 随分荒々しい交流だね、この様子だと僕は仲良くできそうに無いよ」

ショボンは皮肉で笑い、お手上げだとポーズをとって見せた。


よくもまあこれほどいがみ合うメンバーが出揃ったものだ。



426: すずめ(dion軍) :2007/04/11(水) 20:34:37.58 ID:JxlIAxi70
  

日が傾きはじめると、その場はすぐに辺り同様漆黒の世界が待っていた。
慌ててモララーが木々を集め、ショボンのライターで火を起こす。
意外に乾いた植物が多く、火は想像以上に楽についた。

( ・∀・)「さて、とりあえず陽が出るまでは危ないから、ここで休むこととしようか」

モララーが提案したが、やはりその意見に反する者がいた。
この四人の納得できるアイデアがあるなら誰かにご教授承りたいものだ、頭を抱えた。

( ・∀・)「それで、何が納得いかないんだい?」

ξ゚听)ξ「当たり前でしょ、殺人者と一緒に寝れる訳ないじゃない、私は自分の部屋へ行くわ!」

( ´_ゝ`)(なんという死亡フラグ……これでシャワー浴びたら間違いなくティウンティウン)

(´・ω・`)「おや、てっきり男の人と一緒に寝れないなんて御託を並べるのかと思ったが」

ξ゚听)ξ「勝手に言ってれば? 私は男の人と野宿だってするし、野外で排泄だってそれしか手段がないならするわよ。
   アナタ達なんかとは温床が違うの、私はそういった経験をしながら育ってきたからね」

(;´_ゝ`)(そういう環境……野外プレイ!? ちょっと下半身が過敏だぜ!)

(´・ω・`)「ふしだらなものだね、そういった経験が君をそこまでダメにしたのか」

ξ゚听)ξ「同情……にしては随分と棘があるわね、本当ムカつくわ。
   私はそうやって我慢する事を知っているのよ、一時の幸せのために発展を望んだりなんてしない。
   アンタ達目先の利益に踊らされるような人間と一緒にしないで」



429: すずめ(dion軍) :2007/04/11(水) 20:36:41.04 ID:JxlIAxi70
  
(´・ω・`)「その年齢で人生の価値観を決めてしまうとは実に可哀そうだ」

ξ#゚听)ξ「だからその同情を止めろって言ってんのよ、アンタ本当に頭くるわ!」

どうしてこうもすぐに言い合いになってしまうのか。
ああ言えばこう言う、堂々巡りだ。

( ・∀・)「とりあえずツン君、今日はもう暗くて危ない。
   また明日になったら色々と今後について考える事にして、今日の所は一緒に休まないかい?
   これだけの暗闇だ、一度迷えばもう遭遇する事は不可能と言っても過言じゃないだろう」

ξ#゚听)ξ「いちいち説明しなくてもそれくらい分かってるわよ!」

だったら素直に従って頂きたいものだ。
なんにでも噛み付く姿は彼女自身今が理不尽で仕方ないからなのだろう、それは皆同じだというのに。

ξ#゚听)ξ「特にそっちのヤツ、不審ななりしているの、アンタよアンタ!」

(;´_ゝ`)「えっと、もしかしなくても俺ですよね」

ξ#゚听)ξ「他に誰がいるのよ、暗闇だと見難いのよアンタイライラするわね!
   寝時を襲ったりなんかしたら承知しないからね、見た目そんな感じだから嫌だわ」

(;´_ゝ`)(ようやく話に入れたと思ったらこれかよ……俺って空気とかそういうレヴェルじゃなくない?
   ああ、これが空気をも超えたメタンか、マジなんで俺ここにいるんだろ……。
   メタン合作はこの際いいわ、18禁合作早く完成させろって……)



430: すずめ(dion軍) :2007/04/11(水) 20:38:51.90 ID:JxlIAxi70
  
( ・∀・)「とりあえず今日は火を起こしたまま寝ることにしようか、獣の咆哮なんかは聞こえないけど、
   何かあった時は明るい方が都合が良いしね。
   一応火種をもう少し用意しておくよ、夜中に目が覚めた人がいたら、ついでに少し放り込んでおいて欲しいな」

このメンバーには生憎知恵の回る者が多かった(約一名を除いて)。
だからこそ「どうしてこんな異世界にいるのか」、そもそも「ここはどこなのか」をあえて話し合おうなどとしなかった。

各々様々な憶測を立ててはいたが、決してその内容を共有しようなどと考えなかった。


異世界、これほど非現実的な事を語るには非現実的な理論を振りかざすこととなる。
それを出来るほど大らかなプライドの持ち主がいなかったのだ。

そしてそれ以上に、協力をする気が欠片も無い事を互いに了承しきっていたのだ。
意見を提案しても、その考えを奪われるだけで相手からは何も引き出せない、それを無意識にも確信していたのだろう。


( ´_ゝ`)(そういえば、どうしてここにいるのかとか話し合ってなくないか?
   コイツら色々と考えているようで意外にダメダメだな。
   いや、オレがしっかりしすぎているのか参ったぜHAHAHA)


約一名を除いて。



435: すずめ(dion軍) :2007/04/11(水) 20:42:50.21 ID:JxlIAxi70
  

月明かりすら届かないこの暗闇では、小さな光でも辺り一帯を照らすには十分だ。
暗順応した人間の目では、視界に入る範囲の状況であればある程度把握する事が出来る。

夜も更けただろう頃、ツンはパチリと目を覚ました。


ξ゚听)ξ「……」

のそりと起き上がり、溜息を一つ。
頭を掻きながら隣を見ると、焚き火が明々な世界で元公安が静かに寝息を立てていた。

服についた砂を静かに払うと、また溜息を一つ。


そう、抜け駆けとでも言おうか、この世界を他よりも早く掌握する事が必要だと踏み、夜中にも拘らず散策しようと試みたのだ。
夜中の山道だって、発展の無い世界では当然のように探検せざるを得なかった。
自分にはその経験が大いにある、獣がいないだろうだけよっぽどマシだ。


目印をつけるためのナイフを元公安のリュックから拝借すると、ついでにお菓子をポケットに詰めた。
そして「してやった」笑顔を残し、暗闇へと歩いた。



437: すずめ(dion軍) :2007/04/11(水) 20:44:54.76 ID:JxlIAxi70
  
自分の背丈をゆうに超える雑草を踏み分けようとするが、これだけの密林だ、一つ一つの草の生命力は半端ない。

ξ;゚听)ξ「ちぃっ……!?」

眉間に皺を寄せて舌打ちする。
あまり大っぴらに草を踏み分けては、一人勝手な行動を取っていたと証拠を残すようなものだ。
それで翌朝に云々言われるのは勘弁願いたい。

少なくとも、元公安とはある程度の繋がりを維持しなければいけないから。
そう、あのショボンとかいう重罪者……アイツは危険だ。
アイツと向き合うためには、一人では分が悪い、だから勝手な行動を見抜かれて元公安の信用を失うのだけは極力避けなければ。

ξ#゚听)ξ(ああ、それにしても邪魔な雑草ね!!)

そして無理矢理雑草を掻き分けたその先に、まさかの光景があった。



( ´_ゝ`)



ξ゚听)ξ「……」


(;´_ゝ`)「あ、あれ?」



440: すずめ(dion軍) :2007/04/11(水) 20:46:52.30 ID:JxlIAxi70
  
不覚も不覚、この男、空気が読めないにも程がある。
兄者は一人草陰に隠れて用を足していたのだ。


   ジョロロロ......


(;´_ゝ`)「奇遇だな、アンタもおしっこか? それとも大きい方か?」

最低なヤツだ、同時にこんなヤツに自分の計画が台無しにされた事実に、これ以上ない蟠りが生まれた。

ξ#゚听)ξ「アンタ、レディーに向かってそんな事聞くのは野暮じゃなくて?」

( ´_ゝ`)「ということはやっぱりおしっこか、恥ずかしがる必要なんてないさ」

ξ#゚听)ξ「だから違うわよデリカシーの欠片も無い変態ねアンタ!
   っていうかいい加減下半身にぶらついている粗末な物しまいなさいよ不快だわ!」

(;´_ゝ`)「そ、粗末だとおおおおおおお!!!」

兄者は叫び、すぐにもおおっぴろげていたプライバシーを保護した。
そして言葉攻めも意外に良いかもしれないなどと思い直した。


ξ#゚听)ξ(まったく、何でこんなに黒一色に統一してるのよ、目の前に来るまで気付かなかったわ……
   少しおしっこがかかったかもしれないわね、あああもうイライラする事ばっかだわ!)


(;´_ゝ`)(ヤバイな、なかなか少女に辛辣な言葉をかけられるプレイも捨てたもんじゃないかも知れん。
   ここでズボンをパンツごと下げたらもう一度変態と言って貰えるのだろうかハァハァ)



442: すずめ(dion軍) :2007/04/11(水) 20:48:57.16 ID:JxlIAxi70
  
兄者は今すぐにでも自分の下半身を曝け出しあらん限りの罵声を浴びせて欲しい本能的な欲求に身を焦がされながらも、
彼の中に辛うじて存在していた理性が紙一重、その行為を抑制した。
本日最も輝かしい兄者の姿だった。

( ´_ゝ`)「それでどうした? 寝れなかったのか?」

ξ゚听)ξ「当然でしょ、アンタみたいな不審者と一緒で安眠しろという方が無茶だわ」

相手の意見に便乗しながらも、つっかかる言葉は止めにしない。
兄者もムッとして表情を歪ませた。

( ´_ゝ`)「俺だって自他共に認める不審者だが、生憎相手は選んでいるつもりだ」

そうだ、自分が恋をしたのは小学2年生の可愛かったあの幼女であり、下の毛も生え揃っているだろう女に用はない。
年齢が二桁にもなれば既に年増、あからさまなボール球だ、手を出したりなんてしないさ。
ただのロリコンとは違うのだよロリコンとは! いやいやそもそも俺はロリコンなんかじゃないぃッ!!

ξ゚听)ξ「相手を選ぶからでしょ、だからこそ私を目にかけるってもんじゃなくて?」

まったくどこまで図々しい女なんだ、話をしていると憤りばかりが募ってくる。
男と寝る事に何とも思わない、外で放尿する事に羞恥心も無い、男の下半身を目の当たりにしてもたじろぎもしない。
そんな初心さの欠片も無い女に自分がなびくわけないだろう?

件の幼女については本当の恋であり俺自身はもうロリコンから足を洗った身だ。
そもそも自信満々に言えるほどオマエは可愛いのかと……アレ?


よく見たら結構可愛くない?



448: すずめ(dion軍) :2007/04/11(水) 20:51:08.90 ID:JxlIAxi70
  
そうだよ、この子に俺の恥辱部位が見られたんだよな?
この子に散々罵られて、この子と寝て、この子が野外で放尿……これはヤバイ、児童法に引っ掛かるぜひゃほ〜い!!

(;´_ゝ`)(まったく俺はバカだ、大バカ野郎だ。
   不審者とロリコンは切っても切れない仲だというのに、
   不審者であることを薄々認めながらにロリコンを否定しようなど……まったく身の程知らずでおこがましい愚行だ!)

兄者はこの時、『失いかけていた大切な思い』を取り戻した。

(;´_ゝ`)(ああああ……体が芯から奮えやがるぜ……もっとだ、もっとオレを罵ってくれ
   世界中にあらん限りの罵詈雑言でオレを髄から罵倒し尽くしてくれハァハァ)

兄者は果てしなく変態のようです。


ξ;゚听)ξ(え!? 何コイツ、いきなり震えだして……もしかして怒ってるの?
   そういえばコイツも犯罪者よね……まさかここで襲ったりなんて……)


(;´_ゝ`)「ふうう、それで、ツンとかいったか?」

ξ;゚听)ξ「な、何よ……!」

(;´_ゝ`)「20……いや、10歳までなら歳の差なんて関係ないと思わないか?」



ξ;゚听)ξ「……はい?」



452: すずめ(dion軍) :2007/04/11(水) 20:53:14.66 ID:JxlIAxi70
  
(;´_ゝ`)「ハァハァ」

ξ;゚听)ξ「……ッ!!!!!!」

そうだ、やっぱり怒らせたんだ、存在感が空気と等しく不審だからとバカにしていたが、内心ハラワタが煮えたぎってたんだ。
彼の堪忍袋を私が破いたんだ、殺される。
年齢を聞いたところからすると、犯されてから殺されるんだ、絶対に。

ξ;゚ー゚)ξ「アンタ、ここには元公安もいるのよ? なのに本気?」

(;´_ゝ`)「関係ない、(恋は)個人の自由さ」

ξ;凵G)ξ「んんーッ!!!」

犯罪者特有の一直線な感情が兄者から垣間見えた。
罪を犯す寸前の、己の行為に一筋の疑問も持たない、『キレた』瞬間。


殺される。


(;´_ゝ`)(好きだって言うぞ、付き合ってくれって言うぞ!)

真暗な世界で唯一目視できる兄者の表情が、我慢できないとばかりに、そして覚悟を決めた表情となった。

身の危険を感じたツンは目淵に涙を溜めながら、咄嗟に身体を反転させ、来た道を一気に駆け戻ろうとする。



戻る携帯用3ページ目へ