( ^ω^)エアーがクオリティーを育てるようです
- 456: すずめ(dion軍) :2007/04/11(水) 20:55:11.57 ID:JxlIAxi70
(´・ω・`)「何かお困りかい?」
ツンは体が一瞬で硬直し、ヘナヘナとその場に座り込んだ。
『死』が見えた、突然の嗚咽に呼吸すらままならなくなり、勝手に涙は出た。
振り向いた先にいたこの男へ、今までとは比べ物にならないほど強烈な殺意が沸いた。
どうしてコイツが!?
目の前の男の顔を見れば分かる、楽しんでいる。
自分を卑下しながら愉快になっている。
悔しさなど一陣の風のように消えうせ、もう絶望感しか感じなかった。
私 は 死 ぬんだ 。
呼吸と心音が止まったのを感じた。
どれだけふっちゃな顔をしていたことだろう、どれだけクシャクシャに表情を潰していた事だろう。
(;・∀・)「ちょっと皆落ち着いて……。大丈夫だよ、ツン君」
焚き火の小灯と涙で混濁した世界の中、私は最後の希望を見つけ、なりふり構わずにすがった。
- 458: すずめ(dion軍) :2007/04/11(水) 20:57:13.08 ID:JxlIAxi70
- (´・ω・`)「やれやれ、ちょっとおいたが過ぎたかな? 兄者も落ち着いて」
(;´_ゝ`)「あ、はい」
兄者は二人きりの良いムード(兄者主観)を壊され腑に落ちないも、ショボンの言葉に素直に従った。
反論するほど無謀な事も無い、これから先幾度とチャンスはあるだろうと思い。
そして兄者は次の瞬間、とんでもないものを目にした。
(;・∀・)「大丈夫かい、ツン君。もう安心して」
ξ;凵G)ξ「ふぇぇ〜、えッ、ッ!!」
泣きつくツンに、それをあやすモララー。
兄者の心に嫉妬という炎が静かに、それでいて力強く点火された。
絶対に許さない、人生で最も兄者が男らしい瞬間である。
(#´_ゝ`)(モララーとかいうヤロウ……俺ら二人の空間を邪魔するだけに留まらず抱きつかれるだとぉ!?
空気読めないなんてレヴェルじゃねぇ、絶対に許さねぇ!)
- 462: すずめ(dion軍) :2007/04/11(水) 21:01:16.75 ID:JxlIAxi70
(´・ω・`)「ククク、それにしてもダメだね、抜け駆けならもっと周到にしなくちゃ」
( ・∀・)「まぁ僕もショボン君に突然起こされて何事かと思ったけどね……
とりあえずは皆で現状把握に努めようよ、誰かが一人躍起になっても進展は望めないよ」
ξ゚听)ξ「……」
モララーに言いきかされる様にして、ツンはムスッとしながらも渋々頷いた。
自分に非がある行動の後ではいささか分が悪いか、負い目のある手前頷くしかなかったともいえる。
(´・ω・`)「進展と言ってもねぇ……ここにあるのは植物に囲まれた暗闇だけだよ?
文字通り暗中模索したところで何か得られる物があるとは思い難いがね」
それは当然誰もが感じていた。
砂漠と茂みだけが存在するだろうこの世界をくまなく捜索したとして、果たして何が得られるだろうか?
「ふふふ……とうとう私の出番のようだね!」
(´・ω・`)「!!」
( ・∀・)「誰だ!?」
(;´_ゝ`)(あれ、なんかこの声聞き覚えあるような……)
困惑する四人の前に、一人の男が姿を表した。
- 468: すずめ(dion軍) :2007/04/11(水) 21:03:18.25 ID:JxlIAxi70
- ('A`)「れでぃーすあんどじぇんとるめん!」
黒いシルクハットに皮靴、上裸にして黄色いブリーフ、その全てを包み込むような虹色マント。
不審という言葉では受け取る側にいくらかの差異が生じるものだろうが、
ことこの男に関しては言いきれる、不審という言葉ですら生温いと。
世間一般でいう不審者がゴミのようだ。
(;´_ゝ`)「会長ぉぉぉおぉぉぉおおぉぉぉ!!!!!11」
('A`)「HEY兄者、こうしてまた出会えたのも運命だと思わないか?
日本不審者協会の後を継げるのはYOUしかいないと確信しているんだが」
何コイツさも当然そうに出現してんの!?
何コイツさも当然そうに微妙な英語使ってんのマジムカつくんですが!?
つか馴れ馴れしく話しないでくれって、皆一歩引いちゃってるじゃん!
ξ;凵G)ξ「……!」
ほら一人なんてもう涙目だよやっぱりそうだよコイツ疫病神だよ俺コイツに出会ってからろくなことないもん!
恋愛に現を抜かしてはコイツ絡みで絶対破局しているもん本当止めてくれよ跡形もなく消えてくれよ!
(;´・ω・`)「……類は友を呼ぶ……らしいね」
(;・∀・)「まったく、こんな人達のいる町の公安だけはゴメン被りたいね」
なんか勝手に解釈して納得しちゃってるじゃん、違うって俺はこんなヤツと同一視されたくないよ!
てか俺でさえ浮き気味のふいんきだったのにオマエ出て来たら滅茶苦茶になるの目に見えてるじゃん!
- 476: すずめ(dion軍) :2007/04/11(水) 21:05:25.57 ID:JxlIAxi70
- ( ´_ゝ`)「それでなんでいるのかとかそう言う事はこの際どうでもいいわ、何の用?
用済んだらとっとと帰ってくれる?」
('A`)「とある人物に頼まれてね、YOU達に言伝を預かってきたのさURYYYYY」
( ´_ゝ`)「いい加減アルファベット止めろよ。
アルファベットで戦うぞ、アルファベットで刺すぞ?」
ξ;凵G)ξ「そうよ、言伝って何よそれ伝えたら本当に帰るんでしょうね!」
(´・ω・`)「誰から何を頼まれたんだい?
さっさと話してさっさとおいとま願おうか」
( ・∀・)「思わぬ新情報の望みがあるね、それだけ手短に話してどこにでも行ってくれないか?」
('A`)「」
どうやら皆さん生粋のSのようです。
( ´_ゝ`)「で、一体どんな有益な話をしてくれるんだ?
どうでも良い話ならマジでドタマかち割るぞ」
('A`)「まーまー聞きたまえ諸君、まずはこの世界という物について少々話しようじゃないか」
まさか彼の口からこのような言葉が出てくるとは思いもせず、一同顔を見合わせた。
一抹の希望、強大な不安を抱えながら変態の話に耳を傾ける。
- 478: すずめ(dion軍) :2007/04/11(水) 21:07:30.93 ID:JxlIAxi70
- ('A`)「元々この世界は一面砂漠だけが広がる漠然とした世界だった。
そして日々駄スレからのエネルギーを供給する事で、このように森が次第に広がっていったんだ」
(;´_ゝ`)(アレ? 何これ、真面目な感じ何これ?
全員仕掛け人とかそういうオチ? 何で真面目ムードなの俺だけやっぱりういちゃってない?)
('A`)「この世界は駄スレを糧として日々成長しているんだ。
ところが最近、駄スレになるべきでないだろうスレに駄スレの可能性を示唆するキャラクターが出現した。
……これ以上は言わずもがな、分かってもらえるか」
( ・∀・)「スレって言うのはなんだい?」
('A`)「ああ、説明が足りなかったか、つまるところパラレルワールドさ。
それぞれの世界において、キミ達が
ξ゚听)ξ「ゴメンなさいもうちょっと離れた所から話してもらえます?」
('A`)「……それぞれの世界において、キミ達がその世界を破綻させる可能性を示していたと。
それでこうやって集結させられたんだ」
変態は律儀に三歩ほど下がって説明を終わらせた。
世界の破綻、言われても今ひとつピンとくるものはなかった。
(´・ω・`)「それで、誰なんだいこうやって僕達をこの世界へ呼び寄せた人物というのは」
('A`)「全てのパラレルワールドを司る者、ひろゆk……神様といった所か」
- 480: すずめ(dion軍) :2007/04/11(水) 21:09:35.71 ID:JxlIAxi70
- ( ´_ゝ`)「それで、どうやったらオレたちは現実世界へ帰る事が出来るんだ?」
('A`)「あーにじゃー、そんなに堅くなるなよぉ、俺たちの仲だろ?」
( ´_ゝ`)「オマエはそんなにオレを除け者にしたいのか?」
('A`)「あーはいはい、説明すれば良いんだろさせて頂きますよケッ」
(#´_ゝ`)(何で俺だけ省きにされるのだろうか、ってかコイツにやられると異常にムカつくわ)
('A`)「オマエさん達は大切な物が欠けた、だから現実世界から隔離されたんだ。
このままだとその世界である良スレが、駄スレとしてこの世界の栄養源にされてしまう可能性が現れたのだ。
だからそれぞれが忘れている大切な思い、『クオリティー』を手に入れなければ現実へは戻れない」
(#´_ゝ`)(ってかコイツが真面目に話しているだけで激ムカつくわ、何このやるせない気持ち!?
どこにぶつければいいの? 今にも殺意芽生えそうなんですが?
っていうか上裸ブリーフが真剣な表情をしてる時点でギャグだろ、誰か笑えよ笑い飛ばしてやれよ!!)
兄者が一人わだかまりに耐え切れず地団太を踏んでいるが、誰一人として目を向けない。
そう、その時彼はまさに空気だったのです。
真っ黒い彼よりも、虹色ブリーフの変態こそが今、脚光を浴びているのです。
(#´_ゝ`)(俺は同じ不審者としてこの上ない苦渋を味あわされた……。
『オマエに不審者を名乗る資格はない』、遠まわしにそう言われた気がしtって誰も不審者なんて名乗ってねーよ!)
それにしてもこの兄者、ノリノリである。
- 483: すずめ(dion軍) :2007/04/11(水) 21:11:32.47 ID:JxlIAxi70
- ('A`)「そして兄者、貴様に足りない『クオリティー』とは日本不審者協会の後を継ぐことだ。
さあ今すぐ誓え、そして不審者の不審者による不審者のための自由を手にするのだ!!」
台詞を気持ちよく言い切った変態の顔面に、兄者の二重の極みが炸裂した。
彼の頭は粉々に砕け散布される。
「ははは兄者、今はまだそうやって抵抗するがいいさ!
ただお前はいつか絶対に不審者協会を再興する時が来るだろう!
おのが『クオリティー』を全員が発見した時、またオマエ達の前に姿を表すだろうアディオス!」
誰もが二度と会いたくないと思ったが帰るためならば仕方ない、喉まで出かかった台詞を必死に飲み込んだ。
気付けば変態の残り香はどこにもなく、そこには虹色マントと黄色いブリーフだけが残されていた。
(#´_ゝ`)「マントだけならまだしもブリーフってバカにしてんの!?
何このさっきまで人肌に触れていただろうこんもりとした温かみ!?
不快だよ、ああ不快だともさ不快の極みだよキング・オブ・FUKAIさッ!!」
(´・ω・`)「とりあえず落ち着いて現状把握に努めるべきじゃないか兄者?」
(;´_ゝ`)「あ、ホンマすんません調子乗ってました。
あまりの理不尽さにちょっと周りまで目配りする余裕なかったっす面目ねぇ」
- 487: すずめ(dion軍) :2007/04/11(水) 21:15:37.70 ID:JxlIAxi70
( ・∀・)「さて、とりあえず脱出の方法は分かったね、それぞれの『クオリティー』を手に入れることだ」
ξ゚听)ξ「本当なら自分の『クオリティー』が何かまで聞けたら良かったんだけどねぇ……
誰かさんがせっかくのナビを完膚なきまでに粉砕するから……あーあ」
(;´_ゝ`)(え、俺か、俺のせいなのか!?)
兄者の しんらいが 320 さがった
兄者の ふしんどが 20 あがった
兄者は ちょっと ぼっき した
(;´_ゝ`)(快感だがこのままではまずいな、どこかで汚名返上を図らねば……!)
(´・ω・`)「過ぎた事は仕方ないさ、クヨクヨしていたって前へは進めない。
それで、その『クオリティー』とやらを探すのかい、これから?」
( ・∀・)「当面の目的はそれだろうね、忘れている大切な思い……か」
(´・ω・`)「つかぬことだが……」
ショボンが一度言葉を区切ると、一体なんだと皆の視線が集まった。
そこで改めて息を吸うと、言葉を紡ぐ。
(´・ω・`)「キミ達は……現実世界へ帰りたいのかい?」
その瞬間、愕然となって目が見開き、怒りとも絶望ともつかない感情がそれぞれを渦巻いた。
突然この男は何を言い出すのか、その真意を聞くのが一瞬躊躇われた。
- 490: すずめ(dion軍) :2007/04/11(水) 21:17:45.47 ID:JxlIAxi70
- (;´_ゝ`)(あれ、何この空気? いきなり張り詰めてきたんですがとても息苦しいのですが?)
ξ;゚听)ξ「アンタ……まさかね、下手な事言ったらぶっ殺すわよ?」
(;・∀・)「ショボン君、なんて言うかその、どういう意味か……聞いてもいいのかい?」
(´・ω・`)「自分が欠いているだろう大切な思いなんて心当たりがありすぎてね。
キミ達といても果たしてそれが補完されるかというと、とてもじゃないけど望めなさそうだ。
何よりも……ここは随分居心地がよくないかい? 街の下らない喧騒もなく自由だ」
どうだと言わんばかりに自論を奮ったショボンに、ツンはまた突っ掛かろうとする。
ショボンが睨みを利かせたことですぐにもモララーの陰へと逃げ戻ったが。
(#´_ゝ`)(モララーのヤロウ、また……ちくしょう羨ましいぜ!
それともまさか俺避けられてる?
違うよね、俺が暗闇に擬態して見えないだけだよねああそうかそのせいか!)
突如黒い服を脱ぎ出した兄者だが誰一人としてそれを気に留めない。
( ・∀・)「どうだろう、ここは協力してもらえないだろうか?
さっきの変態が言っていたけれど、全員がクオリティを発見しなければ僕らは一人の例外もなく現実には帰れない。
僕達のためにも、お願いできないかい?」
(´・ω・`)「人様のためなんて真っ平ゴメンだね、勝手にするがいいさ」
ξ#゚听)ξ「言うだけ無駄よ、コイツはこういうヤツなんだから!」
吠えるツンの横で兄者はズボンを脱ぎ終えていた。
下着のパンツもブラも例外なく黒色だ、大人の色香が漂う。
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