( ^ω^)閉鎖から一年経った俺達……

136: 第三章 ◆PdFSeGF7kA:2007/01/13(土) 23:43:54.73 ID:cTw4fGI30
  
笑顔があった。涙があった。
喧嘩があった。戦いがあった。
全て目に見えない画面越しの話だけど、全て現実。
目を閉じればそっと浮かぶ。そんな記憶。

( ^ω^) 「それをアイツが打ち壊した……」

タカテレビに起こる暴動を眼前に呟く。

( ^ω^) 「アイツが僕等の友情を打ち砕いた……」

怒り? 否。それとは違う感情。
どちらかと言うならば、悲しみが大きいのかもしれない。

( ^ω^) 「うおおおおおおおおおおおおおお!!!!」

叫び声を上げながら。
僕は祭りへと突入していった。



137: 第三章 ◆PdFSeGF7kA:2007/01/13(土) 23:44:09.20 ID:cTw4fGI30
  
爪'ー`)y- 「いやぁ。こんな感じで良かったですかねぇ」
(   )  「いやいや。上出来ですよ。やはり口が回りますなぁ」
爪'ー`)y- 「よしてくださいよ。貴方程では無いですから」
(   )  「ククク……。そんな事は……」
爪'ー`)y- 「ではこれで……約束の物は?」
(   )  「ああ。もちろん。君に譲ろう。本当にありがとう」

ジェイソン(偽名)は暗闇で男と話していた。
男の口元は意地汚く釣りあがり、その体からは妖艶な空気が踊る。

(   )  「貴方の御蔭で俗に言う「古参達集」は一網打尽ですよ」
爪'ー`)y- 「私としましてもありがたい事ですから。一年前のリンチは堪えましたよ」
(   )  「何をおっしゃいますか。防弾チョッキを纏っていたくせに」
爪'ー`)y- 「ま。奴等は私達の手で踊るだけですよ。所詮元ニート。頭の無さが自慢です」
(   )  「全くその通り」

世の中には人が放つオーラが見える人がいると言う。
その人達が言っている事は誠か、それとも嘘かは判断し難い。
だが堪えた笑いをし続ける彼らの体からは、言うならば紫色のオーラが湧き出ていた。



138: 第三章 ◆PdFSeGF7kA:2007/01/13(土) 23:44:23.62 ID:cTw4fGI30
  
暴動は激しさを増していく。
タカテレビを護っていた警備員を含む警察官達も、圧倒的な人数を前に退いていく。
およそ三万人の大群が押し寄せたその場は、まさしく戦争中のイラクを思わせた。

(#´_ゝ`) 「南口が開いたぞ!!突撃だ!!」

遠くの方からの声を合図に、人々は其方に流れ出す。
手に武器を持った先発隊が道を切り開き、武器を持たぬ保安隊が警察官達を退ける。
先程まではバラバラに行動を起こしていた男達は、今や統率された軍隊を連想させる。

( ^ω^) (これが長年で築かれた絆かお)

そんな事を思いながら、僕は保安隊として警察官の顔に拳を打ち込んだ。



139: 第三章 ◆PdFSeGF7kA:2007/01/13(土) 23:44:41.01 ID:cTw4fGI30
  
爪'ー`)y- 「もうそろそろいいんじゃないですかね?」
(   )  「ああ。公務執行妨害。不法侵入。その他多数の犯罪は映像に収められた」

男は携帯電話を片手に取った。

(    )  「私だ。制圧許可を出す」
(    )  「ん……ああ。もちろん発砲許可もだ。と言うか撃ち殺せ」

ジェイソン(偽名)は満足そうに頷く。
男が携帯電話の通話ボタンを消すと、ジェイソンは微笑みを送った。

爪'ー`)y- 「これで私も安心ですよ」
(   )  「我々も。これで国民に顔向けができるというものです」
爪'ー`)y- 「何。私の兵士達は幾らでも動きますよ。貴方方の名誉のために」
(   )  「うれしい事を言ってくれる。これからも頼むよ」

男達は固い握手をした。
それと同時に、虚空に銃声が響き渡った。



147: 第三章 ◆PdFSeGF7kA:2007/01/14(日) 00:33:51.10 ID:dVRgBGsP0
  

一瞬の静寂が場を包む。

( ■・■) 「―――――――――――」

それと同時に、一人の男の額から鮮血が噴出した。
暴徒達が見つめる中、銃を発砲した男は叫んだ。

( ・∀・ )  「我々は第三特別部隊である!!これより貴様等を制圧する!!」

男の背後から大量の部隊が咆哮を上げながら突入してくる。
暴徒達は負けずに咆哮を上げながら、それに立ち向かっていった。

( ^ω^) 「おおおおおおおおおおおおおお!!!」

何でこんな事が出来るのだろう。
朝と昼は地味にデスクワークをしていた僕が、こんな事を出来るのだろう。
考えても答えは出ない。だけど、僕等は拳銃も恐れずに立ち向かった。



148: 第三章 ◆PdFSeGF7kA:2007/01/14(日) 00:34:04.59 ID:dVRgBGsP0
  
勝てる訳無かった。
纏まったといっても所詮は急拵えの暴徒。
洗練された動きをする軍隊に勝てる訳が無かった。

('A`) 「チッ……コイツ等……俺等の動きを読んでやがる……」

内藤と同じく暴徒に加わっていたドクオは、ペッと唾を吐いた。
しかし何か違和感がある。そう。言うならば……

('A`) 「まるで何回もリハーサルがあったかのような……」

そんな事を考えた瞬間。
ドクオの腕を銃弾が打ち抜いた。

(;'A`)    「ぐああっ!!」
( ■■) 「暴徒め!!死ぬがいい!!」

軍隊の男はショットガンをドクオに向けた。
考え事に一瞬捕らわれた事で、避ける事に遅れたらしい。
ドクオの周りには小さな間隔があけられ、その瞬間を今か今かと恐れていた。



149: 第三章 ◆PdFSeGF7kA:2007/01/14(日) 00:35:08.30 ID:dVRgBGsP0
  
(´・ω・`) 「遅い」
(;■■) 「なっ………」

不意に男の首が飛んだ。
男は鮮血を吹き上げながら倒れこみ、その後ろではポーズを決めた男が目を細めていた。

(´・ω・`) 「さて……無事かな? 皆?」

唖然として見つめる周りを他所に男はやわらかい声を発した。
ドクオは数秒呆然と見つめていたが、思い切った様にに声をかけた。

(;'A`)   「あなたは……?」
(´・ω・`) 「僕の名はショボン。と言っても、君達には伝わらないだろうね」

男は右手に構えていたサバイバルナイフをクルクルと手で回す。
そして倒れた男が持っていた拳銃をドクオに頬リ投げた

(´・ω・`) 「君達に伝わりやすい言い方で言えば、僕の名は「野菜レイパー」」
('A`)    「野菜……レイパー……だと?」
(´・ω・`) 「かつてはうpで皆を喜ばせていた者さ。今は武勇で君達を喜ばせよう」

野菜レイパー。否。ショボンはサバイバルナイフを構えなおすと、ドクオに声をかけた。

(´・ω・`) 「一緒に逃げるんだ。その腕じゃ、一人では無理だ」

ドクオは無言で頷きながらショボンんい続く。
周りで唖然としていた衆は、その姿を歓喜の眼差しで見つめていた。



150: 第三章 ◆PdFSeGF7kA:2007/01/14(日) 00:35:26.05 ID:dVRgBGsP0
  


(;^ω^) 「駄目だお……。このままじゃ……」

僕の周りで人が死ぬ。
僕の周りで人が殺す。
まさに戦争。その言葉がふさわしい。

(;^ω^) 「もう……逃げるしかないお!!」

僕は意を決したように走り出した。
人と言う名の盾を構え、僕は逃げ出した。



151: 第三章 ◆PdFSeGF7kA:2007/01/14(日) 00:36:31.26 ID:dVRgBGsP0
  
親亀こけたら皆こける。
一人が逃げれば皆逃げる。
かつてのことわざのような動きを見せ始めた戦場。
軍人達は「そらきた」と言わんばかりに銃撃を開始し、暴徒達は散り散りになっていく。

(;^ω^) (死にたくない、死にたくない、死にたくない)

銃声を背負いながら内藤は走る。
後ろから数人の男達が追ってくる音がする。
同じ暴徒だろうか。それとも殺人鬼だろうか。
振り返る余裕もないほど、僕は必死だった。


「内藤!! 内藤!!」


誰かが僕を呼んでいる。
きっと殺人鬼だ。僕を殺しにきたんだ。
足音が狭まってくる。怖い。死にたくない。嫌だ。


(;^ω^) 「いやだああああああああああ!!!!」




('A⊂(^ω^ )   メショ



152: 第三章 ◆PdFSeGF7kA:2007/01/14(日) 00:36:54.72 ID:dVRgBGsP0
  


( ^ω^) 「と、言うわけで公園のトイレにやってきたのである」
('Aメ)    「目が痛いです」
( ^ω^) 「そうですか」

僕を追いかけてきたドクオはショボンと言う人に抱えられていた。
腕を打ちぬかれて血を流していたけれど、ドクオは元気そうである。

(´・ω・`) 「タカテレビ中央公園だから逃げた事にはならないよ」

冷静に分析するショボン。

(´・ω・`) 「ここで仲間と落ち合う事になってるんだ」

メールを確認したショボンは、ドクオの血をトイレットペーパーでふき取った。
ドクオは少し痛そうな顔をしたが、やはりポーカーフェイス。一瞬で復帰した。



153: 第三章 ◆PdFSeGF7kA:2007/01/14(日) 00:37:10.99 ID:dVRgBGsP0
  

最悪の殺人鬼。野菜レイパー。
2ちゃんねる閉鎖を期に現れた彼は、僅か一ヶ月で指名手配された。

(´・ω・`) 「僕は何もしてないさ。相方が悪いんだよ」

本人はこう語る。

(´・ω・`) 「相方の仕事がテレビ関係でね。顔がバレるとヤバイんだよ」
('A`)    「じゃあショボンさんは、罪を被ってるんですか?」
(´・ω・`) 「いや。さっき人を殺したから、殺人の罪は間逃れないね」

その時。トイレの入り口に誰か立った。



154: 第三章 ◆PdFSeGF7kA:2007/01/14(日) 00:37:32.48 ID:dVRgBGsP0
  
ショボンは息を潜めて立ち上がった。
そして足音を気遣うように入り口に出て行くと、相手からは見えない位置で声を出した。

(´・ω・`) 「あるある」
(    ) 「ねーよ」

ショボンの顔に安堵の気持ちが現れる。
ホッと溜息をついた彼は、その人物を迎え入れた。

(´・ω・`) 「彼が相方。ジョルジュ長岡。と言っても君達には伝わらないだろう」

その人物には、怖いほど見覚えがあった。
先程テレビで見たばかりである。それも憎い相手の目の前に座っていた。

( ゚∀゚)  「魔少年……っつた方がいいかな?」

どう見ても24歳の彼は、そう名乗った。



156: 第三章 ◆PdFSeGF7kA:2007/01/14(日) 00:37:46.65 ID:dVRgBGsP0
  


( ^ω^) 「…………ショボンさん」
(´・ω・`) 「何かな?」
( ^ω^) 「…………魔少年って…何歳か知ってますかお」
(´・ω・`) 「いかにも。ここに立つのは魔少年では無い」

ジョルジュは無線で連絡を取っている。
こちらの会話は聞えていないようだ。

( ^ω^) 「じゃあこの人は誰なんですお?」
(´・ω・`) 「その話は本人から聞いて欲しい。その前に……」

遠くから銃声が響き渡る。
悲鳴や怒号は、すぐ近くに迫っているようだ。

(´・ω・`) 「ここが戦場だと言う事を忘れているね」

ショボンは冷静に目を細めると、ジョルジュのほうに向き直った。
ジョルジュはグッと親指を立てると、トイレの外を指した。
そこには、今まで乗ったことの無かった。黒く輝くリムジンが止めてあった。


続く



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