( ^ω^)ブーンがK-1のリングで亀田興穀選手と闘うようです
- 323:1 ◆piEfblYWC. :2006/08/10(木) 01:11:39.75 ID:cZXaHYm40
- ( ^ω^)「お・・・・・?」
ブーンは目を開けた。
体を起こし、辺りを見回す。
そこはお花畑だった。
辺り一面は様々な色の花々が咲き乱れ、空は青く、空気は澄んでいる。
( ^ω^)「てふてふが飛んでるお」
一匹の蝶がひらひらとブーンの前を通り過ぎる。
( ^ω^)「キレイなとこだお」
ブーンはうーんと背伸びすると、どこへ行くとも無く、歩き始めた。
( ^ω^)「お? 建物が見えるお」
ブーンはその建物目指してゆっくりと歩いた。
- 330:1 ◆piEfblYWC. :2006/08/10(木) 01:14:49.25 ID:cZXaHYm40
- ( ^ω^)「お? この建物は皆と行った別荘じゃないかお?」
ブーンが購入した廃病院を改造した別荘。
確かにそれはブーンの別荘だった。
が、近くへ行ってよく見ると、外観は今まさに建てられたかのように新しく、ブーンの別荘とは似ても似つかぬものだった。
( ^ω^)「誰か綺麗にしてくれたんだお」
ブーンは中へ入っていった。
- 331:1 ◆piEfblYWC. :2006/08/10(木) 01:15:27.62 ID:cZXaHYm40
- そこはもう廃病院ではなかった。
ピカピカに磨き上げられた床。
天窓から差し込む陽光。
窓からの風が、薄いベージュのカーテンをゆるやかに揺らしている。
(*゚ー゚)「いらっしゃい」
- 332:1 ◆piEfblYWC. :2006/08/10(木) 01:15:50.92 ID:cZXaHYm40
- ( ^ω^)「しい会長だお。会長が綺麗にしてくれたのかお?」
(*゚ー゚)「初めての患者さんは、ここに必要事項を書いてね」
( ^ω^)「お・・・? 何行ってるんだお・・・みんなはどこだお?」
('A`)「ちっくしょう・・・腕がもげちまった・・・」
- 333:1 ◆piEfblYWC. :2006/08/10(木) 01:16:31.76 ID:cZXaHYm40
- ( ^ω^)「ドクオ! どうしたんだお! 大丈夫かお!!」
(´・ω・`)「ははは、腕くらいなんだ。僕なんか下半身ごと無くなったよ」
( ^ω^)「ショボン!!」
川*゚ -゚)「ああ、すごいにおい」
ξ゚听)ξ「体が黒コゲになっちゃった・・・骨まで焼けたわ」
( ;ω;)「ツン!!!みんな何があったんだお!!」
('A`)「そうゆうお前は、顔が3つに裂けてるぜ・・・・」
( ;ω:)「ああああああ!!!!!!」
- 334:1 ◆piEfblYWC. :2006/08/10(木) 01:17:05.58 ID:cZXaHYm40
- 急にあたりが真っ暗になった。
床だった部分が抜け落ち、ブーンは真っ逆さまに落ちていった。
( ^ω^)「ここはどこなんだお・・・ツンやみんなはどうしたんだお・・・」
負けちゃダメだよ。
ふいに子どもの声がした。
もうちょっと、やってみても、いいかもね。
はしゃぐ子どもの声。
( ^ω^)「誰だお? どこにいるお? 暗くて何も見えないお・・・」
じゃあ、そろそろ戻してあげよっか。
そうだね、キャハハ。
キャハハ・・・ハハ・・・
(´・ω・`)「ブーン!!!」
- 336:1 ◆piEfblYWC. :2006/08/10(木) 01:17:41.11 ID:cZXaHYm40
- ( ^ω^)「いたた・・・・・」
ブーンは場外に大の字に伸びていた。
かすかにレフリーのカウントが聞こえる。
(´・ω・`)「立てるか!?あと3カウントしかない!!」
( ^ω^)「大丈夫だお!」
ブーンはすっと立ち上がると、急いでリングまで上がり、両手を顔の前に上げて、ファイティングポーズを取った。
- 340:1 ◆piEfblYWC. :2006/08/10(木) 01:20:15.33 ID:cZXaHYm40
- ( ^ω^)「さっきのは、なんだったんだお・・・? 夢かお?」
ブーンはグローブで顔をこすりながらぼんやりと思った。
が、考える間もなく試合は再開される。
亀田選手が再び構えた。
3ラウンド、残り1分ジャスト。
- 341:1 ◆piEfblYWC. :2006/08/10(木) 01:20:38.58 ID:cZXaHYm40
- ('A`)「もう2ダウン取られたな・・倒しに行くしかないな」
川*゚ -゚)(それにしても、なんて打たれ強い奴だ・・・まったくを持ってありえん)
ξ゚听)ξ「ブーン・・・」
ブーンは試合再開の合図がかかると、がむしゃらに飛び込んでいった。
- 343:1 ◆piEfblYWC. :2006/08/10(木) 01:21:59.20 ID:cZXaHYm40
- 亀田選手は飛び込んでくるブーンに、カウンターを合わせようと、冷静にブーンの動きを見、パンチを放っていった。
が、ブーンは強引に体をぶつけると、右のアッパーから左フックにつなげ、そのあとはむちゃくちゃに拳を振り回した。
( ^ω^)「おあああああ!!!!!」
亀「こいつ・・・・!」
- 344:1 ◆piEfblYWC. :2006/08/10(木) 01:23:10.41 ID:cZXaHYm40
- (´・ω・`)「ジムに入門した当初に戻ってる・・・」
('A`)「・・・・キックボクシング始める前のブーンじゃねえかありゃ・・・」
川*゚ -゚)(名づけて、だだっこパンチ)
ξ゚听)ξ「ブーン・・・」
亀田選手は隙を見てパンチを見舞っていくも、それ以上にブーンのパンチやキックが雨あられと降り注ぐ。
- 345:1 ◆piEfblYWC. :2006/08/10(木) 01:23:53.54 ID:cZXaHYm40
- ついにがむしゃらに振り回したブーンのパンチが、亀田選手の顔面を捕らえた。
膝をがくっと折り、リングにへたり込む亀田選手。
ダウンだ。
- 346:1 ◆piEfblYWC. :2006/08/10(木) 01:24:36.87 ID:cZXaHYm40
- (´・ω・`)「おお!?」
('A`)「ラッキーパンチだが・・・決まった・・・」
川*゚ -゚)(いや逆に素人のパンチのほうが、軌道が読みにくく、よけにくいものだ。プロ選手と何度も猛練習を積んでる亀田ともなると、なおさらよけにくいはず・・・これは盲点だったぞ・・・)
ξ゚听)ξ「やったああ!!!!」
- 347:1 ◆piEfblYWC. :2006/08/10(木) 01:25:18.33 ID:cZXaHYm40
カウントが進む中、亀田選手は勢いよく立ち上がる。
亀「ちっ! あんなん素人のパンチやんけ!」
ブーンはひたすら前へ前へと攻めた。
時折くらう亀田選手のカウンターで、右のまぶたは異常に腫れ、視界もままならないほどだった。
だがブーンは攻撃の手を休めない。
- 348:1 ◆piEfblYWC. :2006/08/10(木) 01:26:07.23 ID:cZXaHYm40
- ひたすらぶんぶんと拳を振り回し、さらには思い切り地面を蹴って飛び上がると、そのまま拳を亀田選手にぶつけていく。
ブーンの奇想天外な攻撃に、会場はさらに沸きあがる。
亀田選手はブーンの攻撃をさけながら、時間を稼ぎ、このまま判定へと持ち込む作戦へとでた。
- 349:1 ◆piEfblYWC. :2006/08/10(木) 01:26:28.20 ID:cZXaHYm40
- ( ^ω^)「そうは問屋がおろさんお!!!」
ブーンは必死の形相で後退する亀田選手めがけて飛び上がると、空中でくるりと一回転し、豪快な飛び後ろ回し蹴りを放った。
- 350:1 ◆piEfblYWC. :2006/08/10(木) 01:27:13.16 ID:cZXaHYm40
- 亀「おあっ!!!」
ブーンのかかとが亀田選手の顔面をモロに砕き、亀田選手は大きくのけぞった。
(´・ω・`)「今だいっきに畳み込め!!!!」
('A`)「いけ!!!!」
川*゚ -゚)「これは・・・・!!!」
ξ゚听)ξ「お願い!!勝って!!!!」
残り20秒。
- 352:1 ◆piEfblYWC. :2006/08/10(木) 01:27:40.05 ID:cZXaHYm40
- ブーンは得意の膝を何度も亀田選手の腹やガードの上に叩き込む。
時折ガードの隙間から、パンチをもぐりこませ放っていく。
それでも亀田選手は倒れない。
( ^ω^)「倒れてくれお!!!!」
- 356:1 ◆piEfblYWC. :2006/08/10(木) 01:31:54.01 ID:cZXaHYm40
- 最後の力を振り絞って、ブーンはパンチを打ち込んだ。
もはや感覚も無くなった膝や拳で、背を丸めガードで顔を覆った亀田選手めがけて打ちまくる。
ガードをガッチリ固めたまま動かなくなった亀田選手に、ブーンは太ももに膝蹴りを入れた。
一瞬痛みにくずれた亀田選手のガードが開く。
時間がもうない。
( ^ω^)「これが最後だお!!!」
ブーンはそう叫ぶと、腰をひねり、全体重を右の拳に乗せた。
- 363:1 ◆piEfblYWC. :2006/08/10(木) 01:36:29.61 ID:cZXaHYm40
- 歓声が悲鳴へと変わった。
ブーンの最後の力を込めた右フックが、亀田選手の鼻を打ち抜く。
ガツンとハデな音が会場に響き、亀田選手の顔がぐにゃっと曲がる。
それでも亀田選手はリングロープに寄りかかり、倒れまいと踏ん張った。
(´・ω・`)「もう一撃!!もう一撃だ!!」
('A`)「ここで決めろおおおお!!!」
川*゚ -゚)「いけ!!!!」
ξ゚听)ξ「いけえええええ!!!!」
- 366:1 ◆piEfblYWC. :2006/08/10(木) 01:38:02.64 ID:cZXaHYm40
- ( ^ω^)「ああああああ!!!!」
ブーンが最後のとどめを刺そうと振りかぶった瞬間、無常にも試合終了のゴングが会場に響いた。
- 370:1 ◆piEfblYWC. :2006/08/10(木) 01:39:32.57 ID:cZXaHYm40
- 会場になんともいえない空気が漂う。
勝負は判定へともつれ込んだ。
(´・ω・`)「判定か・・・」
('A`)「くそ・・あと一発当たれば勝てたのに・・・惜しい」
川*゚ -゚)「熱い試合だった」
ξ゚听)ξ「どっちが勝つの・・・?」
- 377:1 ◆piEfblYWC. :2006/08/10(木) 01:41:17.51 ID:cZXaHYm40
- 3人の審判団が、それぞれのポイントを書き込み優劣をつける。
亀田選手は勝ちを確信したのか、拳を高々と上げ、リング内を悠々と周り始めた。
ブーンはリングロープにもたれながら、天を仰いだ。
( ^ω^)「疲れたけど・・・やりきったお・・・」
- 385:1 ◆piEfblYWC. :2006/08/10(木) 01:44:43.16 ID:cZXaHYm40
- 審査に手間取っているのか、なかなか発表がない。
ブーンはショボンから受け取ったスポーツドリンクを飲み、結果を待った。
(´・ω・`)「よくやったぞ、皆の記憶に残る、いい試合だった」
( ^ω^)「ありがとですお」
- 396:1 ◆piEfblYWC. :2006/08/10(木) 01:49:46.32 ID:cZXaHYm40
- ('A`)「さて・・・どうなるもんか・・・」
川*゚ -゚)「まだわからないぞ・・・」
ξ゚听)ξ「神様お願い・・・」
「試合結果が出ました・・・・」
アナウンスが会場に響き渡ると、会場が一瞬で静まりかえる。
ブーンと亀田選手はリング中央に立ち、判定の結果を待った。
- 412:1 ◆piEfblYWC. :2006/08/10(木) 01:53:34.21 ID:cZXaHYm40
- 「ジャッジモナー・・・29対30・・・赤亀田選手!!!」
会場からどっと歓声が沸く。
(´・ω・`)「ちい!!!」
('A`)「くっそたれ!!!」
川*゚ -゚)「まだわからんあとふたつある」
ξ゚听)ξ「ああ・・・・」
- 425:1 ◆piEfblYWC. :2006/08/10(木) 01:55:59.28 ID:cZXaHYm40
- 亀「よっしゃ!!!」
( ^ω^)「・・・・・」
- 430:1 ◆piEfblYWC. :2006/08/10(木) 01:57:21.49 ID:cZXaHYm40
- 「続きまして、ジャッジ荒巻・・・・30対30・・・・ドロー!!!!」
おおおおおおおお、っと波打つように歓声が上がる。
(´・ω・`)「よおおおおしっ!!!」
('A`)「ktkr!!!」
川*゚ -゚)「ほう」
ξ゚听)ξ「やったあああ!!!!」
- 437:1 ◆piEfblYWC. :2006/08/10(木) 01:58:23.89 ID:cZXaHYm40
- 亀「くそっ!!なんでや!!お前金積んだやろ!!!」
( ^ω^)「・・・・・・」
- 450:1 ◆piEfblYWC. :2006/08/10(木) 02:00:28.38 ID:cZXaHYm40
- 「続きまして、ジャッジ、ニダー・・・・」
会場にいる全員が息を飲んだ。
ブーンは目をつぶり、大きく息を吐いた。
どんな結果でもいい・・・。
僕はやりきったんだお・・・・。
- 465:1 ◆piEfblYWC. :2006/08/10(木) 02:02:27.40 ID:cZXaHYm40
(´・ω・`)「あああ・・・心臓が破裂しそうだ・・・」
('A`)「おい・・・じらすなよ・・・」
川*゚ -゚)「この瞬間がたまらん」
ξ゚听)ξ「ああ・・・もう耐えられない・・・」
- 487:1 ◆piEfblYWC. :2006/08/10(木) 02:05:51.28 ID:cZXaHYm40
- 「ジャッジ、ニダー・・・30対29・・赤亀田!!!!!」
その瞬間、会場は揺れた。
割れんばかりの歓声が、亀田選手に降り注ぎ、ブーンは静かに肩を落とした。
- 523:1 ◆piEfblYWC. :2006/08/10(木) 02:08:31.09 ID:cZXaHYm40
- (´・ω・`)「・・・・しかたない」
('A`)「やはり無理だったか・・・」
川*゚ -゚)「いいとこまでいったんだがな」
ξ゚听)ξ「ブーン・・・よく戦ったわよね・・・」
亀田選手がマイクで何か叫んだ。
ブーンは耳をふさぐ様にして、会場を去り、控え室へと戻った。
- 540:1 ◆piEfblYWC. :2006/08/10(木) 02:12:18.83 ID:cZXaHYm40
(´・ω・`)「よし・・・このまま動くなよ・・・」
ショボンがブーンのまぶたに氷嚢を乗せながら言う。
( ^ω^)「はいですお」
控え室からでも、鳴り止まない歓声は聞こえてきた。
ブーンはじっと動かずに、耳に入ってくるままに歓声を聞いた。
- 556:1 ◆piEfblYWC. :2006/08/10(木) 02:16:10.96 ID:cZXaHYm40
- ( ^ω^)「ツンたちはどうしてるお・・?」
(´・ω・`)「まだ会場内にいると思うが・・・呼んでこようか?」
( ^ω^)「いや・・いいですお。ただ申し分けなかったとだえ、伝えて欲しいお」
(´・ω・`)「ブーン・・! 何も君が卑屈になる必要はない。正面切って戦ったんだ。堂々としてればいい」
( ;ω;)「でも、あんなに応援してくれていたのに、勝てなかったお・・・・」
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