('A`)が海へいくようです
- 542:◆L2jfNrixB. :2006/08/07(月) 15:50:34.81 ID:LptL3ebh0
- 俺たちは二手に分かれた。
途中の水槽のアーチはまるで海の中を歩いているような気分にさせてくれたし、
巨大な水槽にジンベエザメやマグロ、エイやカツオなどさまざまな魚を見た。
水の中を泳ぐ魚たちは光を反射してきらきらときれいだった。
(´・ω・`)「・・・あの二人は仲良くやっているようだね。」
ふいにショボンが話しかけてきた。
('A`)「ああ。見てると欝になるほど仲いいぞ。」
ショボンが「いいことじゃないか」といったので俺は「まあな」と答えた。
巨大な円形の水槽の向こう側にブーンたちが見えた。楽しそうだ。
('A`)「お前の研究のほうはどうだ?順調か?」
ショボンは大学で医療技術の研究していた。
(´・ω・`)「うん、大学の風当たりが強くてちょっと難航しててね。もしかしたら大学辞めるかも。」
(;'A`)「まじでか」
(´・ω・`)「仲間もそろってきたし、そろそろ時期かもしれない。会社を作って独自に研究をしようかな、と思って。
もしよかったら、僕専属の秘書にならないか?悪いようには し な い か ら さ 」
(;'A`)「え、遠慮しとくわ」
ショボンはすげーな。自分の夢に向かって歩いている。
やっぱ、自分の夢を持っているやつは凄いわ。迷いがないから。迷う道すらない俺なんかとは、違う。
- 624:◆L2jfNrixB. :2006/08/07(月) 22:14:21.90 ID:LptL3ebh0
- ( ^ω^)「1時から、イルカショーがあるらしいお!」
合流して、ブーンが言った。
ξ゚听)ξ「ここで昼食をとって、みんなで見に行かない?」
('A`)「今は12時10分か。いいんじゃねえか?」
(´・ω・`)「異議なし」
ξ゚听)ξ「決まりね。いきましょ」
食堂は3階にあった。俺は塩ラーメンを頼む。ラーメンっていったらやっぱ塩。塩最高。
ブーンとツンはマグロ丼を、ショボンはてんぷら定食をそれぞれ頼んだ。
10分ほどして料理が運ばれてくる。わかめ、もやしメンマなどを惜しみなく豪勢に盛り合わせてあるなかなか見事なラーメンだ。
みなでそろって「いただきます」をし、まずはスープをいただく。あっさりとした塩味。うまい。麺とこれがまたよく合う。
マグロ丼やてんぷらもなかなかに迫力のあるものだったが、味はいいらしく、みんなきれいに食べきった。
ξ゚听)ξ「なかなかおいしいかったわね、ここの料理。」
( ^ω^)「だおだお。 お、そろそろイルカショーが始まるお。」
(´・ω・`)「早く行かないと場所なくなりそうだね、行こうか。」
俺たちは食堂を後にした。
- 631:◆L2jfNrixB. :2006/08/07(月) 22:40:58.10 ID:LptL3ebh0
- 会場は結構にぎわっていたが、俺たちは何とか一番前の席に座ることができた。
(*^ω^)「たのしみだお」
ブーンが小学生のようにはしゃぐ。
ξ゚听)ξ「あら、はじまるわよ」
会場がしずまり、ステージに現れたトレーナーの女性に注目した。
トレーナー「レディースエーンドジェントルメンアンドチルドレン!今日はようこそラウンジ臨海水族館へ!イルカたちも歓迎してます!」
トレーナがピーッとホイッスルを吹くと二匹のイルカがジャンプし、空中で交差して水中に戻った。
会場が拍手と歓声に包まれた。
トレ「ありがとうございます!」
といい、イルカに魚を与える。
よく訓練されてる、と俺は感心した。
その後もトレーナーの指示に従い、イルカたちは芸を披露していった。
空中の輪にタッチしたり、ボールをついたり、立ち泳ぎのような姿勢でプールを横切って見せたり。
そのたび俺たちは拍手し、歓声を上げた。
- 635:◆L2jfNrixB. :2006/08/07(月) 22:58:42.98 ID:LptL3ebh0
- ショーは楽しいものだった。ブーンもかなり興奮していた。
トレ「では、会場のお客様といるかのドル君とフィン君に触れ合っていただこうと思います!」
トレーナーは「触れ合いたい方は手を上げてください!」と会場に促した。
手を上げたのはたいてい小さな子供たちだったが、なんとブーンも上げていた。
トレ「それじゃー・・・そこのお嬢さんとそこのお兄さん!前に出てきてくださーい!」
なんと。ブーンが当たってしまった。
(*^ω^)「おっおっ!いってくるお!」
ブーンと少女は、魚をイルカに与え、イルカと握手をした。
少女はかなり緊張していたらしく、ほとんど固まっていたが、ブーンはむしろ生き生きしていた。さすがライオンハート。
(*^ω^)「ドル君、かわいかったお!手硬かったお!大根とかきれそうだったお!」
ξ゚听)ξ「ばかね、あんたと触れ合ったのはフィン君よ」
(;^ω^)「・・・あうあう」
ショボンが「あいかわらずだね」と笑った。ブーンは恥ずかしそうに鼻を掻いた。
- 647:◆L2jfNrixB. :2006/08/07(月) 23:44:41.46 ID:LptL3ebh0
- 一時間ほどに及ぶショーが幕を閉じた。なかなかに楽しかった。
ラストにイルカたちが観客に水をかけるという芸があったのだが、ブーンに水があまりかからなかったので残念そうだった。でもそれなりに満足そうだった。
('A`)「んで、この後どこ行くんだ?」
( ^ω^)「おっおっ、海といったら釣りだお。釣りしに行くお!」
ξ゚听)ξ「釣り?でも竿は?」
( ^ω^)「もちろんちゃんと持ってきてますお。」
ブーンが胸をたたく。さすが、用意がいいな。
(´・ω・`)「釣りかい?ならいい穴場しってるよ。こっから30分くらいかかるけど。」
(*^ω^)「ぜひ教えてください。」
('A`)「決まりだな、いくか。」
ショボンのナビで車をまた走らせる。
しばらくして、ショボンが口を開く。
(´・ω・`)「朝も思ったけどさ、ドクオって運転うまいね。」
( ^ω^)「ほんとだお。プロになれるお!」
俺は「んなことねーよ」といって後ろ髪を掻き揚げる。やっぱ、ほめられるのはなれないな。
- 663:◆L2jfNrixB. :2006/08/08(火) 00:30:10.21 ID:qB2wzOH60
- しばらく海岸沿いに車を走らせると、砂浜が消え、岩礁が姿を現した。
(´・ω・`)「うん、この辺でいいかな。」
('A`)「ここに車止めていいのか?」
「問題ないよ」とショボンがいったので、遠慮なく道路の端へ車を止める。
ξ゚听)ξ「へぇ、けっこう綺麗なところね。」
(´・ω・`)「足許に気をつけたほうがいいよ、結構ごつごつして歩きにくいからね。」
確かに何度か躓きそうになった。ツンの方は持ち前の身軽さでまったく問題としてないようだ。
ξ゚听)ξ「あら、魚がいるわね。」
(´・ω・`)「それはクサフグだね。体のいたるところに毒があるから食べれないよ。」
('A`)「へぇ、くわしいな」
「何度か来てるからね。」と彼は言った。
少し遅れて、ブーンが竿と釣り道具を持ってやってきた。
( ^ω^)「竿は三本あるお。ドクオに一本、ショボンに一本。僕とツンで一本」
ブーンは竿を配りながら言った。
- 678:◆L2jfNrixB. :2006/08/08(火) 01:14:03.34 ID:qB2wzOH60
- (´・ω・`)「なんか悪いね。僕が竿もらっちゃって。」
( ^ω^)「なになに、僕はツンと釣りができてうれしいお」
ξ///)ξ「な、なにいってんのよ!ばかっ」
ツンもだいぶうれしそうだ。
俺はブーンに仕掛けとルアーをつけてもらい、適当な場所を見つけ竿を振った。
( ^ω^)「なかなか喰いがっ立ってるお、これはすぐにアタルお」
ブーンがなんか訳わからんことを言っている。何を言ってるんだかさっぱりだ。
とか思ってるうちに早速ブーンが一匹釣り上げた。
( ^ω^)「おっおっ、アカナメだお、なかなかでかいお。」
ξ;゚听)ξ「・・・あんた何者?」
ショボンの方も釣り上げていた。
(´・ω・`)「イサキか・・・まだ小さいからリリースだな。」
この人たち本当に何言ってるのかわからない。でもこいつらがつりがうまいって事は言葉ではなく、心で理解できた。
- 689:◆L2jfNrixB. :2006/08/08(火) 01:46:46.18 ID:qB2wzOH60
- しばらくして俺のほうもひきがきた。うお、けっこう強いぞ。
(;'A`)「んぐ・・」
俺は全力で引き上げる。かなりの力だ。
( ^ω^)「ドクオ、がんばるお!」
しぶきを上げて、大きな魚が姿を現した。それをブーンが手際よく網で受ける。
(;´・ω・`)「これは・・・スズキだね。」
( ^ω^)「ドクオ、大物だお!」
俺は肩で息をしながら自分の釣った魚に目をやった。怒ったように暴れている。
結構な達成感。やばい、釣り楽しいかも。
ξ;゚听)ξ「ねえちょっとブーン!魚きてるんだけど!!」
二時間ほど釣りをして、20匹ほどの魚を釣った。上々かな。
ショボン曰く「小さいのはまだ大きくなるからリリース」というので、残った魚はあのスズキとクロダイの二匹。
みんなであわせて大体9匹くらいの魚を残してリリースした。
俺たちはその魚をもって砂浜に向かった。
- 695:◆L2jfNrixB. :2006/08/08(火) 02:15:52.91 ID:qB2wzOH60
- 砂浜まで歩いて五分ほど。日が落ち始め、あたりは暗くなりつつあった。
砂浜に着くとブーンとショボンが棒と網で即席の生簀のようなものを作った。
そこに釣った魚たちを入れる。バケツから放された魚たちは生簀の中を気持ちよさそうに泳いだ。
( ^ω^)「さて、楽しいお料理の時間だお!」
なんと刺身包丁とまな板まで持ってきているブーンの用意のよさに脱帽した。やたら本格的だ。
ビーチで使ったテーブルの上で手際よくスズキを捌いていくブーン。ほんと何者だこいつ。
その間に俺とツンは流木を拾いに行き、ショボンは塩焼きの下ごしらえをしていた。
流木や乾いた細い小枝を積み重ね、タバコの空き箱に火をつけ、下のほうに入れる。
まもなく煙りがあがり始め、火がぱちぱちとはじけ、やがて炎となった。
ショボンが誰もいない海の家から金網を拝借してきた。
(´・ω・`)「うん、あらって戻しておけば問題ないと思うんだ。」
ξ;゚听)ξ「そういう問題なの?」
焚き火に金網をかけ、塩をまぶったクロダイを焼く。塩は海水を拾ったアルミ缶のなかにいれ、水を蒸発させ作った。
スズキの刺身にクロダイなどの塩焼き。それとツンが拾っていたサザエのつぼ焼きなどなかなか充実した夕食が出来上がった。
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