( ^ω^)ブーンが植物の世話をしているようです

1:◆7at37OTfY6 :2006/07/22(土) 20:21:48.65 ID:aOvnGawE0
  
『プロローグ』


僕の名は内藤ホライゾン、一端のサラリーマンだ。
今の仕事に就いて7年目、28歳になりそろそろ結婚を本気で考えなければならない歳だ。
いや、別にその点は将来を約束している恋人がいるから気にしていないが。

そんな自分は日本社会の例に漏れる事無く今日も「過労死したら慰謝料ふんだくってやる……」
などとぼやきながら仕事に追われていた。

仕事仕事仕事……うんざりとするほど耳にした。
家に帰って来てからも休日にもそればかりが耳につくのだ。

「働かざるもの食うべからず」

残念だが人間と仕事は切っても切れない関係にあるようだ。
ニートに憧れたりするも、そうもいかない。
カーチャンや大切な恋人を養うためにはお金が必要なのだから。
自分が働くしかないのだから。


ただ、そんな自分を支えてくれるものがある。
そいつは一日中同じ場所にいて動かない。
何を喋る事もないが、生きている。
呼吸をしている。

仕事が終わってからそれを見て自分はこう思うのだ。

「よし、明日も頑張ろう」と。



2:◆7at37OTfY6 :2006/07/22(土) 20:22:48.41 ID:aOvnGawE0
  
今日も仕事が終わるとそいつの横に座り、一人話し掛ける。

( ^ω^)「今日は仕事がスムーズにいったけど、他の人の手伝いしてたら結局終わるのが遅くなったお」

暗い人間だと自分でも思う、でもこうやって話しかけている時が一番楽しいのだ。
仕事だってこの一時のために頑張っていると言っても過言ではない。

( ^ω^)「それでお礼に飲みに誘われたけど、一時でも早く会いたかったから断ってきたお」

そう、この時が一番楽しいのだ。
人生でこれ以上の楽しみは無いのだ。

( ;ω;)「だから……だからいい加減……目を覚まして欲しいお……ツン」

彼の目の前には、一生を植物人間として過ごすしかない恋人の姿があった。




( ^ω^)ブーンが植物の世話をしているようです



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