( ^ω^)ブーンが運命に喧嘩を売るようです

397: ◆y7/jBFQ5SY :2006/06/27(火) 05:50:14.14 ID:n7YS9dVE0
  
第11話 「筋肉質の男」


(*゚∋゚)「………。」
(;^ω^)「な、あんた何しに来たお!?」
(*゚∋゚)「………。」

全く反応が無い。まるで人間味が感じられ無い。
筋肉はそのままドアの方に近づき、ドアノブに手を掛ける。

(;^ω^)「そこは外側から鍵を掛けられててあk

べキャアァ!

何だか不思議な音が聞こえて、ドアはひとりでに開いた。
……信じらんな〜ぃ…。
そのまま先に進もうとする筋肉

(;^ω^)「ちょ、ちょっと待つお!あんた本当に何しに来たんだお!?」
(*゚∋゚)「………ツン。」
(;^ω^)「ツンって…あのツンかお!?ツンがどうしたんだお!?」
(*゚∋゚)「………。」



399: ◆y7/jBFQ5SY :2006/06/27(火) 05:50:56.38 ID:n7YS9dVE0
  
筋肉はもうここには用はないといった素振りで、部屋から出ようとする。
待て待て待て待て!!考えろ!何でこいつがここに居るのか。ツンの身に何があったのか、
こいつはツンを追ってきたと仮定。ツンはここにいると仮定する。
ツンは一回僕の前で連れ去られそうになっていた。よってツンは拉致されたモノと推測する。
コンマ一秒の間に僕の脳味噌をフル活動して導き出した答えは…

(;^ω^)「待つお!僕はツンの場所を知ってるお!!」
(*゚∋゚)「………。」

筋肉の動きが止まる。よし、一気に畳み込め!!



400: ◆y7/jBFQ5SY :2006/06/27(火) 05:51:49.03 ID:n7YS9dVE0
  
僕はそれからあること無いこと誇張したり拡大したり倒置法を使ってみたりごねたりすねたり甘えたり怒ったり……。
色々な手段で筋肉に対して、僕を連れて行くよう説得した。
今、このチャンスを逃せば僕は永遠にここから出れないかも知れない。
それに、こうやって話していくうちに一ヶ所だけツンが本当にいるかもしれない所に思い当たった。
可能性はかなり低いが、もし、もし本当にツンがいるならもう一度会いたい。…会って話がしたい。

(*゚∋゚)「………。」

筋肉は何も言わずに僕を見ている。
その表情からは何も読み取れない。しかし…
僕は付いて行く。筋肉が何を思おうが、僕はこの機会を逃したら多分一生をここで過ごす事になるのだ。
僕も筋肉に習って黙って付いて行こう。

「いたぞー!!こっちだー!!」「侵入者を逃すなー!!!」



401: ◆y7/jBFQ5SY :2006/06/27(火) 05:53:02.10 ID:n7YS9dVE0
  
数人の見た事もないようなゴツイ物を持った男達がこちらに駆けてきた。
なんだあれは?形状的に銃に似ているが…。
男達は壊れたドアのそばに立っているクックルにその銃らしきものを向ける。

「こんな所で突っ立ってるとはいい度胸だ!!」「この新型銃、“マシンガン”で蜂の巣にしてやるぜ!!」

男達がそう言うや否や、激しい音が鳴り響いた!

ダダダダダダダダダダダ!!!

な、何がおきたんだ!?そう思って周囲を見回すとあたり一面穴だらけになっていた。
異常なまでの破壊力を持つこの武器をくらっては、流石の筋肉も……。
もしかしてまた僕のせいで…僕が引きとめたから…

「て、てめえ!!いったい何者だ!!」「な、ば、化け物がぁ!!」
(*゚∋゚)「………。」

筋肉は先程の位置から一歩も動いていなかった。
どころか手にはごっそりと…恐らくあの銃が撃ち出したであろう弾を持っていた。
カラカラカラン
こきみいい音を出しながら手に持っていた弾を床に落とす筋肉。
何個か…敵と同じ数の八個だけ指に挟んで後は他の全ての弾を落とし終わる。

「な、何する気だぁ!!」「て、抵抗する気かあ!?」



402: ◆y7/jBFQ5SY :2006/06/27(火) 05:53:44.80 ID:n7YS9dVE0
  
あきらかに動揺を隠せない男達をまるで無視して、筋肉は両腕を後ろに反らす。
何をするつもりなのかさっぱり分からないが、筋肉は両腕を極限まで反らした後。

思いっきり射出した。

「ぐわあぁ!」「ぎゃあ!!」「ぐはあ!!」
(*゚∋゚)「………。」

弾は正確に男達を貫いたらしく、立っている物は一人もいない。

(;^ω^)「…すげぇ…。」

思わず“お”も付け忘れるほどのこの光景。こいつの心配をしていたことが馬鹿馬鹿しくさえ思えてくる。
こいつなら“修正”程度じゃ死なないだろう。そこでふと気付く。
あの子ってこいつか?
んな訳ねーよな。こいつに“子”なんて付けたらそれだけで罪だ!



404: ◆y7/jBFQ5SY :2006/06/27(火) 05:54:29.04 ID:n7YS9dVE0
  
(;^ω^)「こっちだお!!」

僕達はあれからしぃがいた部屋の奥、“実験施設”へと向かっている。
道を塞ぐ敵たちは筋肉がみな一撃の下に屠っていった。
それはそれは恐ろしい光景で、地獄絵図ここに極まれり。敵に同情してしまうような凄惨な状況が作られていた。

そして、僕達は(僕は?)たいした苦労もせずに実験施設へ侵入することができた。
ここにツンが居るという絶対の確信があった訳ではないが、全くの無根拠という訳でもない。
第一に、この筋肉がこの屋敷に侵入してきたという事。
こいつも全くの無根拠でこんなところに来た訳ではないだろう。なにかネタがあって来たに違いない。
第二に、ここが進入禁止区域だという事。
ツンはこんな遠くの国から拉致されるほどだ、僕なんかとは比べ物にならないほどにその行動は制限されるだろう。

随分と身勝手で、それでいて超が付くほどのプラス思考だが。
合っていたのだから問題無い!

ξ゚听)ξ「クックル!!……それにブーン!!!どうしてここに!!」
(;^ω^)「説明はあとだお!いまは一刻も早く逃げ出すお!!」



406: ◆y7/jBFQ5SY :2006/06/27(火) 05:55:02.51 ID:n7YS9dVE0
  
ツンを縛っている縄を解こうと悪戦苦闘していると

(*゚∋゚)「………。」

ぶちぶちぶち!!

わお……。便利。筋肉が全部引きちぎった。
よろめくツンに肩を貸し、椅子から立たせてやる。

ξ////)ξ「あ、ありがと…。か、勘違いしないでよね!嬉しくもなんとも無いんだからね!!」

そういって、頬を赤らめるツン。
僕もツンに会えた喜びを表現したいが今は時間が無い。早くここから脱出しないと。

「こっちだぁ!!」

やばい!もう追っ手が来た!こっちはツンを守りながら行かなければ行けないし、
第一どっちに行けばいいんだ!?
どうする!!どうする!!!



第11話 「筋肉質の男」  終



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