( ^ω^)ブーンが運命に喧嘩を売るようです

121: ◆y7/jBFQ5SY :2006/07/06(木) 23:00:01.52 ID:sZAnWZyt0
  
第26話 「運命」


ショボンが近づき、僕に自らの処刑を行わせるスイッチを渡す。
…受け取る手が震える。全身が震える。僕の世界が震える。
震え震え震え震え震え震え震え震え震え震え震え震え震え震え震え震え
怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い
撃つ撃つ撃つ撃つ撃つ撃つ撃つ撃つ撃つ撃つ撃つ撃つ撃つ撃つ撃つ撃つ
死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ
殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す
消す消す消す消す消す消す消す消す消す消す消す消す消す消す消す消す
誰が?
   決まってる
        僕がだ
僕が震え 僕が怖い 僕が撃つ 僕が死ぬ 僕が殺す 僕が消す

(´・ω・`)「君が死ぬ前に、僕の権利を行使させてもらおうかな?」
(;゚ω゚)「、、、、、、、、、、。」

何も聞こえない何も見えない何も分からない
どうしたらいいのかわからないどうしてこうなったのかわからない

(´・ω・`)「…君は何をするために、何を覚悟してここまで来たんだい?」
(;゚ω゚)「!!!!!」
(´・ω・`)「君の覚悟はこの程度でぶれる物だったのかい?」



123: ◆y7/jBFQ5SY :2006/07/06(木) 23:00:30.32 ID:sZAnWZyt0
  

僕が…ここに来た理由…。僕の…覚悟…。

(´・ω・`)「運命に喧嘩を売りに来たんじゃなかったのかい?」

運命に…喧嘩を…。

(´・ω・`)「この程度で臆しているようではどの道運命なんて変えられやしないよ?」

運命を…変える…。

(´・ω・`)「例え負ける事になっても、最後まで前を見つめること。」

………。

(´・ω・`)「それが喧嘩を売るって事だよ。」

喧嘩を売る…強さ…。

(´・ω・`)「運命は君を殺したがってる。君はどうするんだい?」

運命が…僕を殺したがってる…なら!



126: ◆y7/jBFQ5SY :2006/07/06(木) 23:00:52.55 ID:sZAnWZyt0
  
ドクオ

カーチャン

クックル

ジョルジュ

モナー

渋澤

ワカンナイデス

しぃ

ショボン

そして…ツン



127: ◆y7/jBFQ5SY :2006/07/06(木) 23:01:14.40 ID:sZAnWZyt0
  
沢山の人に出会い、沢山の出来事に立ち会った。
楽しい事、嬉しい事、辛い事、悲しい事、
いろんな事があった。

未来を視る女性と出会った。パーティーをした。黒服に襲われた。筋肉と出会った。
戦争に行った。鉄の塊と遭遇した。命を失いかけた。親友が死んだ。何も出来なかった。
老人と出会った。リーダーと出会った。殴られた。副リーダーに真実を教えてもらった。リーダーの仲間になった。
作戦を立てた。月を親友に重ね合わせた。傍観者と出会った。傍観者は僕に忠告をして消えた。
戦争に行った。初めは優勢だった。だけど何時の間にか負けていた。何も出来なかった。
看守と出会った。看守はいい奴だった。科学者と出会った。嫌な質問をされた。襲われそうになった。
看守とこの国について語り合った。科学者と話をした。傍観者と出会った。傍観者は懐かしさを感じさせる話をした。
筋肉と出会った。筋肉は未来を視る女性を探していた。未来を視る女性を救い出した。看守に車を貰った。脱走した。
鉄の塊と遭遇した。筋肉が一人で残った。車はビックリする程の速度を出した。何とか止まった。
未来を視る女性は僕に謝った。僕は未来を視る女性に謝った。未来を視る女性を故郷に帰そうと思った。
リーダーが捕まっていた。皆で作戦を立てた。未来を視る女性にきつくあたった。心が痛かった。
リーダーを助けに行った。侵略者にはめられた。未来を視る女性が車で助けに来た。離れたくなくなった。
リーダーが演説した。格好良かった。原子分解と出会った。筋肉と出会った。二人だけ残った。侵略者はおかしくなっていた。
侵略者は皆を食べた。未来を視る女性が危険に晒された。僕は代わりに殴られた。僕は死ななかった。侵略者は死んだ。
祭りをひらいた。皆嬉しそうだった。未来を視る女性が夢を語った。傍観者と出会った。傍観者は僕の故郷が滅んだ事を伝えた。
故郷に着いた。故郷は壊滅していた。カーチャンが僕の前で死んだ。敵に撃たれた。当らなかった。撃ち返した。
当らなかった。親友と出会った。看守と出会った。親友は僕に攻撃してきた。看守は僕に攻撃してきた。未来を視る女性が危険に晒された。
僕は身代わりになった。死ななかった。親友は死んだ。看守は死んだ。運命に喧嘩を売る覚悟をした。未来を視る女性に後を任せた。
科学者と出会った。科学者は人と獣について話した。科学者は僕を欲していた。傍観者と出会った。傍観者は科学者を殺した。
傍観者は世界を消すつもりだった。僕は消させるつもりはなかった。交互に銃を撃ち合った。



128: ◆y7/jBFQ5SY :2006/07/06(木) 23:01:45.48 ID:sZAnWZyt0
  
沢山の人に出会い、沢山の出来事に立ち会った。
楽しい事、嬉しい事、辛い事、悲しい事、
いろんな事があった。

全てを消させるわけにはいかない。全てを否定させるわけにはいかない。

(  ω )「…ショボン。」
(´・ω・`)「…なんだい?」
( ^ω^)「答えを聞かせてやるお。」


もう震えない。もう怖くない。もう恐れない。もう躊躇わない。

運命が僕を殺したいのなら…いいだろう。僕も全力で殺しにかかろう。
全力で喧嘩を売ろう。全力で喧嘩を買おう。

僕が運命の 天敵 になってやる!

( ^ω^)「簡単な話だお。僕はある一つのことをしにここまで来たんだお。」

( ^ω^)「
       運 命 な ん か ぶ っ 壊 し て や る お
                                    」


引き金を引いた



129: ◆y7/jBFQ5SY :2006/07/06(木) 23:02:09.15 ID:sZAnWZyt0
  


















130: ◆y7/jBFQ5SY :2006/07/06(木) 23:02:34.49 ID:sZAnWZyt0
  

(´・ω・`)「……くっくっくwくははwwくははははwww」
(´・ω・`)「まさかw自分すら殺せないとはねwwくっくっww」
( ^ω^)「………。」

弾丸は発射される事はなかった。

僕は誰も殺せない。僕は自分も殺せない。
僕は誰にも殺されない。僕は自分にも殺されない。
僕を殺せるのは運命だけで。僕が殺せるのは運命だけだ。

(´・ω・`)「くくwwそれじゃぁ続けようか。さっ、貸してくれないか?」
( ^ω^)「その前に、僕の質問の番だお。」

先程から気になっていたこと。ずっと前から気になっていたこと。

( ^ω^)「ショボンはこうなる様に僕を導いてきたんじゃないのかお?
     全てがこうなるように仕向けてきたんじゃないのかお?」

そう考えないと辻褄が合わない事が多すぎる。
さっきも、わざわざ僕を奮い立たせるような事を言わなくてもよかったはずだ。



131: ◆y7/jBFQ5SY :2006/07/06(木) 23:03:00.45 ID:sZAnWZyt0
  
(´・ω・`)「…流石は母さんの子供といった所かな?」
( ^ω^)「?」
(´・ω・`)「しぃは知らなかったようだけど、君も僕らと同じ女性の女性の遺伝子が入っているのさ。」
( ^ω^)「…それじゃあ…。」
(´・ω・`)「君が考えている事が、自分も作られた生命なのか?ということなら違う。」
(´・ω・`)「さっき言ったよね?僕らとは違う…と。」

確かにそんなことを言っていたような気もするが…よく覚えていない。

(´・ω・`)「君だけが唯一彼女がその腹を痛めて生んだ子供なのさ。」
( ^ω^)「………。」
(´・ω・`)「三人の責任者の内の一人が君の…僕達の母親さ。」

…今更そんな事を言われても…対応に、困る。それに…

( ^ω^)「それじゃあ答えになって無いお。」
(´・ω・`)「答えかい?そんな物決まってる。」
(´・ω・`)「僕はただの
           傍観者
              だよ。それ以上でも以下でもない。」
(´・ω・`)「さぁ、そろそろいいだろう?始めさせてもらうよ。」



133: ◆y7/jBFQ5SY :2006/07/06(木) 23:03:27.08 ID:sZAnWZyt0
  
先程の動作を繰り返す。こっちに来て、手を出し、僕が渡す。

( ^ω^)「…ショボン。」
(´・ω・`)「僕は…自分すら殺せないような亡霊に勝てる気はしないよ。」
(´・ω・`)「…君と彼女なら…あるいは運命にすら勝てるのかもね…。」

先程の動作を繰り返す。銃口をこめかみにあてる。指をトリガーにかける。



(´・ω・`)「君達が…うらやましいよ…。」








134: ◆y7/jBFQ5SY :2006/07/06(木) 23:03:50.67 ID:sZAnWZyt0
  

けたたましいサイレンの鳴る中、キーボードを打ち鳴らす音が抵抗するかのように響きわたる。

(    )「……おまえが。…おまえだけが最後の希望だ…。」

呟くように、しかし確かな意思を含んで声は流れ続ける。

(    )「…私達は、結局変えることが出来なかった…。だが。」

サイレンの音は止む気配がなく、よりいっそうの響きを持たせて断末魔の叫びを続ける。
何処かから男達の怒声が聞こえてくる。
何故こんなことに  死にたくない  今ならまだ  もうお終いだ  
死を直前に迎えた人間の生の声が聞こえてくる。

(    )「…何処で間違ってしまったのかなんてもう分からない。それに…」

今更そんなことを言っても何も変わらない。だから、だからこそ。


言い終わるか終わらないかといったタイミングでポッドは高速で発射された。
人のいない世界へと………



135: ◆y7/jBFQ5SY :2006/07/06(木) 23:04:10.29 ID:sZAnWZyt0
  
(    )「おまえが。おまえが最後の希望なんだ。」
(    )「生きてくれ。私の分も。私達の分も生きてくれ。」

鳴り止まないサイレンの音に遠慮するかのように、目の前のポッドから
プシューと音と蒸気が漏れる

(    )「これからおまえにどんな苦難が待ち受けているか考えると本当にすまなく思う。」

ポッドは先程とはうって変わってシュゴーと激しい音を立てる。

まるで別れを嫌がる子供の泣き声のように。

(    )「おまえがどこに行っても見守ってる。私のかわいい………。」


ブーン。



第26話 「運命」  終



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