( ^ω^)ブーンが関西女に惚れたようです。

27: ◆mFWJzt/.Cs :2006/06/30(金) 02:18:11.19 ID:4NWQuAGT0
  
第拾参話 ツン、侵入

ξ ゚听)ξ「………」
(;^ω^)「………」
急に空気が重くなった…
僕、何か気に障ることを言ったかな?
ξ ゚听)ξ「ちょっとあそこで休んでいかへん?」
彼女の目線の先にはベンチが。
( ^ω^)「じゃぁ何か飲み物を買ってくるお!」
ξ ゚听)ξ「ありがとー…」

僕が両手に飲み物を持ってベンチに戻ると、彼女は典型的なDQN2人組に挟まれていた。
DQN1「ちょーかわいくねぇ!?」
DQN2「やっべぇ!マジやっべぇ!!」
ξ#゚听)ξ「なんなんあんたら!ウザいから近寄らんとって!!」
これなんてエ(ry
いやいや、そんなこと考えてる場合じゃない!
早く助けないと!
(;^ω^)「か、彼女に何か用ですかお?」
DQN1「あぁ!?なんだてめぇ!?」
ξ*゚听)ξ「内藤!!」
津村さんはベンチから立ち上がり、僕に走り寄る。
DQN1「ちっ!彼氏連れかよ!行くぞ!」
DQN2「やっべぇ!マジやっべぇ!!」
DQNたちはダルそうに歩いていった。
ふぅー…なんとかなったみたいだ。
タチの悪いのじゃなくて良かった…



28: ◆mFWJzt/.Cs :2006/06/30(金) 02:19:36.09 ID:4NWQuAGT0
  
僕と津村さんは安堵してベンチに座る。
( ^ω^)「ビックリしたお…でも津村さんが無事で良かったお!」
ξ;凵G)ξ「ぐすっ…」
(;^ω^)「津村さん!?」
ξ;凵G)ξ「めっちゃ怖かった〜」
(;^ω^)「お…お…?」
津村さんは涙をぽろぽろと落とす。
僕は彼女の初めて見せる涙に戸惑うことしか出来ない。
ξ;凵G)ξ「内藤もどってくんの遅いし…ぐすっ…私が怒ってたからほってかれたんかと思った…ぐすっ」
(;^ω^)「僕は女の子を一人にして見捨てたりしないお!てゆーかやっぱり怒ってたのかお…」
ξ;凵G)ξ「うん…怒ってた…ぐすっ」
(;^ω^)「僕、何か怒らせるようなこと言ったかお?」
ξ;凵G)ξ「ちょっと…まって…ぐすっ」
僕は津村さんにポケットティッシュを渡し、彼女が落ち着くまで待つ。
数分後、彼女はようやく泣き止んだ。
ξ*゚听)ξ「ティッシュありがとー」
( ^ω^)「どういたしましてだお。で、なんで怒ってたんだお?」
ξ;゚听)ξ「あ、あんまり言いたくないねんけど、助けてもらったしなぁ…」
( ^ω^)「さっきのは気にしないでいいお。言いたくなかったら別に無理して言わなくても…」
ξ*゚听)ξ「内藤って優しいなぁ…」
( ^ω^)「そうかお?普通だお。」
ξ*゚听)ξ「ううん!優しいで!」
(;^ω^)「う〜ん…自分ではよく分からないお。」
ξ*゚听)ξ「内藤にやったら…話してもええかな…」



29: ◆mFWJzt/.Cs :2006/06/30(金) 02:22:16.44 ID:4NWQuAGT0
  
ξ*゚听)ξ「でも誰にも言わんとってな?」
( ^ω^)「分かったお。」
津村さんはジュースを一口飲んで、何か決したように話し出す。
ξ ゚听)ξ「私な、いっつも見た目だけで判断されるねん。」
(;^ω^)「見た目だけで?」
ξ ゚听)ξ「うん。自慢みたいで嫌やねんけど、小さい頃から可愛い可愛いって言われて。」
(;^ω^)「それは誉められてるんじゃないのかお?」
ξ ゚听)ξ「私も最初はそう思ってて嬉しかってんけど、中学の時に私…いじめられてん…」
(;^ω^)「え!?津村さんは虐められるようなタイプには見えないお!」
ξ ゚听)ξ「私も、みんなと上手くやってたつもりやってんけどな…」
(;^ω^)「何があったんだお?」
ξ ゚听)ξ「中学に入ってちょっとしてから、私しょっちゅう告白されるようになってんな。」
(;^ω^)「モテモテかお?」
ξ ゚听)ξ「自分で言うのもちょっと痛いけどモテモテやったわ。でもな、みんな同じこと言うねん。」
( ^ω^)「同じこと?」
ξ ゚听)ξ「一目惚れした、可愛いから、って。」
( ^ω^)「あぁ、なるほどだお。」



30: ◆mFWJzt/.Cs :2006/06/30(金) 02:23:22.94 ID:4NWQuAGT0
  
ξ ゚听)ξ「それっておかしいやろ?私の見た目だけで好きやって言うねんで?それだけで付き合ってくれって…」
( ^ω^)「う〜ん…たしかに…」
ξ ゚听)ξ「せやから私、全部断っててん。でもな、中学3年の春に…」
(;^ω^)「…お?」
ξ;゚听)ξ「あ、別に誰かと付き合ったとかゆー話ちゃうで?」
(;^ω^)「あ、違うのかお。」
ξ ゚听)ξ「うん、違うで。中学3年になってすぐにクラスメイトの男から告白されてん。」
( ^ω^)「やっぱり断わったのかお?」
ξ ゚听)ξ「うん。全然話したことも無かったし、可愛いから好きやって言うてきよったからな。」
( ^ω^)「それが虐めとどう関係あるんだお?」
ξ ゚听)ξ「その男はな、3年の女子のリーダー格みたいな女が好きな奴やってん。」
(;^ω^)「もしかして…」
ξ ゚听)ξ「そう。完全に逆恨みやな。それで私は3年の女子のほとんど全員からいじめられるようになってもーてん…ちょっと可愛いからって調子のってるとか言われて…」



31: ◆mFWJzt/.Cs :2006/06/30(金) 02:24:27.07 ID:4NWQuAGT0
  
津村さんは話し終えるとうつ向いた。
その横顔にはいつもの元気は無く、寂しそうで、思わず抱きしめたくなる。
その時、僕は彼女の左手に違和感を感じた。
よく見ると薬指の根元が…
( ^ω^)「その…左手の薬指…どうしたんだお…?」
ξ ゚听)ξ「…あぁ、これはイジメでやられてん。うちらが指輪あげるわー言われてタバコの火ぃ押し付けられて…」
( ^ω^)「やっぱりかお…」
ξ;゚听)ξ「え?」
( ;ω;)「う…」
ξ;゚听)ξ「どないしたん!?」
僕は泣いた。
彼女のことを思うと勝手に涙が出てきた。
あぁ…女の子の前で泣くなんてカッコ悪いなぁ…
ξ;゚听)ξ「内藤?」
( ;ω;)「うぅ…」
津村さんは僕に綺麗なピンク色のハンカチを渡してくれる。
( ;ω;)「あ…ありがどぉ…うぅ…」
彼女はそれから何も言わず、ただぼんやりと僕が泣き止むのを待っていた。



32: ◆mFWJzt/.Cs :2006/06/30(金) 02:25:18.43 ID:4NWQuAGT0
  
僕がようやく泣き止むと、津村さんは少し笑いながら
ξ*゚听)ξ「なんであんたが泣くんよ?」
(;^ω^)「ごめんだお。」
ξ*゚听)ξ「まぁ私も泣いたし、別にええけどな。」
(;^ω^)「なんか津村さんのことを考えたら泣いちゃったお。」
ξ*゚听)ξ「そ、そーなんや…」
彼女は少し顔を赤くしながら立ち上がる。
ξ*゚听)ξ「お腹すけへん?なんか食べにいこーや!」
そう言って歩き出す。
僕もベンチを後にし、彼女についていく。

僕はまだ気付いていなかった。
僕の心にぽっかり空いていた穴が、いつの間にか彼女によって埋まっていたことに…

第拾参話 おわり



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