( ^ω^)ブーンが空も飛べるようです

603:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/17(土) 19:15:12.03 ID:rj7j0ieaO
  
保守代わりに



(´・ω・')「やぁ。ようこそ……私のバーボンハウスへ」
気付けば周囲に異様な圧力が満ちている。莫大な威圧感。ともすれば身が砕けてしまいそうな、狂暴にして強力な波動。
(;^ω^)「ま、マスター……これは一体どういうことなんだお?!」
凶悪な圧力の中心、静かに佇むマスターがいる。
(´・ω・')「この宣告はサービスだから、命乞いでも考えながら聞いて欲しい。うん、必殺技なんだ。仏の顔も三度までって言うしね、謝って許してくれと言われても許すつもりはない。
でも君はこの必殺技を食らって、なにか『私に逆らった後悔』みたいな物を感じると思うんだ。次に生まれてくるときは、その後悔を忘れないで欲しい……じゃあ、命乞い以外の遺言を聞こうか」
( ^ω^)「ま、待つんだお! どうしてブーンとマスターが戦わなくちゃいけないんだお!」
(´・ω・`)「ふむん。残念だが教えるつもりはないし……そもそもこれは戦いではなく虐殺。君は黙って殺されれば良いんだ」
( ^ω^)「そ、そんな……把握したお! マスターがそのつもりなら、こっちだって!」
ブーンは駆け出した。明後日の方向に。逃亡ではない、必殺に対抗する為の布石なのだから――!
( ^ω^)「kskkskkskkskkskkskkskkskksk――!」
一度kskの呪文を唱える度にブーンはその速度を上げる。数十度のkskの先にあるのは人外魔境。ブーンの両手は風を断つ。その速度は音速の数倍、弾丸さえも追いつけぬ絶後の境地!
( ^ω^)「仲間だったよしみだお、一瞬で楽にしてやるお――!」
ブーンは急激にその進路を変える。討つのは一人、マスター=バーボン!
(´・ω・`)「無駄な事を……」
マスターは悠然と構えていた。
( ^ω^)「うはwwww俺最強wwww行くおっ! ブーンドライブD☆Q☆N――!」
ブーンドライブD☆Q☆N――kskの呪文を重ねがけし、極音速に達した肉体で相手を砕く正しく必殺の一撃。単純な攻撃だが、回避、防御ともに至難――! 叩かれなれ、耐久性に優れるブーンだからこそ使用可能な絶技!
さながら流星のように、巨大な弾丸と化したブーンの腕がマスターの肉体を――
打ち抜かない。
ブーンの肉体は、マスターの目前で停止していた。
( ^ω^)「こ、これは……う、動けないお! 空間が、固定されてるのかお!? まさか、これは――!」



604:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/17(土) 19:20:25.52 ID:rj7j0ieaO
  
保守の続き
(´・ω・')「その通り。【人多杉】の魔法を発動した」
【人多杉】――空間の凍結を行う大魔法の一つ。強力な万能魔法だが、使用には膨大な魔力が必要になる。
( ^ω^)「そんなはずないお! だって、マスターにはそんな魔力は……!」
(´・ω・`)「確かに私にはそんな魔力はない。だが私にはこの領域が――固有結界【バーボン・ハウス】がある。この領域内なら、私はどんな魔法でも使うことが出来るんだ」
( ^ω^)「し、信じられないお! そんなチカラ、聞いた事ないお!」
(´・ω・`)「当然だ。私のこの力を味わった者は皆死ぬんだからね。……さぁ、そろそろあぼーんの時間だ。死んでもらおうか。【ブラクラウィンドゥ】!」
ブーンの視界が、黒いドットで急激に埋め尽くされて行く。
( ^ω^)「うわあああああ! な、なんだおこの魔法――!」
(´・ω・`)「大丈夫。ちょっと目が見えなくなって、ちょっと気が触れて――ちょっと苦しんでしなせるだけの、ちゃちな魔法さ」
( ^ω^)「ひいい! し、死ぬのは嫌だお! ksk! ksk――!」ブーンは唯一使える加速の呪文を連呼する。しかし黒に埋め尽くされて行く視界がkskすることはない。
(´・ω・`)「ふふふ……この【バーボン・ハウス】ではどんな魔法も呪文も使えない。諦め給え。ああ、ツンデレくんのことは心配しなくて良い。遊廓で一生幸せに暮らせるようにしてある」
( ^ω^)「つ、ツンにまで手を出すつもりなのかお! 許さないお!」
(´・ω・`)「許さない? ふふん、どうやって抗うつもりなんだい? この【バーボン・ハウス】の領域内では何もできまい。大人しく死ね」
( ^ω^)「マスターの思い通りにはさせないお! ハアアアアアア! ピキピキピキ!」
次の瞬間。
マスターの体は吹き飛ばされていた。
(´・ω・`)「!? なんだとォッ!?」地面を滑りながらマスターは見た。自分に飛び掛かろうとする、無数のブーンの姿を――!
(´・ω・`)「【バーボン・ハウス】! こいつらを規制しろォォォ!」
だが、ブーンたちには何の変化も起こらない。
(´・ω・`)「馬鹿なっ! ええい、【人多杉】! 止まれえっ!」
だが、それも、それも、豪速で襲い来るブーンたちには通用しない――!
(´・ω・`)「く、くそっ! 【板移動】ッ!」
マスターの肉体が遥か後方に跳躍する。その距離1キロ。ブーンのkskといえども直ぐさま詰められる距離ではない。
(´・ω・`)「【バーボン・ハウス】が効かないとは……知っているぞッ、この現象ッ! ブーン、貴様、固有結界を持っているなッ?!」
ブーンは――ブーンは頭を抱えて崩れ落ち、息を切らせながら、なんとかして自分を救った無数の【自分】を見上げた。
「お、おまい達は、誰だお……?」
「「「「「俺たちは……」」」」」ブーン達は一斉に口を開く。「「「「「VIPPER電凸隊!」」」」」
あおり:ついに目覚めたブーンの固有結界――!
何の説明もなく次回へ続かない!



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