( ^ω^)ブーンが夢をかなえたようです

76: ◆Brsj/lcRyc :2006/06/01(木) 22:03:40.44 ID:E9yqRx720
  
今・・・仕事中っていう、ろくでもない夢の途中で目が覚めた。
こんな状況になっても、現実に追いかけられてる気分が抜けないのだろうか?

時刻はまだ8時前、目覚まし時計より30分くらい早いけど、普通に6、7時間は寝れたらしい。
単純に僕の神経の、許容範囲をオーバーした結果だと思う。
いわゆる得意分野の現実逃避だけど、おかげでよく眠れたのだから、夢の分を差し引いても問題なし。

2人が迎えに来てくれる時間まで、まだ1時間以上余裕があるけど・・・。
今日はぐらいは、念入りに身支度を整えておこう。

ゆっくり風呂に入って、ほとんど量はない服の中から、ちょっとはマシなのを引っ張り出す。
仕事以外で出かけることなんか、ほとんどないのだから・・・そんな事にも一苦労だ。
落ち着いた時には、何だかんだで1時間はたっていた。


そろそろ9時になる。
・・・そういえばツンはどうしただろう。
職場の交代は朝9時で、15分前くらいには大体いるはず。
今の時間ならもう着いていそうだし、2人が来るまで少しIRCに顔を出しておこう。


IRC確認。


( ^ω^)「お?ツンは自宅で離席中のままかお?」



77: ◆Brsj/lcRyc :2006/06/01(木) 22:04:34.07 ID:E9yqRx720
  
少しおかしい。
昨夜家を出たときから、ずっと離席中のままになっている。
それに出勤前は、どうせ職場からログインしなおすので、ツンは家のPCを落としてるはず。
まだ家を出てないのだろうか?


【I wanna be a VIPSTAR・・・♪】


( ^ω^)「お、携帯にメールかお?あ、ツンからだお!」


件名:VIP・GAMEの件

本文:[誰にも連絡するな。VIP・GAMEの当たり券を持ってこれから外に出ろ]

添付画像:昨日わかれた時の服装で・・・どこかの廃屋のような室内で・・・縛られているツン?


は?何だこれ?何でツンの携帯から?え?
何だこれ?まったく把握できない?誰にも連絡するな?
冗談?違う?ツンが・・・さらわれた?何で?ありえない?


【I wanna be a VIPSTAR・・・♪】



78: ◆Brsj/lcRyc :2006/06/01(木) 22:05:19.53 ID:E9yqRx720
  
今度は電話・・・ショボンから?
そうだ、2人がそろそろ到着する時間だった!あの2人なら!
いや・・・駄目だ。メールに誰にも連絡するなとある・・・下手に相談したらツンがどうなるかわからない。
でも、電話に出なくても2人はもう来ているはず。
このままだと直接部屋に来てしまう?とりあえず電話に出ないと!


(;^ω^)「あ、あぅ、も、もしもし・・・」

(´・ω・`)【今来たところ。勘違いならいいんだけど・・・どうも外に君の部屋を見張ってる奴がいる】

(;^ω^)「う、あの、その・・・」

(´・ω・`)【心当たりがあるなら・・・家は間に合ってますと返事。ないなら切って】


外に見張っている奴がいる?心当たり?たった今出来たばかりだ。


(;^ω^)「家は・・・間に合ってますお」

(´・ω・`)【うん。わかった。金の事で脅迫されている。YESなら今忙しい。NOなら切って】


ショボンは鋭い・・・僕本人よりよほど事態を把握してるように聞こえる。



79: ◆Brsj/lcRyc :2006/06/01(木) 22:06:14.11 ID:E9yqRx720
  
(;^ω^)「今、忙しいお!」

(´・ω・`)【どこかに向かうように指示はある?YESならだからいらない。NOなら切って】

(;^ω^)「だからいらないお!」

(´・ω・`)【アレを持っていくように言われている?YESならいい加減にしろ。NOなら切って】

(;^ω^)「いい加減にするお!」

(´・ω・`)【わかった。それなら何とかしてみるよ。今はそのまま相手の指示に従って】


それだけ伝えると、ショボンは電話を切った。
何とかしてみる?一体どうするつもりだろう?
今の状態じゃ、下手に相談なんか出来ない。
どちらにしても、相手の言うとおりにするしか思いつかない・・・。

言われたとおり、当たり券と携帯をポケットに入れて外に向かう。
緊張で指先がしびれてきた・・・ツンは大丈夫なのか?
部屋の外には誰もいない、どこまで行けばいいのだろう?
わけも分からず、アパートの外の通りまで、フラフラしながら歩いていく。
さっきまで見ていた夢より、ずっと非現実的だ。

突然、すごいスピードでワゴン車が突っ込んで・・・あれ?どこかで?
耳が痛くなるようなブレーキ音・・・僕の真横に急停止?
同時に扉が開き、帽子を深く被った男・・・あれ?やっぱりどこかで?



81: ◆Brsj/lcRyc :2006/06/01(木) 22:07:32.07 ID:E9yqRx720
  
そこからは一瞬。
なんだか袋のような物を被せられ、強引に車にひっぱりこまれた。
たぶん数秒の出来事だと思う。
そのまま車は急発車した・・・のだと思う。
後はまったく聞いた事のない、誰かの怒声が聞こえた気がした。

僕はいよいよパニックになって声も出せずにいた。
被された袋をはずされ、いきなり視界が開ける。


('A`)「あー、悪い。流石にこういう事はしたことねぇから、加減がむずかしかった」

(;^ω^)「え?ドクオかお?」


僕は車の後部座席に押し込められていたようだ。
隣にはドクオがいる。
相変わらずさっぱり把握できない。


(´・ω・`)「うん。済まない。面倒な事になっているみたいだしね。拉致したように偽装させて貰ったよ」

(;^ω^)「え?マスターかお?」


運転しているのはショボンだった。
そういう事なら、車も出てきた男も見覚えがあるはずだ。



82: ◆Brsj/lcRyc :2006/06/01(木) 22:08:45.03 ID:E9yqRx720
  
(´・ω・`)「君は相手の指示に従っただけ。だけど相手と同じ目的の2人組に拉致されたって感じで」

('A`)「んー、証人なら相手がいるから大丈夫だぜ。何せ目の前でさらって来たからな」


あの時の怒声は見張っていた奴か・・・把握。
自分がどういう事態に巻き込まれてるかはわからない。
この2人は味方だ。
第三者から見れば、甘っちょろい話かもしれない。
それでも、そこは絶対に譲れない大前提。


(;^ω^)「一生のお願いだお!ツンが・・・助けて欲しいお!」

('A`)「一体どうなってんだ?・・・っと、ショボンそこ、ジョルジュのとこの裏を借りよう」

(´・ω・`)「うん。とりあえず昨日わかれてから、今までに起きた事を説明してくれるかな?」


小さなバイク屋の前で、ドクオが車の窓を開けた。
そして、中でせかせかと作業をしてる男に、ちょっと駐車場を貸してくれと伝える。
本当に考えたのかわからない速さで、オッケーオッケーと返事が返って来る。

ショボンはそのまま店の裏手にある、大量の廃材の積まれている目立たない場所に車を止めた。



83: ◆Brsj/lcRyc :2006/06/01(木) 22:10:03.73 ID:E9yqRx720
  
(;^ω^)「ふ、2人から電話が掛かってくるちょっと前に・・・ツンの携帯からメールが来たんだお」


ショボンも運転席から後ろに移動して来た。
2人にも、持ってきた僕の携帯を見せる。


('A`)「あー・・・なるほど。本来こういうのはお巡りの仕事だな・・・」

(;^ω^)「だ、駄目だお!ツ、ツンにこれ以上何かあったら!当たり券なんて相手にくれてやるお!」

('A`)「・・・お前、いきなり燃やそうとするような奴だしな。だけど、そりゃ駄目だ」

(´・ω・`)「うん。済まない。渡して無事に済むとも思えないよ。相手から直接連絡は?」

(;^ω^)「・・・このメールだけだお。でも・・・警察は・・・ツンが・・・」


車内にわずかな沈黙。
2人と合流出来て多少落ち着いたけど、どうしたらいいのかまるで思いつかない。


('A`)「んー、俺らが本当にブーンをさらった・・・って事で進めるのは?」

(´・ω・`)「うん。なるほど。相手の1人も見ていたしね。それがいいと思う」

('A`)「まあ、問題はあるけどな」



85: ◆Brsj/lcRyc :2006/06/01(木) 22:10:58.77 ID:E9yqRx720
  
(;^ω^)「問題かお?ツンに・・・」

('A`)「だーから、わかってるって。お前が結構危険になるって話だ。どうする?」

( ^ω^)「それなら問題ないお!」


落ち着いてきたのと比例するように、今度は怖くてたまらない。
情けない。

2人と一緒にいても、全身のふるえが止まらない。
ツンの事はもちろん・・・僕自身に起こる事だって、想像すると本当に怖い。
情けない。

それでも、この歳になって初めて直面した非現実的な状況で・・・
初めて自分から現実と向き合う覚悟が出来た。


(´・ω・`)「うん。いい返事だね。報酬は成功時に30万でいいよ。経費は別」

('A`)「だな。今回は一応プロとして責任持って動く。いつもみたいに、暇だから付き合うとは言わねぇ」

(;^ω^)「ちょ・・・それだけでいいのかお?」

('A`)「あー、会社のHPにある特殊項目基本料金。そのままだぜ。割り引いちゃいねぇよ」

(´・ω・`)「経費も下手したら10万超えるしね。だけど僕達に出来る事は全部するよね」



86: ◆Brsj/lcRyc :2006/06/01(木) 22:12:26.21 ID:E9yqRx720
  
(;ω;)「あぅ、あ、ありがとうだお」

('A`)「泣くな泣くな、煩わしい」


それから全員で打ち合わせを始めた。
正直僕には把握できな部分が多い。
2人が言うにはこういう状況になって、混乱しているのは間違いなく相手のほうらしい。
僕が車にさらわれた時は、ナンバーも隠していたそうだ。
普通に考えれば同じ狙いの相手に、目の前で獲物をさらわれたように見えているはず・・・とか。


(´・ω・`)「まずは、君の携帯からお嬢さんの携帯に連絡しよう」

('A`)「ん、こっちはオッケー。相手の声は車内で聞こえるはず」


ドクオが僕の携帯を車内のスピーカーにつないだ。


(´・ω・`)「聞き覚えのある声がないか注意していてね?じゃあ、静かに・・・・・・もしもし」

???【・・・お前、誰ニダ?】


あの時の怒声と同じ奴?
周囲に雑音もないし、どこか室内だろうか?



89: ◆Brsj/lcRyc :2006/06/01(木) 22:13:49.98 ID:E9yqRx720
  
(´・ω・`)「うん。そうだね。バーボンって呼んでくれるといい。君はさっきの人かな?」

????【ウリの事はどうでもいいニダ!奴をさらったのはお前達ニダ?謝罪と賠償を・・・】

(´・ω・`)「うん。済まない。なら君の事はいいさ。お互いのために交渉出来ないかな?」

????【・・・どういう事ニダ?】

(´・ω・`)「世界の拷問百選が愛読書の仲間が、とても“丁寧”に彼から話を聞いてるんだけどね」


ドクオが顔をしかめた・・・本当に読んでいるのだろうか?


(´・ω・`)「どこか面倒な場所に隠したらしい。君がおさえているお嬢さんを開放したら言うって」

????【お前馬鹿ニダ?そんなことでウリが開放するはずも、アレが手に入るはずも・・・】

(´・ω・`)「うん。そこで交渉だね。お嬢さんに引き合わせさえすれば、適当に言いくるめられる」

????【・・・信用出来ないニダ】

(´・ω・`)「だろうね。こちらは少しは譲歩するよ。仲間が1人で彼を連れて行く。わけまえについ・・・」

????【こっちが8ニダ!】

(´・ω・`)「5・・・と言いたい所だけど、そちらが6で手を打とう。悪い話じゃないと思うけどね」



93: ◆Brsj/lcRyc :2006/06/01(木) 22:15:16.92 ID:E9yqRx720
  
????【・・・数分後にこっちから連絡するニダ】


ショボンの返事を聞かずに、相手は電話を切ったようだ。
大丈夫なのか不安になる。


(;^ω^)「マスター、今のはさっき叫んでた奴だと思うけど、やっぱり聞き覚えはないお・・・」

(´・ω・`)「そう・・・。だけど話の感じからして、まだお嬢さんは無事だと思う」

('A`)「あー、こっちの事をグルだと疑ってる様子もねぇな」

(´・ω・`)「うん。今仲間と相談してるんだろうけど、電話に出た奴は本格的な・・・って感じもないね」

( ^ω^)「これからどうするんだお?」

(´・ω・`)「向こうから場所の連絡が来たら、なるべく時間をひっぱってみる」


【I wanna be a VIPSTAR・・・♪】


まだ2,3分だと思うけど着信が来た。
表示はツンから、たぶんさっきの奴だろう。
ショボンが静かにするように僕らにジェスチャーし、僕とドクオは黙ってうなずいた。



94: ◆Brsj/lcRyc :2006/06/01(木) 22:16:12.21 ID:E9yqRx720
  
(´・ω・`)「やあ」

????【・・・これから言う場所に、1人で奴を連れて来るニダ】

(´・ω・`)「うん。話が早くて助かるよ」


ドクオが相手のいう住所・・・市内のビル?をメモ帳に書き込み始める。
メモを取り終えると、静かに車の外に出て行った。


(´・ω・`)「こちらは約束は守るよ。1人で行こう。ただ、それなりの用意はさせて貰わないとね」

????【・・・1時間だけ待つニダ】

(´・ω・`)「いや、2時間。それ以下は無理だね」

????【・・・わかった、かならず1人で連れて来るニダ】


それだけ言って電話は切れた。


(´・ω・`)「さて、2時間か。住所は彼が今調べているけど、2手にわかれる必要があるね」

( ^ω^)「僕は捕まって連れて行かれる役かお?」



95: ◆Brsj/lcRyc :2006/06/01(木) 22:17:07.74 ID:E9yqRx720
  
(´・ω・`)「そうだね。僕達も全力を尽くすけど、実際かなり危険はあると思う」

( ^ω^)「正直怖いけど・・・今ぐらいは僕だってやるお!」


長い間だらだら生きて来たツケだろうか。
昨日から今日にかけて、自分の力の外で事態が急転している。
こうしていざやると言ってみても、結局は2人がいなければ何も出来ない。

ああ、自分が情けない事なんて、とっくの昔にわかっている。
それでも、出来ない事だらけでも・・・出来る事くらい今はやる。

僕なりに決意を固めているうちに、ドクオが車内に戻ってきた。


('A`)「あー、公衆電話からPBに騙りの電話入れて、今の住所は調べたんだけどな」

(´・ω・`)「うん。どうだった?」

('A`)「4階建てのビルで、全部テナントは入ってねぇ」

( ^ω^)「お?廃墟って事かお?」

('A`)「んー、2ヶ月くらい前までは、さっき指定された3階のフロアは使われてたらしい」



97: ◆Brsj/lcRyc :2006/06/01(木) 22:18:07.62 ID:E9yqRx720
  
(´・ω・`)「その時の責任者は?」

('A`)「モナーって奴。ビル自体はそいつの親の持ち物だな。住所は・・・」

(;^ω^)「ちょwwwそいつ、僕のところの社長だお!」


('A`)「おーい・・・ブーン。・・・他の人間にゃ言ってねぇんじゃなかったのかよ?」

(;^ω^)「ほ、本当だお、アイツなんかにわざわざ教えたりしてな・・・あ」


そうだ・・・最初に職場でツンに報告したときに聞いていた?
いくら、僕にとってどうでもいい存在で、話も完全にスルーされていたとはいえ・・・うかつすぎる。


(´・ω・`)「お嬢さんに報告した時に、聞かれてたってところかな」

('A`)「あー、そういう事ね。それだけなら、ただの冗談で終わったんだろうけどなぁ」

(´・ω・`)「うん。済まない。バイト君と交代させちゃったりしたしね」

('A`)「そこで気になってツンに、ブーンがすごい事になったな・・・とでも探りを入れて確信ってか」

(;^ω^)「でも、アイツいつも金持ち自慢とか、キモく悪ぶってみたりとか程度のボンボンだお?」



98: ◆Brsj/lcRyc :2006/06/01(木) 22:19:16.22 ID:E9yqRx720
  
('A`)「まあ、ソイツの事ならブーンとツンから、いつもIRCで聞いてるけど」

(´・ω・`)「金を持ってる馬鹿坊ちゃんか。ろくでもない友人くらいはいるだろうね」

('A`)「430億円だしな。他人事だったら・・・気持ちはわからんでもねぇ」

(´・ω・`)「うん。馬鹿は何するかわからないから油断は出来ないけど。相手が見えたのはいい」

('A`)「あー、南極の地下に秘密基地を持つ組織・・・とか言われるとどうしようもなかったしな」

(´ω`)「結局、僕がうかつだったんだお・・・」


(´・ω・`)「いや、僕達もいくらか責任はあるし。現時点ではさほど分が悪いわけじゃない」

('A`)「そういうこった。とりあえずシャキっとしろ、シャキっと」

(;^ω^)「は、把握したお!」


そうだ、今は自己嫌悪とかしてる場合じゃない。
目的のための手段を把握しきれないのだから、それだけを全力で考えるべきだ。
ツンを助けるにあたって、事態が良いほうに転んでる。
何も困る事はない。
僕がそんな事を考えている間に、ショボンは自分のカバンに、車の中から何か色々と詰め込んでいた。



99: ◆Brsj/lcRyc :2006/06/01(木) 22:20:18.51 ID:E9yqRx720
  
(´・ω・`)「よし、2手にわかれよう。僕は先に行って、何とか上か下のフロアに入って様子を調べる」

('A`)「足が必要だな・・・タクシー拾ってる暇はねぇだろ。ちっとジョルジュに頼んでみる」


3人そろって車を降りる。
しゃきしゃきとした・・・らしくない歩き方のドクオ、その後ろを僕とショボンは付いてく。
先ほどドクオと声を交わしていた男が、僕らに気がついたのか作業の手を止めた。


('A`)「あー、ジョルジュ。・・・悪いんだけど頼みがあるんだわ」

( ゚∀゚)「おk!おk!引き受けた」


即答だった。


('A`)「まあ、助かるんだが、先に内容くらい・・・」

( ゚∀゚)「お前、さっきからちょろちょろと・・・忙しいんだろ?さっさと言え」

('A`)「悪い。足を貸して欲しい」

( ゚∀゚)「うちのトランポでいいか?」



101: ◆Brsj/lcRyc :2006/06/01(木) 22:21:22.87 ID:E9yqRx720
  
('A`)「悪い。助かる。もし何かあ・・・」


話している途中で、ジョルジュが車の鍵をドクオに投げて渡した。


( ゚∀゚)「いいからとっとと行け。お互い忙しい、それでいいだろ?」


それだけいうとジョルジュは作業に戻っていった。
別に適当な人間っていうわけじゃない・・・と思う。
彼はきっと、こっちの事情を彼なりに察したから・・・こんな感じなんじゃないだろうか?
これが解決したら、必ずちゃんと礼をしよう。

だけど、今は緊急事態、遠慮なく甘えさせてもらうしかない。


(´・ω・`)「じゃあ、行くよ。様子を調べたら連絡はこちらからするから。君達も近くで待機していて」

('A`)「ん、了解」

( ^ω^)「把握したお!マスターも気をつけるお!」


ジョルジュに借りたトランポで、ショボンが先行。
僕らはドクオの運転で、別ルートから目的地の近くに向かう。



103: ◆Brsj/lcRyc :2006/06/01(木) 22:22:31.03 ID:E9yqRx720
  
気持ちはあせっていたけど、どちらにしても、先行するショボンからの連絡待ち。
ドクオの運転しているところは、始めて見た気がするけど、結構安全運転なんだと思う。


( ^ω^)「そう言えば、何で借りたほうの車がマスターなんだお?」

('A`)「あー、こっちの車のほうが連絡受けるには都合がいいし。俺、免停中だからジョルジュのはなぁ」

(;^ω^)「ちょwwwだいじょうぶかお?」

('A`)「だから安全運転してるだろうが。ジョルジュの野郎も知ってるはずなんだが、まったく・・・」


2人はもちろん、あの人にもこれが解決したら、本当にしっかり礼をしなければいけない。
あらためてそんな事を思う。

それから、ドクオと取引時の注意を打ち合わせしつつ、気がつけばもう目的地の近くだった。


('A`)「さて、取引の時間までは後1時間30分か。とりあえずショボンからの連絡待ちだな」

(;^ω^)「マ、マスターは1人で大丈夫かお?」

('A`)「んー?まあショボンだし。それよりお前だ。今から神経張り詰めてるともたねぇぜ」

(;^ω^)「は、把握したお」


第4話 完



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