( ^ω^)ブーンが夢をかなえたようです

116: ◆Brsj/lcRyc :2006/06/01(木) 22:36:26.63 ID:E9yqRx720
  
僕らが目的地の近くに到着してから、もう1時間ほど経過していた。
ショボンからはまだ連絡が来ない。
流石にこの状況で、どのアニメキャラが・・・みたいな話はする気にならない。
結果、取引時の打ち合わせを繰り返している。

確かに色々あるのだけど、基本的に僕は、ただの捕獲された希少生物?
微妙な例えだけれど、ある意味相手を釣るための疑似餌みたいな感じ。
特別な活躍は期待されていない、というより、危なくなったら自分の判断で逃げろって話だった。

みんなを置いて逃げるなんて選択は、いくら僕でも気が引けるどころか、ここまで来た意味がなくなる。
それでも、場合によっては役にたつどころか、足を引っ張る可能性が高いのは事実。
まだ30分近く時間はあるっていうのに、今も緊張でどうにかなってしまいそうだし。


(;^ω^)「ドクオはなんでそんなに平気そうなんだお?」

('A`)「あー?平気なわけねぇだろ。見ろよこの手」


ドクオの手は震えていた。


(;^ω^)「だけど、表情も口調もいつも通りだお?」

('A`)「ん?顔色は・・・元々悪化しようがないくらい悪いし、口調はなんていうかアレだ」



117: ◆Brsj/lcRyc :2006/06/01(木) 22:37:30.57 ID:E9yqRx720
  
( ^ω^)「またアレかお?そこのところkwsk教えて欲しいお」

('A`)「こう、何だ?駄目なものは駄目なわけでだな。そこで、がんばるんじゃなくて・・・んー」


そう言えば、弱さを自覚して・・・っていうのは、他でもないドクオの台詞だったはず。
あれの応用で平然と構えていられるのだろうか?
だったら是非、指南してもらいたいところだけど。


('A`)「割り切る?いや、諦める?そうすっと、不思議とどうでも良くなって来るのよ、コレが」

(;^ω^)「えらく消極的な理論だお」

('A`)「あー、だって駄目なものは駄目じゃね?そのあたりお前もプロフェッショナルだろ?」

( ^ω^)「否定できない件」

('A`)「・・・でだ。どうでも良くなってくると、自分の事すら他人事みたいになって来るわけよ」

( ^ω^)「その状態になって普通でいられるのがすごいお・・・」

('A`)「んー、それは慣れかもしれねぇな。っつうか、俺、日頃からそういう感じだし」

( ^ω^)「ドクオの凄さに嫉妬。僕もそうなりたいお」

('A`)「やめとけやめとけ。お前がやると黄色い救急車が迎えにくるぜ?」



119: ◆Brsj/lcRyc :2006/06/01(木) 22:38:26.99 ID:E9yqRx720
  
ドクオと同じ事は出来そうにないけど、話を聞いてるうちに少し緊張が解けた気がする。
いつの間にか時間まで残り20分を切っていた。


【I wanna be a VIPSTAR・・・♪】


( ^ω^)「マスターからだお!ktkr!」

(´・ω・`)【やあ。遅くなって済まない。両歯の鍵に少してこずっちゃってね】

('A`)「あー、どうよ、様子?」

(´・ω・`)【上の階からコンクリートマイクで探ってみたけど、まずお嬢さんは無事だね】

( ^ω^)「mjd!」

(´・ω・`)【うん。君の苦手な、陵辱物エロゲーみたいな事にはなってないから、安心して欲しい】

(;^ω^)「ちょwwwマスターwww」

(´・ω・`)【お嬢さんを除いて相手は2人。電話をしてきた奴はニダーって呼ばれてる、それと・・・】

( ^ω^)「もう1人はモナーかお?」

(´・ω・`)【そういう事。会話の内容からそれ以上の背後はなさそうだね】



120: ◆Brsj/lcRyc :2006/06/01(木) 22:39:24.60 ID:E9yqRx720
  
それからショボンは、フロアの間取り、相手の状態などを細かく説明してくれた。
相手は2人とも、僕らよりよほど追い詰められた雰囲気らしい。
ショボンが最初の電話の時に言っていたとおり、手馴れているわけではないようだ。


(´・ω・`)【そんなわけで追い詰められた馬鹿2人なわけだけど・・・】

('A`)「あー、そりゃおっかねぇな。何するかわからねぇ」

(´・ω・`)【うん。僕は何かバールのような物も見つけたし、すぐに突入できるようにしておくけど】

('A`)「ほどほどに期待しとくわ。ああ、この状況だし、こっちは入る直前に通報入れとくか?」

(;^ω^)「え?警察かお?でもそれは・・・」

(´・ω・`)【いや、ここで終わりだからね。作戦がこじれた時の保険はかけておくべきだよ】


言われてみれば、どう転んでもここで終わりだ。
どちらにしても、最終的には警察に任せるつもりだったし、万が一失敗した時に控えてるなら心強い。


( ^ω^)「把握したお」

('A`)「んー、そっちも気をつけろよ」

(´・ω・`)【うん。済まない。この作戦が終わったら、みんなにステーキおごるから】



121: ◆Brsj/lcRyc :2006/06/01(木) 22:40:31.53 ID:E9yqRx720
  
( ^ω^)「ちょwwwマスターwwwそのEVAネタは成功率低すぎwww」


つっこむ前にすでに電話は切れていた。
何でこの人は、定期的にEVAネタを口に出すのだろう?
・・・それこそ考えるのは後回しでいいか。


('A`)「あー、一応、パチンコだと激熱だし。いいんじゃね?」

(;^ω^)「あぅ・・・まあ、おかげで緊張もほぐれたお」

('A`)「そりゃ、いいこった。・・・うっし、そろそろ行くぞ」

( ^ω^)「把握したお!」


ビルの入り口まで車で一気に乗り付ける。
警察にはドクオが隣の住人を装い、不審な音がするから見に来てくれと通報した。
これなら、たぶんすぐには来ないだろう。

指定されたところは、古い4階建てのビルでエレベーターもない。
僕は、後ろを歩くドクオに追い立てられるような形で、階段をびくびくしながら上っていく。
打ち合わせどおりではあるけど、実際怖かったりするし・・・素だったりもする。



122: ◆Brsj/lcRyc :2006/06/01(木) 22:41:33.80 ID:E9yqRx720
  
3階に到着。
ドクオが僕の携帯からツンの携帯に着信を入れる。
内側から鍵の開く音がして、男が顔を出した。

モナーじゃない・・・ということは電話をした奴、ニダーとかいったか?


('A`)「よう。約束どおりこっちは1人だ」

<丶`∀´>「・・・入れニダ」


ニダーに手招きされて、僕らは室内に入り込んだ。
たいして大きなビルではなく、1フロアに12畳程度の広さの部屋が、壁で仕切られて2つ。
僕らが入れられた手前の部屋には、ツンもモナーもいない。
ツンは奥の部屋だろう。

僕らが中央で室内の様子を見ている間に、ニダーは扉に鍵をかけて近づいてきた。


(;^ω^)「ツ、ツンは、どこだお!」

('A`)「あー、兄ちゃん。大声出すなって言ったよな?まだ教育たりねぇ?俺、育て方間違えた?」

(;^ω^)「い、いいから、ツンに会わせるお!」



123: ◆Brsj/lcRyc :2006/06/01(木) 22:42:26.57 ID:E9yqRx720
  
('A`)「うぜぇ・・・。何いってもこのとおりだ。まあ、とっとと済ませちまおうぜ。かったりぃし」

<丶`∀´>「わかった。ここで待つニダ」


ニダーが隣の部屋に消えた。
まだだ・・・。


ξ#゚听)ξ「ちょっと!引っ張るんじゃないわよっ!ってアンタた・・・」

('A`)「そっちも教育がなってねぇな。騒ぐなよ。“うまく行く事もうまく行かなくなる”だろ?」


ツンと昨日わかれてから、まだ1日もたってないのに、すごく久しぶりな気がする。
ショボンの言うとおり、手足をテープで縛られてはいるが無事らしい。
この状況で僕だったら、ドクオの言ってる事も把握出来ないだろうけど・・・彼女は把握したようだ。
うまく行っている。
後少し・・・。


(;^ω^)「ツン!ツンをはなせお!」

('A`)「あー、兄ちゃん。こっちは律儀に約束守ってやったわけよ?何だ、そのへんにしとけよ?」

(;^ω^)「ツンを離すのが先だお!」



124: ◆Brsj/lcRyc :2006/06/01(木) 22:43:19.00 ID:E9yqRx720
  
<丶`∀´>「いい加減にするニダ!」


これでいい。
僕らがした打ち合わせは単純だ。
ひたすらツン、ツン、と僕は言い続けるだけ。
まずは相手にツンを、すぐに手が届く場所まで連れてこさせる。
その後もドクオが適当に、僕から当たり券の場所を聞こうとし続ける。

しびれを切らした相手が、僕に直接詰め寄ろうと、こうして近づいてきたところに・・・


<丶`∀´>「アーッアイゴー!ゴホッ・・・ゴ・・・ゴホッ」

('A`)「ん。悪い」


ドクオが不意打ちで催涙スプレーを吹き付ける。
うまくいった。

相手が中々信用しないようなら、ドクオが僕を何発か殴ったりとか?
モナーも出てきたら、最悪相手に僕もいくらかやられる事で、隙をつくってショボンが突入。
後はショボンとドクオで一気に片をつけるだったか?
そんな感じだったから、想定していたパターンの中では、一番シンプルに事が運んでる。

シンプルなのはオッケー、あとは仕上げだ。



125: ◆Brsj/lcRyc :2006/06/01(木) 22:44:06.96 ID:E9yqRx720
  
ドクオが無防備なニダー相手に、2,3歩助走をつけて思いっきり蹴り飛ばしす。
ドクオ曰く、俺は無防備な相手に対してはジェラルド・ゴルドー並に容赦がねぇぜ?
一体誰の事だかわからないけど、本当にえげつない・・・でも今は頼りになるから助かる。


('A`)「あー、オッケー。行けブーン!」

( ^ω^)「把握したお!」

<丶`∀´>「ゴホッ・・・ゴホッ・・・グッ・・・ゴッ・・・お前・・・ら・・・ゴホッ!」


ニダーの相手はドクオに任せて、僕はツンにかけよった。
流石のツンも突然の事態に言葉もないようだ。
手足を縛りを縛り付けているテープをはがしにかかる。


ξ;゚听)ξ「ちょ、ちょっとっ!アンタ達なにしてるのよ!馬鹿じゃないのっ!」

(;^ω^)「と、とりあえず、テープをはがすから動かないでくれると助かるお」


(;'A`)「ちょ、ちょっとっ!アンタなにしちゃってるのよ?ば、ば、馬鹿じゃねぇの?」

(;^ω^)「ドクオ?こんな時にツンの真似かお?すげぇ似てないお?」

<丶`∀´>「ゴホッ・・・ゴホッ・・・お、お前ら・・・ゴッゴホッ、ぶっ殺ゴホッ・・・」



126: ◆Brsj/lcRyc :2006/06/01(木) 22:45:27.32 ID:E9yqRx720
  
ツンの手足を縛り付けていたテープを、僕がほどき終えたところだった。
突然様子の変わったドクオのほうを、僕とツンが振り返ると・・・すごい事に。
どこに隠していたのかわからないけど、ニダーが30センチくらいありそうなナイフを振り回している。

まだ催涙スプレーは効いているのだろう。
とにかくめちゃくちゃに振り回しているだけ。
だけど場所が悪い・・・ちょうど部屋の入り口付近。
本来、ツンさえ助け出せれば、後のことは警察に任せて僕らは逃げる。
そういう計画だったのだけど。


(;'A`)「ちょ、ちょ、ちょ、ば、ば、馬鹿!普通にありえねぇ!あたったらどうするわけ?」

ξ#゚听)ξ「ちょっと、ドクオ!アンタさっきまでの調子はどうしたのよっ!」

(;'A`)「し、し、知るか馬鹿!げ、限界突破で現実に帰還しちまったんだぜ?ちょ、マジやばい!」

(;^ω^)「こ、これはまずいお」

<丶`∀´>「ゴホッ・・・ゴホッ・・・ファ、ファビョーン!」


3人そろって・・・いや、ニダーもそうだろうから、4人そろってパニック状態の僕ら。
ドクオも例のどうでもいい状態が・・・あっさりくずれた?
演技じゃないと思う、たぶん。
・・・本当にまずい。



127: ◆Brsj/lcRyc :2006/06/01(木) 22:46:26.94 ID:E9yqRx720
  
突然、盛大にガラスの割れる音が室内に響き渡った。
同時に誰かが室内に飛び込んで・・・ショボン?
そうだ、この人がいた!
ショボンは真っ直ぐニダーに駆けよる。
そして、そのままバールのような物をニダーの頭部に叩きつけた。

崩れ落ちるニダー。


(´・ω・`)「悪く思わないでね」

( ^ω^)「こんな時でもEVAネタかお!流石マスター!そこにしびれる!あこがれる!」

ξ゚听)ξ「はぁ・・・アンタまでいたわけ?」

('A`)「あー、まあ、いいんだけど。何だ?死んでねぇだろうな?コイツ」

(´・ω・`)「うん。たぶん大丈夫。それよりも今は早いところ部屋から・・・」


ショボンが言い終わる前に、先ほどツンが連れてこられた隣の部屋の扉が開いた。


( ´∀`)「・・・ふざけた事やってくれたよな。お前ら」

(#^ω^)「お前っ!ってソレ・・・嘘だお?」



128: ◆Brsj/lcRyc :2006/06/01(木) 22:47:40.06 ID:E9yqRx720
  
モナーの手に握られているのは・・・拳銃?
漫画で見た事がある気がする・・・確かトカレフ?いや、今はどうでもいい。
本物だろうか?それこそありえない。


(´・ω・`)「うん。済まない。すぐに警察が来るよ。下手な事はしないほうがいい」


いきなり耳元で爆竹が鳴ったような・・・。
発砲音?
モナーの拳銃は、ショボンとドクオのほうに向いていて・・・煙が出ている。
僕はモデルガンか何かだと思いつつ、拳銃の狙いの先・・・2人のほうに顔を向けた。

2人は・・・あれ?なんだこの無表情ぶり?


ξ゚听)ξ「馬鹿なのは十分承知してたけど・・・ここまで来ると立派ね」

('A`)「あー、流石にここまで来ると、一回りして、またどうでも良くなってきたわ」

(#´∀`)「もういいよ。親父といいお前等といい、どいつもこいつもっ!」

(´・ω・`)「うん。済まない。君の事情には興味もないんだ」

('A`)「ああ。だが、お前がもう1発撃ったその時は、うちのエースがこのバールのような物で・・・」

(´・ω・`)「ぶち殺すぞ」



129: ◆Brsj/lcRyc :2006/06/01(木) 22:48:52.02 ID:E9yqRx720
  
ああ、いくら僕でも把握できた。


1、モナーの持っている拳銃は本物。

2、ドクオとショボンの様子からして、外れはしたものの問答無用に当てるつもりで撃ってきた。

3、ドクオとショボンは・・・たぶん自分達に注意を向けさせようとしている。


モナーの奴は、良く見れば手も震えている。
怒りなのか緊張なのかそんな事はどうでもいい。
僕が知る限り、こいつはただのボンボンだし、こんな事には慣れてるはずもないだろう。

だけど、この部屋は狭い。
隣の部屋の入り口で銃を構えているモナー。
そこから3メートルぐらいしか離れていないところに僕とツン。
さらに離れたところにいるドクオとショボンでも5メートルぐらい?

よほど運が良くなければ、次は普通に当たるだろう。
逆に考えればドクオの言うとおり、ショボンならさっきのように、一瞬で何とか出来るかもしれない。
ドクオもいつの間にかニダーのナイフを拾い上げているし。


だけど、それは誰か怪我・・・いや、死ぬかもしれない。
僕らの中の誰か死ぬって、そんなのは絶対ありえない。
・・・とにかく絶対駄目だ。



130: ◆Brsj/lcRyc :2006/06/01(木) 22:50:05.77 ID:E9yqRx720
  
(#´∀`)「ああ?状況わかってんのか!何でお前らが偉そうにするわけ?逆だろうが!」

(´・ω・`)「うん。済まない。君が坊やだからさ」

('A`)「んー、興味もねぇ話だけど。パパがどうこう言ってたし、助けでも呼んだほうがいいんじゃね?」


ああ、駄目、絶対駄目だ。
コイツは自尊心の塊みたいなものだし、そんな事を言われたら更に怒って狙いがぶれるのは確か。
実際、今もさっきより銃口がぶれてる。
だけど駄目、本当に撃つ、この距離であたらない保障なんてない、いや、当たると考えるべきだ。

ツンも同じような事を考えているのだろうか?
複雑そうな感じの表情で、じっと動かないで事態を見守っている。
さっきまで捕まっていたっていうのに・・・本当にすごい。


僕も自分に出来ることを考える。

さっそうと飛び込んでモナーをぶちのめす・・・却下、理由、無理だから。
さっそうと飛び込んで自己犠牲・・・却下、理由、情けないけど僕は自分だってかわいい。

徒手空拳の僕にできる事はない・・・把握。


だから何か武器がないか考える。
手元にあるのは・・・これの元凶、時価430億円の紙切れだけ。



132: ◆Brsj/lcRyc :2006/06/01(木) 22:51:10.55 ID:E9yqRx720
  
これを渡す?たぶん駄目だ。
渡したから事態が好転するとは思えない。
一瞬くらいの隙は作れるか?・・・保障できない。

駄目だ。
何でもできるはずなのに、この場面で何の役にもたたない紙切れ。
渡すんじゃなくて破り捨てると交渉?無理だ。逆上して何するかわからない。
何かないのか?考えろ・・・何か・・・どんな手段でもいい、思い出せ、何か何か何か何か・・・。

駄目だ。
ツンの時も思った事をまた思う。
本当にこんな紙切れ役に立たない・・・ツンの時?

そうだ、ツンの時・・・いけるかもしれない!

ああ、だけど、道具が足りない・・・。
あっという間に挫折、落ち込んで足元を見る。

・・・神様なんて信じて来なかったし、これからも信じる予定はないけど。
最高に運がいい。
さっき、ドクオがニダーとやりあった時に落としたのが転がっていたのだろう。
迷わず足元に落ちているそれを拾いあげた。


(#´∀`)「お、お前、何勝手に動いてるんだよっ!ふざけるなよっ!」

( ^ω^)「実はこのとおり当たり券は持っているんだお。これを社長に差し上げるお」



134: ◆Brsj/lcRyc :2006/06/01(木) 22:52:14.50 ID:E9yqRx720
  
ξ゚听)ξ「ブーン?」

('A`)「・・・あー、ブーン。こいつに渡したところで無駄だぜ」

(´・ω・`)「うん。済まない。この状況じゃそれは意味がない」

(#´∀`)「お前らはだまってろよ!ブーン、お前はちょっとはわかって来たみたいだよな」


コイツ、ここまで馬鹿だったのだろうか?
今更これを手に入れたところで、僕ら全員殺して逃げれる・・・とでも考えてるのか?
まあ、そんな事はどうでもいい。
仕上げが残っている。

手元には今拾い上げたドクオのライター。
実に簡単だと思う。

ドクオにわざわざ断る事も無いだろう、ライターに火をつける。
一発でついた。
うん、実に簡単だ。

後はこの紙切れをこうして・・・火をつけて投げつけるだけ。


(;´∀`)「お、お前、あ、アーッ!」



136: ◆Brsj/lcRyc :2006/06/01(木) 22:53:11.04 ID:E9yqRx720
  
モナーが燃えていく当たり券に飛びつく。
ああ、本当に馬鹿だ。
僕にそんなふうに思われるようになったら、人間終わりだと思う。
そんな調子だから、ショボンのバールのような物で・・・一発でのばされる。


(´・ω・`)「うん。手加減はしていない。今は反省していない」

('A`)「あー、当たり券はもう駄目だな。・・・完全に燃えちまったか」

ξ;゚听)ξ「な、何てことしたのよ、アンタっ!」

(;^ω^)「えっと、その・・・何て言ったらいいんだお?」

(´・ω・`)「笑えばいいと思・・・」


ショボンがいつもの奴を口走る前に、唐突に外からドアを叩きまくる音がした。
“警察だ!ここを開けなさい!”とか聞こえる。
ああ、警察が来たのか。

もう少し早く来てくれれば・・・いや。
それだとここに転がってる馬鹿が、逆上して何したかわかったものじゃないし。


万事うまくいったんじゃないだろうか?


第5話 完



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