( ^ω^)ブーンが任務失敗したようです

27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/30(水) 20:55:18.46 ID:C0xUXuWB0
  
('A`)「でっけー施設だな。明かりも点いてねぇや」
ドクオが施設の正面玄関に向かいながら驚いた顔をする
正面のガラス張りのドアはどうやら鍵が閉まってるようだ、押しても引いてもビクともしない

('A`)「研究所だし非常口とかいっぱいあるはずだよな」
施設の周りをぐるりと小走りで走りながら目を凝らす

その時だった

一瞬ドクオの手に持った大型ライトに反射する物が脇の草葉に見えた

('A`)「なんだ・・?カメラかなんかか?それとももしかして秘密の入り口があったりして」
もう一度照らしてみる。やはり何か光が反射するような物が見える

ドクオは静かにその反射した茂みに近付いた

大きく深呼吸する。何があるか分からないこの状況に流石のドクオも緊張しているようだった
すぐ近くまで近付いたが気配は無い。

ドクオは思い切って茂みを足でかき分けた



28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/30(水) 20:57:09.04 ID:C0xUXuWB0
  
( ゚∀゚)「・・・」
( ,,゚Д゚)「・・・」
('A`;)「うわぁぁぁ。またかよいsdsk」

ドクオは思わず後ろに飛びのく
そこにはさっきの死体より無残に殺されてる男性がいた
どうやら死体は二体のようだ。二人とも白衣を着ている

('A`)「研究員・・か?なんでこんな所で。それもこんなひでぇ殺され方・・・」

ドクオの脳裏にブーンが過ぎった。ブーンがやったのか・・?
でもブーンはここまで酷い殺し方をするだろうか?
まるで拷問にでもあったような・・・酷い殺され方だった

('A`)「ブーンじゃ・・ないよな。お二人さんも成仏してくれよ」

そう言うとドクオは手を合わせ施設の裏口に向かった



30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/30(水) 20:59:30.20 ID:C0xUXuWB0
  
( ^ω^)「雨も大分止んだな・・もうすぐ夜明けだお」
ブーンは裏口を出るとそう呟いた

なんて長い一日なんだろう。今までこんなに一日が長いと思った事は無かった

友達が出来た。いや、勝手に僕がそう思ってるだけかもしれないけど・・・・
手作りの料理を食べさせてもらった
温もりを感じさせてもらった

                   


           戦う理由を貰った



( ^ω^)「この任務が終われば何か変われる気がするお」

ドクオの熱い気持ち、嬉しかったな。ショボンもああ見えて心配してくれてたのが分かった。
自転車を追いかけて走る、友達と遊んだらいつもあんな感じなのかな

そんな事を考えつつブーンは思い出したように気合を入れる

( ^ω^)「もう・・ドクオ達に会う事は無いんだ。だからせめてドクオ達は僕が守るお」



32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/30(水) 21:02:39.38 ID:C0xUXuWB0
  
そう思った瞬間後ろで気配がした

( ^ω^)「(施設の責任者か・・?)」

一瞬で間合いを詰める。右手に握ったナイフは血と油で大分切れ味が悪くなってしまったが刺す事は出来るだろう
最悪拳銃で射殺も出来る

刹那の瞬間で計算しながら渾身の足払いをかける。相手はその場に倒れ込む
守衛に打ち抜かれた左手で相手の首筋を極め右手のナイフを突きつける


今にも止みそうな雨がブーンの背中に打ちつける


「おいおい。ひでぇな。最初に会った時と同じシチュエーションかよ」



34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/30(水) 21:05:38.19 ID:C0xUXuWB0
  
(;^ω^)「ど・・・くお。」
気配の主はドクオだった。ゆっくりとブーンは手に込めた力を抜いた
('A`)「お前の力になりたくてさ。俺たちダチだろ?」

(;´ω`)「なんで・・ここにいるんだお。ここまでどれだけ遠いと思ってるんだお」
( ;ω;)「どくおは・・・・ばかやろうだお」

ブーンは初めて人を殺した時以来泣かなかった
でも今は何故か涙が出て止まらなかった

('A`)「途中お前が守ったおっさんに会ったよ。感謝してた。」
そういうとドクオは立とうとする

( ;ω;)「手・・・貸すお」
ブーンがドクオに手を伸ばした瞬間銃声が響いた

川 ゚ -゚)「何者だ?少年。何故ここに居る?」
その銃声の主はクーだった
( ^ω^)「止めて下さい。彼はただの一般人ですお!」
ブーンが止めに入る

さっきの一発は威嚇だったのだろう。ブーンもドクオも無傷だ
川 ゚ -゚)「何を言っている?目撃者は消せと教え込んだだろう」
そう言ってクーは銃口をドクオに向ける

('A`)「あんた・・あんただろ?そこに転がってる白衣のにいちゃん達殺したのは」
ドクオはそう言うと立ち上がってクーを睨みつける



36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/30(水) 21:08:59.65 ID:C0xUXuWB0
  
( ^ω^)「白衣?まさか・・・」
ブーンもクーを見つめる

川 ゚ -゚)「白衣・・なんの事だ?どうしたブーン。そんな子供の言う事を信じるのか?気でも狂ったか」
クーはブーンを睨みつける

( ^ω^)「クーさん・・。あなたは研究室に飛び込んだ時すでに誰も居ない事が分かっていたんじゃないかお?」
ブーンが険しい顔でナイフを構えながらクーに問う

川 ゚ -゚)「少しの間だ。聞いてやろう」

クーがそう言うとブーンは改めて話し出した

( ^ω^)「あなたはCD-Rを奪い証拠を消すフリをしてスパコンを壊した」
( ^ω^)「あの画面が消える瞬間・・見たんだお。フォルダのコピー完了の画面を」

(  ω )「あなたは・・・組織の任務で来たんじゃない、そうだお?」
ブーンは少し辛そうにそう言い放つ

その時クーが重い口を開いた



37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/30(水) 21:11:27.31 ID:C0xUXuWB0
  
川 ゚ -゚) 「ふぅ」
力んだ肩の力を抜く

川 ゚ -゚) 「そもそもお前に任務を与えたのは私だ。私の利益の為にな」
( ^ω^)「利益?」

クーが少し笑いながら話す
川 ゚ -゚) 「任務の前にお前に見せた見取り図あったろ?あれは重要な拠点はあえて書かなかったんだよ」
川 ゚ -゚) 「最初の任務でお前には失敗してもらうのが狙いだったんだ」

少しずつ、ゆっくりとクーは語りだした



38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/30(水) 21:13:55.10 ID:C0xUXuWB0
  
私はここの施設の責任者、ジョルジュと繋がっていたんだよ
「次の任務でここをうちの組織が攻めて来る、だからこことここを固めておけ。」ってね
そして見事にブーン、お前は失敗してくれた。最高だったよ
これでジョルジュは完全に私を信じることになったんだからな

ジョルジュの研究は私たちの組織にとってもこの町の市民にとっても不利益だった
研究の内容は言うなれば細胞の培養、これだけならなんの問題も無いよな?
だがそうじゃなかった。
ここで育った細胞は異常に成長が早く思うように育てられる。
この研究が進めば人間や家畜の培養に困る事はなくなるんだ

( ^ω^)「それが・・なんで不利益に繋がるのか理解できないお」

その時クーが一発発砲した



41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/30(水) 21:19:11.14 ID:C0xUXuWB0
  
('A`;)「いてぇ!kすおskjsd」
(;^ω^)「ドクオ!!!!」

クーの放った鉄の塊はドクオの右足を打ち抜いていた

川 ゚ -゚)「お前が五月蝿いからつい撃っちゃったじゃあないか。黙って聞け」
そしてクーはゆっくりと息を吸い込み吐き出した


確かにこれだけじゃなんの問題も無かった。だけどな、この研究実はまだ植物にしか成功してないんだ
これが人間に成功したら・・そう思うとドキドキしないか?
人の命を延ばしたり断ち切ったり・・思うがままだ
莫大な金にもなる。もう危ない任務を安い金で請け負う必要は無くなるんだ

私はお前に任務を言い渡す前にこの施設や実験について独自に調べ上げた
責任者の名前はジョルジュ、助手はギコ

そしてこの実験が何故組織にとって、この市民にとって不利益なのか
理由は簡単だった
一つ得をしたら一つ損をする、それはこの世の中の真理だ。
誰かが死んだらそれを喰い生き、そして恨みにまみれて死ぬ

そんな単純な事なんだよ。なのに組織と来たら・・・
この実験を組織が潰す事になった理由はな・・・


川 ゚ -゚)「この町の人間が全て肺、全身を異常細胞に蝕まれて 死 ぬ か ら だ 」



42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/30(水) 21:21:39.65 ID:C0xUXuWB0
  
川 ゚ -゚)「これだけがネックなんだよなぁ。たったこれだけ。この植物。異常増殖細胞を胞子に含んでるんだよ」
川 ゚ -゚)「その程度の為にこんな素晴らしい、金になる事業を潰す手はないだろ?」

川 ゚ -゚)「こんな問題もいつかは改善されるだろう。だから私が引き継ぐんだ。組織を抜けてな」

そう言うとクーは少し休憩するようにけのびをした



('A`) 「ふ・・ふざけんじゃねぇぞ!」
ドクオが足を引きずりながらクーに詰め寄る



43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/30(水) 21:22:43.52 ID:C0xUXuWB0
  
('A`) 「この町はなぁ・・大した娯楽も無いしじーちゃんばーちゃんばっかだ」
('A`) 「でもな、皆この町が大好きなんだよ!」

('A`) 「てめぇに殺す権利なんてねぇし殺される理由もねぇ!」
ドクオの声が雨の止みかけた森に響いた

川 ゚ -゚)「権利ねぇ・・・権利なんてもんはあとからなんぼでもついてくるの?分かる?ボク」
そう言って銃口をドクオに構える



(  ω )「もう・・・やめてくれお」

(  ω )「僕は・・」

( ^ω^)「もう誰も失いたくないんだお!」


ブーンはそう叫ぶと腰に挟んだ拳銃を構え、

クーに向かって撃った



45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/30(水) 21:24:34.47 ID:C0xUXuWB0
  
二発の銃声が鳴り響く

( ^ω^)「ど・・クオ」
ブーンが倒れ込んだ

川 ゚ -゚)「何が失いたくない、だ。信念も何も持ってないくせに偉そうに」
そう言ってクーがブーンを蹴り飛ばす

('A`)「止めやがれ!このクソ女!!」
ドクオが足をひきずりながらクーに近寄る

( ´ω`)「にげ・・ろ。どく・・お  げほっ」

ブーンは右の胸を撃たれた様で呼吸が出来ないようだ

川 ゚ -゚)「お前も一緒に死ぬんだよ。二人一緒ならちょっとは寂しくないだろ?」

クーが引き金を引いた

ここでドクオの意識は途切れた

ダァァァァァァァン



50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/30(水) 21:29:32.84 ID:C0xUXuWB0
  
銃声が響く。クーの放った一発だ
しかしそれはドクオには当たらなかった


( ´_ゝ`)「裏切るのは駄目だよな。弟者」

(´<_` )「ああ、駄目だよな。兄者」

二人でクーの腕をつかんで捻り上げている
森の中から一斉に黒の戦闘服に身を包まれた男達がクーを取り囲む
あの初めて会った時ブーンが着ていた服だ

川 #゚ -゚)「お・・お前ら!なんで!!」

( ´∀`)「裏切り者を確保の為に来たんだモナー」

( ・∀・)「最初に聞いた時は信じられなかったけどねー」

川 #゚ -゚)「くそ・・くそ!!なんでだ!!完璧な計画だったはずだ!!どこから漏れた!!」

手を拘束具で拘束されたクーが無念そうにうな垂れる

( ´ω`)「た・・いちょう」
ブーンがそう呼んだ先には一人の男が立っていた



(`・ω・´)「あんまりウチの甥っ子の友達を痛めつけないで欲しいね」



51: さっきの訂正は50のでよろ :2006/08/30(水) 21:30:42.84 ID:C0xUXuWB0
  
(`・ω・´)「クー、もとい素直クール。傭法181条により拘束、組織に帰り尋問する」
シャキンがそう言うと兄者と弟者がクーを連行して行った

(`・ω・´)「よくやったブーン。後は任せてお前も休め」

隊長がそう言って担いでくれた後の記憶は無い



52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/30(水) 21:32:21.80 ID:C0xUXuWB0
  
空が寒そうに青々としている


('A`)「おーいショボン。釣り行こうぜー釣り!」
ドクオが元気良くショボンの家の前で叫ぶ

(´・ω・`)「ごめん。あぁ、またなんだ。許して貰おうとは思わない。
とりあえず麦茶でも飲んで落ち・」

('A`)「またかよ〜!いい加減準備くらいしとけよ!!」

いつものような昼下がりの休日。いつもと変わらない日常。

(´・ω・`)「あ・・そうだ!ドクオ。ブーンからネットレター来てるよ」



54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/30(水) 21:34:38.65 ID:C0xUXuWB0
  
そう言ってショボンは黒い小さな機械を取り出す

('A`)「アイツ今度は何処の国行ってんだ??チクショウ・・いいなぁ・・」
本当に悔しそうにそう呟いてドクオはショボンからその機械を奪い取る
(´・ω・`)「もう・・乱暴だなぁ」
('A`)「えーっと。ここで開くんだな」

そう言ってマイナスドライバーを凹みにねじ込み勢い良く回した


黒い機械の外蓋が跳ね上がり画面が起動する

画面には懐かしい顔と声が映っている



−−−−−−ザザザザッ−−−−−−−−−

( ^ω^)「久しぶりだお」

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/30(水) 21:35:46.31 ID:C0xUXuWB0
  
('A`)「お!来た来た!」
(´・ω・`)「僕もまだ見てないんだから!ちょ!!せこいなぁ!」
二人は小さな画面に頭をくっつけるように近付けて凝視する



−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
( ^ω^)「僕は今シベ超国に来てるお。何の任務かは言えないけど」
( ^ω^)「ここは自然がいっぱいでなんだかホライゾン市を思い出すお」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/30(水) 21:36:47.71 ID:C0xUXuWB0
  
('A`)「シベ超かよー!いいなぁ。俺も行きてぇ」
(´・ω・`)「ちょ・・ドクオ!聞こえないから静かに」
ショボンの声が思わずでかくなる。


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
( ^ω^)「もう怪我は治ったかお?僕のせいで二人を巻き込んでしまってからもう3ヶ月も経つお」
( ^ω^)「あの時は本当にごめんだお。」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/30(水) 21:38:03.24 ID:C0xUXuWB0
  
('A`)「何言ってんだよ。お前に俺たち助けられたんだぜ」
ドクオは嬉しそうに画面に話しかける。録画なので無論返事は無い

(´・ω・`)「僕はブーンに酷い事したよね・・。最初は疑っちゃって・・・」
ショボンは本当に申し訳無さそうだ
('A`)「そうだよお前ー。もっと人を信じろって!」
ドクオが勝ち誇ったように言う。


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
( ^ω^)「二人も同時に友達が出来て嬉しかったお。ただドクオはちょっと人を疑ったほうがいいおw」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/30(水) 21:41:52.27 ID:C0xUXuWB0
  
(´・ω・`)「ほら言われてる」
('A`;)「うっせーなぁ・・」

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
( ^ω^)「僕の任務は人に見られちゃいけないんだお。だから・・・・二人に会ったその時に僕は・・」

( ω )「二人と友達になった時に・・・」

( ^ω^)「任務失敗してたんだお」
( ^ω^)「でも任務より大事n・・・・だか・・・・こ・・」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



(´・ω・`)「ちょ・・どくお・・だめだって・・・」
('A`)「こんくらいで・・・こわ・・・」
(´・ω・`)「・・・」
('A`) 「・・・!!」

・・・ 
・・


今までで一番暑い夏が終わった後の空はイワシ雲が涼しげに泳いでいた



( ^ω^)ブーンが任務失敗したようです  終



61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/30(水) 21:44:43.96 ID:C0xUXuWB0
  
回避してくれていた方、初めて見たよ!って方、「これ7月に書いてた奴じゃん、完結おせーよクズ!」そう思った方も
いるかもしれません。

全ての方に感謝を送りたいです

これから読む方、駄文なので読みにくかったりするかもしれないです・・・覚悟して下さいw



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