( ^ω^)ブーンが現実から逃げ切るようです

298:◆Brsj/lcRyc :2006/05/20(土) 01:58:26.71 ID:tDx4cjXI0
  
('A`)「・・・マジか」

(´・ω・`)「・・・予想外だね」

( ^ω^)「メイクミラクルktkr!」


天然なのか実力なのか運なのか。
ブーンは、院内での話を2人に説明したが、実際完全にテンパっていただけだ。
2人が詳細を理解するのは無理な話だったが、ブーンがいきなり最終目的を達成したのは間違いない。

純粋にはしゃぎまわるブーン、どこか複雑な表情で見守るショボンとドクオ。



300:◆Brsj/lcRyc :2006/05/20(土) 01:59:21.21 ID:tDx4cjXI0
  
( ^ω^)「お?2人とも、どうかしたのかお?」

('A`)「あー、いや、ちっと驚いてただけだ。おめでとさん!なあ、ショボン?」

(´・ω・`)「・・・あ、うん。済まな・・・いや、おめでとう」

( ^ω^)「ありがとだお!お祝いポーション飲むかお?」


('A`)「それはいらねぇ。あー、まあ、家に帰るまでが合宿だ。仕上げと行こうぜ」

(´・ω・`)「それは遠足だね。何はともあれ手札はそろったし、後一息かな」

( ^ω^)「お、役所の手続きかお?」



303:◆Brsj/lcRyc :2006/05/20(土) 02:00:09.08 ID:tDx4cjXI0
  
(´・ω・`)「うん。本来最大の難関は、申請するときの面接なんだけど」

(;^ω^)「そ、そうなのかお?」

(´・ω・`)「実際、病気のフリをして、生活保護を貰おうとする人。結構いるみたいだからね」

('A`)「あー、だが、幸いにもVIPは審査が甘い。なんだっけ?都市伝説みたいなの」

(´・ω・`)「VIPのどこかのメンヘルが、福祉課の担当を刺したらしいって話?」

('A`)「おー、それそれ。まぁ、眉唾だけどな。ホントだったら、俺らにとっては村の英雄だぜ」

( ^ω^)「伝説の勇者ktkr!」



304:◆Brsj/lcRyc :2006/05/20(土) 02:00:58.67 ID:tDx4cjXI0
  
(´・ω・`)「うん。それに、こういうのは、行く前に勝負が決まってるんだよね」

('A`)「そのための準備だったわけよ」

( ^ω^)「後は楽勝ってことかお?」

(´・ω・`)「じゃあ、確認してみよう。医者でも使ったプロフィール、あれはもう大丈夫?」

( ^ω^)「そこはもうバッチリだお!」

(´・ω・`)「金ない、働けない、頼る人もいない。その事に関して、面接官は突っ込んでくるね」



306:◆Brsj/lcRyc :2006/05/20(土) 02:01:49.75 ID:tDx4cjXI0
  
(;^ω^)「そ、それは、ひょっとして、ニート界で恐れられているアレかお?」

('A`)「あー、圧迫面接?さっき言ったとおりVIPは甘ぇ。そんなにひどい奴はまずいねぇよ」

(´・ω・`)「うん、圧迫面接っていうのは、追い詰めるのが目的だからね」

('A`)「ここで突っ込まれるってのは、ただの確認程度だから安心しろ」

(;^ω^)「で、でも、ブーンは、アドリブがきかない男なんだお!きっとまたキョどるお!」

(´・ω・`)「そんな事もあろうかと、対処法は用意しておいたよ」

(;^ω^)「何だか、毎度の事だけど、用意が良すぎるお。マスターはエスパーかお?」

(´・ω・`)「うん。でも、バレると転校しないとだから、だまっててね」

('A`)「キメェwwww」



308:◆Brsj/lcRyc :2006/05/20(土) 02:02:48.40 ID:tDx4cjXI0
  
(´・ω・`)「とりあえず、頼れる人がいない。これはそのままだよね」

( ^ω^)「お!そこは、いくら突っ込まれようとそのままだお!」

(´・ω・`)「次、金がない。これは、ポケットの中に、家賃払えない程度の金だけ入れておくといいよ」

( ^ω^)「お?何でだお?」

(´・ω・`)「うん。見せるため。もう、これで全部ですって」

('A`)「あー、見せるだけでいいなら、テンパっても大丈夫だろ?」

( ^ω^)「なるほど!ユーザーフレンドリーだお!」



309:◆Brsj/lcRyc :2006/05/20(土) 02:03:49.51 ID:tDx4cjXI0
  
(´・ω・`)「うん。じゃあ、最後だね。働けない」

('A`)「こんな感じか?ブーンさん、アンタ若いし、今の貴方の状態でも、働けるところあるんじゃね?」

(;^ω^)「む、無理だお・・・お医者さんにも無理って言われてるお・・・あ、これ!」


ブーンは、とっさに診断書を差し出した。


(´・ω・`)「合格。この問題は、精神病で無理ですって、医者に貰った診断書を出せば片付くよ」

('A`)「あー、下手に症状なんか説明しようとすんなよ。よくわかりません・・・でオッケー」

(´・ω・`)「そういう事。そのための診断書だからね」

( ^ω^)「把握したお!」



310:◆Brsj/lcRyc :2006/05/20(土) 02:04:34.01 ID:tDx4cjXI0
  
('A`)「さて、そうすっと合宿も今日で終わりだな。んじゃ、面接ごっこでもするか」

(´・ω・`)「うん。そうだね」

( ^ω^)「おいさー!どっからでもかかって来いお!」


やけにバリエーション豊富なショボン。
時折、意表をつく質問を入れてくるドクオ。


( ^ω^)「おっお・・・面接って奥が深いお。社会人は、みんなこんな事してるのかお?」

('A`)「あー、まったく、ご苦労な話だよな。・・・っと、もう日付かわってるわ。そろそろ終了すっか」

(´・ω・`)「うん。まあ、社会の事は偉い人に任せて、僕らはおとなしく寝ようか」



311:◆Brsj/lcRyc :2006/05/20(土) 02:05:12.75 ID:tDx4cjXI0
  
翌日。


('A`)「役所も、俺ら顔が割れてるから、さすがに付き合えねぇ」

(´・ω・`)「とはいえ、昨日よりずっと楽な話だよね」

( ^ω^)「おかげ様で、シミュレーションばっちりだお!」

('A`)「あー、まあ、気楽に行ってこい」

(´・ω・`)「うん。終わったら連絡してね」

( ^ω^)「行ってくるお!」


ブーンは、一度自宅に戻り支度を整え、市役所に向かった。
そして、社会福祉課で生活保護の相談に来たと告げると、壁で仕切られた個室に通された。



312:◆Brsj/lcRyc :2006/05/20(土) 02:06:27.90 ID:tDx4cjXI0
  
( ´ω`)““・・・いざとなると、心細いお””

( =゚ω゚)「えー、貴方ブーンさんですか?」

( ´ω`)「は、はい、よろしくお願いしますお」


生活保護の申請は、いきなり訪れていきなり出来るほど甘くはない。
具体的な説明を記したものは、探せばいくらでも出てくるが、共通するのは最後の手段という事だ。
ただし、いくら人間が管理していてもあくまで制度。

心情的に同情できようと、定められた基準をクリアー出来なければ無理。
逆に、問題があろうとも、定められた基準さえクリアーしていれば可能。

ブーンの場合、役所の[窓口]に訪れる前に[結果]は出ていたような物だった。



315:◆Brsj/lcRyc :2006/05/20(土) 02:07:12.73 ID:tDx4cjXI0
  
午後、ショボン宅。


( ^ω^)「というわけで、無事申請することが出来たお!」

('A`)「あー、おめでとさん」

(´・ω・`)「うん、おめでとう」

( ^ω^)「ありがとうだお!」

('A`)「んー、胸張れることじゃねぇけど、正直お前の実力だと思うぜ」

(´・ω・`)「そういうことだね」



316:◆Brsj/lcRyc :2006/05/20(土) 02:08:10.93 ID:tDx4cjXI0
  
('A`)「後は調査か。俺らの時は自宅訪問とか、大したことなかったよな」

(´・ω・`)「まあ、もう大丈夫だろうね」

('A`)「問題はあらかじめ片付けてあるしな」

( ^ω^)「25年生きてきて、初オナニー以来の達成感だお!」

('A`)「おーおー、コレにて一件落着ってな」


(´・ω・`)「・・・じゃあ、合宿を終えようか」



320:◆Brsj/lcRyc :2006/05/20(土) 02:09:32.92 ID:tDx4cjXI0
  
そして、合宿は終わり、3人は解散した。
ブーンは、自宅に戻るとnyで溜め込んだエロゲに夢中、気がつけばネット開通日を迎えていた。

ブーンに関する生活保護の調査は、何の問題もなく終了。
彼の両親は、完全に愛想を尽かせていたため、今更関係も悪化しようがない。

その後、ブーンはショボンの指示に従い、近所の銀行に口座を作り、生活保護の振込み先に指定。
病院も何度か通ううちに慣れてきて、医者に通院間隔も長くしてもらった。
コンビニを除けば、銀行と病院に月1回行く程度。
エアコンも設置して、季節に関係なく、ひたすらPCにかじり付いて・・・以前と大差ない生活になった。


合宿の終わりから半年。
あれ以来、3人が直接あったことはない。



321:◆Brsj/lcRyc :2006/05/20(土) 02:10:19.41 ID:tDx4cjXI0
  
ブーン自室。IRC。


( ^ω^)『ただいまだお!通院完了だお!』

(´・ω・`)『うん、おつかれさま。ところでPS3の値段聞いた?』

( ^ω^)『あれはひどいお!だけどwiiもPS3もブーンは買うお!』

(´・ω・`)『それはよかった。ここで人柱を待ってからね。レビューして貰わないとね。』

( ^ω^)『把握したお!!!』



322:◆Brsj/lcRyc :2006/05/20(土) 02:11:39.24 ID:tDx4cjXI0
  
(´・ω・`)『じゃぁ発売予定タイトルチェックだよね。いくつか検索サイトはあるけど』

(;^ω^)『ちょwww膨大すぎて把握できないお!』

('A`)『あー、ブーン乙。悪い、気がつかなかったわ』

( ^ω^)『お?ドクオ忙しかったのかお?』

('A`)『いや。あんまり暇だから、メンヘルスレ荒らして遊んでただけだ。』

(;^ω^)『ちょwwwそれ・・・』


果たしてブーンは、現実から逃げ切れたのだろうか。


第1部 完



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