( ^ω^)ブーンが現実から逃げ切るようです
- 83:◆Brsj/lcRyc :2006/05/25(木) 07:19:38.93 ID:A28oRadp0
- ( ^ω^)「マスター、実演って何をするんだお?」
(´・ω・`)「そうだね。さっきお嬢さんが掛けてた番号でやれば、理解も早いかな?」
ξ゚听)ξ「ちょっと!貴重な情報源なんだから、潰すような事はしないでよっ!」
(´・ω・`)「うん。あの番号自体には一切掛けない。それは、約束するから安心して欲しい」
('A`)「あー、ショボンが大丈夫っていうなら大丈夫なんじゃね?」
ξ゚听)ξ「アンタの言い草を聞いてると余計不安になるわよ」
(´・ω・`)「まあ、この部屋でちょっとした事するだけだから。アレだと思ったら途中で止めたらいいよ」
( ^ω^)「お?この場で出来るのかお?」
(´・ω・`)「うん。ちょっとした宴会芸みたいなものだし。あ、君のPC借りてもいいかな?」
( ^ω^)「把握したお!」
(´・ω・`)「ありがとう。104使うのも面倒だからね」
- 87:◆Brsj/lcRyc :2006/05/25(木) 07:20:24.34 ID:A28oRadp0
- ショボンは、ブーンのPCでサイト検索を始めた。
開いたのは何という事のない、携帯ショップの店舗検索サイトだった。
その中から1つを選ぶと、自分の携帯で電話をかける。
(´・ω・`)「あ、もしもし。家の携帯●●●−●●・・・・・・なんだけど、そちらのでいいのかな?」
わけも分からずただ見守る3人。
(´・ω・`)「ああ、そうですか。いや、ちょっとごちゃごちゃになっちゃってて。それじゃどうも」
( ^ω^)「お?一体何をしたんだお?」
(´・ω・`)「うん。とりあえずメーカー確認。一発でわかったのは色んな意味で運が良かったよね」
ξ゚听)ξ「メーカーがわかったらって何なのよ?」
('A`)「あー、まだ続きがあんだろ?」
(´・ω・`)「うん。一気には難しいからね」
- 88:◆Brsj/lcRyc :2006/05/25(木) 07:21:14.77 ID:A28oRadp0
- そう言って、次にテキストファイルを開き、1つのショップ情報をコピペした。
さらにサイトで他の店舗の情報を開き、電話をかける。
(´・ω・`)「お疲れ様です。ロビー西店のモナーです。・・・実は今来店されてるお客様なのですが・・・」
( ^ω^)「・・・モナー?」
ショボンが使った偽名に律儀に反応するブーン。
ショボンが指を口に当てて、静かにするようジェスチャーした。
その間にも会話は続く。
(´・ω・`)「ええ、そうです。そちらで購入したの一点張りなのですが、どうも外国人の方みたいで・・・」
ショボンはどうやら、他の店舗の店員のフリをしているようだった。
(´・ω・`)「ええ、それでとにかく調べろと。こちらのほうは、今ちょっと埋まっちゃってまして・・・」
客とか、そちらで購入とか、外国人で話が通じないとか、こちらはちょっと埋まってる?とか・・・。
他にも色んなシチュエーションを、すらすらと並び立てて行く。
そして話がついたのか、調べている番号を相手に伝えた。
- 89:◆Brsj/lcRyc :2006/05/25(木) 07:22:00.93 ID:A28oRadp0
- (´・ω・`)「はい、ああ、申し訳ない。助かります。えっと、契約者名が・・・しぃ様ですか?連絡先が・・・」
ξ゚听)ξ「ッ!」
相手に合わせて氏名、住所、連絡先、保護者名・・・と次々なぞっていく。
(´・ω・`)「どうやらお客様の言われてる内容とだいぶ・・・。いや、こちらで処理しておきますので」
ショボンは一通り確認を終えると電話を終えた。
(´・ω・`)「うん。最近はコールバック徹底って噂だけど、これまた運がよかったかな。この子は友達?」
ξ゚听)ξ「ただの・・・知り合いよ」
('A`)「あー、私に友達なんかいないんだからっー!・・・ってか?」
(;^ω^)「ドクオそれ真似かお?似てないお?」
ξ#゚听)ξ「ア、アンタ達ね・・・」
- 90:◆Brsj/lcRyc :2006/05/25(木) 07:22:53.07 ID:A28oRadp0
- 3人がそうしてる間に、ショボンは今調べた地域の隣にある、シベリア市の警察署サイトを開いていた。
(´・ω・`)「あー、あー、うんっ・・・ご苦労さんです!ラウンジのモナーです!・・・今の口調どう思う?」
( ^ω^)「すごく・・・大きいお・・・」
(´・ω・`)「うん?うれしいこと言ってくれるじゃないの。まあ、久しぶりだけど・・・いけるかな」
ショボンが、サイトで開いた警察署に電話を掛ける。
(´・ω・`)「ご苦労さんです!ラウンジのモナーです!えー、そちらの生安の警電、何番でしたか?」
ショボンは普段と違い、やけにはっきりとした口調でしゃべり始めた。
(´・ω・`)「いや結構です、後でPBから直接かけますンで、あ、■■・・・・・・ですか。ご苦労さんです!」
('A`)「んー、今度は何だ?大丈夫なのかよショボン」
(´・ω・`)「うん。まあ、無理そうならすぐ退くから」
- 92:◆Brsj/lcRyc :2006/05/25(木) 07:23:36.99 ID:A28oRadp0
- そう言って、今度は先ほど調べた住所管轄の警察署サイトを開いた。
そしてまた電話を掛ける。
(´・ω・`)「あ、もしもし、ええと、今北町の管轄の交番にお願いしたいんですけど・・・はい」
今度は、普段とさほど変わらない口調だった。
(´・ω・`)「ああ、ご苦労さんです!シベリアのモナーです!ちょっと照会してもらいたいのが・・・」
また先ほどのはっきりとした口調に戻る。
(´・ω・`)「ちょっとPBが近くになくて。こちらの警電は■■・・・・・・だけど今、皆出払ってましてね」
ブーン達に理解できない用語を交えて、会話を進めていくショボン。
(´・ω・`)「ええ、悪いンだけど今ちょっと簿冊めくってもらえませンか?ああ、助かります!」
- 93:◆Brsj/lcRyc :2006/05/25(木) 07:24:18.32 ID:A28oRadp0
- 携帯の番号から調べた、保護者名住所を伝え、さらに細かい情報を聞き出していく。
家族構成、勤務先・・・ちょっと思いつくような情報は、片っ端から聞き出して電話を終えた。
ξ;゚听)ξ「一体・・・何なのよ」
(´・ω・`)「うん?巡回連絡カードって知らない?警官が家に調査に来て交番に保管してある物だけど」
ξ;゚听)ξ「そういう話じゃないわよっ」
(´・ω・`)「ああ、うん。済まない。以前ちょっと色々やってたから。必要なら電気・ガス・水道・・・」
ξ゚听)ξ「はぁ・・・もういいわよ」
('A`)「あー、まあショボンだし、不思議はねぇな」
( ^ω^)「だお。マスターだし、不思議はないお」
ξ゚听)ξ「・・・アンタ、そんな器用なら普通に生活したらいいじゃない」
(´・ω・`)「うん。済まない。さっき言った僕の知ってる・・・お嬢さんとどこか重なる奴。あれ実は・・・」
ξ゚听)ξ「ああ、そう。何となくわかったからいいわよ」
( ^ω^)「お?」
- 94:◆Brsj/lcRyc :2006/05/25(木) 07:25:09.17 ID:A28oRadp0
- (´・ω・`)「じゃあ、本題に戻ろうか」
('A`)「ブーンの携帯か?」
(´・ω・`)「うん。とりあえず出る前に切って、その後1回も掛かって来ないんだよね?」
ξ゚听)ξ「ええ、あの時は結局すぐに切ったし」
( ^ω^)「ブーンの携帯が鳴ったのは、今日のドクオの前となると、3ヶ月はさかのぼるお」
('A`)「あー、その3ヶ月前のも俺だしな」
(´・ω・`)「断定は出来ないけど、とりあえずそれは大丈夫だと思う。だけど問題はあるよね」
部屋に沈黙が流れる。
次に口を開いたのはどこか投げやりな口調のツンだった。
ξ゚听)ξ「・・・私の考えが甘いってことね。さすがにわかったわよ」
- 95:◆Brsj/lcRyc :2006/05/25(木) 07:25:52.41 ID:A28oRadp0
- (´・ω・`)「うん。済まない。回りくどくなったけど、理解してもらえてよかった」
ξ゚听)ξ「別に。・・・内心気がついてた事だし。で、改めてどういうつもり?」
('A`)「んー、散々踏み込んでおいてアレだけどな。ショボンはどうよ?」
(´・ω・`)「うん。別に。認識の甘さがわかったなら、もう言うことはないんだよね」
ξ#゚听)ξ「ハァ?何よソレ。ここから出てけみたいな話だったじゃないのよっ!」
('A`)「あー、別にそんなことは誰も言ってないんだからっ!・・・ってな」
( ^ω^)「お!ドクオ、ちょっと似てきた気がするお!」
ξ#゚听)ξ「いい加減にしなさいよ、アンタ達」
- 96:◆Brsj/lcRyc :2006/05/25(木) 07:26:56.18 ID:A28oRadp0
- ('A`)「つまり何だ、ブーンはこういう奴だしな。そりゃダチとして心配もしたりしたわけよ」
( ^ω^)「人をかわいそうな奴みたいに言うのはよくないお?」
('A`)「ははっ・・・別にそんなんじゃねぇよ」
(´・ω・`)「うん。でもまあ、今ので状況はわかったよね」
( ^ω^)「それはさすがのブーンでも把握したお」
実際ブーンが完璧に理解しているか微妙だが、2人ともそれは承知の上といった感じだ。
(´・ω・`)「という訳で、君達状況は把握したようだし、後はもうね」
('A`)「んー、口出しする部分じゃねぇよな」
- 97:◆Brsj/lcRyc :2006/05/25(木) 07:27:40.14 ID:A28oRadp0
- ξ゚听)ξ「・・・ホントわけ分からない連中ね」
( ^ω^)「ブーンは別に今のままなら問題ないお?」
ξ゚听)ξ「アンタもお気楽すぎよ。頭大丈夫?」
( ^ω^)「それは失礼だお!ブーンの引き篭もりライフに干渉しないって条件は絶対だお!」
ξ;゚听)ξ「ここでソレか・・・ホント大丈夫じゃないみたいね」
ツンは、最初に取引したときのように、ブーンを上から下まで眺めて、また少し考え込んだ。
ξ゚听)ξ「とりあえず・・・このまま続けさせてもらえるかしら」
( ^ω^)「把握したお」
- 98:◆Brsj/lcRyc :2006/05/25(木) 07:28:30.03 ID:A28oRadp0
- (´・ω・`)「うん。まとまったみたいだね」
('A`)「あー、まあいいんじゃね?」
( ^ω^)「じゃあ、ポーションでも飲むかお?」
('A`)「それはいらねぇ」
(´・ω・`)「ああ、参考までにお嬢さん、成人するまで後どれくらい?」
ξ゚听)ξ「・・・2年ちょっとよ」
(´・ω・`)「それまで生活していけるの?」
ξ゚听)ξ「余計なお世話ね」
('A`)「・・・嬢ちゃん、よほど豪快に金引っ張って来たみたいだな」
ξ゚听)ξ「それこそ余計なお世話よっ!」
- 99:◆Brsj/lcRyc :2006/05/25(木) 07:29:19.26 ID:A28oRadp0
- (´・ω・`)「病気や大怪我とかの、命に関わるアクシデントの時はどうするの?」
ξ゚听)ξ「そうなったら負けってとこでしょうね。ソコの顔色悪い奴が言ってた事じゃないけど・・・」
('A`)「俺?何か言ったか?」
結構ひどい呼び名で呼ばれたが、気にした様子もないドクオ。
ξ゚听)ξ「妥協するわ。逃亡終了、迷惑はかけないわよ。・・・まあ、そうなるつもりはないけどね」
('A`)「ああ、あれの事か。嬢ちゃんの事だから、そうなったら死ぬだけよっ・・・とか言うと思ったぜ」
ξ゚听)ξ「さあ?アンタ達3人の適当さが感染したのかもね」
( ^ω^)「このふざけた世界にようこそだお!」
ξ;゚听)ξ「・・・やっぱり訂正したくなってきたわ」
- 100:◆Brsj/lcRyc :2006/05/25(木) 07:30:35.89 ID:A28oRadp0
- (´・ω・`)「まあ、その期間逃げ切れば択肢も増えるね」
('A`)「動けば動くだけ、行方もばれやすくなるだろうけどな」
(;^ω^)「お?ツン、先行き真っ暗かお?」
ξ゚听)ξ「別に。成人したら普通に住民票を動かすだけ。後は、見つかろうが知った事じゃないわ」
(´・ω・`)「うん。しがらみを断ち切るのは大変だけど、身内に拘束される理由はなくなるね」
ξ゚听)ξ「出来れば完全に縁を切りたいところだけど」
(´・ω・`)「分籍ってのもあるけど、はっきりいって意味はないね。そこは愛想を尽かされるしかない」
ξ゚听)ξ「・・・アンタは、実際色々やってみたって感じね」
(´・ω・`)「さあ?どうだろう」
- 102:◆Brsj/lcRyc :2006/05/25(木) 07:31:28.33 ID:A28oRadp0
- ξ゚听)ξ「あっそ。どうでもいいわ。アンタ達2人とは、もう顔をあわせる事もないだろうし」
ツンはそれだけ言うと、もう話す事もない・・・というように、自分の部屋に戻って鍵をかけた。
('A`)「あー、とことんかわいげのねぇ嬢ちゃ・・・」
ドクオが言い終わる前に、隣の部屋で聞きつけたツンが壁を殴りつけたのだろう。
すごい音が室内に響きわたった。
('A`)「壁ぶっ壊れねぇか?・・・怖ぃ怖ぃ」
(´・ω・`)「まあ、話も終わったし退散するとしようか」
('A`)「だな。じゃあ、またディスプレイ越しに会おうぜ」
( ^ω^)「把握したお!」
用事がなければ一緒にいない、ブーン達3人はそういうスタンスの親友だ。
ブーンを心配してやって来た2人だが、話が終わればあっさり帰って行った。
第4話 完
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