( ^ω^)ブーン達が生き残りゲームに挑むようです。
- 193:◆h..bLR.lk. :2006/05/20(土) 20:44:03.01 ID:meh/kO/50
- そして最終日。
ツンとドクオは偶然にも同時にブーンより早くに目が覚めた、ツンが隣のベッドを見てショボンがいない事に気付くのと同時にドクオの怒鳴り声が静かな部屋に響く。
(;'A`)「ショボン!お前!!!!」
(´・ω・`)「………」
ξ;゚听)「ドクオ!ブーン!!!」
ツンは見た光景に何れくるであろうと分かっていながらも驚愕とした。
ショボンは無言で銃口を眠るブーンに向けながらドクオとツンを交互に見やり、ニヤリと口笑うと引金に手を掛ける。
ξ;;)「ブーン!!!!!!」
────パァンッ!
タッチの差でドクオがショボンを背後から押さえ弾は天井にめり込んだ。
今の大きな音にブーンが慌てて起き上がる。
(;゚ω゚)「なっ…何がおきたんだお!?」
(#´・ω・`)「離せ!離さねぇとテメェも殺すぞ!!!!!」
(;'A`)「ツン!ブーン!逃げろ!コイツは俺が何とかする!!!走れ!!!!」
(;゚ω゚)「何が何だか…何でショボンを…」
ξ;;)「ドクオ…!!…ブーン!事情は後で説明するから逃げるわよ!!」
- 196:◆h..bLR.lk. :2006/05/20(土) 20:58:43.93 ID:meh/kO/50
意味が分からずに混乱しているブーンの腕を引きツンは走り出す、押さえつけるドクオを振り払おうともがくショボン。
(;'A`)「どうしてなんだよ…ショボン!」
(´゚ω゚`)「ああああっ…がぁァっ!離せぇェェ!!!!」
(;'A`)「しまった!!くそっ…!」
ショボンの力の強さに負け吹き飛ばされたドクオ、戦うにしろ刀が遠く届かない。
絶対絶命かと目を瞑った瞬間…
(´_ゝ`)「少年!上だっ!!!」
('A`;)「え…っ!?あ!!!!」
(´<_`)「受け取れ!!」
兄者がショボンを押さえつけ、その隙をついて弟者がドクオの刀を投げる。
ドクオは機転を効かしそれをキャッチし、刀を鞘から抜き出すと構える。
(´_ゝ`)bd(´<_`)「流石だな俺ら」
(;'A`)「恩にきる、でもどうして…」
(´_ゝ`)「銃声が聞こえたから駆け付けたんだ…」
(´<_`)「言ったろ?今度は俺らの番だって」
淡々と語りながら銃をショボンに向かい構える流石兄弟。
(´_ゝ`)「ここは俺達に任せろ!」
(´<_`)「早く二人の後を追え!」
(;'A`)「いつか…いつかこの恩を返す!ありがとう!」
ツンとブーンを追い掛け走り去るドクオを見送るとショボンと流石兄弟は睨み合う。
- 197:◆h..bLR.lk. :2006/05/20(土) 21:05:12.86 ID:meh/kO/50
- (´_ゝ`)「正義のヒーローってのも悪くは無いな…」
(´<_`)「兄者…これで良かったんだよな…」
流石兄弟は顔を見合わせ頷くとショボンに向け銃を構え、ショボンが左手を開き黒い光が浮かび中から剣が現れそれを握る。
(´・ω・`)「覚悟は出来ているんだな…」
───ドクオは走った。
- 201:◆h..bLR.lk. :2006/05/20(土) 21:20:01.06 ID:meh/kO/50
- ツンとブーンは体育館への外に面した渡り廊下まで来たところで足を止める。
空は雲が厚く昼にも関わらず辺りは薄暗く、まるで台風が近付いている様に強い風が吹きはじめていた。
(;^ω^)「な…何でこんな事に…」
ξ;゚听)「はぁ…っ…ブーン…これから言う事をよく聞いて…」
ツンはブーンに解りやすく伝わる様に噛み砕いて簡潔に事を説明する。
ブーンはショボンの中の何かが自分を殺そうとしている事にショックを隠せずその場へへたりこんでしまった。
( ;ω;)「どうして…ショボンが…ドクオは…大丈夫なのかお…?」
ξ;゚听)「…分からない…せめてアタシたちはショボンに捕まる前に逃げなきゃ…」
ツンが座り込んだブーンを起こそうとした瞬間、聞きなれた…今一番聞きたく無い声が聞こえた。
(´・ω・`)「もう…諦めるんだ…」
ξ;゚听)「ショボン……!!」
( ;ω;)「…!…ショボン…」
振り向いた先には返り血を浴びて剣を引きずりながら笑っているショボンが立っていた…
- 208:◆h..bLR.lk. :2006/05/20(土) 21:34:59.64 ID:meh/kO/50
J;Д;)「ブーン!!!!」
少女たちが眠る少年を後に病室を出ようとしたときだった、母親の泣き叫ぶ声が響き慌てて戻ると心電図が波打つこと無く真っ直ぐに延びていた。
(;´_ゝ`)「ブーン君!…患者の容態が急変!心肺停止!…心臓マッサージに入れ!!」
(´<_`;)「はい!!ブーン君!しっかりしろ!生きるんだ!!!」
医者の流石兄弟が蘇生術を施し始め、ナースコールで呼ばれた看護師がやってくる。
ξ;;)「いや…嫌!!ブーン!!ふざけんじゃないわよ!何心臓止めてんのよ!!」
(;'A`)「ブーン!!起きろ!ブーン!!」
(´;ω;`)「うわああぁぁ!!ブーン!死なないでくれ!!ああ…ブーン!!」
少女達は少年の眠るベッドに駆け寄り一人の手を三人で握り願う。
(´;ω;`)「神様!!ブーンを助けて下さい!!!」
- 212:◆h..bLR.lk. :2006/05/20(土) 21:53:00.16 ID:meh/kO/50
- ────………
それは一瞬の出来事だった。
(´・ω・`)「死ねっ!!」
ξ;゚听)「ブーン!!」
(´ω`)「……っ…!!」
物凄い早さでブーンに向かい走ってきたショボンが血まみれの剣を振りかざし、切りかかる。
ブーンの視界にはそれがスローモーションの様にゆっくりと、その一瞬に陰が入り次の瞬間には真っ赤に染まった。
(;'A`)「ツン──────…ッ!!!」
遠くで駆け付けたドクオの叫び声が聞こえ、陰は崩れ落ちてゆく。
『ねぇブーン…アンタは馬鹿なんだから…』
『アタシが…守ってあげる…』
( ゚ω゚)「────…うわああぁぁあぁ!!!」
気力が無くなり避ける事が出来なかったブーンをとっさにかばい切られたのは、紛れも無くブーンが恋こがれていたツンだった。
- 217:◆h..bLR.lk. :2006/05/20(土) 22:05:34.49 ID:meh/kO/50
- (´・ω・`)「……最後まで邪魔しやがって…」
( ;ω;)「お…ぉ…ツン…ツ…!!」
( ;A;)「ショボン!テメェ!!」
地へと手を付き横たわるツンを見つめながらボロボロと涙を流すブーンを見下しながらショボンは再度剣を振り下ろす。
間一髪でドクオは走り寄りその剣を刀で抑えショボンから滴る血を視界の端に捕え睨む。
(´・ω・`)「…お前も殺……ッぐ!!何ィ!?」
────パンパンパンッ!
乾いた音が校庭に鳴り響く。
(;'A`)「くっ…ツン…!!?」
ξ゚兪)「…はぁっ…アタシは…まだ死ね無い……ショボン!アンタとの約束…果たすわ!!」
ツンは切られ重傷を負いながらもドクオと剣を交えるショボンの隙をつき、この残劇の始まりにスカート下のガーターベルトに忍ばせていた銃でショボンの腹と足を撃ちぬいたのだ。
(;'A`)「約束…って…ぐあっ!!!!」
ショボンが物凄い力でドクオを振りほどく。
ブーンに向かい、再度剣を振り上げた次の瞬間だった。
- 224:◆h..bLR.lk. :2006/05/20(土) 22:14:08.65 ID:meh/kO/50
- (´゚ω゚`)「ぐあぁあァァ…!!またかっ…また…体が…!!」
剣を振り上げたままの体制でショボンが苦しみ始め、ドクオは急いで体制を立て直す。
最期の仕事を追えたツンはその場に倒れ込み、ブーンを見上げ小さく笑いながらその頬を伝う涙を拭ってやる。
そのまま震えるブーンの手をギュッと握り目を瞑る。
( ;ω;)「ツン…」
ξ゚兪)「男が泣かないでよ…ブーン…こうやって、アンタと手を繋いでいたかった………後は……頑張って………」
( ;ω;)「ツン──────!!!!」
(;'A`)「ツン……ブーン!ツンの死を無駄にすんな!!!早く立て!」
(´゚ω゚`)「ああああああぁぁっ!!出てくるな!!邪魔するなァァア!!!」
- 238:◆h..bLR.lk. :2006/05/20(土) 22:26:28.90 ID:meh/kO/50
- ドクオの怒鳴り声にハッとしたブーンはツンの手をギュッと握り感触を確かめるとゆっくり離し、立ち上がる。
(;'A`)「ブーン…」
( ^ω^)「大丈夫だお…ドクオは離れるんだお」
そしてドクオを後ろ手でかばい一歩下がらせ、動けないショボンを真っ直ぐ見据える。
すると血走った目をしていたショボンが普段の面影を取り戻し、小さく笑った。
(´・ω・`)「…ブーン…僕を…殺してくれ…」
( ;ω;)「ショボン…本当のショボンだお…」
(´・ω・`)「僕はツンや流石兄弟さんだけじゃなく、ドクオ…そして君を殺してしまうだろう…だから…」
( ;ω;)「それが望みかお…?」
(´;ω;`)「あぁ…頼んだよ…」
ショボンの目が赤く染まり始め、ガタガタと震え出す。
(´゚ω゚`)「ぐあァァああっ!!やめろ!ふざけるな!!………ブーン…早く!殺してく…」
(#;A;)「ショボン!!!そうか…そうだったのかよ…馬鹿やろう…」
( ;ω;)「ショボン…ブーンたちはずっと…友達だお…」
- 248:◆h..bLR.lk. :2006/05/20(土) 22:38:16.86 ID:meh/kO/50
- ────パン…ッ…!
校庭にもう一度、銃声が鳴り響いた。
(´・ω・`)「………ありがとう……ブーン…」
ショボンの額を撃ち抜いた銃は、ショボン自らが最初にブーンに渡してくれた物だった…。
( ;A;)「本当意味わかんねぇヤツだっだよお前は…」
横たわるショボンを抱え見開いた目を閉じてやりながらドクオは呟き、疲れた様に瞼を下ろす。
( ;ω;)「ツン…約束は…守ったお…ツン…」
その傍らで冷たくなったツンを抱き上げながらブーンが空を見上げる。
暗い景色を包む原因の厚い雲の隙間からいくつも流れ星が流れて見える。
ブーンもゆっくりと目を閉じ、ツンの手をまた握り直したのだった。
校舎の時計は15時を差していた。
- 255:◆h..bLR.lk. :2006/05/20(土) 22:54:42.50 ID:meh/kO/50
- ───ブーン…ねぇ…ブーン…!!
(´ω`)「………お?」
重たい瞼を上げるのば酷く億劫だが、ブーンは今瞼を開けなければ全てが無駄になる気がして目を開けようとするが体が思う様に動かない。
ピッ、ピッ、ピッ…と一定のリズムで鳴る電子音と聞いた事がある色々な人の声が耳に入り、次第にブーンの意識がハッキリとしてゆく。
(´_ゝ`)「心臓が動き始めた…」
(´<_`)「奇跡だ…」
J;∀;)「ブーン…!」
──アンタはアタシが守るから…
(´ω`)「今度は僕が守る番だお…」
掌に伝わる、冷たいブーンの体温を暖めてくれる様な誰かの手の暖かさ。
(´;ω;`)「ブーン…良かった…」
( ;A;)「心配かけやがって…!!」
諦めないで、少しづつゆっくり目を開けよう。
そこにはきっと…
ξ;∀;)「…おかえり…ブーン!」
手を握って、僕を待っててくれる人達がいるはずだから…。
( ^ω^)おわり。
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