( ^ω^)ブーンがGANTZに選ばれたようです

873:1 ◆DcS0KIr23w:2006/05/02(火) 22:18:45.32 ID:GKLnCPGp0
  


100点のめにゅ〜を選んでくだちぃ。



私が、選ぶのは……











The End of BoonGANTZ






-LAST KISS-



874:1 ◆DcS0KIr23w:2006/05/02(火) 22:19:21.70 ID:GKLnCPGp0
  

( ゚∀゚)「くッそぉお、これじゃラチあかねぇな!」
そういうと、ジョルジュはきびすを返し神崎へと向かって行った。
(,,゚Д゚)「え?ちょ、ジョルジュさん!?」
( ゚∀゚)「俺が喰い止める。その間に、誰か連れて来てくれ!」
(,,゚Д゚)「はぁ!?」
(#゚∀゚)「いいから、さっさと行きやがれ!!」
ジョルジュとギコは反対方向に、同時に駆け出した。
|||ー゚||「あ、やっと覚悟が決まったのかい?」
( ゚∀゚)「ああ、決まったぜ」
( ゚∀゚)「お前をブッ殺す覚悟がな」
両者の手に、刀が握られる。黒と銀、対称的な2本の刀。
一瞬で2人の間合いは縮まり、火花とともに甲高い音が響き合った。
銀の刃と黒の刃が音を立てて押し合う。鍔迫り合いだ。
|||ー゚||「君の評価、結構高いんだよ?」
( ゚∀゚)「へぇ、そりゃあ嬉しいねぇ」
|||ー゚||「始末するべき敵ランキングの、3位」
( ゚∀゚)「はぁ?今の撤回だ。そんな意味不明なランキングに選ばれてもな」
均衡を破ったのは、ジョルジュだ。
おもわずバランスを崩し神崎に、黒い刃が迫る。
(#゚∀゚)「うぉらぁあああああ!!」
神崎はジョルジュの回転数の速い、しかし正確に急所を狙った斬撃を捌いていく。
流石に要注意人物とされているだけある。気を抜いたら、腕の一本は持っていかれそうだと思った。
(#゚∀゚)「ふんッ!!」
ジョルジュの突きが顔面に迫る。捌ききれずに、神崎の頬に赤い線が一筋走った。



875:1 ◆DcS0KIr23w:2006/05/02(火) 22:20:05.03 ID:GKLnCPGp0
  

|||ー゚||「へぇ、これは想像以上だ」
ジョルジュの追撃を捌きながら、神崎は後ろへ跳び下がった。
|||ー゚||「あんまり使いたくないんだけど、仕方無いか」
そういうと、両手で持っていた刀を左手に持ち替える。
そして、人差し指を突き出す形で、右手をジョルジュへ向けた。
指が、みるみる内に拳銃を形作る。
そして、放たれる弾丸。
( ゚∀゚)「ちッ……!」
ジョルジュは最大限の速度で動き回る。しかし、何発か被弾してしまう。
|||ー゚||「これで、ラスト」
弾丸は、まっすぐにジョルジュの眉間へと放たれた。
( ゚∀゚)「らぁああああ!!」
それは、一瞬の判断だったし、あまりに危険な賭けだった。
しかし、これ以上被弾すればスーツが壊れると判断したジョルジュは
弾丸を、刀で両断した。
|||ー゚||「わお、五右衛門みたい」
( ゚∀゚)「おおおぁああ!」
凄まじい速度で突っ込むジョルジュの眉間に、もう一度銃が突き付けられる。
(;゚∀゚)「なッ!?」
|||ー゚||「ごめんね、嘘ついた」
正真正銘、最後の弾丸はジョルジュの眉間を捉えた。
スーツのシャットダウン音が聞こえた。



876:1 ◆DcS0KIr23w:2006/05/02(火) 22:20:55.18 ID:GKLnCPGp0
  

モララーは、その目を疑った。
ニダー星人の死骸を喰らう、異形の怪物。
そして、それは死骸を喰らう毎にどんどん大きくなっている。
(,,,・Д・,)「い……ぇあ゛……」
( ・∀・)「……これも、敵なのか?」
モララーは、不用意な近接戦闘は危険と踏んだ。
そして、久々に銃を取り出し、胸部を一度だけ撃ってみる。
ギョーン
その生物の身体は、一瞬だけ歪んだ。そして、すぐに元通り。
( ・∀・)「くッ……!!」
今度は、頭部や胸部、所構わず連射した。
最も攻撃が集中した右耳の辺りが、爆ぜる。
しかし、すぐに体液も肉片も収束し、すぐに元通りになった。
(,,,・Д・,)「ぁ゛……あ……」
巨大な異形は、ゆっくりとモララーへ接近する。
( ・∀・)「ちッ!!」
モララーは、ナイフを構えた。相手だって生物だ。急所を捉えれば、息絶える。
そして、みつけた。右の脇腹あたりの、ドクン、ドクンと一定のリズムで動く一部分。
( ・∀・)「そこだ!!」
モララーのナイフが、深々と突き刺さった。
しかし、脅威はそこからだった。
刺さったナイフが、どんどん異形の体内へと吸い込まれて行く。
そして、柄の最後までを飲み込んだ辺りで傷口が消えた。
(;・∀・)「う……うわぁああああああああ!!」
背を向けたモララーの頭を、何かが貫いた。
それは、異形の生物の身体から伸びた触手だった。
モララーの身体はそのまま巻き取られ、異形の口へと運ばれた。



877:1 ◆DcS0KIr23w:2006/05/02(火) 22:21:34.82 ID:GKLnCPGp0
  


なぁ、神様。
いや、いてもいなくても関係無いけどさ。
時々考えるんだ。パチンコで大勝ちする位、本当に時々だけどよ。
この世界が、もしアンタの創りしものだったら
この終わる事もないクソッたれた戦いも、アンタの意思だとしたら
俺は、アンタを殺してしまいたい。
けれど、ひとつだけ感謝している事があるんだ。
アイツに……京子に会えた事。
それだけは、本気で感謝している。
まぁ、でもそれだけだ。

( ゚∀゚)「京子……これでまた、お前と会える……な」

全身を斬り傷だらけにして、血の海に横たわったジョルジュは
虚空へと、そう呟いた。
|||ー゚||「……楽しかったよ、すごく」
自慢の黒いジャケットをボロボロにされた神崎が、事切れたジョルジュにそう伝えた。



878:1 ◆DcS0KIr23w:2006/05/02(火) 22:23:51.55 ID:GKLnCPGp0
  

駅にほど近い十字路で、ギコはブーン達を見つけた。
( ^ω^)「あ、ギコ!!」
(,,゚Д゚)「ブーン!ジョルジュさんが神崎と戦ってる、お前も手伝ってくれ!」
( ^ω^)「わかったお!」
('A`)「待ってくれ、俺も行く」
ジョルジュの来た道の丁度反対方向から、ドクオもやってきた。
('A`)「篠田って奴は倒した。あとは神崎さえ倒せばオッケーのはずだ」
ξ゚听)ξ「ねぇ、お姉ちゃんはどうしたの?」
('A`)「……ちょっと、休んでる。後で追いつくってさ!」
それは、嘘というよりもドクオ自身の願いでもあった。
けれど、あの怪我では立てないだろう。最悪の場合、手遅れかも知れなかった。
( ^ω^)「よし、行こ
(,,,○Д○,)「い゛え゛ぇえええええあ゛ぁああああ゛あ゛あ゛」
咆哮が、陽の傾きかけた街に響き渡った。
(;^ω^)「んなッ、なッ、なんだおアレ!!」
数十メートル離れたビルの影から、そのビルと同じ位の巨躯を誇る
異形の生物が姿を現した。
(,;゚Д゚)「あれも……敵なんだよな?」
|||ー゚||「そう、それも、一番厄介な敵さ」
ギコ達が振り返ると、そこには全身を血で真っ赤にした神崎が立っていた。



879:1 ◆DcS0KIr23w:2006/05/02(火) 22:24:32.12 ID:GKLnCPGp0
  

(,;゚Д゚)「……なんで、お前がここにいる?」
|||ー゚||「彼が、死んだから」
神崎は、事実だけを簡潔に伝えた。ギコの顔が、見る見る内に怒りに染まる。
(,#゚Д゚)「ブッ殺してやる!!」
ギコは、得意武器であるはずの銃すら使う事なく、殴りかかる。
(##゚Д゚)「ごるぁああああああッ!!」
|||ー゚||「ふんッ……」
神崎は、ギコの攻撃を軽くいなすと、その背に裏拳を振り下ろした。
メゴッという鈍い音と共に、ギコの身体がアスファルトに叩きつけられる。
|||ー゚||「今、君に用は無いんだ」
地に伏せ、もがくギコを見下ろして神崎は言った。
ξ;゚听)ξ「あ……あ……」
ツンは、神崎の姿を見てから恐慌状態にあった。ブーンは、その理由を知っている。
|||ー゚||「また会えるなんて、嬉しいよ。君の血は、すごく美味しかった」
|||ー゚||「すぐガンツに召集されたから、味見位しか出来なかったけどね」
神崎がそこまで言うと、ブーンが右拳を振り上げ突進した。
それは、神崎の左掌で受け止められた。
|||ー゚||「安心しなよ。今は、この彼に用があるんだ」
|||ー゚||「ご馳走は、仕事が終わってからゆっくりとね」
(#^ω^)「黙れお……お前だけは、絶対殺してやるお!!」
|||ー゚||「嬉しいね……場所を移そう。ここじゃ、あの怪物……ぽろろが邪魔で仕方ないからね」
異形の怪物、ぽろろはゆっくりと、しかし確実にブーン達へと近付いていた。
( ^ω^)「……みんな、ちょっとの間だけ、あの化け物と戦っててくれお」
( ^ω^)「こいつは、僕が倒すお」



880:1 ◆DcS0KIr23w:2006/05/02(火) 22:25:35.96 ID:GKLnCPGp0
  

|||ー゚||「綺麗な夕日だね……」
神崎は、まるで恋人に囁くような台詞をブーンに言った。
( ^ω^)「…………」
ブーンと神崎は、この街で最も高いビルの屋上に立っていた。
そこからは、夕日に染まり真っ赤になった街を見下ろす事が出来た。
街には、未だに人の影も喧騒も無い。崩れたビルと、死臭だけがそこにはあった。
ブーンは黒い柄を握る。それは、禍々しい程の巨大な刃を持つ斧と化した。
|||ー゚||「僕等はね、君の事を一番警戒していたんだ」
|||ー゚||「君の仲間のジョルジュや、クーよりもね」
ブーンは何も答える事なく、斧を構える。
|||ー゚||「ここで、君を倒す。それが、僕の仕事さ」
|||ー゚||「さぁ……行くよ」
神崎が一気に飛び出す。ブーンも迎撃すべく前へと踏み込む。
そして、最後の決戦の火蓋が切って落とされた。
それは、どこまでも赤い空の下の事だった。



881:1 ◆DcS0KIr23w:2006/05/02(火) 22:26:40.79 ID:GKLnCPGp0
  

ドクオは砲を、ギコは両手の銃を、ぽろろの身体目掛けて乱射する。
その身体は、弾け飛んでは復元し続けた。
ツンが一気に間合いを詰めて、鎌でぽろろの胴を斬り付ける。
傷口は、刃が通過して数秒と経たない内に閉じて見えなくなった。
从'ー'从「…………」
渡辺さんは、この戦場で何も出来ていなかった。
誰一人倒す事なく、ただの一度も銃を構える事もなく
ただひたすらに、ブーンやドクオの後を付いていくだけだった。
だから、今、この危機ぐらいは。
从'ー'从「私だって、戦えるもんッ!」
渡辺さんは、ツンやドクオがしたように黒い柄を握る。
それは、小さな銃に姿を変えた。
从'ー'从「あれ〜?なんか弱そう……」
しかし、渡辺さんは銃をぽろろへと向け、トリガーを引く。
小さな火球が、ぽろろの肩を焦がした。
それが、戦況を大きく変えた。



886:1 ◆DcS0KIr23w:2006/05/02(火) 22:48:27.55 ID:GKLnCPGp0
  

(#^ω^)「だおぉおおおおおおおおおッ!!!」
|||ー゚||「はぁあああああああッ!!」
振り下ろし、横に薙ぎ、突き、振り上げる。
神速の斬撃同士が、何度となく交錯する。
武器と武器がぶつかり合う度に、青白い火花が散った。
どちらかが回避する度に、屋上の手すり、床、壁が切断される。
しかし
ザグッ
(;^ω^)「ッ……!」
ブーンの武器は、その重量故に神崎の刀の速度を追い切れなくなっていた。
ブーンの太腿を、神崎の刀が貫いた。
|||ー゚||「これで、厄介な脚は封じたよ」
神崎は刀を抜く。ドロリとした血液が、銀の刃を汚した。
ブーンは、思わず片膝をついてしまう。
|||ー゚||「これで、ミッション終了っと」
夕日を浴び、金色に輝く刀を振り下ろす。
(#^ω^)「おおぉおおおおおおッ!!」
ブーンは、刺されて血を流す脚で、大きく前へ飛び込んだ。
そして、無防備な神崎の顔面に跳び膝蹴りを叩きこんだ。



887:1 ◆DcS0KIr23w:2006/05/02(火) 22:49:09.15 ID:GKLnCPGp0
  

(,,,○Д○,)「い゛あ゛ぁああああ、ごあ゛ぁあああああ!!!」
それは、小さな火傷のはずだった、しかし、ぽろろは大きく苦しんでいる。
ξ;゚听)ξ「まさか、コイツ火に弱い……?」
('A`)「渡辺さんッ!!もっと、もっと撃って!!」
从'ー'从「ふぇえええ!?わ、わかりました〜!」
渡辺さんは再び銃を撃つ。今度は2回トリガーを引く。
小さな火球が2つ、今度はぽろろの尻の辺りに命中した。
(,,,○Д○,)「え゛ぁああああああああ゛あ゛あ゛」
ぽろろが、苦しみで腕を振り回す。その腕の一振りで、ビルが抉れ、崩れ落ちた。
(,;゚Д゚)「駄目だ……これじゃ、話にならない」
あの巨体にダメージを与えるには、余りに火力が足りなさすぎる。
ツンは、道路を見回した。そして、見つけた。一台のバスを。
ξ゚听)ξ「渡辺さん!これ投げるから、狙って撃って!」
从'ー'从「ふぇ、う、うん、がんばる……」
渡辺さんは、半べそをかきながらもツンの言葉に頷いた。
ξ#゚听)ξ「うぅぅりゃあああああああ!!」
ツンの投げたバスは、ぽろろの顔面へと迫った。
バグゥッ
ぽろろは、そのバスを、噛み砕き、飲み込んだ。
ξ゚听)ξ「……徹底的に化け物ね」
ツンは、悪態を吐いた。



888:1 ◆DcS0KIr23w:2006/05/02(火) 22:49:46.62 ID:GKLnCPGp0
  

ξ゚听)ξ「けど、まだ終わりじゃないわ!」
ξ゚听)ξ「ギコさん、ドクオ、手伝って!」
ツンはドクオとギコに、指示を出した。2人は、すぐに頷いた。
ξ゚听)ξ「渡辺さん、もう一度、お願いね」
从'ー'从「うん!」
渡辺さんは、涙目でこそあるが今度は力強く頷いた。
ドクオは、ギコに自分の砲を渡す。
('A`)「全部はアンタに懸かってる……どうか、よろしく」
(,;゚Д゚)「プレッシャー掛けるなよ……」
ギコは、ドクオの砲を持ち、ぽろろから遠ざかる。
ドクオとツンも渡辺さんも、先程よりも間合いを取った。
ξ゚听)ξ「行くわよ、ドクオ!!」
('A`)「おう!!」
ツンとドクオは、両手にバスを持っていた。
ξ##゚听)ξ「だぁりゃぁああああああああッ!!」
(##'A`)「うおぉおおおおおあああああああッ!!」
合計4台のバスが、宙へと投げ出された。
(,,゚Д゚)「そこだッ!!」
ギコがバス目掛けて砲を放つ。4台すべて、確実に捉えた。
从'ー'从「えいッ!!」
渡辺さんが、火球を放つ。
バスがぽろろの眼前で破裂し、ガソリンが飛び散るのと
渡辺さんの放った火球がぽろろの身体に着弾したのは、ほぼ同時だった。
(,,,○Д○,)「い゛ぇあ゛……あ……」
ぽろろの巨躯は炎に包まれ、しばらくもがいた後にそのまま倒れ込んだ。



892:1 ◆DcS0KIr23w:2006/05/02(火) 22:54:20.92 ID:GKLnCPGp0
  

神崎は鼻から血を流し、コンクリートの床に倒れ込んだ。
倒れた神崎を飛び越える形になったブーンは、着地するとすぐさま神崎へと向き直った。
ブーンは、斧を上段に構える。
この一撃で、神崎を叩き斬る。
ブーンのスーツに、神経のような、血管のような筋がボコボコと浮き上がる。
腕が、脚が、スーツに包まれた部分すべてがビキビキという音を立てた。
ブンッ
そして、斧が振り下ろされた。
床が轟音と共に砕け散った。肉や骨を断つ手ごたえは、無かった。
|||−゚||「……終わりだ」
神崎は、ブーンの背後に立っていた。
そのの口元から笑みが消えていた。



銀の刀身が、ブーンの背中の肉へ突き刺さる。

そして、それはブーンの心臓を貫き、胸の肉を突き破った。

( ゚ω゚)「……ゴボッ」

血の泡を吐き、ブーンは倒れた。生死の確認は、必要無かった。



924:1 ◆DcS0KIr23w:2006/05/02(火) 23:51:14.09 ID:GKLnCPGp0
  

そこは、とても寒い、真っ暗闇だった。
( ^ω^)「ここは……?」
ブーンは、さっきの感覚を思い出した。
背中が突き破られ、心臓が突き破られた、あの痛覚を。
( ^ω^)「そうか……死んじゃったのかお……」
ブーンの頭に色々な記憶が過ぎる。

川゚−゚)レ「お前、さっきから疑問文ばかりだぞ?」

最初の戦いの時、クーには色々な事を教えてもらった。

ξ゚听)ξ「御機嫌よう、白豚さん」

ツンとの出会いは、あまりに痛烈だった。

( ゚∀゚)「……一気に片付けるぞ!!」

ジョルジュは、真っ先に状況を判断する、みんなのリーダーだった。

('A`)「けど、俺、死ねないんだよ!!絶対、絶対死ねないんだよ!!!」

ドクオの決意を知った時、絶対にこいつを守ると決意した。その決意を、僕は守れたのかな?

ξ////)ξ「帰ってこれたら、一緒に映画観に行こう?」

ツンとの約束、破っちゃったな。
( '∀')「……まだ、終わりじゃないよ」



925:1 ◆DcS0KIr23w:2006/05/02(火) 23:52:02.79 ID:GKLnCPGp0
  

その顔を、ブーンは鮮明に覚えていた。

( '∀')「キャッ!」
( ^ω^)「ぶべッ!」
(;^ω^)「ケガは無いかお?」
( '∀')「だ、大丈夫です……」
( ^ω^)「それなら良かったお、それじゃ!」

あの突然の雨の日、ブーンが死ぬ前に最後に出会った、そして、今際の際に見た少女だった。

( '∀')「どちらかを、必ず選んでね」
( ^ω^)「君は、一体……」
( '∀')「……ひとつは、今この場で死んで、誰かが生き返らせてくれるのを待ち続ける」
( '∀')「もうひとつは……今この場での再生。けれど、二度と元の世界に帰れない」


今をあきらめて、あてもない未来に期待をするか。

今にすべてを捧げて、明日さえ捨てるか。


ブーンは、絶望的な2択を叩きつけられた。



927:1 ◆DcS0KIr23w:2006/05/02(火) 23:52:57.93 ID:GKLnCPGp0
  

( ^ω^)「…………」

今この場をあきらめれば、また生きて帰る事が出来るかもしれない。
もしドクオか、あるいはツンが神崎を倒して生還すれば、復活させてくれるかもしれない。
けれど、神崎は間違いなく全員を殺しに行くだろう。
あの異形の化け物との戦いで、疲弊しきったツン達を。
そして、ツンの血を飲み悦に浸るのだろう。
そう、ツンが殺されてしまう。

( ^ω^)「……今生き返って、神崎を倒すお」
( '∀')「……後悔は、無い?」
ブーンは無言で頷く。
急に、真っ暗な空間に光が差す。
それは、真っ白な光だった。
( '∀')「……それぢわ、行ってくだちい」


そう、後悔は無い。
約束は守れないけど、守ることは出来るのだから。
最初で、最後の恋人を。




―― チャンスをくれてありがとう、ガンツ。



928:1 ◆DcS0KIr23w:2006/05/02(火) 23:53:47.84 ID:GKLnCPGp0
  

神崎は、階段を降りようとした途端に凄まじい悪寒に襲われた。
振り返ると、ブーンが立ち上がっていた。
その胸にも脚にも、傷は無かった。
|||ー゚||「……やっぱり、ガンツに『選ばれて』いたか」
神崎は銃を取り出し、ブーンの身体を撃つ。撃つ。撃つ。
ブーンは構わず神崎目掛けて突進する。
スーツは既に壊れているはずだった。
しかし、弾丸は次々に弾かれていく。
|||ー゚||「くッ……」
弾切れの銃を放り捨て、銀の刀を構える。
(##゚ω゚)「だおぉおおおおおおおおおおおおおおおッ!!!!!」
強烈な横薙ぎの一撃が、銀の刀を打ち砕いた。
|||ー゚||「……終わり、か」

返す斧の一撃で、神崎の身体は真っ二つになった。
千切れた上半身が、ビルの屋上から転げ落ちた。



929:1 ◆DcS0KIr23w:2006/05/02(火) 23:54:33.32 ID:GKLnCPGp0
  

(,,゚Д゚)「あ、帰ってきたぞ!!」
ブーンの身体には、何処にもダメージが無さそうだった。
ξ゚听)ξ「大丈夫!?怪我は無い!?」
ツンがブーンに掛け寄る。
( ^ω^)「戦いは、終わったお」
ブーンは、ツンを抱きしめた。



(;^ω^)「また、随分メチャクチャな事したお……」
ぽろろ撃破の顛末を聞いたブーンは、あきれ返った。
( ^ω^)「…………」
ξ゚听)ξ「……何よ」

ブーンは、ツンの手を見つめていた。
とても大鎌を振り回し、バスすら投げ飛ばすようには見えない、小さな手。
ブーンは、ツンの手を取り、その指にキスをした。

ξ////)ξ「んなッ、なッ、何してくれてるのよッ!!」
ツンは顔を真っ赤にして叫んだ。周囲も、その突拍子も無い行動にポカーンとしていた。
(;^ω^)「いや、なんとなくだお」
ツンは、ブーンの胸をポカポカと叩いた。
(;^ω^)「あうあう、痛いお」
('A`)「あーあ、アテられちゃうな」
ふと、ドクオは自分の身体の転送に気付いた。



930:1 ◆DcS0KIr23w:2006/05/02(火) 23:55:11.81 ID:GKLnCPGp0
  

('A`)「じゃあ、先に行って待ってるぜ」
ドクオの身体が、完全に消えた。

(,,゚Д゚)「……長かったな」
ギコは、涙を拭いながら転送されていった。

川゚−゚)レ「ん……終わった……のか?」
目を覚ましたクーは、夕陽に目を細めて転送された。

从'ー'从「ふぇぇええん……」
緊張の糸が切れて、泣いていた渡辺さんも、転送された。

ξ゚听)ξ「ねぇブーン、約束、覚えてる?」
(;^ω^)「約束ってより、強制イベントだお」
ξ////)ξ「どっちでもいいでしょ!?いいから、予定開けときなさいよ!!」
そして、ツンも転送されていった。

( ^ω^)「……後悔は、無いお」
夕陽と血で真っ赤に染まった街が、かりそめの世界が、ガラガラと音を立てて崩れはじめた。


そして、ブーンは2度と帰ってこなかった。



936:1 ◆DcS0KIr23w:2006/05/02(火) 23:58:56.80 ID:GKLnCPGp0
  

ξ゚听)ξ「…………」
ツンを含め、生還したメンバーはほぼ全員100点を取った。
渡辺さんも、1体だけの撃破にも関わらず60点という得点を叩きだした。

ドクオは、脱出を選んだ。
誰も責めるものはいなかった。みな、祝福しながら見送った。

ギコは、散々悩んだ末にジョルジュの復活を選んだ。
そして、ギコとしぃとジョルジュと京子と、4人で一緒に帰ろうと約束した。

クーは、ショボンの復活を選んだ。
ショボンは涙を流し、クーに頭を下げた。クーは黙って、微笑んだ。

ツンは、黒い球の部屋で一晩中考えた。
ドクオのやったように、球の中にいた少女の耳に指を差し込む。
そして、死亡者のリストを見直す。
昨日から、何度もやっている作業。
しかし、何度見てもブーンはリストにいなかった。

100点のめにゅ〜を選んでくだちぃ。

答えを出した頃には、黒い球の部屋に朝日が差し込んでいた。
ξ゚听)ξ「私が、選ぶのは……」



946:1 ◆DcS0KIr23w:2006/05/03(水) 00:04:44.59 ID:juded9Cy0
  

          /\___/ヽ
         /''''''   '''''':::::::\
        . |(●),   、(●)、.:| +
        |   ,,ノ(、_, )ヽ、,, .::::|
      .   |   `-=ニ=- ' .:::::::| +
         \  `ニニ´  .:::::/     +
       ,,..イ.ヽヽ、ニ__ ー-/   や ら な い か ?
    ,.、-  /  | l   / | |` ┬-、
    /  ヽ. /    ト-` 、ノ- |  l  l  ヽ.
  /    ∨     l   |!  |   `> |  i
  /     |`二^>  l.  |  | <__,|  |
_|      |.|-<    \ i / ,イ____!/ \
  .|     {.|  ` - 、 ,.---ァ^! |    | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄l
__{   ___|└―ー/  ̄´ |ヽ |___ノ____________|
  }/ -= ヽ__ - 'ヽ   -‐ ,r'゙   l                  |
__f゙// ̄ ̄     _ -'     |_____ ,. -  ̄ \____|
  | |  -  ̄   /   |     _ | ̄ ̄ ̄ ̄ /       \  ̄|
___`\ __ /    _l - ̄  l___ /   , /     ヽi___.|
 ̄ ̄ ̄    |    _ 二 =〒  ̄  } ̄ /     l |      ! ̄ ̄|
_______l       -ヾ ̄  l/         l|       |___|

( ゚∀゚)「ねーよwwwwwww」
(,,゚Д゚)「つうか、デカッ!!」
(´・ω・`)「ウホッ、いい男……」
川゚−゚)レ「…………」

ξ゚听)ξ「さぁ、とっととブッ飛ばすわよ!!」

ツンは戦い続ける。この世界で、いつかまたブーンと出会えると信じて。



951:1 ◆DcS0KIr23w:2006/05/03(水) 00:06:25.70 ID:juded9Cy0
  







( ^ω^)ブーンがGANTZに選ばれたようです
        〜BoonGANTZ〜




Fin.



980:1 ◆DcS0KIr23w:2006/05/03(水) 00:12:57.50 ID:juded9Cy0
  

脳内でBonniePinkのLast Kissを垂れ流して聞いてくだちぃ。
わからん人は明日にでもレンタルしてみてくだちぃ。

とりあえず、終わりです。
色々修正したかったり、書き直したりしたい所や弁明したい事やらで
いっぱいいっぱいですが、終わりです。
wktkしてくれた皆様、保守し続けてくれた皆様、乙をくれた皆様。
まとめスレを作ってくださった前スレ401様
保守し、乙を送ってくださったボーボボ ◆HANAGE/QFM様
このスレを一度でも読んでくださった皆様。

本当に、本当にありがとうございました。



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