( ^ω^)ブーンが爆弾魔になったようです
- 44: ◆7YW6txupJQ :2006/04/27(木) 00:44:00.60 ID:IXsRJAqp0
- 六月下旬
最後の事件から気付けば五カ月
市民もニュースも爆弾魔の事なんて忘れてしまったかのように賑やかだ
時計塔も再び時を刻むため修理工事が行われている
(*゚ー゚)「今日も暑いなぁ」
梅雨もあけてもうすぐ本格的に夏がやってくる
そのまえに少女しぃには人生の一大事が迫っていた
- 46: ◆7YW6txupJQ :2006/04/27(木) 00:46:17.33 ID:IXsRJAqp0
- (*゚ー゚)「ジョルジュくーん」
しぃの声に一人の男が振り返る
( ゚∀゚)「待ちくたびれたぜ、しぃ」
(*゚ー゚)「ごめーん、ちょっと寝坊しちゃった」
他愛もない会話を交わして歩く
そんな事をしているだけで二人の周りだけ温度がぐんぐんあがってそうだ
そんな二人は一週間後に結婚式をあげる
- 47: ◆7YW6txupJQ :2006/04/27(木) 00:51:42.02 ID:IXsRJAqp0
- ジューンブライド
六月の花嫁は美しいというよりかわいらしいと言う印象だった
投げたブーケを受け取ったツンは少なからずそう感じた
しぃとジョルジュはこの日晴れて夫婦になった
- 48: ◆7YW6txupJQ :2006/04/27(木) 00:54:11.55 ID:IXsRJAqp0
- ξ゚听)ξ「結婚おめでとう二人とも」
( ゚∀゚)「いやぁ、なんか照れるなぁ」
(*゚ー゚)「ありがとうございますツン先輩」
ツンとジョルジュは高校の同級生
しぃとは6歳近く年が離れている
- 49: ◆7YW6txupJQ :2006/04/27(木) 01:00:59.07 ID:IXsRJAqp0
- 警察署内の楽団に所属していた二人が近所の高校に指導にいき、そこの吹奏楽の部長であるしぃと知り合ったのがつい三年前だ
それから二人はあっという間に今日を迎えた
本当にあっという間に
- 50: ◆7YW6txupJQ :2006/04/27(木) 01:02:31.73 ID:IXsRJAqp0
- ξ゚听)ξ「しっかし、いい歳してブーケ受け取るなんてね・・・・」
小さなブーケはツンのバックに納まっている
ξ゚听)ξ「私も早くいい人見つけないとなぁ・・・・」
ツンはこの後仕事があった為披露宴には出ず、署へ向かった
- 51: ◆7YW6txupJQ :2006/04/27(木) 01:05:02.48 ID:IXsRJAqp0
- かわいいな
どこから見ても綺麗だなってなんの歌だっけ?
そんな事を考えながら花嫁の姿を眺める
・・・・くん
ジョルジュくん!
- 52: ◆7YW6txupJQ :2006/04/27(木) 01:13:20.92 ID:IXsRJAqp0
- はっ・・・・と気付き呼ばれた方を向くとしぃが微笑んでいた
(*゚ー゚)「どうしたのー?考え事?」
まさかしぃの事を考えていたなんて言えな・・・・いやここは堂々と宣言しよう
( ゚∀゚)「ああ、お前がかわいいからさ、こんなにかわいい嫁さん貰えて幸せだなぁって」
(*///)「あ、ありがとう・・・・」
( ゚∀゚)(照れた顔もかわいい・・・・)
デレデレしているとふっと会場の電気が消えた
- 53: ◆7YW6txupJQ :2006/04/27(木) 01:14:26.07 ID:IXsRJAqp0
- 司会者「ではここで二人によるウエディングケーキ入刀です」
会場からは拍手と共にヒューフーイェーと歓声があがる
カメラやビデオを片手に近くまで寄ってくる人もいる
ナイフを手にとりジョルジュはしぃにニコッと微笑む
しぃも幸せそうに微笑みをジョルジュに返すと自分の手をジョルジュの手に重ねた
- 55: ◆7YW6txupJQ :2006/04/27(木) 01:18:48.59 ID:IXsRJAqp0
- いたい、いたいよ
なにがあったの
どうした・・・・の
あつい、あつい・・・・よ
ジョルジュくんたすけてよ
たすけて・・・・よ
- 61: ◆7YW6txupJQ :2006/04/27(木) 01:29:11.02 ID:IXsRJAqp0
- ξ゚听)ξ「もう一回言って!」
何回目だろうか
モナーは再度メモを見ながら報告を繰り返す
( ;´∀`)「結婚式会場で爆発があり会場の一部が爆発死者負傷者多数・・・・モナ」
ξ゚听)ξ「その結婚式の、会場の名前は・・・・」
( ´∀`)「ムーンチャペル、小さな結婚式会場モナ」
ξ;;)ξ「そんなの知ってるわよ」
-だってあの二人は今日そこで披露宴を開いてるはずだもの-
- 62: ◆7YW6txupJQ :2006/04/27(木) 01:36:47.83 ID:IXsRJAqp0
- ( ^ω^)「あなたと私が黄泉の国〜♪」
ブーンはコックの帽子をゴミ箱に投げ捨てるとフーと息を吐いた
半年近くもケーキ職人見習いをしながらこの機を待ったのだ
爆弾はケーキの中
もちろんナイフが入ると同時に辺りは火の海に包まれた
- 65: ◆7YW6txupJQ :2006/04/27(木) 01:48:38.00 ID:IXsRJAqp0
- ( ^ω^)「あの二人は永遠に一緒だお」
ブーンは思った
恋のキューピッドは二人の仲を取り持つもの
ならば自分は?
彼らの幸せな時間をとめる神か?
いいや、僕は泥棒だろうな
時間という大切な物を盗む泥棒だ
- 68: ◆7YW6txupJQ :2006/04/27(木) 01:59:24.29 ID:IXsRJAqp0
- 青い空の下ツンは思った
この世に神様なんているのかしら?
あのクリスマスの日に時計塔の下にいたカップルもそして今日のジョルジュもしぃも幸せの真っ只中で死んでいった
最後に愛してるなんて言えたかしら?
大好きな人の顔は見れたかしら?
多分、苦しくて熱くて悲しくて、ただそれだけ
ただそれだけだったのだろう
ツンは涙を拭いて現場を後にした
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