( ^ω^)ブーンが爆弾魔になったようです

252: ◆7YW6txupJQ :2006/04/28(金) 17:09:25.21 ID:832Obze3O
  
列車が横転したのは自分の爆弾が爆発したわけではない


誰かが僕とは別に爆弾を仕掛けたんだ


駅でブーンはあの水筒片手に列車を見つめていた


ホームには事故で多くの怪我人が倒れている


またその家族が友人が周りを見渡しながら自分の大切な人を見つけるため叫んでいた



248: ◆7YW6txupJQ :2006/04/28(金) 17:04:29.67 ID:832Obze3O
  
ママー!あの人の水筒パパのと一緒だよ〜!



ブーンが振り向くと女性と女の子が手を繋いで立っていた


女性は青い顔をしている


ブーンは直感的に被害者の家族だと感じた



249: ◆7YW6txupJQ :2006/04/28(金) 17:05:47.90 ID:832Obze3O
  
∬´_ゝ`)「あの、その水筒・・・・」


何の変哲もないステンレスの水筒


しかしコップの部分にチューリップのシールがはってある


これなら水筒なくさないよとティがわざわざ貼ったものだった



253: ◆7YW6txupJQ :2006/04/28(金) 17:12:20.79 ID:832Obze3O
  
( ^ω^)「どうかしましたかお?」


何げなく水筒と二人を交互に見つめる


∬´_ゝ`)「・・・・のです」





∬´_ゝ`)「あなたの持ってる水筒主人の水筒なんです」


チューリップのシールがステンレスに張り付いてブーンの手の中で揺れている



254: ◆7YW6txupJQ :2006/04/28(金) 17:15:05.51 ID:832Obze3O
  
( ^ω^)「ごめんなさい!」


ブーンは突然土下座した




( ^ω^)「あの人は・・・・僕を助けようとしてこの水筒の水を僕に渡してくれたんですお」


もちろん嘘だが


( ^ω^)「この水をかぶって外にでろって・・・・あなたが逃げたら僕も逃げるって・・・・」


地面に頭を擦りつけるようにただひたすら謝るふりをした



255: ◆7YW6txupJQ :2006/04/28(金) 17:18:10.42 ID:832Obze3O
  
∬;_ゝ;)「それで主人は・・・・」


( ^ω^)「僕が脱出した後電車が爆発して・・・・」


∬;_ゝ;)「主人・・・・は主人・・・・は」


( ^ω^)「まだ生きてる可能性はあるお、一緒に探すお」



ブーンは顔をあげ姉者の手を握った


面倒な事になった・・・・
ブーンは内心そう感じていた



257: ◆7YW6txupJQ :2006/04/28(金) 17:23:11.86 ID:832Obze3O
  
結局あの人は帰って来なかった

ティと私は散々あの人を探したけど、あの人は見つからなかった

だけどきっと帰ってくる

きっとあの人は帰ってくる

夏休みを取って私とティを旅行に連れていってくれるの

きっと・・・・



258: ◆7YW6txupJQ :2006/04/28(金) 17:24:44.77 ID:832Obze3O
  
事故から二週間後


弟者の葬儀はしめやかに行われた

遺体は損傷が激しかったが綺麗になって戻ってきた


(〃゚ー゚)「パパ、ティねパパにプレゼントするものがあるの」

棺の前でティは画用紙を広げる


(〃゚ー゚)「あのねティとパパとママがずっと一緒にいられますようにって三人で結婚式してるの」


画用紙にはティと姉者がウェディングドレスで弟者はタキシードで立っている

三人とも笑顔で



261: ◆7YW6txupJQ :2006/04/28(金) 17:29:55.62 ID:832Obze3O
  
(〃゚ー゚)「ティはパパのお嫁さんになるからぜったいぜったい帰ってきてね」


ティは弟者が必ず帰ってくると信じてる


それはあまりにティが幼い故に姉者がティに信じ込ませた嘘だった

いつか気付くその日まで


(〃゚ー゚)「パパ、バイバイ」


大好きなパパに再び会える日を楽しみにティは無邪気に棺に手をふった



266: ◆7YW6txupJQ :2006/04/28(金) 17:39:03.38 ID:832Obze3O
  
なんだろうか

僕は爆弾を仕掛けてみんなの時間を幸せな時間を止めていた

幸せな時間をずっとずっと過ごして貰おうと思ったから

だけどあの女の人は泣いてた、子供はよく分からないみたいだったけど


あの時に似てる

父さんが死んだあの時に



戻る次のページ