( ^ω^)ブーンが爆弾魔になったようです
- 302: ◆7YW6txupJQ :2006/04/29(土) 00:15:08.66 ID:2J3uK97EO
- ブーンが生まれそだったのはとある地方の田舎町
父は花火職人
母も絵の勉強をしていた事がある
そんな二人がブーンは大好きだったし、いつか父のように花火職人になりたいと思っていた
- 303: ◆7YW6txupJQ :2006/04/29(土) 00:16:47.74 ID:2J3uK97EO
- ( ^ω^)「父ちゃん」
父「なんだブーン」
( ^ω^)「僕は将来父ちゃん見たいな花火職人になりたいお」
父「おお、そうかじゃあブーンが俺と一緒に花火を上げるまで頑張らないとな」
( ^ω^)「僕も頑張ってみんなに綺麗な花火を見て貰うお」
父「ハハハ、ブーンに綺麗な花火はあげられるかな?」
( ^ω^)「きっと上げてやるお!」
- 304: ◆7YW6txupJQ :2006/04/29(土) 00:18:34.68 ID:2J3uK97EO
- ブーンには父、母と並び尊敬する人がいた
( ^ω^)「ギコおじさん」
( ,,゚Д゚)「おっ、ブーンどうした」
( ^ω^)「花火の事で聞きたい事があるんだお」
ギコおじさんはおじさんと言うほど老けちゃいない
まだ30にもなっていない
なぜ、みんなからおじさん呼ばわりされてたかは今でも分からない
- 305: ◆7YW6txupJQ :2006/04/29(土) 00:20:19.16 ID:2J3uK97EO
- ブーンは父と同じくらいおじさんを尊敬していた
おじさんに兄のような感覚をもっていたし、おじさんもブーンに弟のように接していた
そんな二人を手本にブーンは花火職人を目指した
そんなある日事件は起きた
- 306: ◆7YW6txupJQ :2006/04/29(土) 00:21:41.66 ID:2J3uK97EO
- 花火大会
夏の風物詩の一つでもあるこの大会にブーンの父、そしてギコおじさんは花火の打ち上げを任された
小さな田舎町だ
これと言った娯楽なんてありゃしない
町民は花火大会にあれよあれよと集まった
- 307: ◆7YW6txupJQ :2006/04/29(土) 00:23:20.36 ID:2J3uK97EO
- いつも閑散とした商店街もこの時ばかりは多くの人で埋まる
この町にこんなに人がいたのかと驚かされるくらいに
花火大会はそれだけみんなの注目を集めていた
それはブーンにとって自分の父やおじさんが注目されているのに等しかった
ブーンはそれがとても嬉しく鼻高々だった
- 308: ◆7YW6txupJQ :2006/04/29(土) 00:26:46.15 ID:2J3uK97EO
- 間もなく花火大会の時間だ
ブーンとかーちゃんは花火がよく見える海岸線へ移動した
近すぎず遠すぎず潮のかおりも漂う格好の場所
まあ、彼女でもいれば連れてきたい場所だろう
中学生のブーンはそんな事を考えつつ花火があがるのを待った
- 309: ◆7YW6txupJQ :2006/04/29(土) 00:29:07.42 ID:2J3uK97EO
- ヒュルル
間もなく聞き慣れたあの音が夜にコダマしたかと思うと夜空にパッと華が咲いた
多分清少納言に見せたら枕草子の内容が変わってたかもしれない
ブーンは父の花火がそれだけ素晴らしいと信じていた
実際次々と夜空に色とりどりの華が舞い上がり消えていった
- 310: ◆7YW6txupJQ :2006/04/29(土) 00:31:43.36 ID:2J3uK97EO
- ドカーンと大きな音がこだまし花火が低くあがった
いや、低すぎる
辺りの人々もざわついている
次の花火はあがらなかった
変わりに夜の暗闇に消防車と救急車のサイレンが鳴り響いた
- 311: ◆7YW6txupJQ :2006/04/29(土) 00:32:54.92 ID:2J3uK97EO
- 小さな田舎町の花火は新聞の一面を大きく飾った
花火の被害は予想以上に大きかった
多くの人が火傷をおい、さらに逃げようとして将棋倒しになったという話もあった
建物も一部が焼けたりして夏の風物詩は台なしになった
しかし死人は一人しかいなかった
そしてブーンの父ちゃんはそのただ一人の人物だった
- 312: ◆7YW6txupJQ :2006/04/29(土) 00:37:08.43 ID:2J3uK97EO
- 「花火大会だいなし」
「きたない花火、職人の恥」
マスコミや専門家はブーンの父やおじさんの花火を馬鹿にした
この世の最高の芸術だと信じた父の花火を馬鹿にされブーンは哀しくなった
- 315: ◆7YW6txupJQ :2006/04/29(土) 00:39:55.69 ID:2J3uK97EO
- さらに花火大会の件はすぐ町中に広がりブーンや母はあの花火をあげた奴の家族と言う白い目で見られた
誰も口に出さなかったしこれといったいやがらせもなかった
ただブーンの父がいた工場に花火に関する注文は二度と来なかった
- 318: ◆7YW6txupJQ :2006/04/29(土) 00:46:47.54 ID:2J3uK97EO
- ギコおじさんもかなりの重傷をおった
父が亡くなった事を告げると涙を流しながらブーン、姉さんゴメンと低く呟いた
ブーンはおじさんは悪くないおと言ったがギコおじさんは納得いかないようにただただスマナイ・・・・と謝るばかりだった
- 319: ◆7YW6txupJQ :2006/04/29(土) 00:48:26.23 ID:2J3uK97EO
- ギコおじさんはあきらめなかった
注文の無くなった工場を必死に守ろうと花火を作り続けた
ブーンも工場に手伝いに行きたかったが花火作りは危険な作業。
学生は工場の中にすらいれてもらえなかった
もどかしいまま一年が過ぎた
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