( ^ω^)ブーンの妄想が現実になったようです


116:1 ◆NcZOHhe0jA:2006/03/01(水) 10:38:30.78 ID:lQ5bXPf+0
しぃはヘリの中で椅子に縛られて椅子に座らされているツンの元に駆け寄った。
縄をほどき、ツンを自由にする。

ξ゚听)ξ「あ、ありがと、委員長」
(*゚ー゚)「いいえ、それより早く逃げましょう」
ξ゚听)ξ「けど内藤が・・・!」
(*゚ー゚)「あなたを逃がせば内藤くんも逃げれるはずよ。まずはあなたが逃げないと!」
ξ゚听)ξ「あ、うん・・・。わかった」

ツンの手をひき、ヘリを降りる。
出口に向けて走ろうとしたとき、銃声が響いた。

ξ゚听)ξ「え?」
(*゚ー゚)「・・・ぁ・・・しま、った」

しぃが片目を瞑り、力なく崩れ落ちる。
しぃとツンの視線の先に、腹を押さえて立ち上がっていた弟者の姿がある。
弟者は硝煙ののぼる拳銃を構えていた。



171:1 ◆NcZOHhe0jA:2006/03/01(水) 19:03:47.65 ID:lQ5bXPf+0
(´<_` )「ふーぅ、逃げられるところだったな」
(;^ω^)「委員長!?」
( ゜∀゜)「どこを見ている!」
(;^ω^)「ぐっ!」

しぃの方を見た内藤の隙を逃さず、強烈なリバーブローが突き刺さる。
内藤が膝をつくと、長岡は追撃もせずにさっさと後退した。

( ゜∀゜)「よくやった弟者!さっさとその娘を連れて帰るぞ!」
(´<_` )「合点。動くなよお嬢ちゃん、撃たれたくなかったらな」
ξ゚听)ξ「ひ・・・」

銃を突きつけられ、ツンは弟者に後ろ手を極められ捕らえられた。
弟者と長岡は勝ち誇った顔でヘリに乗り込む。

( ゜∀゜)「いや、たいしたものだよ。内藤君だったかな?君はがんばった、誇りに思え」



172:1 ◆NcZOHhe0jA:2006/03/01(水) 19:09:00.96 ID:lQ5bXPf+0
(;^ω^)「う・・・ツンを放すお!」

内藤の叫びもむなしく、独特の音を立てながらヘリのローターが回転をはじめる。
じきに風が巻き起こり、ツンをのせたヘリはゆっくり宙に浮かんだ。

( ゜∀゜)「ではな、内藤君。またどこかで会おうじゃないか!」
(;^ω^)「く、待つお!待ってくれお!ツン!!」
ξ゚听)ξ「いや・・・内藤!内藤っ!!」

手を伸ばしても、ヘリには届かない。
天井にあいた穴から外にでたヘリは、ツンを乗せて悠々と飛び去っていった。

(;^ω^)「ツン!あ・・・うあぁぁ!!」



173:1 ◆NcZOHhe0jA:2006/03/01(水) 19:14:41.33 ID:lQ5bXPf+0
内藤は壁を殴りつけた。
深呼吸して、少しだけ落ち着く。

(;^ω^)「・・・ツン・・・!はやく追わないと・・・」
(*゚ー゚)「うっ・・・こふっ・・・」
(;^ω^)「っ!委員長!!」

しぃの元に駆け寄ると、横たわったしぃの体の下には小さな赤い水溜りができていた。
制服は血で赤く染まり、顔色も悪い。

(;^ω^)「だ、大丈夫かお委員長!?」
(*゚ー゚)「へ、平気平気。これくらい・・・んっ・・・・」
(;^ω^)「平気なはずないお!撃たれたんだお!?」
(*゚ー゚)「そうだけど、私のスキルは再生だから・・・1時間もすれば直るわ。痛いけど・・・」
(;^ω^)「ちょwwまじでwwwww」

10分ほど待つと、しぃはどうにか歩ける程度には回復した。
とりあえずまだ昏倒している男たちを縛り、拳銃を回収する。

(*゚ー゚)「この人たちは後で警察に突き出すとして・・・ツンさんが問題ね」
( ^ω^)「・・・」
(*゚ー゚)「そんなに怖い顔しないで。学校に戻ればどうにかなるかも知れないわ」
( ^ω^)「学校?」
(*゚ー゚)「ええ。VIP高校はホルダーの・・・いえ、学校に戻ってから説明する。とりあえず戻りましょう」
( ^ω^)「・・・わかったお」



178:1 ◆NcZOHhe0jA:2006/03/01(水) 19:30:52.69 ID:lQ5bXPf+0
しぃを支えながら歩いて帰ってきたので時間がかかってしまった。
学校に戻る頃には、もう空は赤くなってきている。

(´・ω・`)「おお、帰ってきたか。遅かったな内藤」
( ^ω^)「ショボン先生。みんなは大丈夫かお?」
(´・ω・`)「ああ、少々骨が折れたり歯が折れた程度だ。俺は無傷だけどあいつら弱いから」
('A`)「ちょwwwwwてめwwwwww」
(;^ω^)「それあんまり大丈夫じゃないお」

ツンを助けるために戦ってくれたDQN達は、みんながケガをして病院にいったようだ。
唯一ドクオだけがショボンと共に内藤の帰りを待っていた。

('A`)「それで・・・どうなった」
( ^ω^)「・・・それが・・・」
(*゚ー゚)「待って。説明の前に先生、近隣のホルダーを集めてください」
(´・ω・`)「やはり大事になったか。で・・・血まみれだが委員長は大丈夫か?」
(*゚ー゚)「はい、もう直りましたから」
(´・ω・`)「そうか。じゃあ場所を変えよう。俺の家に来るといい」



181:1 ◆NcZOHhe0jA:2006/03/01(水) 19:52:08.36 ID:lQ5bXPf+0
よくわからないまま、ショボン先生の家にいくことになった。
車でしばらく移動して、喫茶バーボンハウスという店に到着する。

( ^ω^)「ここが先生の家かお?」
(´・ω・`)「ああ、まぁゆっくりしていってくれ」

(`・ω・´)「いらっしゃい!ようこそバーボンハウスへ!」
(´・ω・`)「ああ、兄さん。悪いけど客じゃないんだ」
(`・ω・´)「ぶち殺すぞ」
(´・ω・`)「なんだと?ぶち殺すぞ」
('A`)「ちょww先生wwww」
(´・ω・`)「ん?ああ、すまん。こっちのテーブルにしよう。みんな集まってくれ」

ショボンにうながされ、全員店のはしっこの一番大きなテーブルに集まる。
ショボンに兄さんと呼ばれた人がコーヒーをもってきてくれた。

(´・ω・`)「さて、面倒だがもうお前らは関係者だからな。いろいろと説明しよう」



186:1 ◆NcZOHhe0jA:2006/03/01(水) 20:03:22.67 ID:lQ5bXPf+0
(´・ω・`)「まずVIP高校のことから説明しようか」

内藤の妄想に曰く、VIP高校はホルダーのための学校である。
基本的にホルダーには一切関わらないのが日本政府の方針で、全国各地に少数の収容施設を作る程度だ。
そこでとある人物がホルダーが過ごしやすい学校を作った。それがVIP高校だ。

('A`)「なんだよホルダーって?」
(*゚ー゚)「特殊能力者よ、一言で言えば」
('A`)「ねぇよwww漫画の読みすぎじゃね?wwwww」
(´・ω・`)「そもそも漫画やアニメなんかで特殊な能力とか出てくるのはホルダーをモデルにしてるからなんだがな・・・」

VIP高校が開校されて数十年。
VIP高校のあるニュー速市には様々なホルダーが集まるようになった。
その中で、世界でも例を見ない能力をもった者が生まれる。
それがツンだった。



195:1 ◆NcZOHhe0jA:2006/03/01(水) 20:25:30.15 ID:lQ5bXPf+0
(´・ω・`)「・・・そろそろ面倒になったからやめていい?」
(;^ω^)「いやいやいやwwww」
(´・ω・`)「ふぅ。まぁあれだ。ツンの能力は特異すぎてな、政治に利用すれば世界的な脅威になるらしい」
('A`)「政治・・・?」
(´・ω・`)「どういう仕組みかは知らんが、他人に言う事を聞かせる能力だと思えば良い。今はそんな能力があるという事を忘れさせているがな」

言う事を聞かせる、これが可能なら、たしかに政治的な脅威だろう。
極端に言えば、大統領にこの国をよこせ、といったら国をまるまる手に入れることができるのだ。
当然、それを欲する者は多い。

(´・ω・`)「だから日本政府にも伝えずに、静かに見守っていた。このニュー速市で静かに一生を終えて欲しかったが・・・」
('A`)「なんかどっかで聞いた話だな」
(;^ω^)「・・・」

内藤は後悔していた。
毎日イタい妄想ばかりしていたことを。それが現実になるのを望んだことを。
何故なら、今聞いた話は例によって全て内藤が考えていた設定だったから。



211:1 ◆NcZOHhe0jA:2006/03/01(水) 21:00:16.38 ID:lQ5bXPf+0
(;^ω^) (実際起こってから理解しても遅いけど、僕は大変なことを望んでいたんだお。自分の格好良さが欲しくてツンの幸せを考えていなかったお・・・)
( ^ω^) (助け出して、謝らないといけないお)

('A`)「で、見守ってたって先生、あんたツンの親戚とかじゃないだろ。何でよ?」
(´・ω・`)「俺は市長直属の民警みたいなもんだ。委員長もな」
(*゚ー゚)「そう。普段はそれぞれ仕事してるけど、事件があれば大活躍」
('A`)「委員長もって・・・高校生でそんなことやってんのかよ」
(*゚ー゚)「あぁ、それなんだけどね・・・私もう21なのよ」
(;^ω^)&('A`)「ちょwwwねーよwwww」

その後も20分ほど説明は続き、いくつかのことが決定された。
警察は動かない。自分たちで助け出す。敵の居場所はわからないが、探すアテがある。

(´・ω・`)「あいつらが居場所をつきとめてるはずだ」



213:1 ◆NcZOHhe0jA:2006/03/01(水) 21:15:22.53 ID:lQ5bXPf+0
喫茶店の入り口に、いつのまにか2人客がはいってきていた。

(`・ω・´)「はい、いらっしゃい!バーボンハウスへようこそ!」
(,,゚Д゚)「ああ、俺だよシャキン」
(*゚∀゚)「やっほ。儲かってる?」
(`・ω・´)「・・・ぶち殺すぞ・・・客こない・・・」

うなだれた喫茶店のマスターは、投げやりに喫茶店の看板を閉店中にとりかえた。
カウンターでバーボンをとりだすマスターを完全にスルーして二人が近づいてくる。

(,,゚Д゚)「よう、しぃ。学生生活は楽しいか?」
(*゚ー゚)「まぁね。制服着れるし」
(*゚∀゚)「ショボン以外はじめましてー」
( ^ω^)「誰だお?」
(*゚ー゚)「紹介するわね。男のほうがギコで、もう一人は私の姉のつー。二人とも仲間よ」
(*゚∀゚)「妹がお世話様ーよろしくねー」
(,,゚Д゚)「ここ禁煙?あ、誰か火もってない?」
(*゚ー゚)「挨拶くらいしなさいギコ・・・」



225:1 ◆NcZOHhe0jA:2006/03/01(水) 22:20:32.76 ID:lQ5bXPf+0
(´・ω・`)「ギコ、教師と生徒の前で平気で煙草なんか吸うんじゃない」
(,,゚Д゚)「今時の子は煙草くらい吸ってるって」
(*゚ー゚)「・・・ギコ」
(,,゚Д゚)「はい消しますごめんなさい愛してます許して」
(*゚ー゚)「良いから黙ってなさい」

ギコはしぃに灰皿を差し出され、つけたばかりの煙草をもみ消す。
つーはその様子をにこやかに眺めている。

('A`)「・・・で、この人らが居場所を知ってるのか」
(´・ω・`)「そのはずだ。おい、ギコ」
(,,゚Д゚)「んー。一応わかったんだけどよ・・・場所が場所だからな」
( ^ω^)「どこなんですかお?」

ギコは言い難い顔をして煙草を取り出そうとして、やめた。

(,,゚Д゚)「ロシアなんだよ、これが」



227:1 ◆NcZOHhe0jA:2006/03/01(水) 22:31:47.00 ID:lQ5bXPf+0
(;^ω^)「ロシア・・・」
(*゚ー゚)「ずいぶん遠いわね」
(´・ω・`)「ロシア・・・か。移動手段は?奴らもまさか工場にあったっていうヘリでそのまま帰ったわけじゃないだろう」
(,,゚Д゚)「それがなかなかあの野郎口がかたくてな・・・」
( ^ω^)「あの野郎?」

(´・ω・`)「ん・・・ああ、ツンをさらいにきた二人組みがいたろう。そのうち一人をボコボコにして生け捕った」
(,,゚Д゚)「そいつから情報を引き出したってわけだ」

ツンをさらいにきた二人組みのうち、教室に残ったほうだろう。
すっかり忘れていたがどうやら捕まえたようだ。
しかし、彼らからはプロの匂いがした。
情報を引き出すといってもそう簡単に口を割るものだろうか。

( ^ω^)「どうやって・・・」
(,,゚Д゚)「ん?話してないのか?」
(*゚ー゚)「そういえば忘れてたわね。ギコも姉さんも来たし、ちょっと説明しましょうか」



232:1 ◆NcZOHhe0jA:2006/03/01(水) 22:55:57.71 ID:lQ5bXPf+0
(*゚ー゚)「えっと、この中でホルダーなのは私とつー姉さん、ギコ、内藤くんかしら」
('A`)「内藤もかよ・・・」

そう言ってしぃは喫茶店のナプキンを1枚とり、何か書き始めた。

(*゚ー゚)「まず、私は再生のスキルをもってるわ。内藤くんは見たわよね」

ナプキンにしぃの名前が書かれ、その横に再生と書かれる。
まぁ、見た感じなんとなくどんな能力かわかる。

(*゚ー゚)「で、つー姉さんは感覚強化」
(*'∀')「耳も目もよくなるよー。たとえば今シャキンの奴ぶち殺すぶち殺すって呟いてるねぇ」

(;^ω^) (うかつなこと喋れないお・・・)
('A`) (危ない人だな、あのマスター・・・)



236:1 ◆NcZOHhe0jA:2006/03/01(水) 23:06:57.90 ID:lQ5bXPf+0
(*゚ー゚)「それで、ギコが精神介入」
(,,゚Д゚)「聞こえは悪いが、クリーンな自白剤だと思ってくれ」
( ^ω^)「なるほど・・・それで情報を聞き出したのかお」
(,,゚Д゚)「ああ、なかなか抵抗されたけどな」
(´・ω・`)「それで、他の情報を引き出すのにあとどれくらいかかる」
(,,゚Д゚)「そうだな。そう時間はかからないと思うが」

便利で恐ろしい能力だと思う。
どうやるかはわからないが、無理矢理情報を引き出されるなら敵もたまったもんじゃないだろう。
そんなことを考えながらドクオを見ると、腕をくんで何か考えているようだ。

( ^ω^)「どうしたおドクオ?」
('A`)「いや・・・思うんだが、奴ら捕った男を助けにくるんじゃないか?」

(´・ω・`)「・・・見張りとかおいてるだろう?」
(,,゚Д゚)「いや、全然」
(´・ω・`)「ぶち殺すぞ」


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