( ^ω^)ブーンの妄想が現実になったようです


603: 1 ◆NcZOHhe0jA : 2006/03/07(火) 05:25:04.08 ID:DmaGnTMr0
あれから数週間がたった。

ショボンは驚異的な速度で回復し、3日後には元気に授業に復帰した。
ただ、ドクオがドクオスペスシャルで登校しても注意しなくなったそうだ。

ドクオは学校から帰ると毎日ドクオスペシャルを弄り回した。
ガレージからは、ドクオスペシャルにリリィのことを話すドクオの独り言が聞こえてきたらしい。

しぃは今も学校で生徒をしている。
数日欠席した後で内藤やドクオと仲が良くなっていたのを、クラスメイトは何で?という目で眺めていた。

そして、内藤は―――。



604:1 ◆NcZOHhe0jA : 2006/03/07(火) 05:26:44.21 ID:DmaGnTMr0
( ^ω^)「僕が毎日望んでいたことは・・・実はすごく・・・くだらなくて、悲しいことだったんだお」
( ^ω^)「ホルダースキル・・・そんなものがなくても、僕は変われたはずなのに」

内藤は家に帰ってから、パソコンに保存していた妄想設定集を削除した。
次の日学校の屋上で、精神を集中する。
内藤の能力、VIPは、無限の可能性の中から1つの能力を選んだ。
最後に使うスキルとして。

( ^ω^)「さよならだお、ホルダースキル。手助けしてくれたホライゾンにも、さよならだお」
ξ゚听)ξ「なーにしてんのよ、内藤」
( ^ω^)「ツン・・・僕は今から自分のホルダースキルを消去するお」
ξ゚听)ξ「・・・良いの?ほしかったんでしょ、そういう特別な力が」
( ^ω^)「・・・違うお。僕がほしかったのは大事な人を守れる強さだお。それは、スキルがなくても手にはいるお」
ξ゚听)ξ「だ、大事な人ね。それなら仕方ないなぁ・・・その、仕方ないから私も付き合ってあげるわよ!」
( ^ω^)「ツン?良いのかお?」
ξ゚听)ξ「私はこんな力に未練はないしね。こういう争いを生むものは無いほうが良いわよ」
( ^ω^)「・・・ツンのいうとおりだお。じゃ、消すお・・・あ、その前にひとつお願いがあるお」
ξ゚听)ξ「・・・?なによ?」

( ^ω^)「僕と、付き合ってほしいお」
ξ゚听)ξ「―――え?」



608 :1 ◆NcZOHhe0jA : 2006/03/07(火) 05:38:34.96 ID:DmaGnTMr0
-ロシア-

ロシアの片田舎で、長い間明かりのついていなかった家に明かりが灯っていた。


 (;´_ゝ`)「OK、母者、ときに落ち着け」
 @# _、_@
  (  ノ` )「うるさいよ!あんたら私がとっくに逃げてるのに何で気付いてないんだい!」

 (´<_` )「ほら、妹者、高い高いだ」
 从・∀・ノ!リ人「ちっさい兄者、もっと高くなのじゃー」

  彡⌒ミ.       
  ( ´_ゝ`)「これで家族全員元通りだなぁ」
 ∬;´_ゝ`)「ときに父者、なぜ生きてるんだ。思いっきり心臓撃たれたじゃないか」

  彡⌒ミ.       
  ( ´_ゝ`)「なにを言う。父さんのスキルは不死身だからな。あんなんじゃ死なないよ。あれくらいで死んでたら母者と結婚してないね」



611 :1 ◆NcZOHhe0jA : 2006/03/07(火) 05:50:01.87 ID:DmaGnTMr0
-アスキーアート-

街の外れにある寂れた墓地で、初老の男が座り込んでいた。
建てられたばかりらしい新品の墓石に優しく語りかけている。

( ,' 3 )「ジョルジュ・・・いくら謝っても足りないだろうな。私は悪い父親だ・・・」
( ,' 3 )「思えば自分の研究ばかりで、幼いお前と遊んでやったことはなかったな・・・」
( ,' 3 )「友達もいなかっただろう?ずっと研究所だったもんな。娯楽など何も知らなかっただろう?ずっと一人だったもんな・・・」
( ,' 3 )「けど私はお前といつかこうしてウォッカを飲みたいと思っていたんだよ。やっと願いがかなったなぁ」
( ,' 3 )「あの日生き延びた私はお前の邪魔をしてしまったよ。母者の知り合いだとあの兄弟に近づいて、色々と裏からな・・・」
( ,' 3 )「お前は許されてはいけない大きな罪を犯したが、私だけは許してあげるよ」
( ,' 3 )「そこは一人で寂しいだろう?私ももうすぐ行くからな」

( ,' 3 )「そうしたら、私と遊んでくれるかい?」


町外れの寂れた墓地に、乾いた銃声が響き渡った。



616 :1 ◆NcZOHhe0jA : 2006/03/07(火) 06:03:17.73 ID:DmaGnTMr0
内藤がツンと付き合うようになってから、内藤は代わった。

( ^ω^)「鈴木くん、僕お洒落してみようと思うお。服を選んでくれないかお?」
DQN「お?マジで?wwwよっしゃ、いいぜ、かっこよくコーヒネートしてやるよwwww」
( ^ω^)「佐藤君、僕コンタクトとメガネどっちがいいかお?」
DQN「メガネじゃねぇかなぁ・・・けどそのメガネはださいなww明日お洒落メガネ見に連れてってやるよwww」
( ^ω^)「斉藤くん、女の子ってどんなことしたら喜んでくれるお?」
DQN「あ?ツンか?wwwとりあえずデートにでも誘って見れwwwその前にその鬱陶しい髪きりにいくか、いい美容院教えてやるよwww」



617 :1 ◆NcZOHhe0jA : 2006/03/07(火) 06:04:32.23 ID:DmaGnTMr0
ξ゚听)ξ「それにしても内藤あんた、ずいぶん変わったわねぇ。前髪で顔かくれてないあんた見たの数年ぶりよ」
( ^ω^)「そうかお?似合ってるかお?」
ξ゚听)ξ「な、なによ!似合ってるなんて言ってないじゃない!ま、まぁちょっとはマシになったけどね!」

内藤とツンは二人並んで学校からの帰り道を歩いていた。
その手はしっかりと、ツンのほうから繋がれている。もう少しで卒業、この道を二人で帰るのもあと少ししかない。
けど、もう大丈夫だろう。
二人はいつまでも一緒に歩いていけるはずだ。

( ^ω^)「やっぱり、普通が一番だお。妄想してばっかりの生活じゃ見えなかったものが今なら見えるお・・・」

内藤は空を仰いだ。たった数日の間の出来事だったが、色々な人の顔が思い浮かぶ。
最後に浮かんだ自分と同じ顔のホライゾンは、爽やかに笑っていた。
きっと、今の自分も同じ表情をしているだろう。


( ^ω^)「みんな、ありがとうだお。僕はみんなのこと忘れないお。今まで付き合ってくれてありがとうだお!」


バイバイ!みんな!!



643 :1 ◆NcZOHhe0jA : 2006/03/07(火) 07:03:03.60 ID:DmaGnTMr0
喫茶店バーボンハウス。
今日はしぃの誕生日だった。
高校に通ってはいるが、これでめでたく22歳になったわけだ。
バーボンハウスでは、ギコとシャキン、ショボン、それと新たな同居人であるリーゼとレーゼがテーブルに座っている。

(*゚ー゚)「えーと、今日ではれて22になりました。これからもよろしく」
(,,゚Д゚)「22の高校生か・・・ぷっ」
(*゚ー゚)「・・・レーゼ、剣!」
爪゚ー゚) 「心得た」
(,,゚Д゚)「ちょ、ちょっと待て、話し合おう!」
爪゚ー゚)「骨の一本くらいは諦めよ、ギコ殿」

しぃとギコは相変わらず仲良く過ごしていた。
リーゼとレーゼは国に帰らず日本までくっついてきて、あろうことかそのまま住み着いた。
曰く、剣を捧げた主人に生涯尽くす、だそうだ。
今ではもう騎士ではなく、メイドのようになっていた。

レーゼは今、シャキン宅であるバーボンハウスの一室を借りて住んでいた。
ちなみに、ウェイトレスに美人のメイドがいるという噂がたち、バーボンハウスは黒字が続いたそうだ。



645 :1 ◆NcZOHhe0jA : 2006/03/07(火) 07:05:50.39 ID:DmaGnTMr0
爪゚∀゚)「つー殿、今日はどちらに?」
(*゚∀゚)「え、いや・・・ちょっと買い物に・・・」
爪゚∀゚)「それは危ない。私もお供しましょう。さぁさぁ、参りましょうぞ」
(*゚∀゚)「いや、危なくないから。家で待っててよー・・・」

リーゼはつーの家に半ば無理矢理住み着いていた。
しぃとは別々にアパートを借りているため、いつも二人きりだ。
リーゼは意外に料理も掃除も甲斐甲斐しくしてくれるため助かっているが、こういう過剰な護衛心は困る。
どうやってリーゼを説得しようかと考えたとき、つーの携帯に着信があった。

(*゚∀゚)「・・・あ!リーゼの後ろにすっごい埃のかたまりが!」
爪゚∀゚)「なんと!?ええぃ敵は何処!?」
(*゚∀゚)「ごめんねリーゼ、ドクオ君が待ってるみたいだから行ってくる!戸締りよろしくねー!」
爪゚∀゚)「はっ!?・・・また騙されたか・・・」

つーは携帯を耳にあてて走る。
着信名には、ドクオ君(ハート)とあった。



646 :1 ◆NcZOHhe0jA : 2006/03/07(火) 07:06:30.86 ID:DmaGnTMr0
(´・ω・`)「・・・平和だな」
(`・ω・´)「おい、土産はどうした、土産は」
(´・ω・`)「ん?あー・・・わすれてた、すまんな」
(`・ω・´)「ぶち殺すぞ」
(´・ω・`)「なんだと?ぶち殺すぞ」

ぶち殺す、と言い合いながら、ショボンとシャキンは笑っていた。
思えば、ショボンはまだ小さい頃、研究所の連中に拉致されるまでは引っ込み思案で大人しい子供だった。
それが数年後に日本に流れ着いたのを偶然見つけたとき、絶望しきった死人のような目をしていたのには面食らったものだ。
肉親がシャキンしか残っていなかったため、シャキンは学校を中退し死に物狂いで働いた。

今では少々口が悪くなったが、兄である自分よりも強く立派に育ってくれた。
兄であり親であったシャキンは、本当に嬉しそうだった。

(´・ω・`)「まぁ兄さんには色々感謝しているからな、これをやろう」
(`・ω・´)「・・・なんだこれは」
(´・ω・`)「ロシアの土」
(`・ω・´)「ぶち殺すぞ」



742:1 ◆NcZOHhe0jA : 2006/03/07(火) 16:41:37.16 ID:DmaGnTMr0
>>740
(*゚∀゚)「この先に美味しいオムライス屋さんがあるんだよねー」
('A`)「へぇ・・・オムライスか」
(*゚∀゚)「そういえば・・・なんでドクオ君今日はサングラスしてないの?」
('A`)「へ?いや、なんとなく・・・かな」

本当は、サングラス越しではなく直でつーを見たいからだったりする。一連の騒動のあと、ドクオは良くつーに連れ出されるようになった。
最初こそ恥ずかしがっていたが最近では慣れてきたようで、軽いボディタッチ程度ではキョドらくなっている。
軽いボディタッチでは。

(*゚∀゚)「ふーん・・・ふむふむ?ほほー?」
('A`)「な、なんだよ・・・」
(*゚∀゚)「そうやって普通の表情でさ、サングラスしてないと意外とかわいい顔してるなぁと思って」
('A`)「・・・いや、俺もう子供じゃないしかわいいってのはちょっと・・・」

二人は踏み切りで止まる。10両編成の電車が音をたて目前を通り過ぎていく。電車の巻き起こした風がドクオの髪をなびかせた。
つーがドクオの腕を取りくっついてきて、顔を覗き込む。

(*゚∀゚)「ほれそれ、お姉さんにもっと良く見せてみなさいw」
('A`)「ちょ・・・!あああ、あの、つーさん、その・・・腕にむ、胸が挟まtyてffg柔らrgふじこwれd」

電車が通り抜け、踏み切りの遮断機があがっていく。
周りに人影はなかったが、踏み切りの向こうには数人の人影があった。その人影がドクオ達を見て固まる。

('A`)「・・・げぇ!?お、お前ら!!」
DQN達「ちょwwwドクオwwwそれ誰?wwwww」

後日、VIP高校に新しい保険医が着任した。ドクオはそれから保健室に入り浸るようになったとか何とか。



852:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/03/07(火) 23:14:23.61 ID:Iddeh/l60
>>772

1年後。
高校を卒業したドクオは1年かけて、ドクオスペシャルを大改造した。
今ドクオは高速道路のインターチェンジにいる。目指すは、ロシア。

('A`)「・・・つーさんに黙ってきたからなぁ・・・怒るかなやっぱ」

ロシアに行くことは誰にも言っていない。
みんな今は平和に忙しく過ごしているのだ、いまさらあの場所に連れていくのも気が引けた。
インターチェンジで一服してから、ドクオは駐車場へ戻る。

(*゚∀゚)「あ、遅かったねドクオ君」
('A`)「つーさん!?なんで・・・」
(*゚∀゚)「ふふふん。お姉さんにはお見通しだもんねー」
('A`)「・・・叶わねぇな・・・」
(*゚∀゚)「じゃ行こっか。ほらはやくはやく」

つーはさっさとドクオスペシャル改の後部座席に座り、イスをポンポンと叩いている。
苦笑しながらドクオも運転席にまたがった。

('A`)「待ってろリリィ。お前を迎えに飛んでってやるからな」

ドクオスペシャル改は高速道路の直線で十分に加速し、翼を広げ飛び立った。
後日、ニュースで空飛ぶバイクのニュースを見た内藤たち関係者全員はみんな例外なく茶の間で吹き出したらしい。



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