( ^ω^)ブーンがちょっと昔話をしているようです


  
357 :蕎麦屋 ◆SOBAYAmrcU :2006/04/21(金) 00:29:29.94 ID:zQD1tzgX0
  
-居酒屋-

('A`)「なんかお前そろそろ発狂しそうだな」
(;^ω^)「誰がするかお」
(´・ω・` )「けど結局泊めたんじゃないの。それからどうなったのさ」
( ^ω^)「んー・・・?」
('A`)「やっちゃったのか?」
( ^ω^)「ん〜?」
(´・ω・` )「・・・ぶち殺すぞ?」

(;^ω^)「・・・結局ツンは僕の家に来て、元気を取り戻したお。ぶっちゃけ・・・僕も楽しかったお」



  
362 :蕎麦屋 ◆SOBAYAmrcU :2006/04/21(金) 00:41:56.02 ID:zQD1tzgX0
  
もう深夜の内藤宅に、包丁の音が響いていた。
普段ならありえない。
宿泊代代わりに、同級生の女の子がご飯を作っているなんて。

( ^ω^) (・・・く、悔しいけど・・・嬉しいのは否定できないお・・・!僕はどうすりゃ良いんだお?)

内藤はすっかり綺麗に掃除された室内で、喜怒哀楽の百面相をしていた。
喜ぶ自分に怒りを覚え、ミルナ君の存在を思い出し哀しくなり、やがて思考を放棄し楽になって、包丁の音で喜んで。
それをずっと繰り返していた。

ξ゚听)ξ「内藤、ご飯よー・・・って何してんのあんた」
(;^ω^)「・・・が、顔面運動・・・」
ξ゚听)ξ「・・・?とりあえずはい、箸」
(;^ω^)「あぁ・・・どうもだお・・・」

何をしているんだろう、自分は。
ツンにはミルナ君がいて、ツンはミルナ君が好きで。
自分はツンのことが好きだったけど、それは思い込んでるだけだって周りは言って。
けどツンと居たら楽しいのは事実で、なぜかツンは今自分の家に居て。

( ^ω^) (・・・本気でわかんないお・・・何をどうすれば・・・)

本当は何も考えなくて良いのに。
好きだから、好き。それだけで良いのに。



  
363 :蕎麦屋 ◆SOBAYAmrcU :2006/04/21(金) 00:56:21.11 ID:zQD1tzgX0
  
誰が何と言おうと、好きなものは好きだからしょうがない。
そりゃあ、後で嫌われたり、本当になんとも思われてなかったりするかも知れない。
そうなったらさぞかし泣きたくなるだろう。

ξ゚听)ξ「ところで内藤。冷蔵庫にはいってた卵使ったけどさ、賞味期限きれてたよ、あれ」
( ^ω^)「・・っ!?ちょ、腹痛くなったりしたらどうすんだお!?」
ξ゚听)ξ「大丈夫じゃない?あんた昔賞味期限切れの牛乳飲んで平気だったじゃない」
(;^ω^)「それ中学校の頃の話だお・・・もうそんなに若くないお」
ξ゚听)ξ「あ、そうそう。中学校って言えばさ、2年生の運動会覚えてる?3階からドクオ君が落ちた事件」
( ^ω^)「あぁ、三階のベランダで応援の練習してたって奴かお。ドクオ頭悪いから・・・w」
ξ゚听)ξ「ほんとよねー。なんでベランダの、しかも手すりの上にのって練習してたんだろ?」
( ^ω^)「はは、馬鹿は高いところが好きらしいおw」

(;^ω^) (・・・って、いかんいかん!何自然に談笑してるお!僕はさっさと諦めるべき・・・)

諦めれば、このまま時が解決してくれるだろう。
この葛藤も、いつか青臭かったと笑い飛ばせる大人になれるだろう。
それでも、悔いは残るのではないか。

それなら、この楽しい時間が手に入る可能性が少しでもあるのなら。
どうせこのまま心に悔いを残して、それを見てみぬフリをして生きていくのなら。
惨めったらしく足掻いてから、泣きじゃくれば良いではないか。

きっとその方が格好いいから。



  
370 :蕎麦屋 ◆SOBAYAmrcU :2006/04/21(金) 01:14:20.58 ID:zQD1tzgX0
  
( ^ω^) (ふ・・・カッコイイ、かお。笑っちまうお。結局人間、自分のことだけで手一杯ってことかお・・・)

ξ゚听)ξ「・・・?どうかした?その、ちょっと辛かったとか・・・?」
( ^ω^)「いや・・・美味しいお。暖かい味だお?」
ξ゚听)ξ「そ、そう?別に褒めても何にもでないわよ?」
( ^ω^)「・・・ツン。幸せについて本気だして考えたことあるかお?」
ξ゚听)ξ「え?・・・何よ急に」
( ^ω^)「僕はあるお。そりゃもう、自信をもっていえるお・・・ツンはどうだお?」
ξ゚听)ξ「そんな難しいこと言われても・・・けど、そうね。自分の幸せ考えられない人は、相手を幸せにすることは出来ないとは思うかな」
( ^ω^)「ほう。立派なこと言うお。なるほど・・・自分の幸せを第一に、かお」
ξ゚听)ξ「ていうか、まぁ。そういうことになるのかな」
( ^ω^)「それなら、僕も幸せ第一、自分第一で生きるお」
ξ゚听)ξ「・・・」

( ^ω^)「僕の幸せはツンの幸せ・・・ツンの側にいてずっとツンに笑顔を見ていたいお」



  
374 :蕎麦屋 ◆SOBAYAmrcU :2006/04/21(金) 01:22:17.30 ID:zQD1tzgX0
  
ξ゚听)ξ「・・・」
( ^ω^)「・・・」

とんだ不意打ちだったのか、ツンはまさに鳩が豆鉄砲食らったような表情をしていた。
対する内藤は、穏やかだが確かな覚悟が感じられる表情を浮かべている。
悩みを突き抜けた、男の表情だった。

ξ゚听)ξ「あー・・・あはははwやーね、内藤、からかわないでよw私はm」
( ^ω^)「ツン。もうはぐらかさせないお。僕はツンが好きだお。だからこそ、一緒にいたいお。ずっと、ずっと・・・僕自身の幸せのために」
ξ゚听)ξ「・・・・・・」

内藤はまっすぐ、揺るがない瞳で。
ツンの揺らぐ瞳を見据えていた。
内藤の視線も言葉も力強かった。ツンの顔を背けさせないほどに。

ξ゚听)ξ「わ、私は・・・彼氏いるし・・・ほら、だってさ、私だよ?きっと内藤にはもっと良い人がさ」
( ^ω^)「僕はツンが良いんだお。ツンが何と言おうとそれは変わらないお・・・そのためなら、全力でツンを奪うお!何日でもツンを説得するお!うざがられたって、嫌われたって、自分の納得いくまで!」



  
386 :蕎麦屋 ◆SOBAYAmrcU :2006/04/21(金) 01:38:52.75 ID:zQD1tzgX0
  
内藤はずっと、ツンの揺らぐ瞳を見つめていた。
まるで世界が止まったように、二人は微動だにしなかった。
動いているのは揺らぐツンの瞳だけ。
時計の音が聞こえるが、内藤にとってこの空間の時間は確かに止まっていた。
やがて時は動き出す。

ξ゚听)ξ「・・・私、泣いちゃうよ・・・?」
( ^ω^)「なんでだお?嫌だったかお・・・?」
ξ゚听)ξ「違うわよ・・・違う・・・」
( ^ω^)「僕は、出来れば嬉しいって言って欲しいお。気持ち悪いかもしれないけど、本当に・・・」
ξ゚听)ξ「ううん、気持ち悪くない・・・違うよ・・・!」

止まっていたときが動き出し、ツンの瞳から揺らぎが消えた。
揺らいでいた涙は一筋の道を作り、落ちる雫が増えていく。
内藤が手を動かそうとしたとき、ツンは涙もぬぐわずにテーブルに身を乗り出して。

ξ゚听)ξ「嬉しいのよ!嬉しいけどさぁ!・・・だったら・・・!だったら、なんであの時・・・!『嫁になるってギャグかましてないで』なんて言ったのよぉっ!!」



  
396 :蕎麦屋 ◆SOBAYAmrcU :2006/04/21(金) 02:09:40.21 ID:zQD1tzgX0
  
あの時というのは、高校最後の夏。
内藤の心の中でまだ輝く、あの篝火のような時間。
ツンも、同じことを思ってくれていたのだろうか。
大切な時間だったって。

ξ゚听)ξ「楽しかったのに・・・ずっと、あのまま過ごしていけると思ってたんだよ?それなのに・・・」
( ^ω^)「あ・・・ツ、ン・・・」
ξ゚听)ξ「私がかっこいい男子がいるなんて言ったのが悪いの・・?私は、内藤はそんなこと気にしないって思ってた。だってさ、内藤と一緒にいるときは本当に、何も飾らずにいられたんだよ・・・」
( ^ω^)「ツン・・・!僕は・・・自信がなか・・・」
ξ゚听)ξ「嫌だ・・・聞きたくないよ!内藤は私がはじめて、何も考えずに笑ってられる人だったのに・・・内藤は私のこと女として見てないんだとか、悩んで・・・普通の友達として接しようと思って頑張って・・・」
(;^ω^)「・・・・・・!」
ξ゚听)ξ「なんで・・・今になって、そんなこと言ってくれるのよ・・・!」

そういえば、ツンと出会ってから何年になるか。
10年くらいだろうか。そんなに長い間付き合いがあって、多分、最初の頃から好きだったのに。

( ^ω^)「・・・ツン・・・僕は、謝らないお。けど・・・」

ツンと出会ってから10年も経った今。内藤ははじめてツンを抱きしめた。
目を閉じて、腕に万感の思いを込めて。

( -ω-)「けど・・・その償いをすること、許してほしいお。今からでもツンの側に居ても良いって、許してお・・・」



  
397 :蕎麦屋 ◆SOBAYAmrcU :2006/04/21(金) 02:09:56.10 ID:zQD1tzgX0
  
-居酒屋-

('A`)「くせぇーっ!安いメロドラマ以下の匂いがプンプンするぜーっ!!」
(´・ω・`)「・・・悪いけど客観的に・・・ねぇ?」
(;^ω^)「なんとでも言うが良いお。ぶっちゃけ反論できねぇお」
('A`)「お前にキモイって言われたのが良く出来たギャグに思えてきたぜ」
(´・ω・`)「・・・なら内藤は、ツンとくっついたの?けど・・・」
('A`)「それでふられたら大爆笑なんだがなぁ・・・」

( ^ω^)「まったく・・・散々な言われようだお。続き話すのが怖くなったじゃないかお」



  
412 :蕎麦屋 ◆SOBAYAmrcU :2006/04/21(金) 03:08:46.95 ID:zQD1tzgX0
  
ξ゚听)ξ「なによぉ・・・許してくれって・・・私が悪いみたいじゃない・・・」
( ^ω^)「悪いのは僕だお。ツンは何も悪くないお・・・ほら、泣き止んでくれお」
ξ゚听)ξ「べ、べつに、泣いてないんだかぁ・・・っく・・・うぅ・・・〜〜っ!」

何だろう、この状況は。
頭は混乱していたが、とりあえず内藤はツンの肩を優しく叩いた。
幼子をあやすように。いつものツンなら内藤を突き飛ばして離れていくだろうに、今日だけはされるがまま。
ツンも混乱していると思えるのが、たまらなく嬉しかった。

( ^ω^)「ん・・・落ち着いたかお?ツン」
ξ゚听)ξ「・・・グスッ・・・」
( ^ω^)「ツン?」
ξ゚听)ξ「・・・お風呂はいる・・・」
( ^ω^)「・・・え゛?あ、ちょ・・・え?」

ツンは内藤の腕から抜け出し、まるで自分の家のように風呂場に向かう。
内藤の家、といっても、当然一戸建てではない。普通のワンルームマンションだ。
つまり、脱衣所などもない訳で。

(;^ω^)「いっ!?ちょ、ちょっとベランダに居るお!タオルは勝手に使ってくれお!」



  
425 :蕎麦屋 ◆SOBAYAmrcU :2006/04/21(金) 03:27:08.69 ID:zQD1tzgX0
  
( ^ω^)「・・・あぁ、食器片付けといたほうが良いかお」

シャワーの音が気になる。
大丈夫だろうか。一人暮らしの男が普段それほど風呂場を綺麗にしているはずがない。
ぶっちゃけると、その。陰毛とか排水溝のあたりに絡まっているのでは。

(;^ω^)「・・・ツンー、食器洗うから水出すおー」
「・・・うん。どうぞ」
( ^ω^)「そのー・・・洗顔とか男物だけど大丈夫かお?」
「・・・うん」
( ^ω^)「・・・お湯ちょっと熱めにしてるけど、大丈夫かお?」
「・・・大丈夫」
(;^ω^)「そ、そっかお。じゃゆっくりしてくれお」

食器を洗い終わり棚に置く。
振り返るときに洗濯籠にはいったツンの衣類がどうしても目にはいる。
あろうことか、一番上に下着がある。
下着は最後に脱ぐだろうから当然といえば当然だが、こういう時普通は隠すものではないだろうか。

(;^ω^) (もし僕がフガフガ匂い嗅いだらどうする気なんだお、まったく・・・)

「・・・ねぇ内藤・・・」
( ^ω^)「ん?なんだお?」
「一緒にはいる?」

( ^ω^)「・・・はい?」



  
539 :蕎麦屋 ◆SOBAYAmrcU :2006/04/21(金) 23:07:15.48 ID:zQD1tzgX0
  
(;^ω^)「・・・それは僕にツンと同じ湯船につかることを許してくれる上、せまいユニットバスの中でくんずほぐれつになっても怒らずしっとり包囲陣形ってことかお?」
「それに加えて私が背中流す権利もつけるわよ」
( ^ω^)「・・・っく!なんという誘惑だお!!」
「・・・まぁ、別に嫌なら良いんだけどね」
( ^ω^)「いやいや、嫌なはずがないお!」

だがしかし、ツンは女である。
女という生き物は時に男を試すようなことをするものだ。
例えば、二人っきりのカラオケでおもむろに服を脱いだりとか。
もしかしたらツンも自分を試しているのではないか。

ほんの数秒で内藤の脳裏に二通りの未来がよぎった。
喜び勇んでドアを開け、蹴りだされる未来。
そして、ツンが潮らしく迎えてくれる未来。

( ^ω^) (どうするお・・・!?)



  
540 :蕎麦屋 ◆SOBAYAmrcU :2006/04/21(金) 23:08:55.77 ID:zQD1tzgX0
  

ー-ニ _  _ヾV, --、丶、 し-、
ニ-‐'' // ヾソ 、 !ヽ  `ヽ ヽ
_/,.イ / /ミ;j〃゙〉 }U } ハ ヽ、}
..ノ /ハ  〔   ∠ノ乂 {ヽ ヾ丶ヽ    ヽ
 ノノ .>、_\ { j∠=, }、 l \ヽヽ ',  _ノ 
ー-=ニ二ニ=一`'´__,.イ<::ヽリ j `、 ) \         君達の意見を聞こう!!
{¨丶、___,. イ |{.  |::::ヽ( { 〈 (    〉     1.はいる
'|  |       小, |:::::::|:::l\i ', l   く    2.はいらない 
_|  |    `ヾ:フ |::::::::|:::|  } } |   )  
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トl、 l   {⌒ヽr{ |:::::::::|,///        \/⌒\/⌒丶/´ ̄`
::\丶、   ヾ二ソ |:::::::/∠-''´
/\\.丶、 `''''''′!:::::::レ〈
   〉:: ̄::`'ァ--‐''゙:::::::/::::ヽ
\;/:::::::::::::/::/:::::::::::://:::::〉
::`ヽ:::ー-〇'´::::::::::::::::/-ニ::::(
           /    \
  
543 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/21(金) 23:09:47.70 ID:+UYxgdY40
  

  
544 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/21(金) 23:09:54.40 ID:5U5lK/YR0
  
>>540
入れ
  
545 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/21(金) 23:10:41.35 ID:bsaP37tG0
  
入る以外に何がある
  
546 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/21(金) 23:10:42.97 ID:81R+pt4IO
  
入る



  
555 :蕎麦屋 ◆SOBAYAmrcU :2006/04/21(金) 23:16:52.08 ID:zQD1tzgX0
  
「・・・内藤?」

あまり長い間悩むのも良くない。
そもそも、悩む必要があるのだろうか。

( ^ω^)「・・・ツンが良ければ、入らせてもらおうかなー・・・」
「・・・うん、その・・・良いわよ、別に」

ここで入らなければ男じゃない。
服を脱いでいつも入っている風呂場のドアを開けるだけじゃないか。
ツンは自分を試しているのかもしれないが、入るほうが正解の可能性だってある。
内藤は深呼吸すると、風呂場のドアに手をかけた。

( ^ω^)「失礼、しますお・・・」



  
564 :蕎麦屋 ◆SOBAYAmrcU :2006/04/21(金) 23:26:17.26 ID:zQD1tzgX0
  
( ^ω^) (あ、そういえば換気扇つけてなかったお)

まず目に入ってきた湯気のせいで、そんな間抜けなことを考える。
曇った鏡に暖かい空気。シャワーの音は止んでいた。
毎日見ている場所なのに、まるではじめてみるような気がする。

ξ///)ξ「・・・」

それもあながち間違いではないか。
いつもなら、湯気のなか内藤に背を向けているツンの姿がないのだから。

( ^ω^)「えっと・・・シャワー出して良いかお?」
ξ///)ξ「・・・勝手にすれば?な、内藤の家じゃない・・・」
(;^ω^)「う・・・ち、違いないお・・・じゃあ遠慮なく」

頭を洗って、体を洗って。
その後は、気合を入れなければならない。やっと何かが変わりそうだから。
内藤は体を洗いながら、精一杯高鳴る胸を落ち着かせていた。

ξ///)ξ「・・・背中、流さないといけないよね。さっき言っちゃったし・・・」

がんばれ男の子。



  
571 :蕎麦屋 ◆SOBAYAmrcU :2006/04/21(金) 23:38:27.14 ID:zQD1tzgX0
  
(;^ω^)「はっ!?・・・おお、お願いしますお・・・!?」
ξ///)ξ「お、お願いされます・・・」

ところで、ユニットバスといえばどんな物を想像するだろう。
トイレと湯船が一緒になったものを想像する人が大多数ではないだろうか。
だが、内藤宅は少し違う。
内藤は本来なら家賃が8万ほどかかるはずの贅沢な家を、社宅として格安提供されている。

つまり、ユニットバスとはいえトイレとは別々。
しかも普通の家の風呂場のように広い。
となれば当然、湯船につかっていたツンは一歩二歩歩かなければならない訳で。
熱めに設定させたお湯につかっていたツンは、当然のぼせているはずで。

ξ゚听)ξ「・・・あっ・・・?」
( ^ω^)「・・・ん?」

のぼせていたら、足取りがおぼつかなくて。軽く倒れてしまっても不思議ではないだろう。
問題なのは倒れた先に、背をむけた内藤がいたことだけ。

(;^ω^)「っっっ!!??」
ξ///)ξ「〜〜〜〜!!!!」

そして、内藤の背中に思いっきり抱きついてしまっただけだ。
背中にマシュマロを押し付けられたと思えば何でもないじゃないか。



  
580 :蕎麦屋 ◆SOBAYAmrcU :2006/04/21(金) 23:56:52.28 ID:zQD1tzgX0
  
(;^ω^)「あ、あ、あのー・・その。ツン、そんな大胆に背中流さなくても・・・!」
ξ///)ξ「あぅ・・・や、違、ながす・・・あの・・・そ、そう!せんたくいた!?」
(;^ω^)「ちょ、そんな自虐的なネタかましてる場合かお!しかもちゃんとおっぱ・・・」
ξ///)ξ「やー!言うなぁ!!」

シャワーの音とわずかな泡、たちこめる湯気と床を流れるお湯。
そして、互いに背を向けて離れた男女。
正座して俯いているツンと、風呂場用の椅子に座り眉間を揉んでいる内藤。
実に初々しい。

どれくらいそのままで居ただろう。
ようやく落ち着いた内藤は、思い切って提案してみた。

( ^ω^)「ツン・・・せーので振り向くとかどうだお?」
ξ゚听)ξ「・・・い・・・い、良いわよ・・・せーの、ね・・・うん、ら、楽勝?」
( ^ω^)「そ、そうかお・・・じゃ、せーの・・・」
ξ゚听)ξ「はっ!!」
( ^ω^)「せいっ!!」

状況に似合わない裂帛の気合とともに、内藤とツンは振り返った。
内藤の目の前には正座して斜め下を向いているツンが。
ツンの前には、体を洗うタオルで下半身を隠した内藤が。

(*^ω^)「・・・あ、う・・・」
ξ///)ξ「・・・ しんじゃいそう・・・」



  
627 :蕎麦屋 ◆SOBAYAmrcU :2006/04/22(土) 01:00:12.04 ID:pBmdSOKg0
  
濡れてストレートになった巻き髪。
それから伝う雫が白い肌をより扇情的に見せる。
膝の上に置いた強く握られた手。細腕で隠れたわずかなふくらみ。
そのすべてが内藤の理性を破壊しようと牙を向く。

(*^ω^) (・・・辛抱たまらんお・・・!けど、ここは辛抱だお・・・!)

( ^ω^)「・・・ツン」
ξ///)ξ「はいっ!」
(;^ω^)「い、良いお返事だお・・・その、背中お願いするお」
ξ゚听)ξ「ま、任せなさい・・・私はかつて背中流しのプロって言われてたんだから・・・!」
(;^ω^)「いったい誰にだお・・・」
ξ゚听)ξ「・・・お父さん・・・」

一度向き合ったせいか、少しは緊張もほぐれたような気がする。
再び背を向けた内藤の背をツンが控えめに洗っていく。
内藤は背中に感じる戸惑いがちな力加減に、改めてツンと一緒に風呂場にいるというこの状況をかみ締めた。

ξ゚听)ξ「・・・力加減はこのくらいでよろしいですかー」
( ^ω^)「あぁん!もっとめちゃくちゃにしてぇ!!」
ξ゚听)ξ「・・・・・・」
(;^ω^)「ちょっ!痛い痛い!ごめん悪ノリだったお!ギブミーチョコレート!」
ξ゚听)ξ「ふふっ・・・ギブアップ?」
(;^ω^)「参りました」

ξ゚听)ξ「けど・・・内藤の背中おっきくなったね。私達、大人になっちゃったんだよね・・・」



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