( ^ω^)ブーンが死んでしまったようです。

7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2005/12/05(月) 03:20:48 ID:aYQKD/DF0
( ^ω^) 「あれ・・・・・・・・・僕はどうしたんだお・・・・・・・・・?」

瞼を開ける。光がまぶしい。街灯が顔の正面に見える
あたりを見回すと、そこは住み慣れた町の光景が広がっていた
時刻はよくわからないが、深夜であることは間違いない

( ^ω^) 「たしか・・・・・・・買い物に出て・・・・・・・それから・・・・・・」

それから・・・・・・・思い出せない
何か、何かあった気がする。とても重大な何かが・・・・・・

( ^ω^) 「なんだっけ・・・・・・・・・・・・・」

周りに、人気は無い
ここにいても仕方が無い。どこかへ行こう・・・・・・・・・



12: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/05(月) 03:27:30 ID:aYQKD/DF0
とぼとぼと、不確かな足取りで歩く
季節はもう真冬だと言うのに、不思議と寒くはなかった

( ^ω^) 「買い物・・・・・・何を買おうとしてたんだお・・・・・・・?」

ポケットから財布を取り出す
二千円札と、小銭がいくらか入っていた

( ^ω^) 「あんまり大した物を買おうとしてなかったみたいだお・・・・・」

それに、こんな夜中だ
きっと、コンビニに行こうとしていたに違いない

( ^ω^) 「コンビニに行けば、きっと思い出すお!!」

目的が決まれば、急に足が軽くなる


しかし、ブーンは気がつかなかった

自分の足が、降り積もる雪に跡を残していないことに・・・・・・・

( ^ω^) 「とりあえず、おでんでも買うお!」



17: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/05(月) 03:35:14 ID:aYQKD/DF0
人気の無い通りは酷く寂しい
ビルとビルの間から民家がのぞく
気の早い住人なのだろう、すでにクリスマスのイルミネーションがきらめいている

( ^ω^) 「もうそんな時期かお・・・・・」

一年前なら、きっとうんざりとそれを見ていただろう
だが、今年は違った

( ^ω^) 「今年はツンも一緒だお!」

恋人・・・・・・というわけではない。だが、そうなりたい、なれたら、とは思う
今年は彼女の家のクリスマスパーティーに呼ばれている
自分なんかが参加していいものか、と渋ったのだが
結局、強引に、まるでツンにしかられるままに、頷いてしまった
でも

( ^ω^) 「たのしみだお〜♪」

そう、いやではなかった。むしろ嬉しかった



20: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/05(月) 03:40:23 ID:aYQKD/DF0
目的のコンビニは遠い
近くのファミマで済ませてもいいのだが、今はローソンに行きたい気分だ

( ^ω^) 「ツタヤのポイントも溜まるし・・・・・・」

自分が何かを忘れている、それを忘れたかのように意気揚揚とスキップ

すると、道の端に誰かが座り込んでいるのが目に入った

( ^ω^) 「どうしましたお? 飲みすぎたのかお?」

年末のこの時期だ。何かの忘年会帰りだろうとあたりをつけ
そう声をかける
しかし、声をかけられた青年は、酔ってなどいなかった
声をかけられたことに、酷く驚き、狼狽した

(´<_`  ) 「お・・・・・おまえ・・・・・・・俺が見えるのか・・・・・・・?」



26: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/05(月) 03:49:02 ID:aYQKD/DF0
( ^ω^) 「見えるってwwww見えないほうがどうかしてるお?」
(´<_` ) 「そうか・・・・・・おまえにはそんなにはっきり見えるのか・・・・・・・」

呟く声は、沈んでいた
しかし、肩を落としたのも一瞬で、男は急に笑顔になった

(´<_` ) 「まあ、お前は見えるって言うんだからな、嬉しいことだ」
( ^ω^) 「どういうことだお?」
(´<_` ) 「・・・・・・・・俺を、変な奴だと思わないか・・・・・?」

突然の質問に、ブーンは首をかしげる

( ^ω^) 「その質問が、すでに変だお?」
(´<_` ) 「ああ・・・・確かにな・・・・・・・」
( ^ω^) 「とりあえず、言ってみるお! 聞くだけきくお」

ありがとう、と礼と共に男は言った

(´<_` ) 「俺は弟者。・・・・・・・一週間前、ここで死んだ」



29: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/05(月) 03:53:57 ID:aYQKD/DF0
弟者の言葉は、にわかには信じられないものだった
ブーンにしてみれば、はっきりと見えているし、足もある
加えて言えば人魂なんて物もまったく見えない

(;^ω^) 「ちょ・・・・・・・冗談にしてもたちがわるいお・・・・・」
(´<_` ) 「自分でも・・・・・そう思う・・・・・・・でもな、本当なんだ」

浮かぶ表情は、皮肉な笑い
道路の路肩に腰を下ろし、弟者は話を続けた

(´<_` ) 「自分でも、信じたくはなかった・・・・・さ」
( ^ω^) 「なんで、そう思うお? 僕にはそうは見えないお?」
(´<_` ) 「ありがとう、俺もそう思う」
      「でもな、俺は、見ちまったんだ・・・・・・・・・・」

何を、とブーンが尋ねる前に

(´<_` ) 「俺の死体と・・・・・・・・葬式を・・・・・・・・」



36: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/05(月) 04:12:38 ID:aYQKD/DF0
(´<_` ) 「忘れもしない、一週間前だ・・・・・・・」
      「俺は、兄者のエロゲを買いに行く途中、ここで車にはねられた」

正直、買う前で助かったと思ったな、軽口は、何故か痛々しかった

(´<_` ) 「案外、痛くないもんでな。まったく気がつかなかったよ・・・・・」
( ^ω^) 「それで・・・・・・・・・?」

なんだろう・・・・・・胸が、ざわつく・・・・・・・・・・

(´<_` ) 「それで、も何もな・・・・・・目の前に、俺が倒れてたんだ」

だいじょうぶ・・・・・・僕は、見てない・・・・・・・・

(;^ω^) 「え・・・・・・見てないって・・・・・何をだお・・・・・・・・?」
(´<_` ) 「どうか、したか?」
(;^ω^) 「う、ううん、何でもないお!」

無意識のうちにこぼれた呟きを、必死で打ち消すブーン
気を紛らわせたい・・・・・・とにかく、その一心で先を促す

( ^ω^) 「全部、聞いてみたいお! 早く、続けくれお・・・・・・・!」

言葉は叫びのようになっていた



38: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/05(月) 04:23:54 ID:aYQKD/DF0
(´<_` ) 「あ、ああ。・・・続きと言ってもな、あまり長くも無い」

うつむく弟者の手には、缶コーヒーが握られていた

( ^ω^) 「それ、どうしたんだお?」
(´<_` ) 「ああ、これか? ・・・・・・まあ、俺は幽霊だからな・・・・」
      「イメージすれば、このぐらいは何とかなるみたいでな」
      「あまり、気にしなくていいぞ、ただの気分転換だ」

ごくり、とまるで生きてるようにコーヒーを飲む

(´<_` ) 「続き、だがな・・・・・・」
      「俺は、病院に搬送される俺を・・・・・・・なんか、ややこしいなw・・・・」

苦笑い

(´<_` ) 「ここで、見送ってた・・・・・ただただ呆然とな・・・・・・」
( ^ω^) 「病院に・・・・・行かなかったのかお?」
(´<_` ) 「ああ・・・・・・・多分、信じたくなかったんだろうな・・・・」

言って、今度はタバコを取り出す弟者
その姿は、とても死人、幽霊には見えなかった



42: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/05(月) 04:33:22 ID:aYQKD/DF0
(´<_` ) 「流石に、丸一日呆けてたら、家が恋しくなってな・・・・・」

じゅう、と煙をあげながら、タバコが缶に放り込まれる

(´<_` ) 「・・・・・はは、帰ったら、俺の葬式の真っ最中だった」
( ^ω^) 「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
(´<_` ) 「ああ、ああ、そんな顔するな。俺が泣きたいぐらいなんだ・・・・・・・」

力なく、笑う弟者。そんな弟者にブーンは何も言えない

(´<_` ) 「ま・・・・・・それから、ずっとここにいるわけだ」
(;^ω^) 「ちょ・・・・・・・・家には、戻らないのかお!?」

バキッ・・・・・・・・・!
弟者の手から、そんな音が聞こえた
見ればコーヒーの缶が握りつぶされ、ひしゃげている

(´<_` ) 「あんな・・・・・! あんな家に・・・・・・!!」
      「あんな家に、帰りたくなんかない!!!!」

涙を流し、弟者は怒りに震えた声を洩らした



46: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/05(月) 04:45:09 ID:aYQKD/DF0
(;^ω^) 「ちょ・・・・・・!? なんでだお!? 家族がいるんじゃないのかお!?」
(´<_` ) 「・・・・・・・・うるさい・・・・・・・!」

口からつばを飛ばさんばかりのブーンに、弟者はうっとおしそうに缶をなげつける
しかし、缶は手を離れて十センチも行かないところで虚空へと、解けるように消えた

(´<_` ) 「あれが・・・・・・家族か・・・・・・・・?」
      「俺は、今まで、あんな奴を・・・・・兄と呼んでたのか・・・・・!」
(;^ω^) 「ちょ・・・・・・一体、何があったんだお!?」
(´<_` ) 「思い出したくも無い・・・・・・!!」

苦々しく、吐き捨てる弟者は、顔覆い
涙がこぼれないよう、嗚咽が漏れないよう、背を丸めて肩を振るわせる

(´<_` ) 「信じられるか・・・・・・・・・・・・・・・・・・・?」
( ^ω^) 「だから・・・・・・! 一体なにがだお!?」

(´<_` ) 「香典を見て・・・・・兄者は・・・・・・・・・・・!」
      「『これで、新しいPCが買えるなw』って・・・・・・・・・!」
      「笑ってたんだぞ・・・・・・・・・・・・・!?」



52: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/05(月) 04:55:53 ID:aYQKD/DF0
拳を振り上げ、アスファルトに叩きつける
しかし、音はならず、ただただ弟者の拳ばかりが血に濡れる

(;^ω^) 「ちょ・・・・・・!! 何をしてるお!?」
(´<_` ) 「うるさいうるさい!! どうせ・・・・どうせ俺は死んでるんだ!!」
      「痛くも・・・・・・痒くも無い!! ・・・・・いたく・・・・ない・・・!!」

号泣。声をあげ、あたりもはばからず、弟者は泣く。泣き叫ぶ

(´<_` ) 「俺は!! ・・・・・おれは・・・・・・・!」
      「兄者は・・・・・・・馬鹿で、どうしようもなくって・・・・・・・」
      「いっつも・・・・・・・いっつも・・・・・・・・迷惑かけて・・・・・!!」

噛み締める唇は、幽霊だというのに、赤い血を垂れ流す

(´<_` ) 「ニートで・・・・・・・・童貞で・・・・・・・・・!」
      「自分はひきこもって・・・・・・ブラクラふんで・・・・・・・!」

(´<_` ) 「それ・・・・れも・・・・・・・・・・・・!!」
      「兄者がすきだった!! 兄者を・・・・大切おもってた・・・・・!!」

弟者の涙は、地面のはるか上で、消えていった・・・・・・・・・・



54: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/05(月) 05:09:47 ID:aYQKD/DF0
なにも言えない。言えるはずも無い
ブーンは、ただただ、その嘆きを聞くことしか出来ないでいた
そんなブーンの耳にふと、弟者以外の声が聞こえた

( ^ω^) (あれ・・・・・・・・なんだお・・・・・・・・?)

音の出所は、子供のように泣き崩れる弟者のその後ろ

( ^ω^) (? ・・・・・・・・糸・・・・・・・?)

ブーンは弟者の背中から伸びる、光る糸だと気がつく
糸は、ブーンからみて右の方向に伸びていた

( ^ω^) 「家は・・・・・・・あっちかお?」
(´<_` ) 「・・・・・・俺に・・・・もう家なんか・・・・・・!!」
(#^ω^) 「答えるお!!」

ブーンのあまりの剣幕に、思わず弟者はひるむ

(´<_` ) 「あ、ああ。・・・・・・・・そっちの方だ・・・・・・」
( ^ω^) 「なら、今から行くお!!」
(´<_` ) 「!? な・・・・・・なにを・・・・・・・!?」

ブーンには、聞こえていた
糸から響く、弟者を呼ぶ、男の声が・・・・・・・・・・



58: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/05(月) 05:19:01 ID:aYQKD/DF0
動こうとしない弟者の首根っこをひっつかみ、ブーンは走る
そして、糸の終着点、弟者の家にたどり着いた

(´<_` ) 「くっ・・・・・・・! ・・・・・・ここになんか、用は無い・・・・・!」
( ^ω^) 「黙るお!」
(´<_` ) 「余計なお世話なんだよ!? ・・・・・・・いまさら、アイツの顔なんか・・・・・!」

バシィンっ!!

(´<_` ) 「え・・・・・・・・・?」
( ^ω^) 「黙れ、と言ったお・・・・・・・・・!」

ブーンの掌は、弟者の頬をはたいていた
それは、弟者にとってはまったく予期できない衝撃であった

(´<_` ) 「な・・・・・・・なん・・・で・・・・?」
(#^ω^) 「見えるし、触れたんだから、叩けても不思議じゃないお!?」

おろおろと、混乱する弟者を他所に、ブーンが吼える

( ^ω^) 「顔が見たくないんなら、ここで声だけでも聞くお!!」



62: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/05(月) 05:40:49 ID:aYQKD/DF0
塀と家の壁。それだけ障害物があるならば、声など聞こえるはずも無い
だが、弟者には、何故か兄者の声が鮮明に聞こえていた

( ´_ゝ`) 「なあ、弟者・・・・・・・・・・・」
(´<_`) 「・・・・・・なんだよ・・・・・PCの礼か・・・・!?」

青筋を浮かべ、聞こえもしないのに声をあらげる
当然、それに気づくはずもない兄者はぽつぽつと喋り続ける

( ´_ゝ`) 「お前が、欲しがってたノートPCだ」
     「これで、もう俺のPCを横から除く必要はないぞ・・・・・・・・・」

(´<_`) 「・・・・・・・・・・・・・・・え・・・・・・・・・?」

( ´_ゝ`) 「・・・・・・・・妹者がな・・・・・・・・」
      「飯のたびに、お前の部屋に行くんだよ・・・・・・」
      「『ちっちゃい兄者!! ごはんなのじゃ〜!!』ってなw」

クスリ、とちいさな笑い。そして、ためいき

( ´_ゝ`) 「もう・・・・・・お前はいないっていうのにな・・・・・・・w」



63: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/05(月) 05:41:21 ID:aYQKD/DF0
カチリ、と百円ライターの音がする
続いて、深呼吸のような呼気。どうやらタバコに火をつけたみたいだ

( ´_ゝ`) 「ほら、お前も吸え。・・・・・・・天国も今ごろ、嫌煙厨が多いだろw?」

喫煙者はどこでも辛いな、と、無理をした笑い声だった

( ´_ゝ`) 「母者も・・・・・な。・・・・・・お前の分まで飯つくるんだぞ?」
     「ちゃわんまで用意してなw それで・・・・・・・・いつもぶちきれるんだ」
(´<_` ) 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
( ´_ゝ`) 「弟者が、いつまでも降りてこない、ってなw そりゃ・・・・・降りてこないよな・・・・・」

カタリ、と今度は何か固い物を置く音がした

( ´_ゝ`) 「まったく・・・・・・お前がいつまでたっても買ってこないから・・・・・・・」
     「俺が買ってきちまった・・・・・・・・・・・一応、そなえておく・・・・・・・」
(´<_` ) 「エロゲ・・・・・・そなえるなよ・・・・・・・・・!」

弟者の声は、だんだんと、ゆらいできた



66: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/05(月) 05:45:31 ID:aYQKD/DF0
しばらく、静かな時間が続いた
上を見上げれば、窓から煙がふたすじ、入道雲のようにのぼっていく
そして、その煙が途切れたとき、沈黙を奇妙な音が破った

バギィッ!!

(´<_` ) 「え・・・・・?」
( ´_ゝ`) 「ちくしょう・・・・・・・・・・・・・・・・・・!」

バコっ! バコッ! 何かを叩く音が続く

( ´_ゝ`) 「ちくしょう・・・・・・ちくしょう・・・・・・・ちくしょう・・・・・・・・!!」
(´<_`;) 「あ、兄者・・・・・・・・・・・・・?」

何の音か、まるで分からない。そして兄者の罵りの意味もまた分からない

( ´_ゝ`) 「こんな・・・・・! こんなもんのために・・・・・・・・・!!」
     「こんな、くだらないもんのために・・・!!!」
     「おま・・・ぇ・・・・は・・・・・・・・!! お前は!!!!」
     「おまえは・・・・・・・・・しんじまったのかよ・・・・・・・・・・・!!」
(´<_` ) 「あ・・・・・・・・・・・・・・・まさ・・・・・・か・・・・・・?」

弟者は、そこで気がついた
兄者が、今、ボコボコにしているのは
欲しがっていた、あのエロゲだということに・・・・・・・・



68: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/05(月) 05:52:15 ID:aYQKD/DF0
そんな・・・・・と、弟者が困惑する

( ^ω^) 「・・・・・・・・・・・どうしたお?」
(´<_` ) 「だって・・・・・・だって・・・・・・・・・!!」

目を見開き、唇をふるわせ、弟者は泣きそうな声を出す

(´<_` ) 「だって・・・・兄者は・・・・・・いつも言ってたじゃないか・・・・・!」
      「右手と・・・・紙かjpgがあれば・・・・女はいらないって・・・・・・・」
      「だから・・・・・・・・・エロゲは恋人だ・・・・って・・・・・」

わなわなと、全身が揺れる

(´<_` ) 「それを・・・・・・・・・・・くだらない・・・・・・・って・・・・」
( ^ω^) 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

ブーンは、何も言わず、ただやさしく、弟者の肩を叩いた



70: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/05(月) 05:59:35 ID:aYQKD/DF0
( ´_ゝ`) 「おれは・・・・・・・・これから・・・・・!!!!」
     「何を・・・・・・! 何をして生きればいいんだ!?」

もう時刻は真夜中だ。だというのに、兄者は大声を上げる
いつもなら、絶対に鉄拳制裁を加えに来るはずの母者も、なぜかこない

( ´_ゝ`) 「もう・・・・・・ブラクラげっとしても・・・・・・・」
     「エロ画像げっとしても・・・・・・ハス画像げっとしても・・・・・・!!」
     「お前がいなきゃ・・・・・・だれが・・・・・・・・・・だれが・・・・・・!!」
     「だれが、俺のとなりにいてくれるんだよ・・・・・・・・!!!!」

あとはもう、人間の言葉とは思えない、嗚咽と、叫びだけしか続かなかった


(´<_` ) 「あに・・・・・・・・じゃ・・・・・・・・・・・!」
( ^ω^) 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
(´<_` ) 「あに・・・・・・・・・・・・・!!!!!!」
      「うわああああああああああああああああああああああっっっっっ・・・・」

そして、弟者も、共鳴するように、泣き叫んだ・・・・・・・・・・・・・・・



100: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/05(月) 09:11:20 ID:aYQKD/DF0
ふたりの哀哭が収まり、住宅地に夜本来の静けさがまたやってくる

(´<_` ) 「・・・・・・・・・・・なあ」
( ^ω^) 「・・・なんだお?」

膝をつき、手をつき、四つんばいの姿勢で、弟者が問う

(´<_` ) 「なんで・・・・・・・なんでおれ・・・・・・・」
      「なんで・・・・・・こんな、つまんないことで・・・・死んじまったんだ・・・・・・?」
( ^ω^) 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
(´<_` ) 「俺は・・・・・・そんなに、悪いこと・・・・・・したか・・・・・・?」
      「したんなら・・・・・・いくらでも謝る・・・・! あやまるから・・・・・」

ギリリッ、とアスファルトを握り締めるように拳をつくる弟者
だが、アスファルトが削れるわけもなく、ただ無意味に弟者の指が削れて行く

(´<_` ) 「たのむ・・・・・・・・! 兄者に・・・・・・・!」
      「兄者に・・・・・・・あやませて・・・・・・・くれ・・・・・!」

ブーンに頼んだところで、どうしようもない
それを分かっていても、弟者は言わずにはいられなかった・・・・・・・・・



102: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/05(月) 09:19:00 ID:aYQKD/DF0
( ^ω^) 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

ブーンは何も言わず、土下座のような格好をする弟者にちかより
その背中に手をやった

( ^ω^) 「ここから・・・・・・兄者の声が聞こえたお・・・・・」
(´<_` ) 「・・・・・・これ・・・・・・は・・・・・・・・?」
( ^ω^) 「ぼくにも・・・・・よくわからないお。でも・・・・・・」

糸を弟者の目の前に持っていき、真剣な目で、ブーンは言った

( ^ω^) 「これが、君達に、大切なものだってことは・・・・・・わかるお」

(´<_` ) 「ああ・・・・・・・・そうか・・・・・・・・・・」

涙を、血まみれの手でぬぐい、弟者が立ち上がる

(´<_` ) 「この、光の糸が・・・・・俺たちを繋いでくれるんだな・・・・・・」

不思議な感覚だ・・・・・・・
何も分からないのに、何故か確信できた
手の平を、光の糸ごと強く握り締める。すると、光が増し、あたりを昼間のように照らす

(´<_` ) 「俺の気持ちを・・・・・・・・届けてくれ・・・・・・・・・・!!」



106: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/05(月) 09:48:04 ID:aYQKD/DF0
遺骨の前で、兄者は眠っていた
昨夜は、何故だか弟者がいる気がして、泣きつかれてしまったのだ

( ´_ゝ`) 「ぅ・・・・・ううん・・・・・・あさ、か・・・・・・」

いや、日の高さからして、もう昼前だろう
いくらニートだからとはいえ、これは寝すぎだ
しかも、場所が悪い。母者も起こしてくれればいいものを・・・・・・

( ´_ゝ`) 「いや・・・・・・・気を使ってくれたのかも・・・・・な」

だとしたら・・・・・・・・・・・・余計なお世話だ
弟の前で泣きつかれる兄貴が、いるものか、と、兄者の自尊心が告げる

( ´_ゝ`) 「いや・・・・・・俺は、兄らしいことなど・・・・・何一つ・・・・・・!」

それどころか、自分は・・・・・・・・・・・・

( ´_ゝ`) 「弟者も・・・・・俺を恨んでいることだろう・・・・・・・・・」

と、立ち上がりかけ、ある異変に気がついた

( ´_ゝ`) 「ノートPCの電源が・・・・・・・・・・ついてる・・・・・?」



107: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/05(月) 09:48:37 ID:aYQKD/DF0
PCのモニターには、回線を繋いでいないにも関わらず届いたメールが開かれていた

from:弟者

( ´_ゝ`) 「!? な・・・・・・・・・・・・・・!」

『兄者! 一週間もたつのに、何をめそめそしている?』
『なにやら、あの事故を気に病んでいるのだろうが、あれは俺の不注意だ』
『兄者のせいなんかじゃない・・・・・・・・・・・・・』

メールを不思議がることも、不気味がることもせず、兄者はそのメールに食い入る

( ´_ゝ`) 「ちがう・・・・ちがうんだ・・・・・・・!」
      「俺が・・・・・俺が謝りたいのは・・・・・・・・・・・・!!」

兄者がすべてを言い終える前に、二通目のメールが開いた

『あと、どうせ自分の不甲斐なさに気がついて、後悔しているだろう?』
『そんなの・・・・・・気にする必要などあるのか・・・・・・・・・?』
『俺たちは、二人一つの流石ブラザーズじゃないか・・・・・・』
『俺は・・・・・・そんな兄者も・・・・大好きだったさ』



108: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/05(月) 09:49:23 ID:aYQKD/DF0
( ´_ゝ`) 「二人で・・・・・・・一つ・・・・・・・・・?」
     「じゃあ・・・・・! じゃあ・・・・・・・!!!!」

涙声で、ノートPCに叫ぼうとした直前、三通目が開く

『俺が死んだのは、もう仕方が無いことだ・・・・・・・・残念だが』
『だから・・・・兄者は、俺の分まで、可愛い嫁さんをみつけてくれ』
『その人が、きっと兄者を支えてくれるはずだ・・・・・・・・・!!』
『俺は、もう兄者の横にいれないけれど、今も、こうして・・・・見守ってる』
『ps.仕事、そろそろ見つけて、それを生きがいにしろよ?』
『出来のいい弟より、偉大なる兄へ』

( ´_ゝ`) 「弟・・・・・・・者・・・・・・・・・・・・・・」

兄者が読み終わると同時に、PCの電源が落ちた
再度電源をつけてみても、メールは残っていなかった
気がつけば、兄者の目から滝のように涙が流れ出していた

( ´_ゝ`) 「結局・・・・・・・俺らは、PCから離れられんのだな・・・・・・・」

このままではいけない・・・・・・・・・涙をぬぐい、決心する

( ´_ゝ`) 「父者ー!! 履歴書の書き方教えてくれー!!」

光のケーブルが、ノートPCから、こっそりと抜け落ちた・・・・・・・・・



113: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/05(月) 10:06:52 ID:aYQKD/DF0
( ^ω^) 「・・・・・・気持ちは、伝えきれたかお?」
(´<_` ) 「いや・・・・・全くもって足りん・・・・・・」

足りない、って言うのに・・・・・・・・

(´<_` ) 「兄者は、もう立ち直ったみたいだ・・・・・・・」
      「五通目まで・・・・・用意したんだけどな・・・・・・・・」

はは、と笑う弟者は、口調の割にはさっぱりとした表情だった

( ^ω^) 「送らなくて、いいのかお?」
(´<_` ) 「ああ・・・・・・・こいつは、俺が墓場まで持っていくさ」

と言っても、もうすぐなんだがな、と軽口を叩く

(´<_` ) 「それじゃ・・・・・・・・・・・・・」
( ^ω^) 「行くのかお・・・・・・・・?」
(´<_` ) 「ああ、世話になったな、ブーン!」

光のケーブルは、兄者の部屋を離れ、天空へと上り
そこを、伝って、弟者は空へと還って行った・・・・・・・・・・・・



102: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/07(水) 01:04:30 ID:s4aF6zCg0
( ^ω^) 「よかったお・・・・・・本当に・・・・・よかったお・・・・・」

天に昇る弟者を見送り、ブーンは満足そうに、おおきく頷く
弟者が消えた空にはもう太陽が燦然と輝いている
気がつけばもう夜があけてしまっていたのだ。だが

( ^ω^) 「・・・・・・・でも、なんだかおなかがすかないお・・・・・・?」

それどころか、喉も乾かないし、眠くも無い

( ^ω^) 「・・・・・きっと、変に気を張ってたからだお!」

元気に、そう言う。無理に、元気に言う理由はきっと
どこかで、気がついているのだろう、それはごまかしだと・・・・・
自分に言い聞かせ、何かに気づく前に、ブーンは歩き出す
どこへ行こうかと、考え、そして思いつくのは

( ^ω^) 「そうだお! 弟者にお線香をあげるお!」

どうせ、すぐそこだ。そのぐらいしなければ罰があたる

しかし、ブーンは気がつかない
それが、自分に、どんなことを伝えるのかを・・・・・・・・・・・



106: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/07(水) 01:09:11 ID:s4aF6zCg0
壁をぐるりと回り、ほどなくして玄関の前についた
インターホンを押そうとして、ふと気がつく

(;^ω^) 「あ・・・・・・なんて言って家に上げてもらうお・・・・・・・?」

そう、弟者とは生前に面識が無い
今、そこで話していた、などと言って通じるとは思えない

( ^ω^) 「そうだお! 一週間前に話したって言えばいいお!」

たったそれだけで、家に上げてもらえるとは思えないのだが
ブーンはそこまで考えが至らない
むしろ、これは名案、ぐらいにしか思っていなかった

( ^ω^) 「ピンポーン♪」

自分で言って、押す
だが、実際にはピンポーンという音はしなかった

( ^ω^) 「え・・・・・・・・・・・・・・・・・・・?」

それどころか、インターホンはへこんですらいなかった



107: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/07(水) 01:10:09 ID:s4aF6zCg0
(;^ω^) 「あれ? ・・・あれ? ・・・・・・・・・あれ・・・・・?」

ぐっ、ぐっ、ぐっ、・・・・・・・・・・・・・・・
何度も何度も、繰り返し押してみるが、手ごたえは無い
次第に指が痛くなってくる

( ^ω^) 「・・・・・・・・は、ははw・・・これ・・・・・壊れてるお・・・・・・」

そんなわけは無い。押せてもいないのに、気がついているのに、そう結論する
指をさすり、今度はドアノブに手をかける

( ^ω^) 「・・・・・開かない・・・・開かない・・・・・・・・・・・!」
      「鍵・・・・・・・だお。きっと、鍵がかかってるんだお・・・・・・!!」

そうだ、そうに決まってる!
しかし、その期待もすぐに裏切られる

( ´_ゝ`) 「・・・・まずはバイトから探そう!!」
( ^ω^) 「!?」

ガチャリ、と、鍵を開けるような音を立てずに、ドアがひらいた

( ^ω^) 「ちょ・・・・・・・・・すいませんだお!!」
( ´_ゝ`) 「ふむ・・・・・・コンビニから行ってみるか・・・・・・・」
 
出てきた兄者は、ブーンのことを無視するかのように、歩いていった



117: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/07(水) 01:24:50 ID:s4aF6zCg0
( ^ω^) 「なんで・・・・・・・なんで・・・だお・・・・・・・・・?」

スタスタと、何も迷う事無く歩く兄者の背中を見ながら、うなだれる

どうして、無視されたのか?  ―――――見ず知らずの他人だから
どうして、ドアは開いたのか?  ―――――内側からだと鍵が必要がないタイプなんだ

いくつも、いくつも、疑問を考えては、無理矢理な理由をつける

( ^ω^) 「・・・あはw・・・・・・それでも、無視は傷つくお・・・・・・」

目の端に浮いた涙をぬぐう

( ^ω^) 「なんだか、コーヒーでも飲みたいお・・・・・・・・」

喉は渇いてはいない。だが、気晴らしに、何か飲みたい
どこかに自販機はないか、と家の敷地から出ようとしたその時・・・・・・・

( ^ω^) 「え・・・・・・・・・・・・・!?」

弟者の言葉を・・・・・・・・思い出す

『(´<_` ) 「ああ、これか? ・・・・・・まあ、俺は幽霊だからな・・・・」
       「イメージすれば、このぐらいは何とかなるみたいでな」         』

その手に、コーヒーの缶が、どこからともなく、出現した

(;^ω^) 「う・・・・・・・・うわあああああああああああああああああ!!!!??」



125: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/07(水) 01:36:54 ID:s4aF6zCg0
( ^ω^) 「なんで・・・・・・・なんで・・・・・・・・・・」

とぼとぼ歩きながら、呟く
あの後、走り出したはいいものの、何処へ行くか、決められず
ただただ街を、当てもなく、目的もなく、練り歩く

一度は、家に行こうともした。だが、そう思うたび、弟者の言葉がフラッシュバックする

『 (´<_` ) 「・・・・・はは、帰ったら、俺の葬式の真っ最中だった」  』

・・・・・・・・・そんなものを見たら、もう、戻れない気がする・・・・・・・・

だから、どこへともなく、意味もなく、歩き続ける

( ^ω^) 「あ・・・・・・・・・コンビニ・・・・・・・・・・・・・」

目に入ったのは、行こうと思っていたローソンだった
試しに、自動ドアの前に立ってみる

( ^ω^) 「やっぱり・・・・・・・・・・開かないお・・・・・・・・・」

何故だろう。ただ、ドアが開かない。それだけのことで
まるで自分がこの世のすべてから拒絶されたように感じる



150: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/07(水) 02:25:44 ID:s4aF6zCg0
打ちのめされたボクサーのような足取りは、なぜか商店街へと向かっていた
駅の前のここは、むしろ繁華街と言った方がいいのかもしれない

( ^ω^) 「・・・・・・あ」

視線をめぐらせば、弟者のような人もちらほらと見える
うつむく人、はしゃいでいる人、さまざまだが、どれも誰からも相手にされない

( ^ω^) 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

そして、ブーンもまた、相手にしない
相手にすれば、また・・・・・・・・・・・・・・・

( ^ω^) 「いや、いや! ・・・・・・ちがうお・・・ちがうんだお・・・・・!!」

かぶりをふり、叫ぶ
認めない、認めたくない!
叫びは悲痛で、どうしようもなく、ブーンの心を引き裂いていく

すると・・・・・・・・・・・・・・・・・

     「アンタ・・・・・・なにそんなとこでシャウトしてんのよ・・・・・・・?」
( ^ω^) 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え」

目の前にあらわれた、愛しい人は、普段どおり、声を、かけてくれた



151: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/07(水) 02:27:55 ID:s4aF6zCg0
一瞬、何が起きたのか理解できなかった
まさか・・・・・・・・・・・・・・・・・と、思ったが

( ^ω^) (ツンは・・・・・auショップから出てきたお・・・・・・・・!)

ということは、

( ^ω^) (弟者とは、ちがうみたいだお)

そこで、自分と、とは意地でも考えない
だが、確かに。道行く人々は、突然喋り始めた彼女を奇異の目で見ていた

ξ゚听)ξ  「・・・・・・? どうしたのよ?」
(;^ω^) 「・・・・・・・・い・・・いや、なんでもないお!!」

嬉しい、嬉しい・・・!!
感情が、身体をつきぬけ飛び出しそうだ
だが、その前に・・・・・・・・・・・・・・・・・・

( ^ω^) 「ここじゃ・・・・・・まずいお・・・・・・」

ξ゚听)ξ  「へ? ・・・・・・・なにがよ?」
( ^ω^) 「ちょっと、公園まできてほしいお!!」

ここだと、ツンが変人に見えてしまう。それは・・・・・・・・・・・いやだった

ξ#゚听)ξ  「え!? ・・・・・・・ちょ! まちなさいよ!?」

ブーンは静止の声も聞かず、走り出した



152: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/07(水) 02:29:53 ID:s4aF6zCg0
(;^ω^) 「ゼェ・・・・・ここなら・・・・・・・ハァ・・・・・・大丈夫、だお」

この時刻、この公園は人気が無い
いや、時刻に関わらず、この公園を利用するものは少ないのだ
普段なら、近道をするとき以外、入ることの無いところだが、今は好都合だ
と・・・・・・・・・・・・

ドゲシッ!!

( ^ω^) 「ふべらっ!?」
ξ#゚听)ξ  「ゼェ・・・・・ハァ・・・・・・・・・いきなりヒールで全力疾走させんなっ!」

そのヒールは今、ブーンのどてっぱらに食い込んでいる
・・・・・・ていうか、走ったのか? 普通はヒールが折れるので無理だろう

(;^ω^) 「ご・・・・ごめんだお・・・・・・・・・・・」
ξ゚-゚)ξ  「・・・・・ま、いいけど・・・・・・・・・それより、なにやってんのよ?」
(;^ω^) 「あ・・・・・・・か、買い物・・・・・買い物だお!」
      「それより、ツンこそ何をしてるお?」

腹をさすり、ブーンが聞く
するとツンは、右手の紙袋を掲げてみせた

ξ///)ξ  「今日、旅行から帰ってきたの。今は、お土産配る途中」
    「アンタも・・・・・そ、その・・・・・・よかったら・・・・・・・・・ついてくる?」



153: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/07(水) 02:34:06 ID:s4aF6zCg0
ξ゚听)ξ  「・・・・それでね、ホテルがすごかったの!」
(;^ω^) 「ツ、ツン・・・・も少し、こえ小さくしてほしいお・・・・・・・」

何故・・・・・今ツンの隣を歩いているのだろう・・・・・・・・・・

ξ゚-゚)ξ  「あ・・・・そう言えば、二日酔いだっけ・・・・・・・」

何故・・・・・そんなしょうもない嘘をついたのだろう・・・・・・・・・

( ^ω^) 「ううん、ぼくがわるいんだお・・・・・・・・・」

何故、何故、何故、何故、何故・・・・・・・・・・・・・・・

ξ゚-゚)ξ  「・・・・・そんなに、アタシと歩くの・・・・・・・・・つまらない?」
(;^ω^) 「え!?」

突然のツンの呟きに、我に帰る

ξ;;)ξ  「だって・・・・・・・二日酔いだって言っても・・・・・・・・・」
     「その、すごい・・・・・・・いやそうな顔、じゃない・・・・・?」

ああ、違うんだ・・・・・・・・そんな・・・・・・・そんなわけじゃ・・・・・・・ない
嬉しくて・・・・・嬉しくて・・・・・・・・・・・・・

そこに甘えて、溺れてしまいそうだから・・・・・・・・・・・・・・



162: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/07(水) 02:46:09 ID:s4aF6zCg0
ふと、思う・・・・・・自分は本当に生きてるのか?
それとも・・・・・・死んでいるのか?

今、自分は自覚を持って動いている
そして、ツンにはしっかり見えてもいるし触れもする
それは、生きているということじゃないのか?

生死確認のためには、まず、意識の有無を調べる
なら意識がある弟者は生きてるんじゃないのか?

でも弟者は、そんな自分を、幽霊、と言った

死んでいるのに意識がある
意識があるのに死んでいる

それが、幽霊

自分も・・・・もしかしたら・・・・もしかしたら・・・・・・・・・・



考えて、そして、止める

今は、そんなことを考えてる時じゃ・・・・・・ないから・・・・・・・・・



164: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/07(水) 02:59:44 ID:s4aF6zCg0
( ^ω^) 「楽しいお・・・・・・すっごく、楽しいお」
ξ///)ξ  「え・・・・・・・?」

漏れ出すようなブーンの言葉に、ツンは顔を真っ赤にする

ξ゚听)ξ  「べ、別に、アンタを喜ばしたくなんかないんだからねっ!」
     「ただ・・・・・ただ! あ、アタシがいやな奴みたいじゃないっ!?」

いつも通り、あまりにもいつも通りな、ツンの言葉
それが何故だか、嬉しい

( ^ω^) 「そう言えば、なんでauショップに行ってたんだお?」

もっと、ツンの話を聞きたい。何気ない、いつものツンの話を

ξ゚听)ξ  「ああ、あれね。・・・・・なんだか旅行中に電話止まっちゃって・・・」
     「やっぱり、引き落としの方が楽だわ・・・・・・・」
( ^ω^) 「ふふ・・・・・ツンもまぬけだお」
ξ#゚听)ξ  「な、なによっ!? ブーンのくせに生意気よっ!?」

ゲシ、とツンがブーンを蹴る。はは、なんて、いつも通りなんだ・・・
ブーンがそうやって物思いにふけていると

ξ゚听)ξ  「あ、おじさんの家に着いたわ」



173: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/07(水) 03:43:23 ID:s4aF6zCg0
( ^ω^) 「ぼくは・・・・・ここで待ってるお」

流石に、そのおじさんとやらまでに、自分が見える保証は・・・・・・・ない
ツンに、気づかれたくは無い。どうしてか、そう思う

ξ゚听)ξ  「そう?」
( ^ω^) 「何か勘違いされても困るお?」
ξ///)ξ  「な、なにもこまらな・・・!」
ξ゚-゚)ξ 「そ、そうね、そうよねっ!? うん、確かに! 困るわ!!」

大袈裟に頷いて、ツンはおじさんの家へと向かった

( ^ω^) 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

出来れば、いっしょに挨拶がしたかった。口には出さないがブーンはそう思っていた
でも、それは出来ない。一緒に、他の誰かに会えばきっと、確信してしまうだろう

ごまかしでも何でもいい。とにかく、先送りにしたかった

ツンの後姿を見送り、壁に寄りかかり、独り言を呟く

( ^ω^) 「なんで、こうなっちゃんだお・・・・・・・・・・」

それが、今でも思い出せない



176: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/07(水) 03:53:42 ID:s4aF6zCg0
ぎぃ・・・・と、古めかしい音をたて、家のドアが開く

/ ,' 3 「おや? ツンじゃないか? ひさしぶりだね」
ξ゚-゚)ξ  「ええ、お久しぶりです。あ、旅行から帰ってきましたので、お土産です」
/ ,' 3 「おお、おお。うれしいねぇ・・・・・あんなちっちゃかったツンが」
    「今じゃこうしてお土産なんぞ持ってくるw」
ξ゚-゚)ξ 「もう、いつの話をしてるんですかっ!?」

かっかっか、と笑う荒巻にツンがプリプリと怒る
その仕草が荒巻を笑わせていると気がついていないようだ

/ ,' 3 「しかし、しばらく見ないうちにいい顔になったな?」
ξ゚-゚)ξ 「え? 何がですか?」

ニヤリ、意地悪そうな笑みで荒巻は応える

/ ,' 3 「あれか? 彼氏でもできたのか?」
ξ///)ξ  「////// いやっ! そのぉ・・・・・・えっとぉ・・・・」
    「か、彼氏とかじゃなくてぇ・・・・・でも、そのぉ・・・・・///」

顔を真っ赤にして、ツンはぐだぐだな調子で喋る

ξ///)ξ  「なんていうか・・・・・・・その、クリスマスに・・・・・・・・・・」
/ ,' 3 「クリスマス・・・・・? 家にでも、その子を呼ぶのかい?」

頷くツン



178: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/07(水) 04:03:23 ID:s4aF6zCg0
ξ///)ξ  「あっ! ・・・・・・やだ、アタシったらなにを!?」

のせられるままに喋ってしまったことに気づき、赤面

/ ,' 3 「そうかそうかwちびっこだったツンも、そんな歳か・・・・・w」
ξ///)ξ  「うー・・・ちがうんです・・・・・・!!」
/ ,' 3 「昔は、おじちゃんのお嫁さんになる、って言ってたのにねぇ・・・・」
ξ///)ξ  「ほんとにそれ、いつの話ですかっ!?」

あっはっはっは、と響く荒巻の笑い声の間に、奇妙な音が紛れ込んだ
ジャコンっ!!

ξ゚-゚)ξ  「え・・・・・・・・・・・・・・・・・?」
/ ,' 3 「あっはっは。 ・・・・・・わしのツンに手を出すのは何処のどいつだ?」

そう言って、荒巻はショットガンを靴箱の上から取り出していた

/ ,' 3 「あっはっは、どうれ、わしのショットガンの餌食にしてくれるわ!!」
ξ゚-゚)ξ  「ちょっ!? おじさま!?」
/ ,' 3 「なぁに、せめてもの情け。一撃でしとめて見せるわ!!」

いけない、目が血走っている。マジだ!
思わずツンは素早く荒巻の背後に回り・・・・・・・・・・

ξ゚-゚)ξ  「おじさま! おちついて!!」
/ ,' 3 「ふぐっ!?」

ゴキャリっ! ・・・・・・・・・荒巻は静かになった



181: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/07(水) 04:14:17 ID:s4aF6zCg0
/ ,' 3 「そうかそうか・・・・・・それじゃあ、クリスマスが楽しみなはずだな・・・・・・」

首をさすり、どこか物悲しげな荒巻と、肩で息をし、本気で怒るツン

ξ゚-゚)ξ 「冗談でも、銃を持ち出すなんて・・・・・・・・!」
/ ,' 3 「ああ、ああ、悪かった悪かった。お詫びにこれをあげようじゃないか」

と、荒巻が取り出したのは、さらしで包まれた棒状の何かだった

ξ゚-゚)ξ 「? おじさま、これはなんですか?」
/ ,' 3 「ああ、包丁だよ。研ぎに出したばかりなんだがね、ツンちゃんにあげよう」
    「そういう使い込まれた包丁があればな、料理上手に見えるよ?」

それで彼氏を驚かしてやれ、と高笑い。どこかやけくそに見えるのは気のせいだろう

ξ゚-゚)ξ 「え・・・・・でも・・・・・アタシはそんな・・・・・・・」
/ ,' 3 「ふむ・・・・・料理に、自信が無いのかね?」

頷く



182: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/07(水) 04:23:11 ID:s4aF6zCg0
ふむ、と頷く荒巻は、スーツのポケットから紙を二枚取り出した
それは近所のフランス料理店の無料券だった

/ ,' 3 「だったら、万が一のときのために、この招待状を上げよう」
ξ゚-゚)ξ  「え・・・・・・・・いいんですか?」
/ ,' 3 「どうせわしの店だ。彼氏と二人でくればいい」
ξ゚-゚)ξ 「あ・・・・・・ありがとうございます!」

はしゃぐようにお礼を言うツンに、荒巻は、だが、と付け加える

/ ,' 3 「その・・・・ツンちゃんの彼氏を見て・・・・・・・・・・・・・」
    「わしはチャッピー・・・・・・・・・・ああ、ショットガンの名前だがね」
    「こいつの引き金を引かない自信が無いよ・・・・・・・・・・・・・」
ξ゚-゚)ξ 「ちょ!? おじさま!?」

ツンの言葉を遮り、だから、と、荒巻は不敵に笑い

/ ,' 3 「必死で、料理の練習をしなさい?」
    「彼氏もきっと、そっちの方が喜ぶよ? ・・・・・・・・というか」
    「喜ばなかったら、わしが殺す。ぶち殺す」
ξ゚-゚)ξ「おじさま・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

荒巻の遠回りの応援は、ツンにとって一番のプレゼントだった

ξ゚-゚)ξ 「はい! アタシ、頑張ります!!」



183: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/07(水) 04:42:55 ID:s4aF6zCg0
ξ゚-゚)ξ 「ふっふーん♪ おまたせー!」

なにやら上機嫌なツンは、スキップでブーンのもとへと近寄る

( ^ω^) 「お帰り・・・・・・? どうしたお?」
ξ゚-゚)ξ 「んー? なにがー?」
( ^ω^) 「なんか、すっごくうれしそうだお?」

戻ってからずっと笑いっぱなしのツンは、いきなりブーンの腕を取り
そして、抱きしめるように組む

(;^ω^) 「ちょ!? え!? なに!? なんだお!?」

突然のツンの行動に戸惑う
そんなブーンの、さっきの質問にツンは答えた

ξ゚-゚)ξ 「ふふw ねぇ、ブーンは・・・・・・・・・・・・」

聞いて、ブーンは、何気ないその質問を、後悔した

ξ゚-゚)ξ 「ブーンは、まだ、死にたく無いもんねっ?」

( ^ω^) 「え・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

ピキッ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

空気が、一気に凍ったような気がした



185: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/07(水) 04:53:01 ID:s4aF6zCg0
何気ない質問の答えもまた、何気ない物だった
そう、この会話は、どこもおかしなとこなんてない
ぼくらは、日常的にこんなやりとりをしているはずだ

おまえ、死にたいの?
おまえ、ぶち殺すぞ?

それはきっと、死というものが身近に無いから、言える言葉だ

もし、目の前に、死にそうな人間がいたら・・・・・・・・・・・・・・・・・
もし、自分に、人を殺せる暴力があったら・・・・・・・・・・・・・・・・・
もし、今ココで、誰かが死んでいたのなら・・・・・・・・・・・・・・・・・

こんな言葉は、言えないはずだ

でも、ツンにとって、荒巻にとって、それはココじゃないどこかで
それは、今じゃない、いつか、ずいぶん昔かずいぶん先の話なんだろう

でも、ブーンにとってそれは、今で、まさにココでの話だった

それだけの違いは、この一言の印象を、大きく違えた
その違いを、ツンに悟らせないため、平静を装ってブーンが答える

( ^ω^) 「死にたく・・・・・・・・ない・・・・・・・お・・・・・・・?」



189: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/07(水) 05:04:35 ID:s4aF6zCg0
ブーンの、たどたどしい台詞に、ツンはクスリ、と笑う

ξ゚-゚)ξ 「そうよねぇw 死にたくないもんねぇw」
(;^ω^) 「そうだお・・・・・・・・死にたく・・・・・・ないお・・・・」

死にたくない、それを繰り返すブーンに、しかしツンは気がつかない

ξ゚-゚)ξ 「よっし! それじゃあ、料理の練習しよっと!」
( ^ω^) 「急に、どうしたんだお・・・・・・・・・?」
ξ゚听)ξ 「アンタが死にたくないっていうからでしょっ!?」

荒巻との会話を知らないブーンにとっては、意味不明だ
気にせず、ツンは続ける

ξ゚听)ξ 「あ、アタシだって、アンタに死んでほしくないもん・・・・・・」
(;^ω^) 「え・・・・・・・・・・・・・・・ツン・・・・・・・・・・・・?」

ああ、これが、本当にいつもの日常だったなら
ツンの言葉は、どれだけ嬉しく、心躍る物だったのだろう
だが、今のブーンにとって、これほど残酷な言葉は・・・・・・・・・ない

( ^ω^) 「ツン・・・・・・・・・・ぼくは・・・・・!!」

ブーンが何か言う前、ツンは顔を真っ赤にして言わせまいと、声をかさねる

ξ///)ξ  「か、勘違いしないでよねっ!?」 
     「べ、べつにアンタなんかどうなってもいいんだからねっ!?」
     「ただ、アタシのせいにしたくないだけなんだからねっ!!」



195: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/07(水) 05:20:19 ID:s4aF6zCg0
と、そんなときだった

ξ゚听)ξ 「あら・・・・・・・? もう、なによ・・・・・・」

ツンの携帯が鳴った。公衆電話からの着信は、誰からなのか分からない
うんざりと、面倒そうに通話ボタンを押す

ξ゚听)ξ 「はい、もしもし?」
(´・ω・`) 『あ、やっとつながった・・・・・・・・・!』
ξ゚听)ξ 「ショボン? ・・・・・何よ? 大した用事じゃないなら切るわよ?」
(´・ω・`) 『大した・・・・・!? 大事だよ!? ツンさんは何やってるんだよ!?』

今にも電話を切りそうなツンとは対照的に、ショボンは切羽詰った声を出す

ξ゚听)ξ 「今? 今は・・・・・・ええっと・・・・・・・・」
ξ///)ξ 「その・・・・・・・・でーと・・・・・・・・・してる・・・・・?」
(´・ω・`) 『デートだって・・・・・・!? こんなときに!? 誰とだよ!?』
ξ#゚听)ξ  「・・・・・・# さっきっからなんなのよっ!?」
      「アタシが・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!」

ブーンとデートして何が悪い、そう言う前に・・・・・・・

(´・ω・`) 『今・・・・いま!! ・・・・・・ブーンが大変なんだよ・・・・!?』
ξ゚听)ξ  「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え・・・・・・・?」



198: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/07(水) 05:31:48 ID:s4aF6zCg0
何を言っているのだろう?
今、ブーンが大変なはずはない。ココにいるのだから
今、デート、という単語を聞いて、おろおろしているコイツが大変なわけがない

ξ゚听)ξ  「・・・・・・・・・冗談にしても、たちが悪くない?」
(´・ω・`) 『冗談なんかじゃないって!! ほんとのほんとに・・・・・・・!』

と、そこで電話の向こうで誰かが、代われ、と言うのが聞こえる

('A`) 『おい・・・・・? お前が誰とヨロシクやってんのかしらんけどな』
ξ゚听)ξ  「な・・・・・・なによ? アンタも・・・・・グルになって・・・・!」
('A`) 『いいか? 現状だけを伝えてやる、よく聞いとけ』

大きく、息を吸い込む音が伝わる

('A`) 『ブーンが、大怪我で病院に運ばれた』
    『時刻は昨夜だ。頭蓋骨陥没、脳挫傷の恐れもあるそうだ』
    『今も集中治療室に放り込まれてる状況で・・・・・・・』

一息

('A`) 『かなりヤバイ。自発呼吸はおろか、心臓も動いちゃいねぇ・・・・』
    『機械はずしゃ、それでお陀仏ってじょう・・・・・・』
ξ゚听)ξ  「う・・・・・・・・・・・うるさいっ!!!」

ブツっ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ツンは、電話を切った。そして、電源も切る
こんな、悪い冗談、もう聞きたくもない・・・・・・・・・・・・・!!



203: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/07(水) 05:44:39 ID:s4aF6zCg0
(;^ω^) 「ど、どうしたお・・・・・・・?」
ξ゚听)ξ  「ううん・・・・・・・何でもない」

気分が悪い・・・・・・・・・・・・
言っていい冗談と悪い冗談が、世の中にはある
これは、悪い方の冗談だ。それも、とびっきりの
さっきの会話を、頭から振り落とすように、首を振る

ξ゚听)ξ  「行きましょ」
( ^ω^) 「え、どこへだお?」
ξ゚听)ξ  「どこだって、いいでしょっ!?」
      「これから・・・・・・・デートなんだからっ!!」

ブーンの腕を掴み、ずんずんと歩くツン



204: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/07(水) 05:51:53 ID:s4aF6zCg0
( ^ω^) (さっきの電話は・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)

もしかして、と思う
自分の意識は昨日、家を出て、夜に弟者と会う前まで途切れている
もし、本当に、弟者のような事があったのなら・・・・・・・・

( ^ω^) (もう、ツンに連絡が行っても・・・・・・・・・・・・・・)

いや、そんなはずはない! 自分に言い聞かせる
そんなわけはない、自分はココにいる、どこでもない、ツンの横に
と・・・・・・・・・・

子供 「ままー。あのおねぇちゃん変な歩き方してるー」
ママ 「・・・・・・こら。指差さないの!」
ξ゚听)ξ  「・・・・・・・・・!?」
(;^ω^) 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

やはり、ツン以外の人間に、自分は見えていない
きっと、ツンもそれに気がついているはず。でも

ξ゚听)ξ  「なによ、あのガキ・・・・・・!」
     「きっと、デートしてるアタシ達が羨ましいのよ・・・・・・・!」
( ^ω^) 「つ・・・・・・・・ツン」

唇を噛み締め、ツンは、それでもただただ歩く



207: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/07(水) 06:00:10 ID:s4aF6zCg0
('A`) 「ちっくしょ・・・・・・・あんの馬鹿・・・・・・・・・!!」

ダンっ!! と、公衆電話を殴りつける

(´・ω・`) 「毒男・・・・・どうしたの?」
('A`) 「どーしたもこーしたも・・・・・・・・あいつ、電源きってやがる!!」

タバコを取り出し、口にくわえる

(´・ω・`) 「毒男、病院の中は・・・・・・・・・・」
('A`) 「わかってんよ! ・・・・・・くわえるだけだ、火はつけねぇよ・・・・」
(´・ω・`) 「・・・・・・・それにしても、誰といるんだろうね・・・・・・・・・」
('A`) 「知るかよ・・・・・・・!! ブーン以外に考えられねぇってのに・・・・・・」

ふ、と視線を治療室へと向ける。まだ、手術中のようだ

(´・ω・`) 「せっかく、やっと繋がったって言うのに・・・・・・!!」
('A`) 「まだだ・・・・・・・・まだだぞ、ショボン・・・・・・・・・・!」
(´・ω・`) 「え・・・・・・・・・?」

ギリリ、とタバコを噛み千切り、吐き捨てながら毒男が言う

('A`) 「まだ、まだアイツは死んじゃいねぇ!! アイツが死ぬわけねぇ・・・・!」

そうだろ、と問い掛けられ、ショボンは首肯する

(´・ω・`) 「うん、そうだね・・・・・・まだだ。 うん、まだなんだ・・・・・!!」



215: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/07(水) 06:14:00 ID:s4aF6zCg0
ξ゚听)ξ  「あ、ブーン! あの店、あの店に寄りましょ!!」

ツンが指差す先は、服屋だった
いや、服屋という呼び方は正しくないような、オシャレな店だ

(;^ω^) 「え・・・・・・でも・・・・・・・・・・・・」
ξ゚听)ξ  「いいから・・・・・・・・いいでしょ・・・・・・・・・・・!!」

強引に、無理矢理に、引きずるように店内へと入るツン


ξ゚听)ξ  「あ、ねぇねぇ、これなんか良くない?」
( ^ω^) 「ツン・・・・・・・・」

そう言って、ツンは若草色のワンピースを身体に当ててこちらに見せる
しかし、まわりから見れば、ただの独り言でしかない

ξ゚听)ξ  「そうね、これにあわせるんなら、このバッグが言いと思わない?」
( ^ω^) 「ツン・・・・・・・・・!」

周りの視線が、痛い
自分ではなくツンに注がれる視線が・・・・・・・・・・・・痛すぎる



219: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/07(水) 06:27:51 ID:s4aF6zCg0
ξ゚听)ξ 「試着・・・・・・・・してみよっかな♪」
     「すいませーん、フィッティングルームかりまーす」

色々と抱えたツンが試着室へと入っていく

ξ゚听)ξ 「あ、ブーン? ・・・・・覗いたら、ただじゃおかないからねっ!?」
(;^ω^) 「わ、わかってるお・・・・・」

ツンが試着室に入ったと同時、少し離れた店員達の声が聞こえる

店員1 「ねぇ、あのお客さんキモくない?」
店員2 「あ、やっぱりぃ? なんかすっごい独り言言ってさw」
店員1 「きっと彼氏いなくて寂しいのよww」
店員2 「うっわwwうけるしぃwwwwばっかみたいよねぇwwwww」

キャハハハハ、と馬鹿みたいに笑う
お前ら・・・・・お前らに、ツンの何がわかる!? 優しいツンを何故笑う!?
もう、我慢が限界だ・・・・・・・・・・!!

(#^ω^) 「ふざけんな・・・・・・・ふざけるな・・・・・・!」

無駄だと知りながら、ブーンは拳を振るう

店員1 「きっとさw自意識過剰なお嬢様てタイプよ?」
店員2 「プッ、今時はやんないってwwww」

(#^ω^) 「黙れ・・・・・・黙れって・・・いってんだろおがあああああああ!!」



224: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/07(水) 06:37:28 ID:s4aF6zCg0
振り上げた拳を、何度も何度も打ち付ける
しかし、手ごたえはまるでない。いや、手ごたえはある
ただ、それは岩よりも鉄よりも硬い感触
実体に決して影響を及ぼせないこの体は、反動はすべて自分にかえる
殴れば殴るほど、自分が痛い、痛いだけなのに・・・・・・・・・・!!

(#^ω^) 「うるせぇぇ!!!!!!!!!!!!!!!」

ブーンは止まらない。止まれない
次第に、手が赤く染まっていく。それでも、止まらない


ξ゚听)ξ  「ブーン・・・・・・・・・・・もう、行こうか?」
(;^ω^) 「つ・・・・・ツン」

肩を落とし、拳を震わせるツンは、悲しんでいるのか怒っているのか・・・・・
こちらに歩み寄り、そして、おしゃべりをしていた店員二人
今は気まずそうに頭を下げているその二人に向かって

ξ゚听)ξ  「接客態度がなってないわね? これ、返すわ!」
店員 「きゃっ!?」

服を叩きつけ、ひらりと出口へと向かう

ξ゚听)ξ 「それと、アタシの彼氏・・・・・・・・・・・・・」
     「あんた達には、見えないの? 眼科にでも行きなさいっ!」



225: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/07(水) 06:46:42 ID:s4aF6zCg0
手術室のランプが消える
扉が開くと同時に、二人は詰め寄る

(´・ω・`) 「先生!! ブーンは、ブーンは・・・・!?」
医者 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
('A`) 「何とか言えよ・・・! なぁ!? どうなったんだよ!?」
医者 「なんとも・・・・・言えません」

苦りきった顔で、医者が告げる

('A`) 「なんだよ・・・・・それ・・・・・・? アンタ医者だろっ!?」
(´・ω・`) 「毒男! 落ち着いて・・・・・・!!」
('A`) 「うるせぇ!! これがだまったられっか!?」
医者 「手は・・・・・・・尽くしました・・・・・・・!」
('A`) 「!? それでゆるされっとおもってんのかぁ!?」
(´・ω・`) 「毒男!!」

今にも掴みかからんばかりの毒男を、ショボンは必死でおさえる

医者 「脳の損傷が・・・・・・・激しいんです・・・・・・・・!」
    「正直、脳波がまだあることが奇跡なぐらいです」
(´・ω・`) 「それじゃあ、ブーンは・・・・・・・・・?」

医者は、首を横に振った

('A`) 「ふっざけんなああああああああああああああああ!!!!!!!」

毒男の叫びが、院内に響き渡る・・・・・・・・・・・・・・・・・・



229: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/07(水) 07:05:05 ID:s4aF6zCg0
手術室のランプが消える
扉が開くと同時に、二人は詰め寄った。聞くことは唯一つ、

(´・ω・`) 「先生!! ブーンは、ブーンは・・・・!?」
医者 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

医者は口を閉ざしたまま、何も言おうとはしない

('A`) 「何とか言えよ・・・! なぁ!? どうなったんだよ!?」
医者 「なんとも・・・・・言えません」
('A`) 「なんだよ・・・・・それ・・・・・・? アンタ医者だろっ!?」
(´・ω・`) 「毒男! 落ち着いて・・・・・・!!」
('A`) 「うるせぇ!! これがだまったられっか!?」
医者 「手は・・・・・・・尽くしました・・・・・・・!」
('A`) 「!? それでゆるされっとおもってんのかぁ!?」
(´・ω・`) 「毒男!!」

今にも掴みかからんばかりの毒男を、ショボンは必死でおさえる
だが、心情としては、毒男と一緒に、詰め寄りたいぐらいだ

医者 「脳の損傷が・・・・・・・激しいんです・・・・・・・・!」
    「正直、脳波がまだあることが奇跡なぐらいです」
(´・ω・`) 「それじゃあ、ブーンは・・・・・・・・・?」

医者は、首を横に振った。つまり、絶望的だ・・・・と

('A`) 「ふっざけんなああああああああああああああああ!!!!!!!」

毒男の叫びが、院内に響き渡る・・・・・・・・・・・・・・・・・



231: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/07(水) 07:12:14 ID:s4aF6zCg0
会話もなく、二人は歩く
さっきの店の後も、いくつか回ってみた
けれど、やっぱり最初の店と結果は同じ
・・・・・・・・・・・・・・ここで改めて言うのもいやな、あの結果ばかりだった

ξ゚听)ξ  「初めての・・・・・・・デートなのに・・・・・・ね」
( ^ω^) 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

呟く、ツンの声は沈んでいた。でも、ブーンには何も言えない
気にするな、とでも言うのか? また次に来よう、なんて言える筈もない
そのすべては、自分の所為なのだから・・・・・・・・・・

ξ゚听)ξ  「ねぇ・・・・・・・・・・最後に、あそこ、行かない?」
( ^ω^) 「え・・・・・・・・・どこだお?」

ツンの指差すその先は・・・・・・・・・・・

(;^ω^) 「え・・・・え!? ら、ラブホかお!?」
ξ///)ξ 「・・・・・・・・・・・・女の子に、恥じかかす気・・・・・?」
( ^ω^) 「え・・・・・・・あ・・・・・いや・・・・・・・・・」

何も言えるはずもなく、ブーンはそのままついていった



232: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/07(水) 07:13:00 ID:s4aF6zCg0
ピンク色のビラビラをくぐり、二人はホテルへと入っていく

ξ゚-゚)ξ 「ね・・・ねぇブーン・・・・・・・・・?」
(;^ω^) 「な、なんだお!?」

二人ともがちがちに緊張しているが、それも当然だろう

ξ///)ξ 「あ、あたし・・・・こういうとこ・・・・・初めてなんだけど・・・・・」
(;^ω^) 「ちょ!? ぼくもだお!?」

沈黙が流れる
どうしたらいいのか、分からないのだろう
だったら来るな、と言いたくなる

ξ///)ξ  「えっと・・・・・・カウンターで聞けば、いいのか・・・・・な?」
(;^ω^) 「そ・・・・・それしか、ないお・・・・・・・?」

二人は挙動不審なぐらいにきょろきょろとしていた



235: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/07(水) 07:19:39 ID:s4aF6zCg0
ξ///)ξ  「あの・・・・すいません・・・・・」
受付 「あ、はい? なんでしょうか?」

もじもじと、緊張しているのかなんなのか分からない態度で、ツンが尋ねようとした
その前に・・・・・・・・・・

受付 「あの・・・・・・そう言うのは、困るんですけど・・・・・・・・」
ξ゚-゚)ξ 「え・・・・・・? そういうの・・・・・って・・・・・?」

頭をかき、めんどくさそうに、受付はため息

受付 「あのね? 一人とか、そういうのは、困るんだよね?」
ξ゚-゚)ξ 「え・・・・・・・・・・・・・・・・・!?」

またか、とブーンは思う
仕方ない、これまでもそうだった、自分の所為なんだ、と諦めた思考がよぎった
その時・・・・・・・

パシィンっ!!

受付 「え・・・・・・・・?」
ξ゚-゚)ξ 「・・・・・・・・・・・・・いい加減にして・・・・・・・・・!!」
( ^ω^) 「え!? ツン・・・・・・・・・・・・・・・?」

ツンは、思いっきり、受付の顔をひっぱたいていた



240: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/07(水) 07:27:22 ID:s4aF6zCg0
カウンターに身を乗り出し、受付の胸倉を掴むツン

ξ゚听)ξ 「あんた達って、目がホントにどうかしてんじゃないのっ!?」
(;^ω^) 「ツン!?」

驚き、ブーンが止めようとするが、それも無駄だ
ブーンの手を振り払い、叫び続ける

ξ゚听)ξ 「なんでよ・・・・・・! なんで見えないのよ・・・・・・・!!」
     「ここに・・・・! ここにいるじゃない!?」
     「見てよっ!? ちゃんと見てよっ!? どうして・・・・・!?」
     「どうして・・・・・・・あんた達は・・・・・・・・・・!!!」

一息

ξ#゚听)ξ 「どうしてアタシの彼氏を無視すんのよっ・・・・・・・・・!!!」

最後は、涙声の、嗚咽交じりだった
しかし、そんなツンの叫びは受付には届かなかった

受付 「い・・・・いいかげんにしないと、警察呼びますよ・・・・・!」
ξ゚听)ξ 「呼ぶならよべb・・・・・・・・・!?」
( ^ω^) 「ツン・・・・・・・・・・もう行くお」

叫ぼうとするツンの口を抑え、ブーンはツンを引きずり、そのまま出て行った



252: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/07(水) 07:40:09 ID:s4aF6zCg0
ξ;;)ξ 「ヒッグ・・・・・エッグ・・・・・・・・なんで・・・・よぉ・・・・」

とぼとぼと、ブーンに手を引かれながら歩くツンは、さっきからそればかりだ
ブーンのために、怒り、悲しみ、そして今涙している
それでも、ブーンには、その涙をぬぐうことさえ許されない

( ^ω^) 「もう・・・・・泣かないでほしいお・・・・・・・・」
ξ;;)ξ 「なんで・・・・・なんでよぉ・・・・・・・・・・!」
( ^ω^) 「ツン・・・・・・・」
ξ;;)ξ 「なんで・・・・・・みんな・・・・・・・・・」

そっと、ツンの頭を撫でる。今、自分に出来るのは、これぐらいしかない

ξ;;)ξ 「なんで・・・・・・・・なんで・・・・・こうなっちゃうのさ・・・・・・」
( ^ω^) 「ツン・・・・・・・・本当にごめ・・・・」
ξ;;)ξ 「謝んなっ!!」

ボスっ、と力ないパンチが、ブーンの胸を二重に打つ

ξ;;)ξ 「ぁ・・・・・あたしは・・・・・・みとめ・・・・ないんだから・・・・」
     「アンタが・・・・・・そんな・・・・て、認めない・・・・・!!」
     「認めたくないんだからっ!!!!!!!!!!!」
( ^ω^) 「ツン・・・・・・・・・・・・・・」
ξ;;)ξ 「だから・・・・・・・あやまる・・・・・・・な・・・・・・・!!」



255: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/07(水) 07:48:20 ID:s4aF6zCg0
ツンの言葉は、止まらない。まるで堰を切ったかのように流れ出す

ξ;;)ξ 「これから・・・・・・・クリスマスだよ!?」
     「あたし・・・・・あたし・・・・・・楽しみ・・・・・・・なんだよ・・・・・!!」
     「りょう・・・り・・・・・・・グス・・・・まだ、まだできないけど・・・・・!!」
     「これから!! これからなんだよ!?」

ボスっ、と、ブーンの胸に、涙を隠すように顔をうずめる

ξ;;)ξ 「なのに・・・・・・! なのに・・・・・・・・・!!」
     「なんでよ・・・・・・・!? なんで・・・・・・・・・」
     「なんで、これからが・・・・・・なくなっちゃうのよ・・・・!?」
     「これから、これから、これからこれからこれから!!!!!!」

声が、涙で途切れる。嗚咽が続き、そして大きく息を吸い込む

ξ;;)ξ 「いっぱい・・・・・楽しいこと・・・・・・・・いっぱい・・・・ぅぐっ・・・・」
     「いっぱい・・・・・あるんじゃ・・・・ないの・・・・・・・・・!?」
     「なんで・・・・・・・・・・これで、終わっちゃうの・・・・・・!!!」



261: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/07(水) 07:59:04 ID:s4aF6zCg0
( ^ω^) 「ツン・・・・・・・・・・・・・・」

泣き止まない、泣き止めないツンに、ブーンは謝ることも慰めることも出来ない
ただただ、くやしい。なぜ、ほんとうに何故こうなってしまったのか・・・・・・・・
奥歯が折れんばかりに食いしばっていると、

( ^ω^) (あれ・・・・・・・・・・・・ここ・・・・・・・・・・は・・・・・?)

周囲の景色に、何かを思い出しそうになる
確かこのアーケードを抜けると・・・・・・・・・・・

キシィっ・・・!

(;^ω^) 「うあっ・・・・・・・・・・・・!?」

頭が・・・・・・痛い・・・・・・・・・・・・・・・・・?
何か、思い出しそうなのに、何故だ、頭が痛くなる
この先・・・・・・・・この先に・・・・・・何が・・・・・・・・?

キシィっ・・・・・・・・・・・・!

(;^ω^) 「あああああっ・・・・・・・!?」
ξ;;)ξ 「どう・・・・・したの・・・・・・・・・・?」

ツンが、何か言ってる・・・・・でも、それより・・・・・・・・・・

頭が・・・・・・・・割れそうだ・・・・・・・・・・・・・・・・!!!



264: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/07(水) 08:08:51 ID:s4aF6zCg0
頭が痛い・・・・痛い・・・・・・痛い・・・・・・・・・!!

ξ゚-゚)ξ 「ど・・・・どうしたの・・・・・? ねえ・・・・・どうしたの・・・・・!?」

頭を抱え、倒れるブーンのその背中を、ツンがさする
まともな身体ではないブーンに、それが意味があるとは思えないが
それでも、ツンはつづける

ξ゚-゚)ξ 「ねぇっ!? 一体どうしたのよっ!?」
(;^ω^) 「ツン・・・・・・・・あっち・・・・・・・」
ξ゚听)ξ 「え!? 何、なんて言ったの?」

ふるふると、震える指先を、必死の思いでアーケードの端に向ける

ξ゚听)ξ 「あっち・・・・・・・?」
     「あっちって・・・・・・向こうはオフィス街よ・・・・・・?」

そうだ、確か、そのあたりで、意識がもどったんだ・・・・・・・・・
そこに、何があるって言うんだ・・・・・・?

ξ゚听)ξ 「あっちには・・・・・・あとは、宝石店ぐらいしか・・・・・・」
( ^ω^) 「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

それだ!
それを忘れていたんだ!!!!!!!!!!!!!
 

 全 部 思 い 出 し た !



270: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/07(水) 08:20:46 ID:s4aF6zCg0
バシュゥゥゥゥゥッゥゥゥゥゥゥゥウウウウウウウウウッッッッッ!!!!!!!

ξ゚-゚)ξ 「え・・・・・・・・・? え・・・・・・・・・・!?」

蒸発するような音を立て、まばゆい光を立て
光と音のすさまじさに、ツンが目を閉じ、そして開いたとき
ブーンの姿が消えていた

ξ゚-゚)ξ 「うそ・・・・・・・・・・・・・でしょ・・・・・・・・・?」

たまらず、ツンは駆け出す。ブーンが指差した方向へと
アーケードを抜け、視線をめぐらす
記憶に、宝石店があった位置に視線を移すと

ξ゚-゚)ξ 「何・・・・・・よ・・・・・あれ・・・・・・・・!?」

『立ち入り禁止』
の文字が書かれた、黄色のテープで宝石店への道は閉ざされていた

ξ゚-゚)ξ 「どういう・・・・・・・こと・・・・・・! どういうことよおおおおお!!!?」

ツンの叫びは、夕方のアーケードに響いて、消えていった



272: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/07(水) 08:27:27 ID:s4aF6zCg0
ピッ・・・・・ピッ・・・・・ピッ・・・・・
心電図の音が、部屋に響く

('A`) 「・・・・・・・・・・・・・・・」
(´・ω・`) 「・・・・・・・・・・・・・・・」

病室の中では、毒男とショボンの二人が、一言も発せず、ただ座っていた
毒男は、無意識にタバコを口にくわえ、病室だと気づいて、それを折る
ショボンは、それを拾い、ゴミ箱へと投げ込む
ただ、それを繰り返していた

('A`) 「なあ・・・・・・・いい加減、起きろよ・・・・・・・・・・」

毒男が、眠ったままのブーンに話し掛ける

('A`) 「ツンがな、誰かとデート中なんだとよ・・・・・・・・・・・」
    「ふざけてんよなw・・・・・・・・・」

返事は、返らない

('A`) 「なあ・・・・・・・・・お前は、それでいいのかよ・・・・・・・・!!」
    「頼むからよ・・・・・・・!! おきてくれねぇかな・・・・・!!」

返事は、返らず、ただ心電図の音だけが響く



273: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/07(水) 08:35:02 ID:s4aF6zCg0
(´・ω・`) 「まったく・・・・・・・・間が悪いにも、程があるよ・・・・・」
('A`) 「だよな・・・・・・・・・まさか、こいつが、な・・・・・・・・・」

窓の外は、もう夕暮れだ。赤い光が、まるで血のように部屋を染め抜く

('A`) 「あの時も、こんな夕日だったのかな・・・・・・・・」
(´・ω・`) 「かも・・・・・・ね」

ギリっ、と二人同時に歯軋りする

('A`) 「なんで、コイツが、珍しいとこにいるところに・・・・・・・・・!!」
    「強盗なんかが来るんだよ・・・・・・・・・・・!?」

ブーンの怪我は、それが原因だった
宝石店に強盗が入り、金品を強奪
それを阻止しようとしたブーンが、金属バットで頭を殴られ、今にいたる

(´・ω・`) 「なんで・・・・・・なんで抵抗なんかしたのさ・・・・・・・・!!」
('A`) 「わっかんねぇよ・・・・・・わかるわきゃねぇだろが・・・・・・・!!」

ゴスっ! ゴスっ! ゴスっ! ・・・・・・・・・

壁を毒男が殴りつける。何度も何度も。ショボンもそれを止めようとはしない

ピッ・・・・・ピッ・・・・・ピッ・・・・・



444: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/07(水) 23:06:08 ID:s4aF6zCg0
ピッ・・・・・ピッ・・・・・ピッ・・・・・ピッ・・・・・

頭が・・・・・・痛い・・・・・・・・・・・・・・・・
どうしようもなく・・・・・・痛い・・・・・・・・・・・・・

もう、意識を保つことも難しいぐらい、痛みは増している

それでも・・・・・・それでも・・・・・まだだ・・・・・・・まだなんだ・・・・・

精神力、体力、その限界なんて、知ったこっちゃない
まだ、伝えなきゃいけない言葉が残っている

このまま・・・・・・・・・終わりになんて・・・・・・・・・できない・・・・・・・・!!

( ^ω^) 「・・・・・・・・・・・・・・・ツ・・・・・・・ン」
('A`)・(´・ω・`) 「!? ブーン!?」

突然、なんの前触れもなく、ブーンの口から声が漏れた
傍にいて、やっと聞こえる程度のその音は、衝撃をもって二人に伝わる

('A`) 「おい!? おい!? 目ぇ覚めてんのか!?」
(´・ω・`) 「・・・・・そんな・・・・・ははw・・・・・・嘘みたいだ・・・・・・!!」

ああ・・・・・・・・・・二人の声が・・・・・・・聞こえる・・・・・・・・
でも・・・・・・・・・でも・・・・・・・・・・・・・・聞きたい声は・・・・・これじゃない・・・・・・

( ^ω^) 「ツン・・・・・・・・・ツン・・・・・・・・・・来・・・・・・て・・・・・・」



451: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/07(水) 23:15:39 ID:s4aF6zCg0
もう、決して聞く事ができないと思っていたブーンの声に
二人は一瞬の間、喜んだ
だが、その後に気がつく。まだ、ブーンの容態は回復したわけではないのだ

('A`) 「おい!? 聞こえるか・・・・・・・!? ・・・・ああ、返事はすんなよ!?」
(´・ω・`) 「そうだよ! とにかく・・・・・・喋らないで・・・・・・!!」
('A`) 「おい、ショボン! ナースコール押せ! ヤブ医者もついでに呼んで来い!!」
(´・ω・`) 「うん! わかった!!」

ベッドの上にあるナースコールに、ショボンが手を伸ばそうとした。が
ガッ! と、その手をブーンが握り、止めた

(´・ω・`) 「え・・・・・・・!?」
( ^ω^) 「いい・・・・・・・・・・・・から・・・・・・・・・・ツン・・・・・・!!」
('A`) 「・・・・・・・!? ・・・・・ばっかやろうっ!! そんなときじゃねぇんだぞ!?」

ドアへと毒男が走り出そうとする。しかし・・・・・・・・

( ^ω^) 「いい・・・・・・・!! から・・・・・・・・・!!」

体力を、振り絞り、ブーンが叫ぶ
もう、自分で呼吸すらすることも出来ないはずなのに、その声は力強い



455: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/07(水) 23:23:06 ID:s4aF6zCg0
('A`) 「・・・・・・・・・・・・ちっ!」

唇を噛み締め、舌打ち
ドアノブから手を離し、ブーンへと向き直ると、毒男は携帯を取り出した
それを見て、ショボンは焦る
ここには今、精密機器が大量にある。もし、それで影響が出たならば・・・・・・・

(´・ω・`) 「ちょ・・・・・・! 毒男! ここは病室で・・・・・・・・・!!」
('A`) 「うるせぇよ・・・・・・・・・!! こうするしかねぇだろが・・・・・!?」

構わず、電話帳を開き、ある番号へと電話をかける

('A`) 「・・・・・・・・・おい、ブーン」
    「てめぇの愛しい愛しいアイツはよ・・・・・・・今、お前を見てねぇぞ・・・・・」
    「それでも・・・・・・それでも・・・・・・・・・・・!!」

ブツっ、と噛み締めた唇が破裂するように血をふきだす

('A`) 「それでも・・・・・・・・・アイツに来て欲しいのかよっ!?」

何を・・・・・・・・・・当たり前のことを・・・・・・・・・・・・・・・

( ^ω^) 「ツン・・・・・・・・・・・に・・・・・・・・伝えな・・・・・・・・きゃ・・・・!!」

ピッ・・・・・ピッ・・・・・ピッ・・・・・ピッ・・・・・



464: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/07(水) 23:32:50 ID:s4aF6zCg0
アーケードにへたり込み、ツンはただただ、視線をめぐらす

ξ゚-゚)ξ 「ねぇ・・・・・・・・・・どこ・・・・・・・・・・・どこなの・・・・・・・?」

さっきまで、この腕の中にあった、確かなぬくもり
そして、消える直前の、怯えるような震え
それを探して、ツンは視線を彷徨わせる

ξ゚-゚)ξ 「ど・・・・こ・・・・・・? なんで・・・・・・・置いてくの・・・・・・・?」

足は、もう動こうとしない
別に怪我とか、そういうわけじゃない
身体ではなく、心がもがれたその作用で、足は鉛のように重くなっていた

ξ゚-゚)ξ 「連れ・・・・・・てってよ・・・・・・・・! どこだって・・・・・・行くから・・・・・・・!!」

重い、重い、重い・・・・・・・・・・・・・
足どころか、腕が、身体が、首が、頭が、
すべて重い・・・・・・・・・・・・・・・
ついには、視線すらも重みに耐え切れず、下へと落ちていく

ξ゚-゚)ξ 「なんで・・・・・・・・なんで・・・・・・・・・なんでよ・・・・・・・・!?」

涙は地に落ち、それと同時にツンは


自分の命すら、重く感じるようになった



485: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/07(水) 23:43:08 ID:s4aF6zCg0
抜け殻のようなツンのポケットから、不意に着信音が鳴り響いた

ξ゚-゚)ξ 「!?」

そんな、はずはない。確かに、携帯の電源は切っていたはずだ
なのに、どうして、今、ここで、携帯は鳴るのだろう
疑問に思う暇もなく、ツンは咄嗟に電話に出る
それが、ブーンに繋がる、最後の糸のように思えて・・・・・・・

ξ゚听)ξ 「・・・・・・・・・・・・・・・もしもし?」
('A`) 『とっとと病院まで来い!! 急げ!!』
ξ゚听)ξ 「!?」

唐突な毒男の言葉に面食らう、ツン

ξ゚听)ξ 「なに・・・・・・・よ・・・・・・・? なんなのよ・・・・・・・!」
('A`) 『てめぇの耳と脳ミソは飾りか!? さっきっから言ってんだろうが!!』
    『ブーンが大変だっつってんだろが!?』

そんなことは・・・・・・・・・知っている・・・・・・・・・・・・・!!



494: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/07(水) 23:51:40 ID:s4aF6zCg0
('A`) 『それとも何か!? 今、そこにいるデートの相手がそんなに大切か!?』

今、ここになんていないけど・・・・・・・・・・
ああ・・・・・・大切だ・・・・・・大切に決まってる・・・・!!

('A`) 『どれだけそいつがいい男かしらねぇがな・・・・・・・・・!!』
    『ブーン以上に、お前を想ってる奴なんかいねぇんだぞ!?』

毒男が叫ぶ声は、携帯越しだというのに、アーケードに響き渡る

('A`) 『アイツは・・・・・・・・! 死にそうだって言うのに・・・・・・!』
    『いつ、いつ死んでもおかしくねぇってのに・・・・・・・・・・・!!』

震える毒男の声は、それでも強く、血を吐くように、ツンに投げかけられる

('A`) 『そんなときでも・・・・・・・・・お前を呼び続けてんだぞっ!!!!』

ξ゚-゚)ξ 「え・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!?」

('A`) 『聞こえてんのか!? 今、ベッドの上のアイツは、お前を呼んでんだよ!?』
    『今・・・・・・今こなきゃ・・・・・・・・アイツが、死んじまうんだよ!!!!!』

ブツ・・・・・・・・・・・・・
ツンは通話を切った。もう、これ以上聞くことなんてない
ブーンは、今病院にいる。だったら・・・・・・・・・・・・



512: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/08(木) 00:02:04 ID:Ka25GBUy0
('A`) 「ちっくしょ・・・・・・・!!」

バガンっ!! と、毒男は携帯を床に叩きつける
大して丈夫ではない携帯の外装は、粉々に砕け散り、液晶が光る粉となって舞う

(´・ω・`) 「ちょ・・・・・!? 毒男!?」
('A`) 「あんのスベタ・・・・・・・! いきなり切りやがった・・・・・・・!!」
(´・ω・`) 「え・・・・・・そんな・・・・・・・!?」

ショボンが驚き、毒男が激昂する
毒男はブーンのもとに駆け寄り、手を握り、叫ぶ。叫び倒す

('A`) 「おい! おいっ!! ・・・・・・・これで、いいのかよ・・・・・・!!」

ブーンは返事を返さない

('A`) 「こんな・・・・・・こんな奴のために・・・・・・・・・・・・・・!!」

毒男が涙をぬぐおうともせず、ただただ流しつづけ、それでも叫んだ

('A`) 「お前は・・・・・・・最後の言葉を使う気なのかよっ!?」

思わず、胸倉を掴みそうになり、そんなことは出来ないと、腕を引こうとしたとき
その腕が、つかまれた

('A`) 「え・・・・・・・・・・・・・?」



530: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/08(木) 00:13:11 ID:Ka25GBUy0
掴んだその腕を伝って、視線を上げていくと、そこには・・・・・・・・

(´・ω・`) 「え・・・・・・どう・・・・・して・・・・・・・!?」
('A`) 「うそ・・・・・・・・・だろ・・・・・・・・・?」
ξ゚-゚)ξ 「あんた・・・・・・ブーンに何をしようとしてんのよっ!!」

ツンが、立っていた

('A`) 「な・・・・・んで・・・・・・お前が、いるんだよ・・・・・・・?」
ξ゚-゚)ξ 「電話を寄越したのは、あんたでしょ!? 10分もあればつくわよ!?」

10分・・・・・・・・・?
そんなわけは、ない
たった今、そこで携帯を粉々に砕いたばかりだ
何処をどうやったって、そんなに立っているわけはない

しかし、ツンは確かにそこに立っている
それは、紛れもない、事実だ・・・・・・・・・

( ^ω^) 「ツ・・・・・・ン・・・・・・・・・・・・ありが・・・・・とう・・・・」



552: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/08(木) 00:28:02 ID:Ka25GBUy0
ピッ・・・・・ピッ・・・・・ピッ・・・・・ピッ・・・・・

毒男を押しのけ、ツンはブーンの手を握る

ξ゚-゚)ξ 「ねぇ・・・・・!! ねぇったら・・・・・・!!」
( ^ω^) 「あ・・・・・・・・・・・・・・・・ツン・・・・・・・・・・」
ξ゚-゚)ξ 「なに・・・・・? 何・・・・・・? 来たわよ? アタシはここにいる・・・・・」

握り返す力は弱々しい。繋いだ手が離れないよう、ツンは殊更に力を入れる
しかし、それでもなお、ブーンの手はツンの手からほどけて落ちた

ξ゚-゚)ξ 「あ・・・・・・・・・・・・・・・・」

落ちた手は、掛け布団の中に、もぐりこむように入っていく
ツンは慌ててふとんをどけ、ブーンの手を追おうとする
ここで、ここで離したら、もう二度とつかめない気がして・・・・・・

( ^ω^) 「ツン・・・・・・・・・・これ・・・・・・・・・・・・・」
ξ゚-゚)ξ 「え・・・・・・・・・・・・・?」

掘り出し、再び握ろうとしたブーンの手には、いつのまにか小箱が握られていた



625: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/08(木) 02:01:57 ID:Ka25GBUy0
―――――――――時間は、遡る――――――――

ブーンは歩いていた
安物のコートは重いばかりで首筋がいやに寒い

(;^ω^) 「あたらしいのが欲しいお・・・・・・・・・・」

ぶるるっ、と身体が震える
新しいコートを買うお金は十分にある。そのために、夏から貯金をしていた
しかし、そのお金は使えない
昨日の、ツンとの会話を思い出す


ξ゚-゚)ξ 「ねぇブーン、クリスマスって、暇?」
(;^ω^) 「・・・・・それは新手の嫌味かお? どうせ暇だお・・・・・」

ふてくされるブーン
お世辞にもいい顔をしているとは言えないブーンに、クリスマスの予定などあるわけが無い
そんなことは、ツンだってわかっているはずだった
ツンはブーンの答えにニヤニヤと笑い、そうなんだ、と呟く

( ^ω^) 「それがどうかしたかお?」
ξ゚-゚)ξ 「んー? そうねぇ、それじゃあ、うちに来ない?」



626: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/08(木) 02:02:17 ID:Ka25GBUy0
(;^ω^) 「・・・・・・・・・・・・・・・へ?」

生まれて初めての、女の子からの誘いに、ブーンは硬直してしまった
しかも、その誘ってくれたのが、密かに想っていた人ならば、なおさらだった
そんなブーンのリアクションに、ツンは顔を真っ赤にして弁明をする

ξ///)ξ 「か、勘違いしないでよねっ!?」
    「ちょっと・・・・その・・・・・ホームパーティーの人数あわせなんだからねっ!」
(;^ω^) 「へ・・・・? ・・・あ、なんだ、そういうことかお・・・・・・・」

少々、がっかりする、と同時に、いくらなんでも、とも思う

( ^ω^) 「あ、でも、数合わせでもぼくがそんな、ホームパーティーなんかに・・・・・・・」
ξ#゚听)ξ 「ピキッ・・・・・なんか、で悪かったわね・・・・・・・・!!」
(;^ω^) 「いやいや!? そういう意味じゃないお!?」

なにやらブーンの言い回しを、悪い方に曲解したツンに慌てて今度はブーンが弁明すると・・・・

ξ゚听)ξ 「そういう意味じゃない? なら、文句は無いのよねっ?」
(;^ω^) 「へっ!? いや、なんで!? なんでそうなるお!?」
ξ#゚听)ξ 「やっぱりなんかいやなことでもあるのねっ!?」
(;^ω^) 「ちょ・・・・・・どうどうめぐり・・・・・・・!!」

そんなやりとりを何度か繰り返した末
ブーンはツンの家に、クリスマスにお邪魔する事となった



627: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/08(木) 02:02:33 ID:Ka25GBUy0
('A`) 「・・・・・・よし、お前がアホなのはよく理解できた」
(;^ω^) 「あ、アホって・・・・・・・・ひどいお?」
(´・ω・`) 「気がついてないんだね・・・・・・? ・・・ハァ・・・・・」

ツンの誘いのことを、ブーンは親友の二人に相談していた
結果は、上のような回答だった。ブーンはこれ以上にけなされたのだが、それは割愛する

(#^ω^) 「ぼくのどこがアホだお!?」

ぷりぷりと怒るブーンに、二人はため息混じりに、懇切丁寧に説明を開始

('A`) 「いいか? 普通はな、合コンじゃないんだからな・・・・・・・・・」
(´・ω・`) 「パーティーに、数あわせなんか普通はしないんだよ?」
( ^ω^) 「・・・・・・・・・・・・・・・・そうなのかお?」
      「だったら、なんでツンは、あんなこと言ったのかお?」

またもや、二人揃って、こりゃ駄目だ、と、ため息を吐く

('A`) 「ツンのことだ、どうせ照れ隠しだろ?」
(´・ω・`) 「普通に、ただ家に呼びたかったんだってば・・・・・気づきなよ?」
(;^ω^) 「・・・・・・・・・・・・・・・・・ま、まじかお!?」



628: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/08(木) 02:03:05 ID:Ka25GBUy0
('A`) 「俺達に相談してよかったな?」
(´・ω・`) 「うん。せっかくのお誘いなんだからさ、このチャンスを活かしなよ?」
( ^ω^) 「活かすって・・・・・・・どうすればいいんだお・・・・・・?」

不安げなブーンとは対照的に、自信満々というか不敵な笑いを二人は浮かべ、声をそろえる

('A`)・(´・ω・`) 「プレゼントに決まってるだろw」


そんな二人のアドバイスを受けて、ブーンは町を練り歩いていた
今まで誰かにプレゼントなんてしたことがない
二人が言うには、何か小物の方がいいらしいが、

(;^ω^) 「小物ってなんだお・・・・・・・?」

そもそもブーンはそう言った概念を持ち合わせていないらしい
とりあえず、服とか家具ではない、ということしか分かっていない
どうしたものかと、アーケードを歩いていたが、気がつけばオフィス街まで来てしまった

( ^ω^) 「・・・・・・・・・ここで探せるのかお?」

くるくると、ハトのように首をぐりぐりと回し、周囲を見回すブーン
すると、一軒の宝石店が目に止まった



629: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/08(木) 02:03:26 ID:Ka25GBUy0
(;^ω^) 「ふわぁ・・・・・・なんかすっごいお・・・・・・・・・」

初めて入る本格的な装飾品店に、ブーンは圧倒される
これまでアクセサリーなんて露店でしか見た事がなかったブーンには刺激的だろう

清潔感あふれる白い内装
ガラスケースに綺麗に陳列された指輪、ネックレス、ブレスレット
客が少なく、その少ない客一人一人につく店員

どれもこれも、ブーンには初めてみるものばかりだ
そして、これもまたブーンにショッキングだったのが

(;^ω^) 「値段・・・・・・・・・・ゼロが一つ多くないかお・・・・・・?」

露店と比べて、十倍百倍の値段の品々にひるむ
これでは降ろした貯金でも足りないかも知れない・・・・・・

店員 「なにかお探しですか?」
( ^ω^) 「ふわっ!?」

ブーン、びびりすぎだってば



632: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/08(木) 02:06:32 ID:Ka25GBUy0
(;^ω^) 「あ、その・・・・クリスマスのプレゼントを・・・・・・・・・」

もじもじと、変に緊張しながら言うブーンの様子に、店員が何か気づく

店員 「・・・・・・・彼女さんに、ですかw?」
(;^ω^) 「いや!? あ、でも、その! あくぁwせdrftgyふじこぉlp;!!」
店員 「あははwww、そんなに照れなくてもいいですよ?」
    「それで、ご予算はどのぐらいで・・・・・・?」

聞かれ、ブーンが答えた数字に、店員は顔をゆがめる

店員 「うーん・・・・・それだと、ちょっと、厳しいですかねぇ・・・・・・」
(;^ω^) 「や・・・・やっぱり、無理かお・・・・・・・・・?」

大袈裟に肩を落とすブーン。その姿がよほど哀れだったのか

店員 「いや・・・・・・・うん、それじゃ、少しサービスしましょうかw」
( ^ω^) 「え!? いいのかお!? ありがとうだお!!」

店員の手を握り、ぶんがぶんがと上下に振るブーンは子供のように喜んでいた



662: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/08(木) 02:50:00 ID:Ka25GBUy0
店員 「これなんかが、一番手ごろですね」
(;^ω^) 「ゆ、指輪・・・・・・・・・?」

いくらなんでも、それはクリスマスプレゼントには重過ぎないだろうか?

店員 「はは、確かにw ・・・・・でも、そのぐらいでちょうどいいと思いますよ?」

いい歳して、こんなにウブな青年には、このぐらいのインパクトが必要だ
そう、店員は思ったのではないのだろうか
ブーンも、店員が悪戯にそれを薦めているわけではないことはわかるし
それどころか、こちらに対する気遣いすらも感じる事ができた

( ^ω^) 「わかったお! それじゃ、それくださいだお!」
店員 「はいw あ、サイズがあいませんでしたら、持って来て下さい。直しますから」
( ^ω^) 「わかったお! 本当にありがとうだお!!」

会計を済ませ、指輪をラッピングしてもらおうとした、その時・・・・・・・・・

強盗1 「騒ぐな・・・・・・! そこらにある宝石をすべて寄越せ!!」
(;^ω^)・店員 「!?」

拳銃と金属バットで武装した集団が突如乱入してきた



663: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/08(木) 02:50:21 ID:Ka25GBUy0
店内に悲鳴が上がる
店の前に黒いバンを駐車し、乗り込んできたのは三人
いずれも黒尽くめの男たちであった
拳銃を突きつけられたお客たちは、みなスミに固まって縮こまり
店員達は、ガタガタと震えていた

強盗1 「いいか? 抵抗しなければ、何もしない。保証しよう」
強盗2 「さっさとこの袋に詰め込め。・・・・・・俺らも殺しはやりたくないんでね・・・・w」

ニヤニヤと笑う男の台詞は、ハッタリには聞こえなかった
言われるがままに、店員達は、宝石を袋に放り込んでいく

強盗3 「おい、ショーケースの上に一つ残っているじゃないか?」
( ^ω^) 「!?」

次々と宝石が持ち去られる中、黒尽くめの一人が、ブーンの指輪に目をつけた
ラッピングこそされていないが、小箱にはすでに入れられているそれは
高価なものかもしれない、そう男は思ったのだろう、手にとろうとする
が、

(#^ω^) 「それはぼくのだおっ!!!!」
強盗3 「うわっ!? なんだお前は!?」



664: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/08(木) 02:51:00 ID:Ka25GBUy0
飛び掛り、男の手から指輪を取り戻そうとするブーン
だが、なぜか男は拳銃を使おうとはしない

(#^ω^) 「返すおっ!!」
強盗3 「くっ・・・・・・なんなんだよ・・・・・・・!?」

それは、絶対に渡すわけにはいかない・・・・!!
初めて、好きな人に送ろうとしたプレゼントを
店員さんが、好意からサービスしてくれた思いやりの品を
毒男とショボンが、考えてくれた、嬉しいアイデアからの品を

こんなやつらに、取られたくなんかない・・・・・・!!

(#^ω^) 「これだけは・・・・・・・・ゆずれないおっ!!」
強盗1 「バカ野郎っ! とっととずらかるぞ!!」

後ろから・・・・・・声がした、と思ったときには、もう遅かった・・・・・・・・


ゴギッ!! ・・・・・・・・・・・どさ・・・・・・・・・・・

( ^ω^) 「かっ・・・・・・・・・・・・?」

振り上げられたバットは、ブーンの後頭部を襲い
鈍い音を立て、そしてそのまま、ブーンは崩れ落ちていった



665: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/08(木) 02:51:11 ID:Ka25GBUy0
痛い・・・・・・・・・・あれ・・・・・・・・・?
なんだか・・・・・・頭が生あったかい・・・・・・・・・・・・・
ぬれてる・・・・・・・・・のか・・・・・・・・・な・・・・・・・・?

強盗3 「お・・・・・・おい、やばくねぇか・・・・・・・・・?」
強盗1 「こ! こ、こ、こいつが、わるいんだ・・・・・・!!」

なんだか・・・・・・・・慌てた声が・・・・・・・・・聞こえる・・・・・・・・・

強盗2 「ちっ・・・・・・! もういいから、とっとと車にのれ!」
強盗3 「あ、ああ・・・・・・・・・・・」
強盗1 「ち、ちち、ち、ちくしょう・・・・・・お、おれは、わるくねぇぞ・・・・・・!?」

どたどた・・・・・・・・・うるさいなぁ・・・・・・・・・・・・・

あ・・・・・・・・・ゆびわ・・・・・・・・・・どうした・・・・・・・お?

あ、よかった・・・・・・・ちゃんと・・・・・・・・・・もってた・・・・・・・・

きっと・・・・・きっと・・・・・・ツンに・・・・・・・・似合う・・・・・・・・・・


そこで、ブーンの意識は、真っ黒な闇へと、落ちていった

震える客と、悲鳴をあげる、店員達
そして、うごかなくなったブーンだけが、騒々しさから、とりのこされていた・・・・・・



700: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/08(木) 03:51:19 ID:Ka25GBUy0
ピッ・・・・・ピッ・・・・・ピッ・・・・・ピッ・・・・・

( ^ω^) 「ツン・・・・・・・・・・・・これ・・・・・・・・・・・」

そう言って、ブーンは小箱の蓋を開ける
カパッ、と開いたその中には、小さい指輪がひとつ
中心にダイヤのように水晶をあしらったそれは、決して豪華ではないが
品のある、シンプルなつくりであった

ξ゚-゚)ξ 「これ・・・・を? アタシに、渡すために・・・・・・・・・?」
( ^ω^) 「つけ・・・・・・・・・・・・て・・・・・・・・・・・・」

言われるままに、ツンは指輪を手に取るが、どの指に合うのかわからない

ξ゚-゚)ξ 「・・・・・・・・・・・・・・・」

少しだけ、考え、順にためしてみることにした
人差し指・・・・・・・・・・・・・・入らない
中指・・・・・・・・・・・・・・入らない

ξ゚-゚)ξ 「あはw・・・・・・・ダイエット、した方が、いいかも・・・・・・ね」

もしかしたら、という不安がよぎる


最後に残った薬指、これで入らなければ・・・・・・・・・・・どうしよう・・・・・・

そんな不安が、頭をよぎる



701: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/08(木) 03:51:38 ID:Ka25GBUy0
何故だか、緊張する・・・・・・・・・・
ブーンがくれたプレゼントの指輪
まさか、それを、薬指にはめることになるなんて。その意味を、つい考えてしまう

状況は、決して楽観的なものではない
だがそれでも、嬉しく、そして・・・・・・・・・不安に思う

ξ゚-゚)ξ (もし、これが入らなかったら・・・・・・・)

ブーンとの、絆が切れる。そんな、予感がする

ξ゚-゚)ξ (ううん、そんなことはない・・・・・・・・・・・・!)

指輪は入るし、それに、ブーンとの絆が、切れるわけがない
自分に言い聞かせ、指輪をはめようと、爪のところへと持っていく

ξ゚-゚)ξ 「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

だが、どうしても・・・・・・・・・そこから降ろせない
どうしても・・・・・・・・・・踏ん切りがつかない
だから、ツンは言った

ξ゚-゚)ξ 「ブーン・・・・・・貴方の手で・・・・・・つけてくれない・・・・・・?」



702: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/08(木) 03:52:16 ID:Ka25GBUy0
ピッ・・・・・ピッ・・・・・ピッ・・・・・ピッ・・・・・

( ^ω^) 「わかっ・・・・・・・・・た・・・・・・・・・・お・・・・・」
ξ゚-゚)ξ 「うん・・・・・・・・・・・お願い・・・・・・・」

ブーンは、指を震わせながら、力を振り絞りながら、指輪をつまむ
ツンは、ブーンが支えてくれる指輪の下に、自分の薬指を置き、待つ


ブーンの手から、滑り落ちるように、指輪が、ツンの指へと降りていった



703: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/08(木) 03:53:18 ID:Ka25GBUy0
しかし・・・・・・・・・・・・・・・

ξ゚-゚)ξ 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・やっぱり、ね」

指輪は、第二間接のあたりで、止まってしまった
それ以上は、多分無理矢理にでも押さない限り、入らないだろう
ツンは、力なく、ブーンに笑いかける

ξ゚-゚)ξ 「あはw・・・・・・やっぱり、ダイエット、してみる・・・・・・・・」
    「それでね? ・・・・・・クリスマスには、絶対、間に合わせるから・・・・・」

そのときにまた渡して、そこまで、言い切る前に
ツンの途中で止まった指輪を見つめ、ブーンは微笑み・・・・・・・・

( ^ω^) 「ツン・・・・・・・・・キレイ・・・・・・・だお・・・・・」
      「ずっと・・・・・・ずっと・・・・・・・すきだ・・・・・・・った」

パサリ・・・・・・・・・・・・・・・・・と、ブーンの手がベッドからこぼれ・・・・

ξ゚-゚)ξ 「え・・・・・・・・・・・・? ブー・・・・・・ン・・・・・・・?」

ピッ・・・・・ピッ・・・・・ピッ・・・・・ピッ・・・・・ピーーーーーーーーーーーーーーーー

ξ゚-゚)ξ 「え・・・・え・・・・・? え・・・・・・・・・・・・!?」


「いやあああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」



738: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/08(木) 04:27:24 ID:Ka25GBUy0
身体が、急に軽くなった
さっきまでの痛みや、身体が動かない、妙な気だるさは微塵も感じない

( ^ω^) 「あ・・・・・・そうか・・・・・・・」

周りの風景は、すでにあの病室ではなかった
草原が広がり、さらにその向こうには河が流れている
どうやらここは、よく聞く、死後の世界、とでも言うやつなのだろう

( ^ω^) 「あまり、面白みがないとこだお・・・・・・・・・・」

呟く声には、どこか余裕が見える
もう、現世に未練はない。渡したい物、伝えたいことは、すべて終えた
なら、後は・・・・・・・・・・・・・・

( ^ω^) 「すなおに、あの世に行くお・・・・・・」

河へと向かって、ブーンは歩き出した



955: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/08(木) 23:22:10 ID:Ka25GBUy0
サク・・・・・・・・サク・・・・・・・・・・
踏みしめる草の音が心地いい
ほどなくして、ブーンは河原にたどり着いた
と、そこには、

(´<_` ) 「・・・・・・・・・とうとう、お前も来たか」
( ^ω^) 「弟者・・・・・・・・・・・・・」

河のほとりの、大きめな石に腰をおろし、弟者がこちらに手を振っていた

( ^ω^) 「知ってたのかお?」
(´<_` ) 「いや、俺もこっちに来るまでは知らなかったが・・・・・」

ぽん、と弟者が手を叩くと
石の周りに、お菓子やお膳、さらにはノートPCまでもが現われた
弟者はノートPCを手にとり、ブーンに向き直る

(´<_` ) 「そなえてもらった物は、どうやらこっちに来るみたいでな」 
      「兄者のくれた、コイツ越しにお前の姿を見ていた・・・・・・・・」

兄者のおかげだな、と、とても爽やかに、モニターに微笑む弟者
モニターを横から覗き込めば、今は兄者が映っていた



975: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/08(木) 23:45:37 ID:Ka25GBUy0
ニヤニヤと笑いながら、弟者はモニターを指差す

(´<_` ) 「プッ・・・w 兄者も極端なやつだw」
      「たかがバイトの面接だと言うのに、スーツの用意をしているw」

モニターの中では
兄者が何度も電話をかけては切り、かけては切りを繰り返していた
どうやら、お話中か何かで、繋がらないのだろう

(´<_` ) 「仕方ない・・・・・・手を貸すか・・・・・・・・・」

カタカタとキーボードを叩き、何かを打ち込む弟者
モニターの端に時刻が浮き上がり、弟者はその数字を修正。10分ほど時間を戻す
すると、その途端に兄者の電話が繋がった

( ^ω^) 「今、何をしたお?」
(´<_` ) 「電話の時間をずらしたんだ。繋がるだろう時間までな」
      「あの糸に触れたおかげか、電話回線なら、そんなこともできるようになってな」



977: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/08(木) 23:46:14 ID:Ka25GBUy0
どもりながら、緊張した面持ちで何度も頭を下げている兄者を見つつ
弟者はタバコに火を点ける

( ^ω^) 「それじゃあ・・・・・・ツンの電話を繋いでくれたのは・・・・・・・・・」
(´<_` ) 「・・・・・・・・・・・・ああ、俺だ」

少しでも、恩返しをしたくってな・・・・・・・・
視線を合わさず、弟者はうなずいた

(´<_` ) 「あまり、そんなことばかりしていると、業が深くなりそうだがな・・・・・・」
( ^ω^) 「ありがとうだお・・・・・・・おかげで、最後に間に合ったお・・・・・・・」

弟者の協力がなければ、自分は伝えることも渡すことも出来ずに、死んでいただろう
弟者には、いくら感謝してもしたりない、そう思い、頭を下げる
だが

(´<_` ) 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

弟者は何も言わない。目を合わせようともしない
いぶかしみ、ブーンが尋ねる

( ^ω^) 「どう・・・・・・・したお・・・・・・・・・・?」
(´<_` ) 「それも・・・・・・・余計なことだったみたいなんでな・・・・・・・・・!」 
( ^ω^) 「え・・・・・・・・・・・・・・・・?」

きっ! とブーンを睨む弟者の目は、怒りに赤く染まっていた



988: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/08(木) 23:57:42 ID:Ka25GBUy0
弟者が怒る意味が分からず、ブーンは焦る

(;^ω^) 「よ・・・・・・余計じゃないお!? おかげでぼくは・・・・・・・・」
(´<_` ) 「好きだ、と伝えられた、か・・・・・・・?」

頷く
弟者は立ち上がり、ブーンの胸倉を掴み上げ、睨む

(;^ω^) 「ちょ・・・・・・・なに・・・・・・・なにするお・・・・・・!?」
(´<_`#) 「俺は・・・・・俺は・・・・!!」

あまりの怒りに、言葉が続かない
一息、それで呼吸を整える

(´<_`#) 「お前なら、きっと、俺がした以上のことをしてくれると思っていた・・・・・!」

何を・・・・・・・怒っているのか・・・・・・・・・分からない・・・・・・・・・

(´<_`#) 「それが・・・・なんだ!? お前は気持ちを伝えれば、満足か!?」

なぜ・・・・・・・・それが・・・・・・・・・・・・いけない・・・・・・・・?

(´<_`#) 「気がついていないのか!? この自己中野郎がっ!!」
      「最後に・・・・・・好きだなんて言われて・・・・・・・・・・・・」
      「それであの娘が幸せになれると思ってんのかっ!?」



45: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/09(金) 00:19:58 ID:cpNoveIe0
弟者の言葉は、止まらない
ブーンとツンの二人に、自分と、残してきた兄者を重ね、叫ぶ

(´<_`#) 「あの娘が可哀想だと思わないのか!?」 
      「最後の最後で・・・・・・そんなこと言われて・・・・・・・・!!」
      「どうやって・・・・・・どんな気持ちで、あの娘はこれから生きてくんだ!?」

自分の最後で苦しむ兄者を思い出す
自分は、そんな兄者は絶対に見たくない、見たく・・・・・・・・なかった

(´<_`#) 「お前なら・・・・・・どうなんだよ!?」
      「今際の際に、好きだ、なんて言われて・・・・・・・・・!!」

新しい人を横に置くことなんて・・・・・・考えることも出来ないじゃないか・・・・・・
出来ない、考えられないっていうのに・・・・・・・それでも・・・・・・・・・・

(´<_`#) 「もう、その人はいなくなっちまうんだぞ・・・・・・・・・・・!?」
      「その言葉に・・・・・応えることは・・・・・・・できないんだぞ・・・・・・」

弟者は、泣いていた



100: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/09(金) 01:23:11 ID:cpNoveIe0
弟者の腕を振り払い、今度はブーンが吼える

(#^ω^) 「じゃあ・・・・・・じゃあ・・・・・・・・・・・・・どうすればよかったお!?」

身体を震わせ、火山が噴火するかのように、感情を爆発させる

(#^ω^) 「ツンに、ぼくのことは忘れろとでも言えばよかったのかお!?」
     「まだ・・・・・・まだ・・・・・・好きだと告げてもいないのにかお!?」
     「それで、それで・・・・・・・・・・・!!」

興奮のせいか、弟者と同じく、言葉が出なくなる
一息、これもまた同じく、息を整える

(#^ω^) 「・・・・・・・・・・どこの誰とも知らない、そんな奴と・・・・・・!!」
     「ツンに一緒になれって・・・・・・言えば良かったのかお!?」

ブーンは、涙を流し、流れるままに任せ、声を落とす

(#^ω^) 「そんなの・・・・・・・・・・・・・いや・・・・・・だお・・・・・」



124: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/09(金) 01:42:30 ID:cpNoveIe0
(´<_`#) 「・・・・・それがエゴだって言ってんだろうが!?」

弟者はうつむくブーンにも容赦はしなかった

(´<_`#) 「結局・・・・・・・結局、お前のエゴじゃないのか!?」
      「そんなもので・・・・・・彼女を一生縛る気なのか!?」

だが、ブーンもまた、負けず劣らず、噛み付く

(#^ω^) 「何もしらないくせに・・・・・・・! 勝手なことを言うなお!?」
      「ぼくが・・・・・ぼくがどんな気持ちで・・・・・・・・・!!」
(´<_`#) 「知るかよっ! 自分のことしか考えられない奴の気持ちなんぞ・・・・・」
      「俺はわかりたくもないんだっ!!」
      「お前は・・・・・・・彼女に幸せになって欲しくないのか!?」
(#^ω^) 「なって欲しいお! そんなの決まってるお!?」
      「これが、エゴだなんて、とっくにわかってるお!?」

何もかもわかっている。自分はもう彼女を幸せになんか出来ない
彼女の傍になんか、もういられない。遠くで見守ることも出来ない
それでも・・・・・・・・・・・・・・

( ^ω^) 「それでも・・・・・・・・・・・・・ツンが・・・・・好きなんだお・・・・・・・・」
(´<_` ) 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

どうしようもない感情は、ブーンにたったそれだけの、しかし思い言葉を呟かせる
弟者も、それ以上、ブーンを罵倒することが、出来なかった・・・・・・・・・・



128: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/09(金) 02:02:43 ID:cpNoveIe0
タバコに火を点ける弟者
二人とも涙で目を真っ赤にして、座り込む
なぁ、と弟者がブーンに声をかけた

(´<_` ) 「なんで・・・・・・・・・・死んじまったんだよ・・・・・・」
( ^ω^) 「死にたくなんか・・・・・・・・・・・なかったお・・・・・・・・・」

そうだよな、と頷く

(´<_` ) 「俺だって・・・・・・・死にたく・・・・・・・なかったさ・・・・・・・」

でも、と続ける

(´<_` ) 「兄者も、ツンとかいう娘も・・・・・・・・まだ生きてるんだぞ・・・・・・」
      「死んだ・・・・・・俺達が・・・・・・・・・・・・・・・」
      「これからを、奪っていい人たちなんかじゃ・・・・・・・・ない」
( ^ω^) 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

それだけ言うと、弟者は立ち上がり

(´<_` ) 「俺は・・・・・・・もう逝く」
      「さっきは悪かった・・・・・・・世話になっておきながら・・・・」

いや、だからかな・・・・・・

(´<_` ) 「言い過ぎた。・・・・・・・・それじゃあな・・・・・・・・」

ざぶざぶと音を立て、弟者は河を渡って逝った



138: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/09(金) 02:20:59 ID:cpNoveIe0
ピーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー・・・・・

心電図の音が、大して大きくもないのにうるさい

('A`) 「・・・・・・・!? おい!? マジかよ・・・・・・・!?」
(´・ω・`) 「ブーン・・・・? ねぇ・・・・・・うそだろ!?」

ツンを押しのけるようにして、二人はブーンのもとへ行く
ツンはされるがままに、ふらり、ふらりとブーンから離れ

ξ゚-゚)ξ 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

とさ、と、病室の隅に、砕けるように腰を落とす

('A`) 「ナースコール・・・・・・・・ナースコールだ・・・・・・!!」
(´・ω・`) 「そんなのまってらんないよ!」

ダッ、とショボンが駆け出し、病室を出て行った



143: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/09(金) 02:28:36 ID:cpNoveIe0
('A`) 「ちっくしょう・・・・・・・! あのヤブはまだこねぇのかよ・・・・・!!」

そんなに早く来れるわけはない。それどころかショボンもまだついていないはずだ
ブーンの心臓は止まっている
このままではいけない。大した知識もないのに、毒男は必死で蘇生試みる

('A`) 「くっそ・・・・・・・起きろよ・・・・・・起きろよ・・・・・!!」

ドズン、ドズン、と乱暴に、めちゃくちゃに
毒男はブーンの胸を叩くようにマッサージする


やめて・・・・・・・・やめて・・・・・・・・・・・・・・・・
ブーンを・・・・・・・ブーンを・・・・・・・叩かないで・・・・・・・・

ひどい音を立てて、毒男がブーンに何かしている
見えている、聞こえている
けれど身体はなぜか動かない

ξ゚-゚)ξ 「いや・・・・・・・・いやぁ・・・・・・・・・・・・・・・!」



155: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/09(金) 02:39:49 ID:cpNoveIe0
ツンの指で、ブーンがくれた指輪が光る

『 ( ^ω^) 「ずっと・・・・・・ずっと・・・・・・・すきだ・・・・・・・った」 』

ブーンの言葉が甦る

('A`) 「起きろよぉ・・・・・・・・目を開けろよぉ・・・・・・・・・・・・!!」
医者 「く・・・・・・患者は!?」
(´・ω・`) 「先生!! はやく、はやく、ブーンを・・・・・・・!!」

ドタバタと室内を動き回る人たちの動きは、ツンの目には入らない
ただ、ブーンの指輪と、ブーンの最後だけが繰り返し、目の前を流れる

ξ゚-゚)ξ 「アタシ・・・・・・・アタシだって・・・・・・・・・・・・・・」

続きを、言おうとして、飲み込む
アイツに届かないなら、それを言う意味なんて・・・・・・・・・・・・ない



159: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/09(金) 02:45:30 ID:cpNoveIe0
医者は、早々に、ブーンの蘇生を止めた

('A`) 「おい・・・・・・・なに・・・・・・やってんだよ・・・・・・・・?」
医者 「・・・・・・・残念ですが・・・・・・・・」
(´・ω・`) 「なに・・・・が? なにが・・・・残念なのさ・・・・・・・・?」

首を振る、医者
毒男はうつむく医者に食ってかかる

('A`) 「なに言ってんだよ!? ・・・・・・・おまえ医者だろ!?」
医者 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
('A`) 「なんとか言えよ!? 助けろよ!? それが仕事だろ!?」
(´・ω・`) 「続けてよ! まだ・・・・・・まだ、きっと・・・・・・・・!!」
医者 「ですが・・・・・・・もう・・・・・・・・・・・!」



医者 「・・・・・・ご臨終・・・・・・・・・です・・・・・・!」




172: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/09(金) 02:53:34 ID:cpNoveIe0
('A`) 「嘘だろ・・・・嘘だろ・・・・・・・・うそなんだろ・・・・・・!?」
(´・ω・`) 「そうだよ・・・・まだ・・・・まだ・・・・・・・・!!」

ああ・・・・・・・・・ブーンがいっちゃう・・・・・・・・・・・

目の前の出来事がすべて擦りガラスごしのように、ぼやけて見える
ツンの目には涙がたまり、ぼろぼろとこぼれていく

アタシ・・・・・・・・・・・まだ・・・・・・・・答えてないよ・・・・・・・?

好きだった、そう言ったのに、

ねぇ・・・・・・・せめて・・・・・・・・・最後に、言わせてよ・・・・・・・・・

答えを告げる前に、ブーンは逝った
言っても、もうけして、届かない言葉を残したままに、ブーンは逝ってしまった
医者は、そう告げ、告げるよりも前に、ツンは気づいていた

なんで・・・・・・・・・・・・アタシを置いてくの・・・・・・・・・・・・・・

身体が、心が、風景が、言葉が、音が
すべて残らず、重たい・・・・・・・・・・・



215: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/09(金) 03:19:34 ID:cpNoveIe0
まだ、二人は諦めていないのか、医者に怒りと無力感をぶつける
しかし、ツンはもう諦めた

ξ゚-゚)ξ 「・・・・・・・・・・・わかってた・・・・・・・・・」

あの時、アーケードでブーンが消えたときには、もう・・・・・・・・

ξ゚-゚)ξ 「・・・・・・・・・・・・・・気づいてたもの・・・・・・」

涙は、もう枯れた
泣くのも、もう、疲れた 
だから、ツンは鞄に手を伸ばし

ξ゚-゚)ξ 「あはw・・・・・・・・・・さよならは・・・・・・・言わないよ・・・・・・・・?」

荒巻からもらった包丁を、その手にとった



216: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/09(金) 03:19:52 ID:cpNoveIe0
包丁は、研いだばかりのその包丁は
日本刀のように鋭く、そして美しい
ツンはそれをしばし見つめ・・・・・・・・・・・・・・・

ξ゚-゚)ξ 「いま・・・・・・・・・・・・・・いくね・・・・・・・・・・・・」

ドシュっ、ドシュっ、ドシュっ・・・・・・・・・・・・・・ドサ

('A`)・(´・ω・`) 「え・・・・・・・・・・・・・・・・・・!?」

二人が、ツンの異常な声を聞き、振り返るとそこには

ξ゚-゚)ξ 「!? グゥッ・・・・・・・・・・・・う・・・・・・・・・・」

腹から血を流し、倒れるツンの姿があった

('A`) 「・・・・・・!? ・・・・・・・ばっかやろおおおおお!!!!」
(´・ω・`) 「ツンさん!? ねぇ! ツンさん!?」

包丁を抜き、傷口をふさごうとする二人
だが、念入りに、三回も突き刺した傷は、そう簡単にはふさがらず
ツンの血は、どんどんと流れていく
それを見ながら、ツンは呟く

ξ゚-゚)ξ 「まってて・・・・・・・・・・・ね・・・・・・・・・・・・?」



217: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/09(金) 03:20:18 ID:cpNoveIe0
医者 「!? ・・・・・なんて馬鹿な真似を!」

すぐさま傷の確認をする
しかし・・・・・

医者 「これは・・・・・・・まずいな・・・・・・・・・」
('A`) 「おい!? まさか、まさか、ツンまで・・・・・・・!?」
(´・ω・`) 「なんとかならないんですか!?」

医者は、苦々しく顔をゆがめる

医者 「包丁の・・・・・・刃渡りが長い・・・・・・・・」
    「これはもしかしたら、内臓まで達しているかもしれない・・・・・」
('A`) 「!? ・・・・・・・・・どうにか、なんないのか、それ・・・・・?」
(´・ω・`) 「なんとか・・・・・・・なんとかしてよ・・・・・・・・・・・・・!!」

通常、筋肉までなら、出血やショック死などの恐れはあるが、
それを除けば、命に別状はない
しかし、内臓は、そうはいかない。下手をすれば、即死だ

医者 「・・・・・まだ、息はある・・・・・・・・・!」

医者は立ち上がり、ナースコールを押す
まだ、尽くせる手があるのなら、諦めるわけには・・・・・いかない



255: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/09(金) 03:43:02 ID:cpNoveIe0
河のほとりで、ブーンは座っていた
正直、今すぐにでも河を渡りたかった。だが

( ^ω^) 「ぼくのエゴ・・・・・・・・・・・・・・・・」

さっきの、弟者の言葉が、耳から離れない

( ^ω^) 「ツンは・・・・・・・どう思ったんだお・・・・・・・・・・・・」

エゴだ、エゴだと、弟者は言ったが
それをツンは、どう受け止めてくれたのだろうか
ブーンは、今の今まで、ツンならきっと平気だと思っていた

いつも、毅然としていたツン
頭がよく、そしてキレイなツン

自分には高嶺のさらにその上の花だと思っていた
そんなツンが、自分の告白で、揺らぐことはなく、生きていける

そう、信じていた
しかし、

( ^ω^) 「アーケードで・・・・・・・・・ツンは、泣いてたお・・・・・・・・」

それは、ブーンの知る、強くて美しい彼女が見せたことのない弱さだった
一瞬、それが嬉しく、だが今では、それが不安だった



264: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/09(金) 03:53:58 ID:cpNoveIe0
弟者のように、自分にはノートPCのような道具はない
下の様子を知りたくても、知る術はないのだ
ならば、ここにいても、なんの意味はないはずだった
だが、ブーンは河を渡るのを躊躇った
嫌な、嫌な予感が、この河からする。その予感とは・・・・・・

( ^ω^) 「ここを渡ったら・・・・・・・・・・・何もかも忘れてしまいそうだお・・・・・」

神話にあるレテ河
その水を飲んだものは、生きていた頃のことをすべて忘れ、そして生まれ変わるという

これがその河なのかどうかは、ブーンには分からない
何しろ、ここは日本だ。日本ならばきっと、ここは三途の川なのだろう
だが、もし、そうではなく、
真実、ここが伝説にある、忘却のレテ河だったとしたら

( ^ω^) 「これを・・・・・忘れるわけには・・・・・・・・・いかないお」

弟者が残していった、自分の行動への疑問
まだ、自分の中ですらその決着はついていないのだ

( ^ω^) 「せめて、自分なりの答えを・・・・・・・みつけるお」

なに、時間なら悠久に近いほどある
じっくり、そして、後悔がないぐらい、考えよう・・・・・・・・・・・



270: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/09(金) 04:04:42 ID:cpNoveIe0
そう、ブーンがスパンの長い決心をした時だった
突然、後ろから声が聞こえた

ξ゚-゚)ξ 「もしかして・・・・・・・・・ブーン・・・・・・・?」
(;^ω^) 「!? その・・・・・・・・こえ・・・・・・・・・・は・・・・」

嫌だ・・・・・・・嫌だ・・・・・・嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!!!!

振り返りたくない、後ろを、声の主を、確認したくない

まさか・・・・本当にまさかじゃないか、そんなことは!!

会いたい、会って話したい、会って告白の続きをしたい
でも、それは、考えちゃいけない、叶っちゃいけない願い事じゃないか!?
そんな、現実見たくない
これは幻で、聞こえる音は幻聴だ!

必死に、祝詞のように何度も何度も打ち消すブーン
ガタガタと震えるのは恐怖かそれとも悲哀からか?
そのどちらでも構わないし、どうでもいい

ただ、後ろにある光景が、何かの間違いであってくれさえするならば・・・・・・・・



298: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/09(金) 04:17:49 ID:cpNoveIe0
だが、そんなブーンの思いもむなしく

ξ///)ξ 「えへ・・・・・・・・・・・来ちゃったw」
(;^ω^) 「つ・・・・・・・・・・・・ツン・・・・・・なの・・・・かお・・・・・・・」
ξ#゚听)ξ 「む!? それ以外の誰に見えるのよっ!?」
( ^ω^) 「あ・・・・・・・あ、ああ・・・・・・・・・!!」

あっけらかんと、背後の現実は、ブーンに深い絶望をたたきつけた

打ちのめされ、前に倒れるブーン
それを心配して、ツンが駆け寄る

ξ゚-゚)ξ 「ちょ・・・・・!? 大丈夫!? まだ、頭が・・・・・・・?」
(;^ω^) 「い、いや・・・・・・・平気だお・・・・・・・ただ」
ξ゚-゚)ξ 「あ、そうよねw アタシも貴方も・・・・・・・・・もう、死んでるんだもんねw」
(;^ω^) 「!?」

ブーンに最後まで言わさず、ぺろ、と舌を出し、また照れたように笑うツン
その、あまりのあっけない言い方とは対照的に、ブーンはすさまじい衝撃を受けた

ξ゚-゚)ξ 「そういえば・・・・・・アタシもおなか、痛くないもんねぇ?」
( ^ω^) 「え・・・・・・・!? おなか・・・・・・? どう・・・・したんだお?」

立ち直る暇も惜しみ、尋ねると、ツンは困ったように笑い・・・・・・・・

ξ゚-゚)ξ 「えーっと・・・・・・・・ね? その・・・・・・・・・・・包丁で、刺したの、自分で」



315: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/09(金) 04:26:23 ID:cpNoveIe0
(;^ω^) 「刺し・・・・・・・・・・た・・・・・・・・・?」

三度目の衝撃は、やはり慣れる事無くブーンをぶちのめした
何故、どうして、何のために・・・・・・・・・疑問が津波となって押し寄せる
なぜ、ツンはこんなに明るい?
どうして、そんな辛い死に方を選ぶ?
何のために、そこまでできるというのだ? 


ξ゚-゚)ξ 「・・・・・・・・・・ちょっと、もう少し・・・・喜んでよ・・・・?」

何を

ξ゚-゚)ξ 「せっかく、アタシが来たのよ? アンタなんかを追っかけて!」

どうして

ξ゚-゚)ξ 「どうしてって・・・・・・・・・アタシは・・・・・・・」
ξ///)ξ 「その・・・・アタシは・・・・・・・アンタに・・・・・・会いたかったから・・・・・・」

ブチン・・・・・・・・・・・・・・・・

(#^ω^) 「ぼくは会いたくなんかなかったお!!!!!!」
ξ゚-゚)ξ 「え・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・?」



366: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/09(金) 04:41:22 ID:cpNoveIe0
キレた
弁解も弁明も言い訳のしようもないぐらいに、ぶちキレた

ξ#゚听)ξ 「ちょ・・・・・・・・・・何よ・・・・・・・!」
( ^ω^) 「とっとと帰るお」
ξ゚-゚)ξ 「なに・・・・・・・・・・よ・・・・・・・・・・?」

ああ、弟者の言う事が、ようやく理解できた
なんて・・・・・なんて自分は馬鹿だったんだ・・・・・・・・!!

( ^ω^) 「ぼくが好きだったツンは、ここになんかいないお!!」
ξ゚-゚)ξ 「え・・・・・え・・・・・・え・・・・・・・・・?」

好きだと伝えて、満足して、本当になんて馬鹿だったんだ
ぜんぜん、伝えきれていないじゃないか・・・・・・・・!!

( ^ω^) 「ぼくが愛したツンは、強くて、頭が良くて、カッコよくって・・・・!!」

それだけじゃない・・・・・・・・・・・・
そんな、言葉なんかじゃ言い表せない・・・・・・・・・

でも、これだけは言える

( ^ω^) 「それで・・・・・・強く、生きているのが僕が愛したツンだお!!」



413: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/09(金) 05:01:05 ID:cpNoveIe0
ξ;;)ξ 「どう・・・・・・して・・・・・・・・・?」

あまりのブーンの剣幕に、ツンが涙する

ξ;;)ξ 「ねぇ・・・・・どうしてよ!?」
     「アタシは・・・・・アタシは、アンタが好き!! 好きなの!!」

告白・・・・・なのだろうか
しかしこれは、ブーンが望んでいた言葉なんかじゃ・・・・・・ない

ξ;;)ξ 「アタシはアンタが好きなの・・・・・・死んだって、好きなの・・・・・」

ブーンは何も言わない。言えない、ではなく、言わないのだ
ここで、口を開けば、また、好きだと言ってしまう
しかしそれは、きっと流されて出る程度の、軽い言葉だ
そんな、そんな軽い気持ちで、言いたくは、ない

ξ;;)ξ 「なら・・・・・・・なんでよ・・・・・・・・・・?」
     「なんで・・・・・最後に、好きだなんて・・・・・・・言ったのよ・・・・・・・・・!」
( ^ω^) 「!!!!!」

涙混じりに、ツンは、ブーンの一番弱いところをついた



430: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/09(金) 05:09:12 ID:cpNoveIe0
( ^ω^) 「そ・・・・・・・・それは・・・・・・・・・・・・・」

言葉に詰まる

ξ;;)ξ 「アタシは・・・・・・・・・嬉しかった・・・・・・・!!」
     「でも! でも・・・・・言うだけ言って・・・・・・・・・・・」
     「言うだけ言っておいて! それで追いかけたら・・・・・・・これなの・・・・・?」

ξ;;)ξ 「なんとか言いなさいよっ!?」
( ^ω^) 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

ツンの頬を伝い、涙が落ちる
ブーンはそれをそっと指でぬぐい、ツンを抱きしめた

ξ;;)ξ 「え・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
( ^ω^) 「ごめん・・・・・・・・だお」

声に動揺はない
しっかりとした口調で、ブーンは続ける

( ^ω^) 「ぼくは、ツンのことを、少しも考えていなかったお」



446: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/09(金) 05:16:28 ID:cpNoveIe0
抱きしめる腕に、ブーンは力を込める
ツンの小さな身体はすっぽりと、その腕の中におさまり
今は、その身体をさらに縮こまらせ、固まっている

ξ;;)ξ 「なに・・・・・・・よ・・・・・? いきなり、なに・・・・・よ・・・・・・」
( ^ω^) 「気づかなかったお」

ブーンは笑う
笑って、ツンを力いっぱい抱きしめる

ξ;;)ξ 「ちょ・・・・・・くるしい・・・・・・・・・・!」
( ^ω^) 「うん、そうだと思うお」
ξ;;)ξ 「なら、離して・・・・・・・よ・・・・・・・・」
( ^ω^) 「こんなに・・・・・・・・・・・・」
ξ;;)ξ 「え・・・・・・・・・・・・・・・・・・・?」

しみじみと、何度もうなずくブーン

( ^ω^) 「こんなに、ツンは、小さくて、弱かったんだお・・・・・・・・・」

なんで・・・・・・・・・・・・・・・・

( ^ω^) 「なんで、いままで、きづかなかったんだお・・・・・・・・」



456: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/09(金) 05:24:13 ID:cpNoveIe0
ξ;;)ξ 「いいから・・・・・・・・離して・・・・・・・・・・・よ・・・・・・!」

腕の中で、ツンが暴れようとする
でも、ブーンは腕をほどこうとはしない
じたばたと、しかしその動きは、ブーンから見れば、酷く弱い


( ^ω^) 「離さないお・・・・・・・・・・・・」
ξ;;)ξ 「なんで・・・・・・・よ・・・・・・・・・・・・?」

いまだ、泣きじゃくるツン
その目から、涙がもうこぼれないよう、自分の胸に押し当てる

( ^ω^) 「ツンは・・・・・・・・さっきっから、泣いてるお」
ξ゚-゚)ξ 「だ、誰の所為よっ!?」
( ^ω^) 「ふふwごめんだお・・・・・・・」

顔をあげ、誰にとなく、ブーンが独り言のように言った

( ^ω^) 「ツンは、こんなにちっちゃくて・・・・・・・・・・・・・・・・」
      「弱くって、泣き虫なんだから・・・・・・・・・・・・・・」
      「一人で立てるわけが、なかったんだお」
ξ゚-゚)ξ 「え・・・・・・・・・・・?」
( ^ω^) 「だから・・・・・・・ぼくはツンに寄りかからないで・・・・・・・」
      「支えてあげなきゃ、いけなかったんだお」



526: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/09(金) 06:28:49 ID:cpNoveIe0
まったく、馬鹿みたいだ、とひとしきりブーンは笑い、そして謝る

( ^ω^) 「ツン・・・・・・・本当に、ごめんだお・・・・・・・」
ξ゚-゚)ξ 「・・・・・・・・・それ、どういう・・・・・・・・!?」
( ^ω^) 「ぼくは、きっと、ツンを好きなんかじゃなかったんだお」
ξ゚-゚)ξ 「!?」

ブーンの言葉に、ツンは身体をビクリ、と震わせ、恐怖する
まさか・・・・・・そんな・・・・・・・・・・・・・・・・
しかし、その不安も長くは続かなかった

( ^ω^) 「ぼくはツンを・・・・・・・・・愛してるお」
ξ゚-゚)ξ 「え・・・・・・・・・・・・!」

予想と真逆のその言葉に、ツンは言葉を失う

( ^ω^) 「好きだなんて、甘えたことは言わないお。愛してる」
      「愛してるから・・・・・・・・・・・・・」
      「ツンは、これからぼくが守るから・・・・・・・・・・・・」

大きく息を吸い込み、それと同時に腕に力を込め

( ^ω^) 「ここでお別れだお!!」
ξ゚-゚)ξ 「え、な・・・・・・・!? きゃっ・・・・・・・・・!!!!」

ブンッ、と思いっきりツンを突き飛ばし
その勢いで、ツンは宙を舞い、そして意識を失った



529: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/09(金) 06:30:18 ID:cpNoveIe0
ξ゚-゚)ξ 「あ・・・・・・・待って!! ブーンっ!?」

ガバッッと起き上がると、そこは河原などではなく

ξ゚-゚)ξ 「うそ・・・・・・・・・・・・?」

そこは・・・・・・・・ブーンのいた病室、そのベッドの上だった
ふと自分に視線を落とすと、なぜか病院の患者服とでも言うのだろうか
それを着ていた
ツンが、状況把握に苦労していると、病室のドアが開き、白衣の男が入ってきた

医者 「目は・・・・・・覚めたかね?」
ξ゚-゚)ξ 「ここ・・・・・・・・・は・・・・・・・?」
    「いや、ブーンは・・・・・・・つぅっ!?」

思わず、起き上がろうとして、腹部の痛みにうめく

医者 「ああ、まだ動いたらいけない。手術をしたばかりなのだから・・・・・・」
ξ゚-゚)ξ 「手術って・・・・・・・・・・・」

と、聞きかけ、自分で気づく
自分は腹を三回、包丁で刺したのだ・・・・・手術をしないはずがない
医者は不機嫌そうな顔でツンを見ながら嫌味に言う

医者 「まったく・・・・・・・内臓までぶっ壊す奴があるかね・・・・・・・」



532: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/09(金) 06:30:48 ID:cpNoveIe0
ξ゚-゚)ξ 「・・・・・すみま・・・!? いや、それより、ブーンは!?」

守るって言った、これからは守るって・・・・・・・
だったら、だったらきっと・・・・・・・・・・・・・・・・!!

医者 「彼なら、あの時点で亡くなっていたよ・・・・・・・・・・・・」
ξ゚-゚)ξ 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

奇跡なんて、そうは起きない・・・・・・そんなの、わかってた
ブーンは向こうで、ああ言ってくれたけれど、現実はこれだ
嘘つき、と罵りたくても、罵る相手は、空の上だ

どの道、ブーンがいない人生なんて・・・・・・・・

と考えていると

医者 「君は・・・・・・またブーン君を殺すつもりかね・・・・・・・・?」
ξ゚-゚)ξ 「え・・・・・・・・・・・・?」

この人は一体、何を言っているんだ?
まるで、理解が出来なかった



533: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/09(金) 06:31:43 ID:cpNoveIe0
医者は指を三本たて、こう言った

医者 「彼は、一度、頭を殴られ、撲殺された」

これが一度目、と、指を一つ折る

医者 「そして、彼の身体を私が解剖して、これで、二度目だ」

私もこれで、殺人者だw と、もう一つ折る

医者 「最後に、君が、その命を絶つことで・・・・・・・・・」

残った指をツンに向ける

医者 「移植した、彼の一部を、君はまた殺す気なのかね?」
ξ゚-゚)ξ 「!? ・・・・・・・・・・・え、一・・・・・部・・・・?」

思わず、自分の身体を見る。が、そんなツンを見ようともせず、医者は続ける

医者 「損傷が酷かった部位は、そのまま切除したよ。あのままなら壊死しただろうから」
    「そこで、新鮮な彼の臓器を提供してもらったんだ・・・・・・・・・」

そこで一旦、言葉を区切り

医者 「彼は、その身をもって、君の命を救ったんだよ・・・・・・?」
    「君は、自分ごと、生き残った彼の臓器まで、殺すのかい?」



534: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/09(金) 06:32:05 ID:cpNoveIe0
ぶわっ、と涙があふれる

ξ;;)ξ 「そ・・・・・・・・・んな・・・・・・・・・・・・?」
医者 「普通なら、絶対にそんなことはしないんだがね・・・・・・・」

何故だろう、と首を傾げる医者

医者 「ドナーカードまで偽造している自分がいたよ」

犯罪じゃないの・・・・・・・・・と、ツンは思い、同時に気づく

ξ゚-゚)ξ 「守るって・・・・・・こういうことだったの・・・・・・・ブーン・・・・・・・・・・?」

ドクン・・・・・・・・・・・・・

ξ゚-゚)ξ 「え・・・・・・・・・・?」
医者 「おや? おなかがもう空いたのかね? ははw経過は順調だなw」

違う・・・・・・そんなんじゃない
今、確かに、感じた


ブーンは今、ここにいるんだ・・・・・・・・




537 名前: エピローグ ◆3mfWSeVk8Q 投稿日: 2005/12/09(金) 06:33:09 ID:cpNoveIe0
あれから、一年が経った

ξ゚-゚)ξ 「よい・・・・・・しょっと!」

今日は新しい部屋に引っ越しだ
就職、通勤のために一人暮らしをはじめるのだ
お金がもったいないので、業者は頼まなかった
親に車を出してもらった以外、全部自分でやらないといけない

今日、ここから、新しい生活が始まる
職場や一人での自炊やあれこれ、色々と不安がある
でも、もう、アタシは一人なんかじゃない

気持ちの上でも、現実としても、いつもアイツはアタシと一緒だ。・・・・・と

ぐぅぅぅぅぅううううっっ・・・・・・・・・・・・

ξ゚-゚)ξ 「!? ・・・・・wあららら・・・」

・・・・・・・まったく、守るって言っておきながら、ホント、役に立たないw
でも、それでいいのかもね。一緒に、お互いに、守りあいながら生きるには・・・・
もう、アタシ達は離れることなんて、出来やしない
だったら、守るの支えるのなんてめんどくさい。一緒に歩いていこう・・・・・・対等に

ξ゚-゚)ξ 「しょーがないわねっ! ごはんにしましょっか?」

                
                                                 完



562: 閑話休題 ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/09(金) 06:42:22 ID:cpNoveIe0
こんな時間までお付き合いいただきありがとうございます

つーか・・・・・・辛かった・・・・・・・・
だって死んでるのにハッピーエンドなんて無理だろ・・・・・・・orz

毒男とかをラストに出していないのは、わざとです
毒男たちからすれば、ブーンが死んで、それでおしまいなんですよ
死後の世界見てないから
だとすると、特にツンにからむ理由が無いし、無理にからめたら、変だし

いや、出したかったんだけどね・・・・・・・・・・・・・orz



536: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2005/12/09(金) 06:33:04 ID:DR6ZUOsS0
そういえば心臓にはもう一つの脳があるって話なんかで聞いたな

548: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2005/12/09(金) 06:35:19 ID:ipGieL0r0
>>536
思い出は脳じゃなく「心」つまり心臓にあるって話だっけ?

556: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2005/12/09(金) 06:37:23 ID:lage4V090
>>548
536じゃないが心臓を移植した人が心臓の持ち主と同じものが好きになったり
心臓の持ち主しか知らないことを知っていることがあるらしい。

557: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2005/12/09(金) 06:37:53 ID:DR6ZUOsS0
>>548
なんかそんなん
心臓の移植手術を受けた患者が手術前とはまったく違う性格になったという例があるとか そーすがアンビリーバボーだからあんま信用してないけど

570: 閑話休題 ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/09(金) 06:45:07 ID:cpNoveIe0
>>546
いや、心臓だけじゃなく、臓器全般に何かを記憶する細胞があるらしい
脳ほどの用量ではないけど、人間の身体は何処も記憶があるそうだ

575: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2005/12/09(金) 06:47:36 ID:DR6ZUOsS0
医者がここまでやってくれた理由があればさらに良かった

581: 閑話休題 ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/09(金) 06:50:51 ID:cpNoveIe0
>>575
ああ、あえて書かなかったけど、それブーンがなんかやった
手術後にブーン喋らす機会がなかったから説明しなかったんだ
だからツンが「そういことだったの」ってにおわせる言い方したんだけどね・・・・・orz
まだまだ表現力が足らない・・・・・・・・・orz


今度こそノシ



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