( ^ω^)ブーンは傭兵部隊で戦っていたようです
- 26:タリバン(広島県) :2007/04/29(日) 18:18:56.87 ID:8VqY2dRw0
- 地面が揺れている。だが地雷の類ではないだろう。
回収部隊もヘリのはずだ。
こんな誰にでも分かるような音を立てて参上するほどVIPも馬鹿ではない。
かすかに音がする。テロリストのキャンプの北西の方角からだ。
ズ ゥ ン ... ズ ゥ ン ...。
少なくとも爆発音ではない。どちらかと言えば、足音。
( ^ω^)「何なんだお…」
新しい敵だろうか。だが、この足音は何だ。
まさか、どこかの組織が巨大VSの開発に成功したと言うのか。
テロリストはそれを警戒して、あの戦闘の跡は実験の跡だったのか?
だとすると
- 28:タリバン(広島県) :2007/04/29(日) 18:20:49.73 ID:8VqY2dRw0
- ('A`)『なななななななな何だあれは!?』
川 ゚ -゚)『落ち着け!ドクオ。こちらクー少佐。敵の奇襲にあった。応援を頼む!敵は…山のようにでかい!』
思考をさえぎるように通信が入った。
山…。顔を上げると全てを理解した。岩山が動いている。
だが、先ほどまであの場所に山は無かったはずだ。
急に現れた?無理だ。いくら隠れやすい土地とはいえ、山を隠すなど不可能だ。
岩山はキャンプに向かっていた。ブーンの位置を考えるとキャンプまで歩いていたら間に合わない!
( ^ω^)「ドクオ…クーさん。待ってるお!」
- 29:タリバン(広島県) :2007/04/29(日) 18:22:30.84 ID:8VqY2dRw0
- 集中だ。走るのに邪魔なスナイパーライフルは捨てる。
走り始める。急に速度は上げない。
( -ω-)「…」
ヘリオスAI『パイロットブーンの精神状態に変化。KSKドライバの使用準備に移りますか?
返答が無い場合5秒後に自動で発動準備を行います―5―4―3』
集中しろ。今すぐ二人の所へ。より速く風のように。
ヘリオスAI『―2』
全てをVSにゆだね、感覚を一つに。
ヘリオスの背中が開き、白く光るKSK粒子が噴出し始め機体を徐々に包み込む。
ヘリオスAI『―1』
体が軽い。KSK粒子がヘリオスの機体を白く染めていく。
徐々に走る速度が上がる。まだ、いける。まだ!
ヘリオスAI『KSK粒子展開完了、パイロットブーンとの精神接続完了』
( ゚ω゚)「KSKドライバ発動だお!」
両腕を 翼のように 広げた
ヘリオスAI『KSKドライバ発動します』
ブーンは光る風を追い越した。
- 31:タリバン(広島県) :2007/04/29(日) 18:24:50.63 ID:8VqY2dRw0
- この場にいてもどうにもならない。突如現れた岩山の確認をしなければ。
キャンプから外へ出た二人は愕然とした。
川 ゚ -゚)「…少なくともVSではないな」
('A`)「機械ですらないようですね、生きているのか?」
ただの岩山ではなかった。いや、動いているのだからそもそも『ただの』なわけがない。
岩山には顔が付いていた。
爬虫類、トカゲのような顔つき。
だが、サイズがサイズだ。
約80メートル。
トカゲで無い場合、一言で表すならば龍だろうか。
岩山に擬態した龍なのか、岩山が龍になったのか。
20m弱しかないVSと比べれば約4倍の差だ。
背中は硬そうな甲殻に覆われている。
こんな生物が存在するわけが無い。
だが、存在している証拠にその一歩ごとに大地は揺れ、その歩みは周りの岩を砕く。
('A`)「一体こいつは…くそっ」
ドクオがアサルトライフルの引き金を引いた。軽快な音と共に弾が吐き出されるが、
弾はその巨体にぶつかり肉を弾けさせる事は無く、ただ放物線を描いて飛んでいくだけだった。
- 33:タリバン(広島県) :2007/04/29(日) 18:27:11.57 ID:8VqY2dRw0
- 川 ゚ -゚)「素通りだと!?」
尚更訳が分からなかった。
実際にあの龍の歩みで岩が砕け、大地は揺れると言う物理現象が起きている。
それなのにこちらの攻撃が素通りしている。
川; ゚ -゚)「私は夢でも見ているのか…」
(;'A`)「物資は諦めましょう。ここは撤退すべきです」
川 ゚ -゚)「駄目だ。物資は諦めても、もしもこの化け物がまっすぐ進み続けた場合、この先にある街が大変な事になるぞ」
(;'A`)「攻撃が効かないんですよ!?一体どうやって対処すれば良いんですか」
岩山が徐々にキャンプへと迫ってくる。
あんなものにぶつかられたら最新鋭のVSだろうが簡単に壊されてしまうだろう。
これは悪夢か、災厄か。
ただ分かるのはこの龍が化け物で、怒って…いる。そう感じた。
( ゚ω゚)『遅れてゴメンだお!』
- 35:タリバン(広島県) :2007/04/29(日) 18:29:53.43 ID:8VqY2dRw0
- 二人と巨大な龍の間を裂くように白く輝くVSが立ちふさがった。
('A`)「ブーン!KSKドライバ使ったのか?」
( ゚ω゚)「歩いてたら間に合わなかったんだお」
川 ゚ -゚)「ブーン。最初から走ってくれば間に合ったような気がするのだが」
(;゚ω゚)「間に合ったんだから許してくれお…ってそれどころじゃないお!」
改めて見上げてみるとでかい。
かすかに青みがかった黒い甲殻は夜ではそこそこの隠蔽効果を持つのは確かだが、
やはり大きさを考えると隠れる事は不可能だ。
急に現れたとしか考えられない。
('A`)「ブーン、こいつに実弾は効かないぜ」
川 ゚ -゚)「ナイフも同様に無意味だろう。ブーン。KSKドライバを使った攻撃を試してみてくれ」
( ゚ω゚)「了解だお!」
腰のアサルトライフルを引き抜き、弾の一発一発にKSK粒子を纏わせる。
集中だ。構え方、引き金を引くタイミングは間違えようが無い。この弾は確実にあの化け物に当たる。
当たる、当たる、当たる。
( ゚ω゚)「当たれええええええっ!」
放たれた弾は光の尾を描きながら龍の顔に向けて殺到した。
- 37:タリバン(広島県) :2007/04/29(日) 18:32:06.48 ID:8VqY2dRw0
ウォオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォ...
叫び声と共に次々と爆発が起こった。
龍の顔にぶつかった弾はKSK粒子のエネルギーが解放される影響で、
さながらロケットランチャーを乱射しているような爆発を起こす。
砂煙が舞い上がり徐々に龍の姿が見えなくなっていった。
川 ゚ -゚)「当たった!?」
('A`)「相変わらずすげー威力だな…さすがにあの化け物もお陀仏か」
( ゚ω゚)「待つお!」
- 40:タリバン(広島県) :2007/04/29(日) 18:34:09.14 ID:8VqY2dRw0
- 引き金から指を離し、しばらくすると煙が晴れた。
(;'A`)「いない…」
巨大な龍の姿が消えていた。
KSKドライバを用いた攻撃は強力だが、あの巨体を消し去るほどの力は無いはずだった。
だが、レーダーにも何の反応も無い。足音もしなくなっていた。
川 ゚ -゚)「倒したのか。幽霊のような感じでもあったから成仏したと言う考え方もあるが」
( ^ω^)「ダメージは与えたっぽいけど倒した、までは行かなかったと思うお」
バラララララララララララ...
ヘリのローター音が聞こえる。回収部隊がやってきたようだ。
('A`)「やっときやがった。こんな不気味なところはさっさと去りましょう」
川 ゚ -゚)「そうだな。今回の任務の内容はショボンにも伝えておこう。幽霊に効く武器でも作ってもらわないとな」
(*^ω^)「掃除機で吸い込んだりできるメカがあるといいですお!」
(;'A`)「ちょwそれルイージマンションw」
- 42:タリバン(広島県) :2007/04/29(日) 18:36:49.82 ID:8VqY2dRw0
- ('A`)「ヘリの兄ちゃんが催促してるぜ。」
川 ゚ -゚)「任務は以上だ。あの龍の事も気になるが撤収するぞ。」
( ^ω^)「了解だお」
ヘリオスAI『残存エネルギーの低下、さらに戦闘活動を行う場合、補給の優先を提案します』
('A`)「ていうか、ブーン。そろそろKSKドライバ解除しろよ」
( ^ω^)「了解だお。さすがにちょっと無理させすぎたか――」
ズ ゥ ン ...
振り返ると岩山が目の前に立っていた。
目が血走っている、巨大な体は既に攻撃態勢に入っていて
- 43:タリバン(広島県) :2007/04/29(日) 18:39:13.23 ID:8VqY2dRw0
- (;^ω^)「え、よけr―」
ゴルフボールのように軽々と吹っ飛ばされた。
ブーンは凄まじい衝撃と共にコックピットに体を打ち付けられた。
攻撃を受ける直前で感覚センサーが切られたのだろう。
機体の感覚が無くなっている。
聴覚変換も解除され周りの音が静かになる。
視覚も元に戻りディスプレイに次々と破損箇所が表示されていく。
(メメ'ω`)「これは死ぬ…かお…」
ヘリオスAI『パイロットブーンの精神状態に変化。集中力減少に伴いKSKドライバの解除』
ヘリオスは背中から打ち付けられ、ブーンは思い切りディスプレイに頭を打ち付けた。
(メメ'ω`)「ぐ…」
最後にブーンは背中のほうで何かがバキバキッと砕け、金属がひしゃげる音を聞いた。
体の痛みが酷い。でもまだ死にたく…
- 45:タリバン(広島県) :2007/04/29(日) 18:41:50.58 ID:8VqY2dRw0
- 見ているだけしか出来なかった。
消えたと思ったら急に現れて、ブーンが吹っ飛ばされた。
あの速度で岩壁に激突したら、機体が無事でも搭乗者はまず助からないだろう。
ドクオAI『VSK-01ヘリオスの反応消失』
('A`)「あ・・・・」
反応消失。つまりVSごとやられた。つまりブーンは…
('A`)「ブーンが死んだ?」
川 ゚ -゚)「ドクオ!しっかりしろ。まだ死んだと決まったわけでは…」
('A`)「ブーンが死んだ。ブーンはもういない。あ・・・あぁ・・・・・・」
- 46:タリバン(広島県) :2007/04/29(日) 18:43:52.60 ID:8VqY2dRw0
ウォオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォ...
川 ゚ -゚)「また消えていく…」
自分の邪魔をしたものを倒したからなのか、
満足したような鳴き声をあげると巨大な龍の姿は薄れ始めた。
声のボリュームが下がるにつれてその透明度も上がっていく。
(#'A`)「待てよ。ブーンを、ブーンを返せよおおおおおおおおおおおお!」
効果は無い。そうだと分かっていてもやるしかなかった。
ドクオはアサルトライフルの引き金を引いた。
銃身がいくら熱を持とうと関係ない。反動が凄くても関係ない。
この憤りをどうすれば良いのか。
ただ悔しくて、ドクオは撃ち続けた。
- 47:タリバン(広島県) :2007/04/29(日) 18:46:10.37 ID:8VqY2dRw0
- (`・ω・´)「報告します。ブーン軍曹はVSK-01ヘリオスと共に謎の生物と戦い、戦死した模様。
辺りにはVSの欠片さえ残っていなかったそうです」
ξ゚听)ξ「もっと遠くに飛ばされたと言う可能性は?」
――その可能性は無い。自分でも分かってる。――
(`・ω・´)「いえ、ヘリオスのカメラを見た限りでも撃破されたと考えるのが妥当かと」
ξ゚听)ξ「…そう」
――あの龍の攻撃を喰らった後カメラの映像が途切れている。信じたくは無いけどそれが証拠だ。――
(`・ω・´)「その後ドクオ軍曹が多少手の付けられない状態に陥り、今は自室で謹慎処分中です」
ξ゚听)ξ「…」
ドクオはブーンだけが親友だったと聞く。たった一人の親友を失えば誰だってああなるだろう。
――でもそれは私も…――
- 49:タリバン(広島県) :2007/04/29(日) 18:48:20.51 ID:8VqY2dRw0
- (`・ω・´)「ショボンは今後の対策としてKSKドライバ搭載機の2号機とそれに近い武装を開発を急ぐそうです」
ξ゚听)ξ「そうですか、では本部へ連絡して資金の援助を申し込んでおきましょう」
――仕事は仕事だ。プライベートとは関係ない。――
(`・ω・´)「大佐」
ξ゚听)ξ「プリンが…無駄になっちゃったわね」
(`・ω・´)「泣いて…いいんですよ」
ブーンに会えない。ブーンにプリンを食べてもらえない。ツンと呼んでもらえない。
――ブーンに、ブーンに、ブーンに――
ξ;凵G)ξ「うわああああああああん」
- 50:タリバン(広島県) :2007/04/29(日) 18:50:28.93 ID:8VqY2dRw0
- ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・
「おい、今の声は?」
「老山龍(ラオシャンロン)か?岩山龍(イェンシャンロン)か分からねぇが…」
「ねぇ、砦に変なものがあるらしいわよ」
「撃龍槍が目茶目茶だわ…」
「ていうか、何だこの人形…かな。でけえな」
「見たことの無い武器を持っていますね。形状はライトボウガンのようですが」
「中に人が乗ってるわ!頭から血を流してる。骨折は…よく分からないわね。ジーグ、運ぶの手伝いなさい!」
「わ、わかった!」
(メメ-ω-)「………」
- 52:タリバン(広島県) :2007/04/29(日) 18:51:48.94 ID:8VqY2dRw0
( ^ω^)ブーンはブーンは傭兵部隊で戦っていたようです end
next episode?
( ^ω^)ブーンはハンターと出会うようです
戻る/あとがき