川 ゚ -゚)クーが恋愛するようです

  
34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/02(水) 19:38:12.75 ID:N14RPfK0O
  
第2話 クーの生活

ξ゚听)ξ「おはよー!」

川 ゚ -゚)「おはよう、ツン」

ツンは私のいる教室隅まで小走りできた。
ふんわりとしたツンの栗毛の髪が朝陽に当たり、輝いて見えた。
今日もツンは愛らしい。
少しだけ色づいたほっぺたが特にクーのお気に入り。

言っておくが別にビアンの気はない。

ツンはクーを見上げ、髪の先を人差し指に巻きつけながら、愚痴を始めた。
朝なのに。朝からそれなのか。黙っていれば可愛いのに。
口に出せばぶたれるから言わない。心にひっそりと留めておく。



  
39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/02(水) 19:42:05.45 ID:N14RPfK0O
  
ξ#゚听)ξ「それでね、ブーンたらお祭りの中、私を置いて屋台に向かって猛ダッシュ!!
最初は何か買ってきてくれるんだと思ってたのに、勝手に一人で延々と遊んでるの!あの糞豚」

川;゚ -゚)「それは酷いね…」

ブーンと会ったことがあるが、愛嬌のあるやんちゃな男の子くらいの印象だった。
しかし今、新たに項目を追加する。あほうだ。

授業を開始する鐘がなり、ツンは自分の席へと戻った。

クーは机に教材を広げ、授業も何となく受けて、ゆるやかな時間が流れるのを待つ。
窓際の席は居心地がいい。窓の外を見れば青々とした空。暖かい陽射し。
寝るのにぴったりな場所である。



  
40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/02(水) 19:45:21.04 ID:N14RPfK0O
  

でもクーはシャーペンを持ち、授業を受けた。
成績トップの座は誰にも渡さない。
固い信念とか、そんなものじゃない。
ただそれが、クーにとってごく普通のことだった。

カリカリと耳に馴染む音を立て、ノートが字で埋まっていく。 機械的に板書を写し、それを覚えていく。
全く違う作業ではあるが、単調なその作業はどこか、ネットゲームを連想させた。

川 ゚ -゚)「ゲームしたいなぁ…」



  
42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/02(水) 19:49:31.30 ID:N14RPfK0O
  

(*゚ー゚)「クーちゃんどうしたの?」

川;゚ -゚)「あ、いや、何でもない。気にしないでくれ」

川;゚ -゚)(聞かれた聞かれた!!つい、癖で独り言を…)

周りの生徒が不思議そうな顔をこちらに向けている。
何のゲームであっても、独り言をこぼしてしまうのは多くの人間がすることだろう。
クーはネットゲームをやる度にぶつぶつと言うのが癖だった。
その癖が、今出てしまうとは…と後悔するが今更遅かった。



  
43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/02(水) 19:54:37.60 ID:N14RPfK0O
  

休み時間になるなり前の席のしぃが話し掛けてきた。
身構え、愛想笑いをするクーは目を泳がせた。

(*゚ー゚)「クーちゃんって何かゲームするの?」

触れて欲しくないところにサラリと触れるな、ばか。

ξ゚听)ξ「授業中騒いでたけど、ゲームの話〜?」

ツン、何でくるんだ。空気嫁

川;゚ -゚)「いや、してみたいなぁと、ふと思っただけだ…」

ξ゚听)ξ「あぁ、な〜んだ。何てゲーム?」

(*゚ー゚)「持ってるものなら貸してあげるよ〜」

川;゚ -゚)「えっと…バイオハザード3」

思いついたゲームを言って、やりすごす。

「ネトゲやってるんだ」なんて言えない。 恥ずかしいとか…思ってないけど……いや、ちょっと思ってる。だから言えない。



  
44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/02(水) 19:57:58.07 ID:N14RPfK0O
  

川 ゚ -゚)「そういえばツン、朝の話だけど」

言い終わるか終らないかのところでツンは素早く反応した。
この話題を振るのもイヤなのだが、朝途中で切り上げてしまったから丁度いい。

ξ゚听)ξ「ブーンはバカだから仕方ないかなって思う。なーんか、それが好きなんだと思うし」

あの怒りようはどこへやら。
悟りを開いたか飽きれ返ったのか知らないが、えらく落ち着いている。



  
48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/02(水) 20:00:12.89 ID:N14RPfK0O
  

(*゚ー゚)「何の話か分からないけど、ブーン君はバカだよね」

川;゚ -゚)「しぃ…」

しぃって少し抜けてるんだろうか?仮にもツンの彼氏だし、も怒るんじゃ…。
そう思ったが、そんな心配も無用なようで、ツンは大きく頷いて溜息をついた。

ξ゚听)ξ「しぃちゃんの彼氏はいいよねー。ギコくん?大人っぽいし」

厭味とか、そんなものでなく純粋に思っているようだった。
しぃはそんなことないよーと流したが、少し嬉しそうだ。



  
50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/02(水) 20:04:28.03 ID:N14RPfK0O
  

(*゚ー゚)「あ、ねぇねぇ。クーちゃんは彼氏いないの〜?」

ξ゚听)ξ「男苦手みたいよ」

ツンが受け答えをしてくれたお陰で、頷いただけで済んだ。

(*゚ー゚)「勿体無いなぁ」

大きな目をこちらに向けて、頬杖をつきながら残念そうにクーを見つめた。

(*゚ー゚)「いないなら紹介してあげようと思ったんだけどな」

小悪魔的な笑顔で言ったしぃ。無駄にキュンときたけど私はビアンじゃないぞ?



  
52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/02(水) 20:07:54.55 ID:N14RPfK0O
  

そうこうするうちに学校も終わり、急いで帰宅。

川 ゚ -゚)「ただいま、お母さん」

母「おかえり〜」

リビングで犬とくつろいでいるのか、声だけだった。
自分の部屋へ行きまずは着替え。
ではなくて、PCを立ち上げる。
クーは帰宅部で、毎日早く帰宅してはネットゲームに勤しんだ。
日曜以外は。
日曜は習い事をしていてネットゲームは帰ってからだ。
習い事、それは乗馬。
乗馬をするなんて所謂、お嬢様なのだが本人は気づいていない。

動物が好きだから、乗馬は嬉しい。でもゲームがしたい。
矛盾しているが、気にするな。そんなこと百も承知だ。



  
65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/02(水) 20:43:17.92 ID:N14RPfK0O
  

ネットゲームの次に動物が好きだ。
現在飼っているゴールデンレトリバーとミニチュアダックスという犬種が、犬の中で一番好き。
もふもふして可愛い。
だから将来は豪邸に住んで犬をいっぱい飼う。それが夢だ。
大型犬をいっぱい飼いたいな。
ダックスもいっぱい飼いたい。

あと、馬を飼うなら田舎に住んで広い場所を走らせてあげたい。

実現するしないに関わらず、妄想するのは楽しかった。
PCが立ち上げる間にさっさと手を洗ったり、着替えを済ませた。

着替えといってもセーターとスカートと靴下を脱ぐだけ。
ゲームするときにはブラウスと下着。
寒くてもこのスタイルは変えない。



  
66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/02(水) 20:46:37.15 ID:N14RPfK0O
  

川 ゚ -゚)「よし、がんばる」

ネトゲをつけて、まずはドクオがいるか検索した。
いた。

川 ゚ ー゚)「遊ぶか」

クーは笑い、ドクオへと囁きを送った。
ドクオはやっぱり廃人だ。いつ寝てるのか、仕事へ行っているのかも分からない。

くぅ 『ドクオ、こんばんは』
律儀に挨拶をし、探りを入れ始める。



  
69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/02(水) 20:49:37.65 ID:N14RPfK0O
  

ドクオ『こーん』

くぅ『ドクオはいつもINしているな』
ドクオ『キノセイじゃね?w』

くぅ 『もしかして学生なのか?』

学生なら時間もあるはず。そう踏んで聞いた私が間違いだった。
この返答はまずないと思っていた

だって、働いてて廃人なんて───









ドクオ 『いや、働いてるよ』



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