□俺は(*゚ー゚)しぃの携帯電話のようです

36: まだあった同機種 :2007/06/04(月) 21:54:55.59 ID:sv+ogU/N0
(*゚ー゚)「……」

最近、しぃが俺に冷たくなった。
いや、今までだって、愛情を込めてもらっていたわけじゃないが……。
どことなく、冷たい視線を感じる。

从'ー'从「しーぃーちゃん」

(*゚ー゚)「渡辺ちゃん」

突然、しぃの目の前に現われたクラスメイト。
あまり話したことはないが、特別中が悪いわけではないらしい。

从'ー'从「アド交換して〜」

(*゚ー゚)「そういえば、まだしてなかったね〜!」

ああ、その程度の仲か。



38: まだあった同機種 :2007/06/04(月) 21:57:05.40 ID:sv+ogU/N0
(*゚ー゚)「あ、私の赤外線送れないから……送ってくれる?」

携帯を取り出しながら、しぃが言った。
だが、それに対する渡辺の返事。

从'ー'从「あ、私も送れないの〜」

取り出した携帯電話。
黒色のスライド式、白い傷が目立つボディ。

俺と、一緒だった。

(*゚ー゚)从'ー'从「一緒だー!」

(*゚ー゚)「この機種ふるいから、今まで一緒の人いなかったんだー」

从'ー'从「私も私もー」

なにやら盛り上がっている。
俺は、このチャンスに声をかけてみた。



39: まだあった同機種 :2007/06/04(月) 21:59:53.87 ID:sv+ogU/N0
□「あのー。生きてる?」

■「いきてますよー」

□「同機種なんて、珍しいよな」

■「私も初めて会いましたー」

□「相当古いからなぁ……」

■「そうですねぇ……私も、最近記憶力が落ちてて」

□「記憶力……?機械だし、落ちたりはしないんじゃないの?」

■「落ちますよー。突然、物事を忘れたり、データ消えたり」

□「へぇ〜……俺はたぶん、大丈夫だな」

■「そうでもないですよ。記憶が消えて怖いのは、自分には『消えたという記憶』がないことなんですから」

□「……」



40: まだあった同機種 :2007/06/04(月) 22:02:22.93 ID:sv+ogU/N0
(*゚ー゚)「はい、私のアドレス」

从'ー'从「ありがとー」

しぃが手書きでアドレスを渡す。
それを見て、渡辺が登録をしていた。

それから、渡辺がこちらにメールを送り、両方の登録完了。

(*゚ー゚)「やっぱ赤外線ないと、めんどくさいねー」

从'ー'从「だよねー」

……。
…………。

俺は……やっぱり……不便、なんだろうな……。



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