( ^ω^)ブーンが金の袋を振り回すようです

38: ◆qvQN8eIyTE :2007/05/15(火) 21:40:52.31 ID:qUoV1N/N0
第二章【痛】


(´・ω・`)「えっと……、ここら辺だったと思うんだけど……」

片手に地図を持った男が昼下がりの閑静な住宅街に一人。
元々垂れ下がっていた眉をよりいっそう垂れさせて、困っていることを表情で表す。
胸元には『第六姦:ショボン』と名札らしき物がついていることから、きっと彼の名前はショボンなのであろう。

そんな彼の視界にふと、一人の男が映った。

( ´ω`)「……」

ピザ、キモオタ、挙動不審、きんもー☆
一目見るだけで多大なる罵倒の言葉が容易く思い浮かぶ容姿だ。
確実にダメ人間。



41: ◆qvQN8eIyTE :2007/05/15(火) 21:41:48.06 ID:qUoV1N/N0
第一、何故平日の昼間から町中を歩いているんだ。
いや、僕も人のこと言えないけどこれは仕事だからね。
絶対にこいつはニートって種族だ。

でも……

(´・ω・`)「あの、内藤ホライゾンって人の家がどこにあるか知ってるかな?」

このダメ人間も道を尋ねるくらいになら役に立つだろう。

そうショボンは考え、ダメ人間に道を尋ねた。
しかし、彼はショボンの声が届かなかったのかブツブツ呟きながら歩いていってしまう。

( ´ω`)「チンコ…… 僕のチンコ……」



44: ◆qvQN8eIyTE :2007/05/15(火) 21:43:11.73 ID:qUoV1N/N0
(;´・ω・`)「何て言うか…… 世界って広いんだなぁ」

ショボンは今までの自分の視界の狭さに気がついた。
これまでは自分の中の物差しで物事を測ってきたが、これからはもっと大きな目を持とう。
そう決心した32歳の初夏であった。

(´・ω・`)「僕にこんな大切なことを気付かせてくれた人。彼と親密になりたいな」

もちろん性的な意味で。と、小さく呟いてショボンはダメ人間の後をついていく。
最終的な狙いは彼のアスタリスクだ。
見事にスナイプしてみせる。

(*´・ω・`)「どんな声で鳴くのか想像してたら勃起してきちゃったよ」

どうやら今のところこの世界には変態しかいないようである。



46: ◆qvQN8eIyTE :2007/05/15(火) 21:44:37.99 ID:qUoV1N/N0
後をついて歩くこと数十分。
やっとダメ人間が自分の家に到着したようである。
まだ夏本番に入っていないとはいえ、少し蒸す中を歩かされ続けたショボンの額にはうっすらと汗が浮かんでいた。

(;´・ω・`)「ふぅ、やっと到着か。とりあえず彼の名前を知っておかないとね」

自分に言い聞かし、ショボンはその家の表札を見る。
そこに書いてある文字は――内藤。
ショボンが最初に探し求めていた人物、その人であった。

(;´・ω・`)「これはひどいご都合主義だね。まぁ僕は目的が達成されたから別に良いけど」

(´・ω・`)「いや、これからが本当の『目的』か」

一人呟くショボン。
木の枝についた木の葉が忙しなく揺れだす。
ショボンがドアを開けるのと、一陣の旋風が吹いたのはほぼ同時であった。



47: ◆qvQN8eIyTE :2007/05/15(火) 21:45:52.25 ID:qUoV1N/N0
※※※※※※※※※※※※※※※※※※




( ´ω`)「結局街中にはチンコは落ちてなかったお」

初日のチンコ探索から帰ってきたブーン。
常識的に考えればチンコが街中に落ちているはずがない。
だが、今の彼にはそんなことを考えられる余裕は持ち合わせていなかった。

( ´ω`)「はぁ…… 金玉はあの時以来喋らないし、僕のチンコは一体どうなるんだお」

お玉を……じゃなくて頭を抱え込み、自分のこれからについて悩み始めるブーン。
そんな彼の耳にドアが開けられる音が唐突に届いた。

( ^ω^)「お? こんな平日の昼間から尋ねてくるニートな人は一体誰なんだお」

まだ見ぬ来訪者に失礼な言葉を吐きつつ、ブーンは音の元へと向かった。



49: ◆qvQN8eIyTE :2007/05/15(火) 21:47:24.48 ID:qUoV1N/N0
(´・ω・`)「やぁ、勝手に上がらせてもらっているよ」

そこにいたのはいかにもしょぼくれた顔の男。
もちろんブーンと顔見知りなワケでもない。
全くの他人が勝手に自分の家のドアを開けて入ってきたことにブーンは驚きを隠せなかった。

(;^ω^)「えっと……どちらさまですかお」

(´・ω・`)「そこら辺はこの名札を見てもらえればわかるかな」



53: ◆qvQN8eIyTE :2007/05/15(火) 21:49:06.29 ID:qUoV1N/N0
そう言うと突然の来訪者は胸元に付けてある名札を指さす。
『第六姦:ショボン』と記されている名札を。

( ^ω^)「第六感のショボンさんかお。もしかして噂のセックスシンスってやつかお?」

(´・ω・`)ノシ「いや、文字が逆だから」

(;^ω^)「シンス……セックス……?」

(´・ω・`)「なんかもう面倒だからいいや。ちなみに第六感じゃなくて第六姦ね」

諦めたかのようにブーンの間違いを訂正するショボン。



54: ◆qvQN8eIyTE :2007/05/15(火) 21:50:41.56 ID:qUoV1N/N0
(;^ω^)「とにかくそのセックスさんが何の用ですお?」

(´・ω・`)「うん、まぁ簡潔に言うと君の金玉を破壊しにきたんだ」

ブーンの問いにサラッと酷な答えを告げる来訪者。

(;^ω^)「ちょっ……産業でkwsk」

(´・ω・`)「金玉破壊
     組織の命令
     ちなみに第六姦は六人いて、それぞれが神経の感じることのできる感覚を自在に操ることができる」

(;^ω^)「三行目だけやたら長いのは置いておいて、金玉を破壊する意義がよくわからんお」

汗を垂らしつつも気になる点を述べるブーン。



57: ◆qvQN8eIyTE :2007/05/15(火) 21:52:29.72 ID:qUoV1N/N0
(´・ω・`)「そんな意義なんか第六姦の中でも下っ端な僕が知るはずがないじゃないか」

あくまでも表情を変えずに、ただ淡々とブーンの質問に答え続ける。
そんなショボンの態度がブーンをよりいっそう不安にさせていった。

(;^ω^)「そんな……そんなの絶対いやだお……」

(´・ω・`)「君の考えなんか僕には関係無いよ。それじゃあそろそろ任務を遂行しようかな」

ちなみに……とおいて、ショボンは話を続ける。

(´・ω・`)「さっきも言ったけど第六姦は皆が特定の感覚を操る事が可能なんだ。僕の場合は【痛】の感覚を操れる。
      僕が意識した対象に【痛】の感覚が襲ってくるんだ」

(;^ω^)「いったいどういう事……」

(;゚ω゚)「アッー!!!!!」

ショボンの言葉の意味を問おうとした瞬間、ブーンの睾丸の内側から鈍い痛みが広がってきた。
かと思えば今度は針を一本一本しっかりと差し込まれたような鋭い痛みも襲ってくる。
睾丸を襲う痛みに耐えられずにブーンは力なく地に伏せてしまった。



61: ◆qvQN8eIyTE :2007/05/15(火) 21:55:00.52 ID:qUoV1N/N0
(; ω )「あ……が……」

抗う術もなく倒れているブーンを横目にショボンが呟く。

(*´・ω・`)「組織の命令は金玉を破壊すること。その前に無抵抗になった彼を掘ってもいけなくはないよね」

そうしてショボンはズボンを脱ぎ捨て自らのエクスカリバーを解き放つ。

(; ω )「なにを……する…つもり……だお……」

息も絶え絶えにブーンが今にも消えそうな声で尋ねる。
流石に貞操の危険を本能的に感じ取ったのであろうか。

(*´・ω・`)「何、ちょっと君のアナルを戴くだけだよ。僕のこのエクスカリバーで……って」

(;´゚ω゚`)「ああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁっぁっぁぁああああああ!!!!!!」



66: ◆qvQN8eIyTE :2007/05/15(火) 21:56:09.14 ID:qUoV1N/N0
いきなりショボンが大きな悲鳴を上げる。
その瞬間、ブーンを襲っていた金玉への痛みは何事もなかったかのように引いていった。

(;^ω^)「金玉マジで破壊されるかと思ったお。でも、一体何が……?」

今目の前には自分の玉を押さえて転がり回っているショボンがいる。
とりあえずショボンは放っておいて、普段使わない脳みそをフル回転させて考えを巡らすことにした。

( ^ω^)「そういえば……」

ふとブーンの頭の中で一つの記憶が存在を主張し始めた。
それはごく最近の、数分前の記憶。



68: ◆qvQN8eIyTE :2007/05/15(火) 21:58:27.62 ID:qUoV1N/N0
(´・ω・`)『さっきも言ったけど第六姦は皆が特定の感覚を操る事が可能なんだ。僕の場合は【痛】の感覚を操れる。
      僕が意識した対象に【痛】の感覚が襲ってくるんだ』





( ^ω^)「まさかこいつ自分のエクスカリバーを意識して自滅したのかお?」

あまりの痛みに泡を吹いて気を失っているショボンを蔑むブーン。
その目は果てしなく冷徹な物で、とても人間を見るような目付きではなかったと語られている。

( ^ω^)「とりあえず目を覚まされても面倒だから地面にでも埋めとくかお」



72: ◆qvQN8eIyTE :2007/05/15(火) 22:00:16.18 ID:qUoV1N/N0
ショボンの足を掴み裏庭へと引きずっていくブーン。
少し時間を掛けて深さ5メートルほどの穴を掘り、その中にショボンを放り込む。
最後に掘り出した土をまた元に戻せば完成だ。


( ^ω^)「あ〜、久々に良い運動したお」

額から滲み出た汗を拭い、空を見上げるブーン。
彼の記念すべき初勝利を祝うかのように、太陽は燦々と輝いていた。
ちなみにショボンは窒息死した。



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