('A`)ドクオは童貞を捨てられないようです

58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/21(月) 02:58:48.35 ID:7aM8k5RbO
(;'A`)(なんて、物思いに浸ってる場合じゃねーや)
('A`)「クーさん、大丈夫ですか?」

胸から顔を離し、息を整えているクーを見上げる。汗で首に張り付いた髪が色っぽい。

川*゚ -゚)「……ふぅ……ああ、大丈夫だ。すまない、少し一人で楽しみ過ぎた」

(*'A`)「いや、スッゴいエロかったですよ」

川*゚ -゚)「……みたいだな?」

クーは瞳に少しだけ悪戯っぽい光を宿しながら、爆発寸前まで膨らんだ俺のキノコを指先でくりくりいじる。
マズい、せ……胞子を飛ばしてしまいそうだ。

(*'A`)「やあっ、らめええぇっ!!」

川*゚ -゚)「ちょっと我慢しろ、ギリギリまでな」

クーは俺のベッドからタオルケットを手繰り寄せると、頭からすっぽりと被さる。
タオルケットおばけと化した彼女は俺の腰に覆い被さると、もぞもぞと蠢き始める。
こ、これは……姉っこどうぶつの前半の抜き所……



( A )(不  可  視  フ  ェ  ラーリッッ!!!!)



60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/21(月) 03:02:12.51 ID:7aM8k5RbO
敢えて視界を遮ることで、触覚とエロ度を増幅させる目隠しプレイにも通ずるモノがあるような気がするテクニックだ。
まさか本当にしてもらえるとは……

(;'A`)(だが、耐えられるか……?)

既に俺のナニはスパーキングメテオ寸前だ、唇が触れた瞬間果ててしまわないとも限らない。
とか焦っている内に、ズボンとトランクスがずるりと下ろされた。
今クーの目の前には、プリップリの若々しいサイバイマンがお目見えしているに違いない。

俺は来るであろう快感に備え、タオルケットを握りしめながら目をつむった。
流石にこれを透視するほど野暮じゃない。

(;'A`)(天さん、どうか死なないで……!!)

(;'A`)(……)
(;'A`)(…………)

('A`)(………………あれ?)

来ない。そう思って一瞬、
緊張を……気を解いてしまった、その時。


ちゅぱっ



(゚A゚)「ぬ ふ ぅ」



63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/21(月) 03:08:36.54 ID:7aM8k5RbO
狙ったかのようなタイミングで、彼女はサイバイマンの頭にキスをしてきやがった。
サイバイマンはそのまま半ばまでセルに飲み込まれ、内部の触手に頭の割れ目の辺りをぐりぐりされる。

脳裏に、ヤムチャに抱きつくサイバイマンの雄志がよぎった。
もう良い、良く頑張ったよ、俺は。
まだ多分5秒くらいしか経ってないけど、精一杯頑張ったよ。
もうゴールしてもいいよね?

…………
………………

(#゚A゚)(──まだだぁあああああああ!!)

俺は超人的な自制心で欲望に打ち勝つと、ナニの制御に全神経を傾ける。
半分超能力を使ってるような感覚を覚えながら、何とかヤマを越えることに成功した。

(*'A`)「はあ、はあ……っく!」



64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/21(月) 03:12:24.18 ID:7aM8k5RbO
だが、状況的には変わらない。本丸は立て続けに攻撃を受け、崩壊寸前だ。
クーのやたらフレキシブルなタンは、俺の縁やら筋やらなんかそういう嬉しい部分を執拗に攻めたてる。
上下に反復したり、手で補助することも忘れない。

身体が震えていることを自覚した。もう駄目だ、保たない。
大して変わらねーじゃねーか。

……と、突如として攻撃が止む。タオルケットの中から、くぐもった声が聞こえた。

  「いつでも構わんぞ、来い」

そして頭をふくみ直された時、前歯が少しだけ擦れる。それが、ダム決壊の決め手だった。

(*'A`)(あはぁぁぁぁぁぁぁん!!!!)
  「んっ……!」

内側からはじけるように、エロい欲望が凝縮された物体を天に向けて射出する。
吸い尽くされた欲望はドームの天井に跳ね返り、
夢の国に仮初めの池を生み出したことだろう。

タオルケットの中から、もぞもぞとクーが這い出てくる。
クーはおもむろにティッシュを数枚抜き取ると、口に当てて中のモノを吐き出す。

川*゚ -゚)「すまないな、まだ少し飲むのには慣れてなくて」

(*'A`)「い、いや、いいっすいいっす」



65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/21(月) 03:14:49.69 ID:7aM8k5RbO
川 ゚ -゚)「良かったか?」

(*'A`)「そりゃ……もう。しばらく回復しそうにないっす」

力尽きたサイバイマンは、今度は死したヤムチャのように横たわっていた。

川 ゚ -゚)「そうか。ま、夜はまだ長いし、ゆっくり行こう。
     ああ……そう言えば、ズボンのポケットからこんな物がはみ出していたぞ」

クーは衣服を整えながら、カーチャンから渡された封筒を差し出してくる。

('A`)「あ、忘れてた。これ何なんだろ?」

ヤムチャをティッシュで拭って丁寧に埋葬すると、封を破り中身を取り出す。
ひょっとしたら諭吉とか入ってんじゃないかとほんのり期待していたのだが、
出てきたのは至って普通の手紙だった。

('A`)「何だこりゃ。我が息子、ドクオへ……親父からか」

既にこの世にはいない、大して記憶も残っていない自分の父。
父の字を見るのは初めてのような気がする。

('A`)「…………?」



67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/21(月) 03:17:42.34 ID:7aM8k5RbO
『我が息子、ドクオへ

まずはおめでとう、ドクオ。
お前がこの手紙を読んでいるという事は、どんな形であれ、彼女と呼べる女性を連れ込んできていると言う事だな。

今お前は、脱童貞の事しか頭に無いだろう。違うかな?』

('A`)(そりゃお前、誰だってそーだろ、俺だってそーさ)

『だが、結論から言おう。童貞を捨てるのはオススメしない。それを捨てるなんてとんでもない』

('A`)「へっ?」

『ドクオ、お前にも宿っているだろう。常人とは異なる、超人足り得る能力が。
何を隠そう私も超能力を持っていた。語らなかったが、私の父も持っていたのだろう』

何だ、これは。胸騒ぎがする。

('A`)(持っていた……だと?)

何で二人とも過去形なんだ。

『私は高校一年生の時、童貞を捨てた。
そして同時に、私が持っていた超能力も、完全に喪失してしまったのだ』

('A`)「ッな……?!」

そんな馬鹿な。
童貞を捨てると、超能力も無くなってしまうだと?



69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/21(月) 03:20:35.47 ID:7aM8k5RbO
『馬鹿な事をと、笑うかもしれない。だが、事実だ。
童貞喪失前は10秒あれば学校に行けたのに、
喪失後は最速で15分かかる身体になってしまったんだ』

('A`)「…………」

『超能力を失った人間は、けして普通の人間となる訳ではない。
言わば永遠にMPの回復しない魔法使いだ。
これまで依存してきたものを無くしたダメージは、大きい。
そして、何か事件や事故に出くわすたび、私は苦悩した。
超能力があれば、何かできたのではないかと』

『もちろん、本当に童貞のままだったらお前も生まれなかったのだから、今は後悔していない。
しかしお前には、私が知っている事を話しておこうと思った。
だからこうして手紙をしたためている』

('A`)(親父……)

『私の童貞を奪った女性は、
ある日突然現れ、出会っていきなり告白し、
数日経たぬ内に浮かれていた私と事を為した。
もし、お前が連れてきた彼女がこれと同じケースなら──少し待って欲しい。
その女性は恐らく、お前の超能力を奪うために派遣された、秘密組織のエージェントだ』



70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/21(月) 03:23:02.70 ID:7aM8k5RbO
俺は思わず手紙から目を離し、クーに視線を移した。

川 ゚ -゚)「どした?」

('A`)(そんな……嘘だろ……?!)

『正直なところ、童貞を喪失すると本当に超能力を喪失してしまうのかは、はっきりしていない。
何故なら私が調べた記録では、知りうる限り全ての能力者がエージェントに童貞、処女を奪われ、無力化しているからだ。
もしかしたらエージェントと行為に及んだ時に、
何か特殊な技術で能力を奪われてしまうのかもしれない』

『いずれにせよ、お前の彼女がいきなり転がり込んできた押しかけ女房のような女性なら、警戒するんだ。
美味い話には裏がある。当たり前の事だが、美味い話を前にすると皆それを失念してしまう……


私が教えられる事は、ここまでだ。
願わくば、お前の彼女が可愛らしいクラスメートである事を……

父、シーザー西脇より』

('A`)「う……嘘だ……」



74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/21(月) 03:25:49.63 ID:7aM8k5RbO
川;゚ -゚)「どうした、ドクオ」

(;'A`)「嘘だよな?クーさんはラ大の学生で、
    街で俺を見かけて一目惚れしたんだよな!?そーだよな!?」

川;゚ -゚)「あ、ああ。そうだが?」

クーは豹変した俺の態度を不審げに見つめつつも、平然としていた。
その様子に、嘘をついているような素振りは一切無い。

そうさ、当たり前じゃないか。
秘密組織のエージェントだって?そっちの方が有り得ないっつの。

(;'∀`)「ですよね、はは……」
('∀`)「はは、は…………」
('A`)「…………」

しかし、悲しいかな。
性欲という名の脳内麻薬を失っている現在の俺は、恐ろしいほどに冷徹だった。

俺に一目惚れ?
学校に押しかける?
いきなりキス?
家に先回り?
そのままレッツ初体験?




あwwwるwwwわwwwけwwwねーよwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww



81: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/21(月) 03:28:41.51 ID:7aM8k5RbO
(;A;)「ちくしょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!11111」

川;゚ -゚)「な、何だ?」

俺は若本ボイスで吼えると持てる力全てを解放し、
キングストーンにより悲しみの王子と化した。
熱い涙をこぼしながらクーに焦点を定め、力を込める。
これだけはやりたくなかったが、仕方なかった。

m9(;A;)「ダーーーーーーーーン!!!!!」

川;゚ -゚)「うッ!?」

クーの記憶と、精神を探る。
大抵俺にトラウマを植え付ける結果になるため、封印安定としていた能力だったのだが。

ラ大の学生の記憶、俺に一目惚れした記憶。俺への好意。
これらは確かにある。
しかし、これは……

(;A;)「嘘っぱち……でっち上げか!!」

記憶捏造、精神制御の類。
驚いたことに、『嘘の自分』を完璧に作り上げている。
組織とやらの技術によるものだろうか。



83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/21(月) 03:31:12.43 ID:7aM8k5RbO
(#;A;)「こんなものっ……!!」

川;゚ -゚)「待て、ドクオ! 止めるんだ!!」

金縛り状態にあるにも関わらず、クーは気丈に声を張り上げた。

川;゚ -゚)「何をするのか分からんが、止めてくれ……このままで、いさせて欲しい!」

(;A;)「……!!」

今の彼女は、心の底からそう思っている。いや、思わされている。今の彼女に罪は無い。
だけど。
だけど、全て偽りなのだ。

(;A;)「……ごめんよ」
川  - )「!!!!!」

俺はクーの意識内で力を発動させ、捏造された記憶や思考を全て薙ぎ払う。
それなりに強固だったが、今の俺には容易だった。

川;゚ -゚)「くっ……まさか、精神固定を外されるとは……!」

記憶を取り戻した『本物の』彼女は、ロボットのように立ち尽くす俺を見ながら後ずさる。
組織だか何だかのことについて探ろうかと思ったが、クーの頭の中には更に幾重にもロックが施されていた。
これ以上無理に外したら、クーの精神を傷つけかねない。



84: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/21(月) 03:33:02.88 ID:7aM8k5RbO
川 ゚ -゚)「……どうやら、大体のことは把握しているようだな」

(;A;)「……」

川 ゚ -゚)「私をどうする?続きをやるつもりは、どうやら無いようだが。
     私は構わんぞ?」

(;A;)「どうもしねえよ、さっさと組織とやらに帰ってくれ。こっちにも急用ができた」

炎の王子となった俺は、各感覚が通常よりセンシティブだ。
先ほどから、聴覚が馴染みのある声を拾い上げている。

「──せお!! ツンから離れるお!!」
「ブーーン! 止めてよ、彼には関係ないでしょ!?」

もう、この二つで大体分かった。あいつらめ、ゲーセンにでもデートに行きやがったな。
もっと自分が絡まれやすそうなツラであることを自覚した方がいいぞ。

川 ゚ -゚)「……それは、過ぎたオモチャだ。いずれ君の身を滅ぼす。
     君たちのような存在を受け入れられるほど、世間の懐は深くないぞ」

(;A;)「そうかい」


俺は一言だけ呟き、空へと跳躍した。
クーが何か叫ぼうとしていたが、俺の耳に届くことは無かった。



88: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/21(月) 03:35:20.54 ID:7aM8k5RbO
ξ;;)ξ「止めてって言ってるでしょ!?」

(メメ^ω(#)「ツンから汚い手をどけ……ぶっしゅ!!」

ξ;;)ξ「もう良いから! ブーン、私平気だから……!」

目「何こいつwwwwマジおもれんだけどwwwww」
撃「顔まんじゅうみてぇwwwww腹いてwwwwwwwwww」
DQN「つか汚い手とか真顔でwwwwwマジ臭wwwwwwwwwこの部屋臭うよwwwwwwwwww」

('A`)「あ、あのー……ちょっと良いすかね?」

目撃DQN「「「あ?」」」

目「うざ、何こいつ」
撃「だっせえ服だな」
DQN「死ねよ」



(#'A`)「どうも、怒りの王子バイオ仮面です」



91: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/21(月) 03:37:42.01 ID:7aM8k5RbO
(メ'A`)「ホント、しょうもない奴らに好かれるなお前ら」

(メメ^ω(#)「おっおっお、すまんこ」

俺はブーンに肩を貸しながら、夜の街中を歩いていた。
ブーンの隣でツンが、興味深そうにこちらを見つめてくる。

ξ゚听)ξ「あんたって強かったのね、意外ー」

(メ'A`)「昔、空手やっててな……通信教育で」

嘘だけど。
しかし超能力で相手の動きをある程度コントロールできるっつっても、慣れないせいで結構殴られてしまった。
まあ、慣れたくなんかないんだが。

(メ'A`)「こいつ、こんなツラだろ?すっげえ絡まれるのよ。中学の時とか、結構しょっちゅうだったんだぜ」

ξ゚听)ξ「でも、今回のはもともと私が……」

(メ'A`)「ああ。つまりお前らは絡まれやすいカップルNo.1ってことだよ。しっかり頑張れよオイ」

(メメ^ω(#)「こいつぁ前途多難だおwwwww」

ξ///)ξ「な、何言ってんのよ……もう」

談笑する二人を眺めながら、俺はこれからのことを何となく考えていた。
支えるブーンの肩は、ずっしりと重い。
もし俺が、人の心を覗けるような人間だとバラしても、
こいつは笑って「マブだろ」だなんて言ってくれるのだろうか。



97: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/21(月) 03:41:10.02 ID:7aM8k5RbO
※  ※  ※

( ´∀`)「やっほーみんな、五月病はそろそろ治ったモナ?」

('A`)(あーあ、何であそこでやんなかったのかなー、俺)

クーと出会ってから、数日が経過した。
クーは家から忽然と姿を消し、あれから全く音沙汰無しだ。
性欲を失っていた状態だったからあんなカッコイイ真似をやってのけてしまったのだが、
次の日には激しい後悔に苛まれていた。

( ´∀`)「もうすぐ梅雨モナ、洗濯物乾かなくて憂鬱モナー」

偽りがなんだ、あそこは黙ってルパンダイブする場面だろーが。
超能力?一生童貞のままになるくらいなら喜んで捨てるっつーの。

( ´∀`)「パンツにキノコ生えても食べたら駄目モナ、松本零士になっちゃうモナー」

超能力あったって覗きはできてもオニャノコとan・anはできねーんだよ。

('A`)(はあ……鬱だ……)
( ´∀`)「あ、そうそう。
       入院したわかんないです先生のピンチヒッターとして、実習生を呼ぶことにしたモナ」
川 ゚ -゚)「素直クールだ。良ければ、クーと呼んで欲しい。よろしく頼む」

('A`)「あ」







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