ノパ听)は奮闘するようです

30: ◆I40z/j1jTU :2007/06/09(土) 22:46:01.27 ID:4516llGA0

ノパ听)<第六話!!


ヒートが引っ越してきてはや数週間。

大分ここでの生活に慣れてきたといえる。
それは、彼女自身友達がたくさんできたことからいえるだろう。

もう、俺がサポートしなくても大丈夫なのだ。
それは、嬉しい反面少し寂しいものだった。


( ^ω^)「どうしたお?ドクオ。なにか悩み事かお?」

('A`)「いや、なんでもねぇよ」

( ^ω^)「おっおっお。それならいいお」


そう言いながら、ブーンは空いている隣の席へと座る。
手には菓子袋を持っていた。



34: ◆I40z/j1jTU :2007/06/09(土) 22:48:21.96 ID:4516llGA0

('A`)「またピザポテトか。太るぞ」

( ^ω^)「適度に運動すれば大丈夫だお」


一気に何枚ものポテチを掴み、頬張るブーン。

お前は適度に運動しないから言ってるんじゃないか。
そう言おうとしたが、不毛なことなのでやめた。


('A`)(そう言えば……)


あともう少しで中間テストだ。
もう何回もやったテストだが、油断をしてはいけない。気を引き締めないとな。


('A`)「ブーンは勉強してるのか?」

( ^ω^)「やってないお」


即答かよ。



37: ◆I40z/j1jTU :2007/06/09(土) 22:51:37.85 ID:4516llGA0

('A`)「お前、留年しそうになった去年を忘れたのか?」

( ^ω^)「大丈夫だお。いざというときには土下座すれば万事OKだお」

('A`)「お前にはプライドというものはないのか?」

( ^ω^)「これっぽっちも」


駄目だこいつ…。はやくなんとかしないと…。

そう思った矢先、それを聞いていたのかツンが走りこんできた。
そしてそのまま膝蹴り。悲痛までの叫び声が教室に轟いた。

哀れブーン。


ξ#゚ー゚)ξ「あなたにはこれから、私が勉強というものを叩き込んどくわ」

(;^ω^)「え、遠慮しときますお!!」


回転したツンは、その遠心力に乗っ取り回転蹴りを喰らわす。
見事までに噴射した鼻血は、天井にまで噴射した。



38: ◆I40z/j1jTU :2007/06/09(土) 22:54:03.38 ID:4516llGA0


(メ;ω;)「わ、わかりましたお!!だから命だけは……!!」


動物的本能で、命の危険を悟ったブーンは泣きながら土下座。

本当にプライドがないということを、俺は呆然としながら見ていた。
ツンは勝ち誇ったような表情を浮かべている。


ξ゚ー゚)ξ「わかればいいのよ、わかれば」

(メ;ω;)「あばばばばばばばばばばばば……」


そんなに勉強が嫌なのか……。
涙が止まらないブーンに、俺は少しだけ同情をしてしまった。



39: ◆I40z/j1jTU :2007/06/09(土) 22:56:43.21 ID:4516llGA0

ノハ;゚听)「ド、ドクオ。この光景は一体……」


トイレから戻ってきたヒートは、驚愕していた。

そりゃそうだ。
トイレから戻ってきたら、クラスメイトが鼻血と涙を出しながら土下座をしているのだから。


('A`)「中間テストというものが起こした、哀れな戦いじゃよ」

ノハ;゚听)「ちゅ、中間テストですとおおおおおおおおおおおおおお!?」

('A`;)「なんだよいきなり。あと二週間後にテストなのを忘れたのか?」

ノハ;゚ー゚)d「覚えてるとも覚えてるとも。このヒートちゃんが忘れていると思っていたのかい?」


ぜってー忘れてただろ。
そしてその小指を立てる妙な仕草はやめい。



43: ◆I40z/j1jTU :2007/06/09(土) 22:58:52.72 ID:4516llGA0

ここまで、ヒートとの生活でわかったことがあった。

それは、ヒートは馬鹿ということ。
今も引きつった笑顔を見せながら、額には冷や汗というなの水を流している。

さらにそれに追い討ちをかけ、いまや両手で小指を立てていた。


bノハ;゚ー゚)d「ドクオ……、いやドクオ様……」

('A`)「どうしたのいきなり?あらたまっちゃってっさ」

bノハ;゚ー゚)d「私に勉学というものを……」







('A`)「イヤだね」

bノハ;゚听)d「ッ!!!!!!!!!!!!!」



44: ◆I40z/j1jTU :2007/06/09(土) 23:01:22.65 ID:4516llGA0
ノハ;凵G)「そんな殺生なああああああああああ!!お願いしますよおおおおおおおお!!」

('A`;)「え〜い離せ鬱陶しい!!」


ヒートが俺に絡みつき、コブラツイストを仕掛けてくる。
だが俺はそれを回避し、デコに思いっきりチョップを当てた。
だがヒートはそこで諦めなかった。眼には闘魂という文字が輝いている。
やばい、そう悟った俺は先手必勝。ファイティングポーズを構え、ジャブを繰り出す。
ヒートは見事に俺の左のラッシュをかわし、徐々に近づいてくる。
俺はたまらずにストレートを放つが空を切る。ヒートは大振りになったそれをかわし、
勢い良く回りながら蹴りを放つ。そう、回転蹴りだ。しかし俺がそんな大技を当たるわけがない。
なんなくかわし、次の攻撃に備えようとしたとき。顔を上げた先の光景に、言葉を失った。

腹部の痛みに耐えれなく、俺はそのまま地に膝をつく。
そんな俺の前にヒートが現れる。


ノパ听)「悪いね、私の回し蹴りは2回転するんだよ。
   いずれにせよ攻撃を避けただけで油断しているようじゃダメだね、
   増強したとはいえあそこまであからさまに安心されるとはガッカリだ」


ヒートの顔が、俺の脳裏にいつまでも焼きついた。
暗くなる視界。その感覚が俺を襲う。残るのは、敗北感だけだった。


………
……




52: ◆I40z/j1jTU :2007/06/09(土) 23:04:27.93 ID:4516llGA0

家。俺が一番心休まるところ。

学校での死闘で負った傷を手当していた。
腹は赤く腫れ、触れただけでも激痛が走る。


('A`)「くそっ!やられた!」


眼を覚ましたとき、俺は女に負けたというレッテルを貼られていた。

おそらく、俺の人生のなかで一番を争うくらいの屈辱だろう。
Lと会ったときのキラと同じ心情だ。


('A`)「もうぜってー教えてやんね」


俺はひたすら机に向かい、ペンを走らせる。

とそのときである!!階段を駆け上がる音が聞こえたのは!!



54: ◆I40z/j1jTU :2007/06/09(土) 23:06:47.35 ID:4516llGA0

ノハ;凵G)「どくおお…」

('A`)「はいはい帰って帰って〜。僕は忙しいんでちゅよ〜」


ヒートが部屋を開けた瞬間、俺は閉めた。

こじ開けようと向こう側から凄まじい音が聞こえてくる。
なんだよ、こいつは。うるさいったらありゃしない。


('A`)「うるせえんだよ!!教えないもんは教えないの!!」


俺は普段上げない声を上げる。

ヒートはそんな俺にびびったのか、ドアノブから手を離し、階下へ降りていった。
俺はため息をつき、椅子に腰を下ろす。


('A`)「さて、再開するかな」


とそのときである!叫び声に近い泣き声が聞こえたのは!!



56: ◆I40z/j1jTU :2007/06/09(土) 23:08:58.09 ID:4516llGA0

『ぐおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!』

(;'A`)「な、なんだぁッ!?」


家中に轟くその泣き声。
その泣き声は止まることはなく、いつまでも続いた。


『勉強くらい教えてくれたっていいじゃねえかよおおおおおおおおおお!!』

『ドクオのばかやろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!』

『可哀想だと思うんなら早く私に勉強を教えやがれええええええええ!!』

『もいういやだいやだいやだああああああああああああああああああ!!』

『お家に帰りたいよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!』

『しまった!!ここが私の家だったあああああああああああああああ!!』


意味不明な近所迷惑の泣き声。

窓から外を見ると、近所のおばさんたちが何人か集っていた。
なぜかそこにカーチャンの姿もあったのはいうまでもない。



60: ◆I40z/j1jTU :2007/06/09(土) 23:12:02.68 ID:4516llGA0

(;'A`)「わかった!!わかったから泣き止んでくれ!!」


その声を聞いたヒートは涙を拭う。
そして、お決まりのポーズを決めるのであった。


dノパ听)b「最初からそう言いたまえ愚民が!!」

('A`)「うるせえ馬鹿」


ぽかっ


bノハ;凵G)d「痛いではないかああああああああああああ!!」


そんなヒートを無理やり座らせる。

目の前にあるのは数学の教科書とワーク。
採点すると、なんと10点だった。100点中10点。

俺はブーンと同等の奴を始めてお目にかかれた。



62: ◆I40z/j1jTU :2007/06/09(土) 23:14:30.85 ID:4516llGA0

('A`)「うん、あれだ。今からでも間に合う。小学校からやり直せ」

ノハ#゚听)「なにをおおおおおおおおお!?あまり私を怒らせないほうがいい」

('A`)「だってこれ……。お前単純な計算ミスをしてるぞ」


公式はわかっているのに、足し算を間違えている。
なんというイージーミス!!足し算を間違えるとはなんたる愚考!!


('A`)「君、数学というものはだね。足し算引き算掛け算割り算が基礎なんだよ」

ノハ;゚听)「………」

('A`)「その基礎のなかの基礎のなかの基礎のなかの基礎を間違えた君には小学校がお似合いだ!!」

ノハ;゚听)「しょ、小学校、ですと……?」

('A`)「その通り!!以上で講義は終わりだ!!」


そのまま背を向け部屋から出ようとしたとき。
肩を掴まれた。



66: ◆I40z/j1jTU :2007/06/09(土) 23:16:54.17 ID:4516llGA0

ノハ;゚听)「ちょっと待ていッ!!」

('A`)「なにかね?質問は職員室でしたまえ」

ノハ;凵G)「一生懸命やるから見捨てないでええええええええ!!」


手で顔を覆うヒート。さすがの俺もそこまで鬼畜ではない。
だからその覚悟を聞いてみることにした。


('A`)「寝る間も惜しみ、勉学に励むこと。それが君にできるかね?」

ノパ听)「できますッ!!できますともおおおおおおおおおおお!!」


('A`)d ビシッ

ノパ听)d ビシッ


そこから俺とヒートの猛勉強が始まった。



67: ◆I40z/j1jTU :2007/06/09(土) 23:19:31.68 ID:4516llGA0

『こらッ!!また間違えているぞ!!』


『す、すみませんコーチ!!』


『わかったなら古文を読んでみろ!!』


『VIPは楽しいでいそうろう……』


『居候はお前だこの女ッ!!』


『そ、そのとおりでございます!!』


『またここが間違えているぞ馬鹿野郎!!』


地獄の勉強会。
ついに、その実力を示すときが来た。

そう、今日は中間テストである。



71: ◆I40z/j1jTU :2007/06/09(土) 23:24:23.31 ID:4516llGA0

俺は問題をすらすらと解いていく。

なんども繰り返しやったこの問題。
俺の前では無力であった。


('A`)「HAHAHAHA!!簡単すぎるよジョニー!!」

( ´∀`)「ドクオ君うるさいもな。死んでくれもな」

('A`)「なんという暴言。これは間違いなく死亡フラグ」

('A`*)(でも、悔しいけど感じちゃう!!) ビクッビクッ!!

( ・∀・)「なんかイカ臭くね?」


俺のペンは、止まることはなかった。

………
……




74: ◆I40z/j1jTU :2007/06/09(土) 23:27:34.93 ID:4516llGA0

        ('A`)    ノパ听)

現代文    89      92
古文      82      94
数学U    95      90
数学B     85      80
世界史    82      87
日本史    92      89
化学      85      93
英語      98      90
平均     88.5     89.3
合計     708     715


('A`)「死のっかな」


死亡フラグの恐ろしさが身に染みた俺であった。



('A`)<第六話、終わりだ。



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