( ^ω^)ブーンたちは鈴の音を聞くようです

60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/24(木) 23:26:04.26 ID:8xUEAKk1O
第3話「ヒッキー」




「見ろ。下界の人間たちを。殺人、レイプ、強盗、放火、テロ。なんて醜い。そしておもしろい。」

アイツは下界を眺めながら声をあげて笑った。吐き気がするくらい残酷な笑い。

「これこそ我々だけに与えられた特権だね。そう思わないか?」

こんなの見てるんだったら、地獄にいるほうがまだマシかもしれない。

「暗い顔をするなよ。楽しもうじゃないか」

そう言ってアイツは酒を飲んだ。



63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/24(木) 23:28:12.36 ID:8xUEAKk1O
ドクオのやつが教室を飛び出す事件が起きてから4日経った。結局、ドクオは普通に学校に来ている。ブーンとかは何か知ってそうだけど、別に興味ない。


(=゚ω゚)ノ「ぃょぅヒッキー。おまえまだ鈴の音聞こえないのかょぅ」

また愚民どもが話しかけてくる。

<ヽ`∀´>「ヒッキーは選ばれし者ニダwww消されるわけないニダww」

黙れ。在日。こいつらを今すぐ瞬殺することも可能だが、僕の力はそんなことに使うためにあるのではない。

(-_-)「今日は許してやるから、早く僕の前から立ち去れ」

<ヽ`∀´>「またニダかww一度真の力とやらを見せて欲しいニダwww」

(=゚ω゚)ノ「一発入れたら見せてくれるかもょぅ」



66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/24(木) 23:31:17.58 ID:8xUEAKk1O
ぃょぅの蹴りが腹に入る。

(-_-)「ぐっ・・・・・・」

(=゚ω゚)ノ「さあ見せてくれょぅ」

('、`*川「ちょっと、何してるのよ!」

<ヽ`∀´>「ペニサス委員長さまのお出ましニダww」

('、`*川「ヒッキー、大丈夫?」

(-_-)「大丈夫だ……このぐらい」


(=゚ω゚)ノ「ペニサスはなんでいつもヒッキーの肩を持つんだょぅ。ただの邪鬼眼じゃんかょぅ」

<ヽ`∀´>「ヒッキーとペニサスは小学校からの同級生ニダ」

(-_-)「いいからさっさと失せろ。愚民どもめ」

('、`*川「ヒッキー!」



68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/24(木) 23:33:48.38 ID:8xUEAKk1O
(-_-)「おまえもどこかへ行け。目障りだ」

('、`*川「!!」

(=゚ω゚)ノ「うわぁ・・・・・・最後の味方も自分から突き放しやがったww」

<ヽ`∀´>「これは痛いニダねwww」

そう言ってヤツらは離れていった。ペニサスも落ち込んだ様子で教室を出ていった。
可哀想だが、今はまだ彼女に真実を教えるわけにはいかない。彼女を巻き込んでしまう(脳内設定)。だから・・・・・・






チリーンッ








71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/24(木) 23:36:02.57 ID:8xUEAKk1O
(;-_-)「え・・・・・・」

今聞こえたのは空耳だろうか。確かに今、鈴の音が聞こえた。まだ耳の中で響いている。辺りを見回しても誰も反応しない。

(;-_-)「そんな・・・ありえない・・・・・・」

まさか。僕は神に選ばれし者のはずだ。そんなはずがない。
僕が、この僕が
消えるのか?

(;-_-)「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

机が倒れる。全員が僕を見る。そんな目で見るな。



73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/24(木) 23:40:08.62 ID:8xUEAKk1O
( ,,゚Д゚)「ヒッキー?どうした?」

落ち着け。こんなことで取り乱してどうする。

(;-_-)「な・・・・・・なんでもない」

手が震える。教師の言っていることが全く耳に入らない。いつのまにかノートが汗でびしょびしょになってる。
あと22時間で僕はこの世から消える?なんで?神は僕を裏切ったのか?
僕が何をしたっていうんだ。なんであいつらみたいな愚民が消えないで僕なんだ?
何もかもが早く感じる。あっという間に学校は終わり、日も落ちた。
あと12時間。あと11時間。10時間。9・・・・・・



74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/24(木) 23:42:18.06 ID:8xUEAKk1O
いつのまにか朝になっていた。時計を見る。あと1時間半だ。何をすればいいんだ?僕は何をしたらいいんだ?あと1時間半しかないんだぞ。
ふと自分の部屋を見渡した。

(-_-)「ナイフ・・・・・・」

机の上に、親の金を盗んで買ったバタフライナイフが飾ってあった。『無影暗殺黒龍剣』だ。まさしく僕にふさわしい。
ナイフを握ってみた。ずっしりとした質感が心地良い。不思議と、恐怖がなくなってきた。

(-_-)「僕は強いんだ・・・・・・」

あいつらに、僕をバカにしてきたあいつらに思い知らせてやる。僕の真の強さを。僕はナイフをしまって家を出た。



78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/24(木) 23:51:16.45 ID:8xUEAKk1O
教室のドアを開ける。一番に目に入ってきたのは黒板に描かれた大きな文字だった。


『さようならヒッキー』
『お別れまで後少し』


机の上には花やら線香やらが置いてある。聞こえてくるクスクス笑い。

(=゚ω゚)ノ「いょうヒッキー。驚いたかょぅ?」

またコイツか。

(=゚ω゚)ノ「昨日いきなり悲鳴をあげたけど、ついにヒッキーにも鈴の音がきこえたんだょぅ?」

<ヽ`∀´>「悲鳴あげてからちょうど23時間45分ニダww」

こういう所だけよく注意深く見てるな。



81: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/24(木) 23:53:34.50 ID:8xUEAKk1O
(=゚ω゚)ノ「それでだょぅ。今からヒッキーのお葬式をやろうと思ってるんだょぅ」

笑い声が聞こえる。どいつもこいつもカスばかりだ。いらないゴミだ。決めた。全員削除してやる。

(=゚ω゚)ノ「ヒッキー、こっちに来るんだょぅ。まずは……」

バタフライナイフを取り出し、ぃょぅの首に突き立てる。

(=゚ω゚)ノ「え・・・・・・・・・」

クラスに沈黙が走る。
そのまま横に思い切り引いた。
真っ赤な血が噴き出して、そのままぃょぅは床に崩れた。



83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/24(木) 23:55:59.26 ID:8xUEAKk1O
クラス中に響き渡る悲鳴。
殺した。僕が殺した。ほら見ろ。やっぱり僕は強い。

<;ヽ`∀´>「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

黙れ。おまえも今すぐ殺してやる。
ニダーは腕でナイフを受ける。

<;ヽ`∀´>「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

痛みで転げ回っている。良い気味だ。

(-_-)「トドメだ」

決めぜりふを言い放ち、ニダーに近寄る。



85: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/24(木) 23:58:12.72 ID:8xUEAKk1O
その時、教室のドアが開いた。立っていたのは登校してきたペニサスだった。

('、`*川「・・・・・・・・・」

ペニサスの目線は、全身に返り血を浴びた僕、ナイフ、床に倒れるぃょぅ、ニダー、黒板へと移っていった。

('、`*川「ヒッキー・・・・・・」

(-_-)「見てくれペニサス。僕がやったんだよ。僕が殺したんだ」

('、`*川「・・・・・・・・・」

(-_-)「こいつらを全員殺したら、一緒に死のう。天国で一緒に暮らそう」

完璧だ。彼女は僕の案をすぐに受け入れ……



86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/25(金) 00:01:30.54 ID:D2Rqrx1cO
('、`*川「嫌よ」


なんだって?彼女は今なんて言った?なんで嫌なんて言えるんだ?

('、`*川「私のヒッキーは明るくて面白いヒッキーよ。あなたじゃないわ」

僕は変わったんだ。強くなったんだ。なのになんで彼女は僕を認めない?

('、`*川「今のあなたは好きになれない。いつか昔のヒッキーに戻ってくれると思ってた……」

昔のぼ・・・・・・く?



88: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/25(金) 00:04:22.56 ID:D2Rqrx1cO
中2のころ、自分で言うのもおかしいが、僕はクラスの中心にいた。
授業中友達とハメを外してはしゃぎ、叱られたりした、普通の中学生だったと思う。
変わるきっかけは、女子のちょっとした雑談を聞いたことだった。

「ペニサスさんはどんな人が好き?」

('、`*川「え〜難しいよ〜」

「何でもいいのよ。優しい人とか、頭の良い人とか」

('、`*川「う〜ん。強い人かな〜」

強い人。
幼なじみに好かれるために、僕は強くなったんだ。友達の誘いも断って、ひたすら孤高の戦士のように振る舞った。
友達に嫌われても、ペニサスに好かれるためなら良かった。
なのに、僕は間違っていたのか?



89: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/25(金) 00:06:31.27 ID:D2Rqrx1cO
('、`*川「私が言った『強い』は、人を傷つける強さじゃないわ」

(;-_-)「そうか・・・・・・」

両膝を地面ついた。
今さら、目が覚めた。人生の終わる寸前に、自分の人生の間違いに気づいた。

(;-_-)「僕は間違っていたんだ・・・・・・」

時計を見る。あと2分もない。

少しでも時間が欲しい。全てをやり直したいなんて言わないから、自分の罪だけでも償いたい。



91: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/25(金) 00:08:18.43 ID:D2Rqrx1cO
(-_-)「みんな・・・・・・」

周りを見る。クラス中が黙って見てる。ニダーは腕を押さえ震えている。血の海の中に、ぃょぅが倒れている。

謝って済むようなことだと思ってない。でも今の僕にはこれしかできない。

(-_-)「ごめん・・・・・・」


ペニサスを振り返った。泣いている。
神さまお願いします。最後に一言だけ言う時間をください。


(-_-)「ごめん。こんな最悪な僕をいつまでもかばってくれてありがt


テレビの電源を消したように全てが消えた。そして意識がなくなった。






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