( ^ω^)は駆動兵器を操るようです

36: 作者 ◆Cy/9gwA.RE :2007/07/12(木) 22:40:43.42 ID:U+1Qwlr+0

短編

( ゚д゚ )は砂を噛み、血反吐を吐くつもりだったようです



38: 作者 ◆Cy/9gwA.RE :2007/07/12(木) 22:42:28.68 ID:U+1Qwlr+0

あの時から、私の人生は大きく変わってしまった。
それは、天から地へ落ちるような……、まさに”落ち”たものであった。

国民代表。
そんな立場に、少し酔っていたのかもしれない。

いや、酔っていた。
そして、今に至る。

VIP軍、南部指令基地所属。ミルナ二等兵。

いわば、軍の最下層。

戦争を勃発させてしまった私だ。
軍人達が、手厚く迎えてくれるだろう。

銃弾でも、何でもかかってこい。
私は、全てを受け入れて、前へと進んでやる。


そう、思っていた。



39: 作者 ◆Cy/9gwA.RE :2007/07/12(木) 22:43:12.73 ID:U+1Qwlr+0

( ゚д゚ )「……今日から、このVIP軍南部指令基地に所属させていただきます!!ミルナ二等兵であります!!」

 『おお!クマーに一発くれてやった奴じゃねえか!!』
        『よろしくな!!ミルナ二等兵さんよ!!』

(;゚д゚ )「……え?」

な、なんなんだこの歓迎ムードは……。
私は、殺される覚悟でここにきたんだぞ?

『よく軍に入るなんて決心がついたな!!男らしいぜ!!』

       『共にνをぶっ潰してやろう!!』

(;゚д゚ )「……」



41: 作者 ◆Cy/9gwA.RE :2007/07/12(木) 22:43:59.32 ID:U+1Qwlr+0

(∴゚ з゚ )「それでは、ジョルジュ一等兵。君に早速だが指令を出そう!!」
( ゚∀゚)「はっ!!」

(∴゚ з゚ )「ミルナ二等兵に、この南部指令基地を案内してきなさい!」

( ゚∀゚)「え……。そんだけですか?」
(∴゚ з゚ )「なり立ての一等兵一人に重大な任務任せられるはずないでしょ!!」

なんなんだ!?
この軽い空気は……。
軍とは、こういうものなんだろうか……。

( ゚∀゚)「了解!!ミルナ二等兵!後をついてきたまえ!!」

『あんまし偉そうな顔してんじゃねーぞ!!』
  『二等兵と一等兵なんてかわらねーじゃねーか!!』

( ゚∀゚)「ほら、早く行くぞ?」

(;゚д゚ )「は、はい」



42: 作者 ◆Cy/9gwA.RE :2007/07/12(木) 22:45:26.05 ID:U+1Qwlr+0

そうして、南部指令基地をゆっくり連れまわされていると、日が暮れてきた。
それでも、窓から覗く夕焼けが、いつ見納めになるかわからない。そう思って、しっかりと目に焼き付けた。

( ゚∀゚)「……ミルナさん。あんときは、俺たちの心の拳、代弁してくれてありがとうございます」

先ほどとは打って変わって、態度を改めて話すジョルジュに、少し驚きつつもミルナは答えた。

( ゚д゚ )「……そんな、褒められる事をしたんでしょうか」
( ゚∀゚)「しましたよ。少なくとも、俺には……。
ほら、ここから出た先にあるベンチ。こっから見る夕焼けは最高ですよ。
好きなんでしょ?さっきもずっと見てたじゃないですか」

そう言って、ドカッとベンチに座るジョルジュ。
ミルナも、後につられるようにベンチへと腰掛けた。



43: 作者 ◆Cy/9gwA.RE :2007/07/12(木) 22:46:25.66 ID:U+1Qwlr+0

( ゚д゚ )「私は……。感情に任せて、戦争を起こしてしまった。
その償いに、と思いここへ入ってきたんです。血反吐でも、なんでも吐いてやろう、そういうつもりで……」

( ゚∀゚)「じゃあ、血反吐を吐くくらい、がんばってやればいいじゃないですか。
他人にどうされようと、何されようと、ミルナさんの思うようにすればいい。
そういう人間が多いですよ、VIP軍は。ただ、VIPへの大義は忘れてはいないですけどね」

( ゚д゚ )「……」

( ゚∀゚)「そういえば、この場所。
俺の友人で、でっかい兵器に乗って戦ってる奴らが気に入っている場所なんですよ。
あいつらも、こういう夕焼けを見ながら、こんな話してるんだろうなぁ」

( ゚д゚ )「……そうですよね」
( ゚∀゚)「?」



44: 作者 ◆Cy/9gwA.RE :2007/07/12(木) 22:47:28.79 ID:U+1Qwlr+0

( ゚д゚ )「私は、間違っていました。罪滅ぼし、償い。
そんな事、関係無いんですね。私が今ここにいるということは、VIPに対して、
正義を抱いているということ。そして、ν帝国に対して、敵意を抱いていること。こういうことでしょうか」

( ゚∀゚)「まだ、一つ足りてないんじゃないですか?」

( ゚д゚ )「足りてない?」

( ゚∀゚)「あいつ……。クマーの顔面に、もう一発。叩き込んでやりましょうよ」
( ゚д゚ )「……ふっ。そうですね」

バッと立ち上がるジョルジュ。
夕焼けの光が、消えるのを嫌がりもがく様に、増して行く。



45: 作者 ◆Cy/9gwA.RE :2007/07/12(木) 22:48:11.84 ID:U+1Qwlr+0

( ゚д゚ )「もう一発、叩き込んでやります」

( ゚∀゚)「……ふふふ。その意気だ!!ミルナ君!!」

背中を強くたたくと、ジョルジュは先に行ってしまった。
少し痛みが残る背中を気にしながら、ミルナも後を着いて行く。


( ゚д゚ )「VIP南部司令部所属!!ミルナ二等兵であります!!」


今日も、小銃を片手に胸に大きな野望を抱く。
クマーに、もう一度拳を叩き込む。



( ゚д゚ )は砂を噛み、血反吐を吐くつもりだったようです 完



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