('A`)と( ゚∀゚)は利己的なようです

119: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/22(金) 22:27:01.42 ID:lh4IdvDW0
     *     *     *

キーンコーンカーンコーン
  _
( ゚∀゚)「内藤〜、ちょっといいか?」

(;^ω^)「お!?」


昼休み、ジョルジュとドクオが僕の前に現れた。


(;^ω^)「な、何の用だお!?
       僕はもうツンには近づいてないお!」
  _
( ゚∀゚)「本当だろうな?」

(;^ω^)「ほ、本当だお」
  _
( ゚∀゚)「まあ、もう一度言っておくが次にツンさんに何かしたら、
     富士の樹海に死体が一つ転がることになるからな?」

('A`)「で、内藤、お前可愛い彼女が出来たみたいだな」



121: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/22(金) 22:28:33.90 ID:lh4IdvDW0

(;^ω^)「ク、クーのことかお?」

(#'A`)「いつの間にか呼び捨てになってるとはなぁ」
  _
( ゚∀゚)「でよう、また一つお前に頼みがあるんだ」

(;^ω^)「何だお?」
  _
( ゚∀゚)「なに、簡単なことだよ。
     ツンさんのときと同じようにクーさんを写真部の部室に連れて来て欲しい」

(;^ω^)「……っ」
  _
( ゚∀゚)「じゃ、頼んだぜ?」


そう言うと、僕の返事も聞かずに行ってしまった。
あの2人はいったい何なんだお…
とにかく、言うことを聞かないとやばいことになりそうだお…

122: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/22(金) 22:28:52.46 ID:N94ev1o70
ドクオ白々しすぎるぜwww

123: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/22(金) 22:29:53.20 ID:RI3N1xea0
支援
ドクオがかっこ悪すぎるw



124: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/22(金) 22:30:36.24 ID:lh4IdvDW0
     *     *     *

キーンコーンカーンコーン

('A`)「じゃ、任したぜ。何するのか知らんけど」
  _
( ゚∀゚)「まあ、任せろよ。お前も存分にやれよ」

('A`)「ああ」


そう言うと、ドクオは部室から出て行った。

  _
( ゚∀゚)「さて、相手はク〜ルなクーさんだ。こっちもクールにいかないとな」


俺は机の引き出しを漁る。
上から2つ目の引き出しに目当ての物はあった。

  _
( ゚∀゚)「おう、これだこれ!」

( ■∀■)「さて、気合入れてくか!」


見つけたサングラスをかけ、そう呟いた時、部室のドアが開かれた。

125: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/22(金) 22:32:10.65 ID:Z0yBaxEUO
ちょwwwww

126: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/22(金) 22:32:20.43 ID:EyX++UvDO
サングラスきめぇwwwwwwww

127: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/22(金) 22:33:20.57 ID:N94ev1o70
ねーよwwww



128: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/22(金) 22:33:21.61 ID:lh4IdvDW0

川 ゚ -゚)「何だ此処は?」

(;^ω^)「つ、連れて来たお」

( ■∀■)「ご苦労ご苦労、内藤、お前はもう帰れ」

(;^ω^)「把握したお」

川 ゚ -゚)「ブーン?」


クーさんが呼び止めようとするが、内藤はすぐに出て行ってしまう。


川 ゚ -゚)「待てブーン」

( ■∀■)「まあ、そこに座ってくださいよ、クーさん」

129: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/22(金) 22:34:09.87 ID:xRJ+Y3AeO
だっせwwwwwww



131: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/22(金) 22:34:34.65 ID:lh4IdvDW0

内藤を追って行こうとするクーさんを呼び止め、俺はそう言った。
クーさんは訝しげに俺を見つめながらも、
それに従って部屋の真ん中にある椅子に腰掛けた。


川 ゚ -゚)「君はよくドクオと一緒に居る…長岡君と言ったかな?」

( ■∀■)「そうです。ジョルジュ長岡です」

川 ゚ -゚)「その長岡君が私に何の用だ?」


流石はクーさん。
ツンさんとは違い雰囲気に圧されず、俺の目から視線を外さない。


( ■∀■)「少し、聞きたいことがあるだけですよ」



133: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/22(金) 22:36:34.67 ID:lh4IdvDW0
     *     *     *

('A`)「さて内藤」

(;^ω^)「お!?」


部室を出て、ほっとしたのも束の間、ドクオが僕の前に現れた。


(;^ω^)「な、何だお!?
       頼まれたことならちゃんとしたはずだお」

('A`)「じゃあもう一つ頼み事だ。着いて来い」


そう言うと、ドクオは歩き始めた。
僕は、それに着いて行くしかなかった。



136: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/22(金) 22:38:34.99 ID:lh4IdvDW0
     *     *     *

( ■∀■)「クーさんは、内藤の何処が好きなんですか?」

川 ゚ -゚)「なるほど、やはりドクオ君とグルになって嫌がらせをしようと言う訳か」

( ■∀■)「嫌がらせかどうかは、後々結論を出して下さい。
      さて、もし良かったら教えてくれませんか?」

川 ゚ -゚)「『もし良かったら』なんて言いながら、
     言わせないで帰すつもりは無いのだろう?」


クーさんにそう言われて、俺はつい鼻で笑ってしまった。


( ■∀■)「わかってるじゃないですか」



138: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/22(金) 22:40:34.34 ID:lh4IdvDW0

川 ゚ -゚)「下衆だな君達は。いいだろう、答えようじゃないか。
     それはつまり、ブーンは君達の様な腐った人間じゃ無いからだ」

( ■∀■)「確かに俺等と内藤は違いますね。
      あんな奴と一緒にされたら堪りませんよ。
      クーさんの言う通り、確かに俺達は腐っていますが、
      『毒』があるよりはマシだと思いますよ?」

川 ゚ -゚)「君達はそうとうブーンを憎んでいるようだな。
     彼が君達に一体何をしたと言うんだい?」

( ■∀■)「そりゃ、とても憎んでますが、それが何故かは言えませんね」


つい低い声になってしまった。
ツンさんのことはクーさんに言うつもりは無い。



142: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/22(金) 22:42:34.36 ID:lh4IdvDW0
     *     *     *

俺は内藤を連れ屋上に来た。
放課後こんなところに人はいない。
傾いた日が、俺と内藤を照り付けていた。


('A`)「さて、屋上に来たってことは何するか解るよな」

(;^ω^)「何するんだお!?」


内藤は不安げに辺りを見回す。


('A`)「昨日の続きだよ。安心しろ、邪魔は来ないし、逃げられもしない」

(;^ω^)「……っ」

('A`)「さて、これ以上話すことも無いな。覚悟を決めろ」

(;^ω^)「ち、畜生だお!」


内藤は拳を振り上げ、俺に向かって来た。



148: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/22(金) 22:44:33.53 ID:lh4IdvDW0

('A`)「なかなか威勢がいいじゃねぇか」


俺はそれを防ぐでも、避けるでもなく、ただ頭を突き出した。


(;^ω^)「ふごっ!」


ゴンッという鈍い音と共に、俺の頭が内藤の顔にめり込む。
俺はそのまま倒れようとする内藤の胸倉を掴んだ。
1発、
2発、
3発、内藤の頬を殴る。
崩れ落ちようとする内藤から手を離し、最後に腹に蹴りを入れた。


(メメω^)「うぅ……」

('A`)「何だ? もう終わりって訳じゃねぇよな?」


俺は地面に転がっている内藤にそう言うと、
内藤はよろよろと立ち上がり、ポケットから何やら取り出した。

152: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/22(金) 22:46:16.27 ID:LvnpeCuB0
こいつはクセーッ!(ry



153: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/22(金) 22:46:34.54 ID:lh4IdvDW0

(メメω゚)「こうなったらぶっ殺してやるお!」


内藤は小型の折りたたみ式ナイフを開き、俺に向けた。


('A`)「そんな物の携帯癖まであるとはな。本当にクズだな」

(メメω゚)「うるさいお! 死ねお!」


内藤はナイフを突き出し俺に向かって走ってくる。
しかし、残念ながら俺の脚のほうがリーチが長い。


('A`)「オラァア!」

(メメω゚)「ふぐっ!」


左足を軸に内藤の左わき腹を思い切り蹴る。
俺は倒れた内藤の右手を踏みつけ、持っていたナイフを落とすと、
それを遠くに放った。

155: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/22(金) 22:47:13.27 ID:bj2FO+qI0
ブーンどこまで外道なんだ

156: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/22(金) 22:47:24.87 ID:pX3WOPJ40
ブーンほんとクズだなwww



157: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/22(金) 22:48:34.98 ID:lh4IdvDW0

('A`)「素手で闘えない奴がナイフなんて使っても、勝てる訳ないだろ」


そう言い、俺は内藤に馬乗りになり、顔を殴った。
内藤は初めは抵抗していたが、5,6発目にはその力も感じられなかった。


(メメωメ)「ぉ……」

('A`)「今日はこれぐらいにしてやるよ。
    だけど、これで終わりじゃねぇからな」


動かなくなった内藤に向かってそう言い残し、
俺は屋上を後にした。

160: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/22(金) 22:50:32.63 ID:EyX++UvDO
ブーンはクズだがドクオもアレだよなwwwwwwww



161: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/22(金) 22:50:35.01 ID:lh4IdvDW0
     *     *     *

( ■∀■)「他人に、そう易々と言えることじゃないんですよ」


俺がそう言うのを聞き、クーさんは少し驚いたような顔をしつつも、
相変わらず真っ直ぐ俺の目を見つめていた。
俺は引き出しの中から数枚の写真を取り出し、机の上に広げた。


( ■∀■)「これらは、もうドクオが見せましたよね?」

川 ゚ -゚)「ああ、どうせ合成写真か何かだろう?
     あのブーンがそんなことするとは思えない」

( ■∀■)「『あのブーンが』ですか…
      クーさんは昨日、ドクオが『利己的』だって言いましたよね?」

川 ゚ -゚)「ああ」

( ■∀■)「その通りですよ。俺やドクオは『利己的』以外のなんでもない。
      だからこそ、誰が利己的な考え方の奴か分かるんですよ。」

川 ゚ -゚)「つまり、ブーンがそうだと言いたいのか?」

( ■∀■)「そうです」



165: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/22(金) 22:52:33.70 ID:lh4IdvDW0

川 ゚ -゚)「だから、ブーンと別れた方が良いとでも言うのか?」

( ■∀■)「その通りです、クーさん。
      と言っても、俺達を信じるとは思っていませんがね」


俺がそう言うと、クーさんは鼻で笑った。


川 ゚ -゚)「わかっているじゃないか。君達の言うことは信じられない」

( ■∀■)「それでも、俺達は自分は正しいと思っています。
      どっちが正しかったか、その内解るでしょう」


俺は広げた写真を纏めて封筒に押し込み、それを持って立ち上がり、
クーさんに差し出した。


( ■∀■)「これは持っていて下さい」

川 ゚ -゚)「嫌だと言ったら?」

( ■∀■)「言わせるつもりは無いってことは分かっていますよね?」

川 ゚ -゚)「…わかった。貰っておこう」

( ■∀■)「あ、あと…」



172: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/22(金) 22:55:38.55 ID:lh4IdvDW0

俺はポケットから細長い機械を取り出し、クーさんに渡した。


( ■∀■)「これはいつか返して下さいね。高いんで」

川 ゚ -゚)「『いつか』とは?」

( ■∀■)「返すタイミングはいずれ解りますよ。
      それが解るまでは持っていて下さい」

川 ゚ -゚)「…わかった」


クーさんは俺が渡した2つの物を制服のポケットに入れた。
その時、クーさんの後ろにあるこの部屋唯一のドアが開いた。


( ■∀■)「よう、ドクオ。首尾はどうだった?」

('A`)「何の問題も無い。てか、何だそのサングラスは?」

( ■∀■)「雰囲気だよ雰囲気。似合うだろ?」

('A`)「いや、微妙」

川 ゚ -゚)「…私はもう帰っても良いのか?」



179: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/22(金) 22:57:49.07 ID:lh4IdvDW0

クーさんは立ち上がり、俺にそう聞いた。


( ■∀■)「ああ、はい。今日は有難う御座いました」

川 ゚ -゚)「そうか、失礼した」

('A`)「ああ、待って下さい、クーさん」

川 ゚ -゚)「なんだ?」

('A`)「『屋上』。それだけです」

川 ゚ -゚)「屋上に何かあるのか?」

('A`)「行けば分かりますよ」

川 ゚ -゚)「そうか」


それだけ言うと、クーさんは行ってしまった。



184: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/22(金) 22:59:36.80 ID:lh4IdvDW0

( ■∀■)「ドクオ、教えてよかったのか?」

('A`)「ああ。黙っていてもどうせバレるだろ?
    それならこっちからバラした方がまだ良いよ。
    それより大丈夫なんだろうな? 何したか知らんけど」


ドクオはさっきまでクーさんが座っていた椅子に座り、
俺にそう尋ねた。


( ■∀■)「結局、後は内藤次第だけど、
      これでクーさんも取り返しのつかなくなる前に気付くだろうよ。
      その為のことはしといたから」

('A`)「それって、大丈夫か?」


ドクオが心配そうに言う。


( ■∀■)「なに、内藤の思考回路は単純だ。
      多分、俺が思った通りにいくはずさ」

('A`)「そっか。まあ、お前を信じるよ」


ドクオはそう言うと、缶コーヒーを一つ取って開けた。



186: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/22(金) 23:01:34.53 ID:lh4IdvDW0
     *     *     *

川; ゚ -゚)「ブーン!」

(メメωメ)「ぉ……」


ドクオに言われたように屋上へ行くと、そこにはブーンが倒れていた。


川; ゚ -゚)「大丈夫か?」

(メメωメ)「……駄目だお」


私はブーンを助け起こした。
ブーンの顔には無数のアザがあり、誰かに殴られたのは、
火を見るより明らかだった。


川 ゚ -゚)「…ドクオ君にやられたのか?」



190: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/22(金) 23:03:34.80 ID:lh4IdvDW0

(メメωメ)「…」


私がそう聞くと、ブーンは力無く頷いた。


川 ゚ -゚)「そうか……あの男…」


本当に許せない。
ブーンが一体何をしたっていうんだ。

しかし、『とても憎んでる』と言ったときの長岡君の声、
最後に現れたドクオ君のいつもと違う精悍な顔つきは何だったのだろう。
それらは、何故か私の心を掻き乱し、不安にさせた。

いや、だが私が信じるべきはあんな者達でなくブーンのはずだ。
ブーンのことは私が1番わかっているつもりだ。

そう思いながら、数日が過ぎた。

その数日間、ドクオ君や長岡君は私の前に現れなかった。
そしてブーンは怪我も治り、何時も通りの彼に戻った。

191: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/22(金) 23:03:45.35 ID:pX3WOPJ40
ブーンがどう動くか見物だ……

194: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/22(金) 23:04:04.48 ID:bj2FO+qI0
さて、クーの心は?

196: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/22(金) 23:05:02.91 ID:N94ev1o70
どうなる、どうでる



197: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/22(金) 23:05:34.41 ID:lh4IdvDW0

キーンコーンカーンコーン

川 ゚ -゚)「んー……?」


思えば、この日は朝から何かおかしかったのかもしれない。
私は、久しぶりに描かれた黒板の絵を見て首を傾げた。
それはいつもと同じ調子で描かれた絵だった。
だが、昨日ブーンは私と一緒に帰ったはずだぞ?


川 ゚ -゚)「…これを描いている人は複数人居るのか?」


しかし、この絵には独特の雰囲気があるった。
これを描いている人間が何人も居るとは思えがたい。


川 ゚ -゚)「…しかし、2人だけと考えればあるいは……」


しばらくそんなことを考えながらその絵を見つめていたが、
そんなに深く考えることでもないかなと思い、いつもの様に消してしまった。



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