('A`)と( ゚∀゚)は利己的なようです
- 56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/22(金) 21:56:05.83 ID:lh4IdvDW0
- * * *
キーンコーンカーンコーン
_
( ゚∀゚)「ギャハハハハハハハハハハハハハハ」
俺はジョルジュにクーさんが内藤と付き合っていることを教えた。
それを聞いたジョルジュは、机を叩きながら爆笑していた。
('A`)「なんで…なんでよりによって内藤のカスなんだよ!」
_
( ゚∀゚)「ここまで来るともう呪いかもしれねェなwww」
俺は椅子に座ってうなだれた。
なんで…なんでなんだよ…
('A`)「しかも、告白が迷惑だとまで言われたし…
俺って何なんだろうな……」
- 60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/22(金) 21:58:30.92 ID:lh4IdvDW0
- _
( ゚∀゚)「クーさんにしてみれば、
毎日告白してくるウザくてキモい奴だったんだろうなwww」
('A`)「畜生ハッキリ言いやがる…
俺より、内藤の方が良いのかよ……」
_
( ゚∀゚)「自分じゃそうは思ってねェんだろ?
それに俺もそうは思わねェな」
ジョルジュが顔をこちらに向け、そう言った。
_
( ゚∀゚)「内藤のことじゃあ、またクーさんの前でだけいい格好してたんだろ。
何処まで行っても中身はあのツンさんを襲おうとしたカスだ。
クーさんはまだそこが解ってねェんだろ」
('A`)「そうだよな、クーさんも騙されてるんだろうな」
- 65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/22(金) 22:00:34.96 ID:lh4IdvDW0
- _
( ゚∀゚)「だとしたら、お前はこれからどうするつもりだ?
黙って見ているつもりはねェんだろ?」
('A`)「ああ……ジョルジュ、あの写真あるか?」
そう聞くと、ジョルジュは机の引き出しを漁った。
_
( ゚∀゚)「此処には無ェが、ネガは家にある。明日の朝には用意しとくよ」
('A`)「頼んだぜ、ジョルジュ」
_
( ゚∀゚)「任しとけ。まぁお前も頑張れよ」
- 68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/22(金) 22:02:34.25 ID:lh4IdvDW0
- * * *
('A`)「クーさん、いいですか?」
翌朝、もう来ないだろうと思っていたのに、
この男は再び私の前に現れた。
川 ゚ -゚)「何だ? 愛の告白ならもう受け付けていないぞ」
('A`)「これ、見て下さい」
そう言うと、彼はポケットから写真を数枚出し私の前に並べた。
私はその写真に目をやる。
そこには、カツアゲや喫煙、万引きをしているブーンの姿が写っていた。
('A`)「クーさんは内藤のこと良く知らないと思うんです。
内藤っていう男は、こういうことを平気でやる奴なんですよ」
川 ゚ -゚)「フッ、くだらんな」
('A`)「え?」
- 77: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/22(金) 22:04:34.59 ID:lh4IdvDW0
私はその写真の中の一つを摘み上げながら話す。
川 ゚ -゚)「手の込んだ悪戯だな」
('A`)「っ…そんなんじゃないですよ、内藤っていう奴は…」
川 ゚ -゚)「私は君よりブーンのことを良く知っているつもりだ。
そして私はブーンのことを信頼している。
君の持ってきたこんなもの、一つも信じられはしない」
私は他の写真も纏めてドクオ君に付き返した。
川 ゚ -゚)「こんなことをして私達の邪魔をしようなんて、
本当に君は自分勝手で最低な男だよ」
- 81: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/22(金) 22:06:35.12 ID:lh4IdvDW0
- * * *
キーンコーンカーンコーン
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( ゚∀゚)「何してんだオメェ?」
昼休み、カメラを首からぶら下げコソコソ隠れながら、
何かしていたドクオを見つけた。
('A`)「んあ、ジョルジュ」
_
( ゚∀゚)「で、ドクオ、写真の効果はどうだった?」
('A`)「それがな…」
ドクオは、朝あったこと全てを俺に話した。
_
( ゚∀゚)「…まあ、そんなもんだろうな。
ツンさんのときだって、初めは全く信用してなかったんだ、
更に固そうなクーさんが、お前に言われて信じるわけねェな」
- 86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/22(金) 22:08:36.17 ID:lh4IdvDW0
('A`)「わかってたのかよ…」
_
( ゚∀゚)「わかってたって言うか、
そういうことも充分ありえると思ってただけだ。
俺はクーさんのことはあんまり良く知らないしな」
「そっか」と言いながらドクオは物陰から何かを見張っていた。
いつもマンドクセしか言わない男がねェ…
ドクオの横から俺も顔を出すと、3人の男が何やら話しているのが見えた。
_
( ゚∀゚)「…なるほどね。それで内藤のあら捜ししてるって訳か」
('A`)「ああ、そうだ」
俺の方に振り返ることもなく返事をするドクオ。
俺はそのドクオに気付かれないようにポケットから細長い機械を取り出し、
ボタンを押した。
- 88: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/22(金) 22:11:03.05 ID:lh4IdvDW0
( ФωФ)「…で、今日放課後どっか行くか?」
( ^ω^)「すまんこ、ちょっと用事があるお」
<ヽ`∀´>「クーさんと遊ぶニダか?」
( ^ω^)「そうだお」
( ФωФ)「クーさん?」
<ヽ`∀´>「新しいブーンの彼女ニダ。
もう今日ヤっちゃうニダか?」
( ^ω^)「まだ無理だお。焦りは禁物だお。
でもヤりたくて仕方ないおwww」
それを聞いたドクオは物陰から飛び出して行こうとする。
俺は「まぁまだ待て」と言いながらドクオを掴んで引き戻した。
<ヽ`∀´>「クーさんは顔は良いけど、どうニダか?」
( ^ω^)「性格が固くて敵わんお。ツン以上に気を使うお。
まあヤりたいだけヤったらポイだおwww」
<ヽ`∀´>「テラ鬼畜ニダwww」
- 92: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/22(金) 22:12:34.01 ID:lh4IdvDW0
('A`)「野郎ッ!」
流石に辛抱出来なくなったドクオは、俺の手を振りほどき、
内藤に向かって走って行った。
(#'A`)「ふざけやがってテメェ!」
(;^ω^)「お!?」
急に現れたドクオに驚く内藤達。ドクオは内藤の胸倉を引っ掴んだ。
身の丈6尺のドクオに掴まれ、内藤の体は宙に浮いていた。
(#'A`)「死ねよカス野郎ッ!」
そう言い、ドクオは内藤の顔をぶん殴った。
内藤は吹っ飛ばされ、無様に地面に転がった。
その内藤に、更にドクオが追い討ちをかけようとした、
その時だった。
川 ゚ -゚)「何しているんだ」
- 98: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/22(金) 22:14:34.64 ID:lh4IdvDW0
(メ^ω )「ク、クー、助けてお……」
川 ゚ -゚)「ブーン!」
倒れている内藤に気付き、クーさんはドクオを押しのけ駆け寄った。
川 ゚ -゚)「大丈夫かブーン」
(メ^ω )「ドクオが…急に殴って来たんだお」
クーさんに助け起こされながら、内藤はそう言った。
それを聞いたクーさんは、明らかな敵意の篭った視線をドクオに向けた。
川 ゚ -゚)「君…」
(#'A`)「クーさん、コイツは…」
パァンと、威勢のいい音が響いた。
_
( ゚∀゚)「うぇ、痛そう」
- 104: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/22(金) 22:16:36.45 ID:lh4IdvDW0
クーさんに頬を叩かれたドクオは言葉を失っている。
そのドクオに向かってクーさんは話し始めた。
川 ゚ -゚)「君は本当に利己的な男だな。
気に入らなかったからってブーンを殴るなんて。
もう、私の前に現れないでくれ」
('A`)「……」
クーさんは無表情で、声色も変えずに言った。
冷静なその語り口は、怒鳴られるより心に刺さるなと思った。
川 ゚ -゚)「ブーン、行こう」
内藤の手を引き歩いて行ってしまうクーさん。
ドクオは頬を押さえて呆然と立ち尽くし、それを見ていた。
俺は手に持っていた機械のボタンを再び押し、ポケットに押し込むと、
ドクオを引いて教室に戻った。
- 108: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/22(金) 22:18:37.67 ID:lh4IdvDW0
- * * *
キーンコーンカーンコーン
('A`)「はぁ……」
_
( ゚∀゚)「オメェ溜息何回目だ?」
('A`)「さあ、60回位じゃね? ……はぁ」
放課後、いつものように写真部の部室に俺等は居た。
クーさんにあそこまで言われて、溜息が止まらない。
('A`)「あのさ…前、お前クーさんの何処がいいんだ?って聞いたよな」
_
( ゚∀゚)「ああ、聞いたな」
('A`)「あの時はさ、『可愛いところ』としか答えなかったけど、
俺がクーさんのこと好きなのは、本当はもっと別の理由なんよ」
('A`)「俺は顔が良くねぇ。コミュニケーション能力も無い。
それでも、クーさんやツンさんみたいな人たちなら、
顔とか表面的な部分じゃなくて、もっと奥深い部分を見てくれるんじゃないか、
なんてこと思ってたんよ」
- 112: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/22(金) 22:20:56.34 ID:lh4IdvDW0
('A`)「これは自惚れだろうが、俺は内藤なんかよりはいい男のつもりだ。
…だけど、クーさんには完全に嫌われちまった。
もう、どうしたらいいんだかわかんねぇ」
_
( ゚∀゚)「『利己的な男』ねェ…
クーさんから見れば、そうとしか写らなかっただろうな」
ジョルジュは缶コーヒーを取り出し、プルタブを開け一口飲んだ。
それを見て俺も椅子から立ち上がり、一つとって開けた。
_
( ゚∀゚)「だけど、俺等からすればお前のしたことは利己的なんかじゃねェ。
本当に利己的なのは、内藤の馬鹿だ。
クーさんはそれに気付いてないがな。
このまま引き下がるつもりは無いんだろ?」
('A`)「内藤の腹の内がハッキリしている以上、引き下がるわけにはいかねぇよ。
チンタラしてたら、クーさんは内藤に傷つけられちまう。
だけど、どうすればいいのかわかんねぇんだよ。
('A`)「今の俺が何を言っても、クーさんは全く信じないだろうしな。
クーさんのこと考えるなら、俺はいくら嫌われてもいいから、
無理強引にでも別れさせた方がいいんじゃねぇかって思えるんだ」
- 113: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/22(金) 22:22:37.46 ID:lh4IdvDW0
- _
( ゚∀゚)「随分と『利他的』じゃねェか、ドクオ」
残ったコーヒーを一気に飲み、ジョルジュは言った。
_
( ゚∀゚)「一言でいうと『らしくない』な。
俺達は他人のことを第一に考えるようなキャラじゃないはずだ。
お前はクーさんと付き合いたいんだろ?」
('A`)「『俺は最低だからツンさんとは付き合えない』なんて言ってたのは、
一体何処のどいつだったっけか?」
俺がそう言うと、ジョルジュは鼻で笑った。
_
( ゚∀゚)「そう言ってた俺を変えたのは何処のどいつだ?
それに、そのときも俺達は充分『利己的』だったはずだ。
柄にも無いことしようとすると、かえって上手くいかねェぞ」
- 115: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/22(金) 22:24:34.92 ID:lh4IdvDW0
('A`)「『利己的』ねぇ……」
俺は、残っていたコーヒーを飲み干し、空き缶をゴミ箱に放り投げた。
_
( ゚∀゚)「お前はクーさんを助けたいし、好かれたいんだろ?」
('A`)「そうだ。あと、内藤の馬鹿を思いっきり殴りたい」
_
( ゚∀゚)「なら、そうなるようにしようじゃねェか。
俺も内藤がいい思いするのは許せねェ。協力するぜ」
('A`)「ああ」
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