('A`)はダークヒーローのようです

24: ◆/ckL6OYvQw :2007/06/04(月) 15:34:16.02 ID:gKhdfQsFO
さて、保守ついでに外伝的なお目汚しでも。
暇潰しにドゾー



朝のコーヒータイムが至福という輩がいる。
私も数十年前までは奴らと同族だった。
煙草と珈琲を愛し、気だるげにまどろむ時間を心から堪能していた。

━━だが、それも昔のこと。
そんなことよりも、ずっと愛おしい時間を見つけてしまったのだ。

\(^o^)/は鬼軍曹のようです



25: ◆/ckL6OYvQw [外伝] :2007/06/04(月) 15:41:13.30 ID:gKhdfQsFO
夜が明けて朝が来る。日の出と共に新しい空気が世界に満ちる、そんな空想。

朝の新鮮な空気に、新兵達の掛け声が響く。

新兵達「一、二、一、二!」

\(^o^)/「気合いが足りぃん!そんなことでは邪神どもの尻の穴に、ぶっといのを一発ぶち込むこともかなわんぞぉ!」

新兵達「サー、イエッサー!」

オワタ専任教官━━通称「鬼軍曹」と呼ばれる彼の怒声に、新兵達はやけっぱちの掛け声を上げる。



26: ◆/ckL6OYvQw :2007/06/04(月) 15:46:34.11 ID:gKhdfQsFO
二十年前のシベリア戦役で名誉の負傷を負い帰国した後、彼は軍を退役。
気ままな隠居生活に入った。
退役時の階級は軍曹。
軍を引退してからは、山奥の小さな村に妻であるフッジサーンと引っ越し、畑を耕す自給自足の生活。

一人息子のナンテコッタイは、都会に出て大手の証券会社に就職して、たまに届く便りには多忙ながらも幸せな生活を送っていることが記されていた。



27: ◆/ckL6OYvQw :2007/06/04(月) 15:51:50.26 ID:gKhdfQsFO
質素ながらも、慎ましく幸せに溢れた毎日を送っていたオワタに転機が訪れたのは、ナンテコッタイの二十五回目の誕生日であった。



29: ◆/ckL6OYvQw :2007/06/04(月) 16:04:38.13 ID:gKhdfQsFO
その日も一日畑を耕し、自然の恵みを体いっぱいに浴びたオワタは、鼻歌を歌いながら家路を辿っていた。

\(^o^)/「フンフフンフン(←VIP☆STAR)」

と、突然遠雷が響く。


雨が近いのだろう。雲が急にその数を増した。



30: ◆/ckL6OYvQw :2007/06/04(月) 16:08:55.86 ID:gKhdfQsFO
ふと、腐った魚のような悪臭が鼻をつく。
周囲を見回し、ふいに生暖かくなった空気に違和感を覚える。

\(^o^)/「山が、騒いでいる……」

肩に担いだ鍬を正眼に構えるオワタ。
オワタの言葉どおり、山の中からは大小様々な獣の切迫した鳴き声が聞こえてくる。



31: ◆/ckL6OYvQw :2007/06/04(月) 16:13:24.11 ID:gKhdfQsFO
周囲に油断なく目を配り、オワタはその異変の主が姿を表すのを今か今かと待ち受けていた。

━━ふいに、風が止んだ。

オワタの鍬が翻り、雷光が闇をつんざく!
そのまま彼は地を転がり、襲いかかってきた驚異と相た



32: ◆/ckL6OYvQw :2007/06/04(月) 16:20:16.42 ID:gKhdfQsFO
(,,゚Д゚)「あーあ、相変わらずこのドキュメソタリー映画ダルいなぁ」

(-_-)「懲罰の内容が『これ』って……ウツダ」

新兵達はひそひそと、目の前で再生されている映像記録に対してやるせない思いを愚痴にして語り合っていた。

(,,゚Д゚)「大体何なんだよ、この主観だらけのストーリーは。結局、これって相手は熊だろ?」

映像の中では、オワタと、オワタの腰ぐらいの大きさの子熊が睨み合っている。

( ^Д^)「しかも子熊てwwwプギャーwwwwww」



36: ◆/ckL6OYvQw :2007/06/04(月) 16:29:49.38 ID:gKhdfQsFO
しかし新兵達は知らない。
今自分達の身に襲いかかろうとしている、恐ろしい出来事に。

\(^o^)/「ほう……そんなに私の英雄的半生が気に入らないか……」

ボキボキと首を鳴らしながら迫りくる笑顔の悪魔。

(,;゚Д゚)「あ、いや、これは、その」

(;-_-)「最近読んだ『('A`)はダークヒーローのようです』が余りに酷い出来だったんで、その内容について語り合っていたわけですよ、な?」

ヒッキーがワカンナインデスに救済の眼差し向ける。

( ><)「続きが気になるんです!あの後教官はどうなってしまうんですか!?」

ワクテカしながら、ワカンナインデスがオワタにまくしたてる。

\(^o^)/「うむ。奴はなかなかに手強い相手だったが、私の必殺の『エターナルカオスディメンション』を食らって木っ端微塵になったのだ!」



38: ◆/ckL6OYvQw :2007/06/04(月) 16:34:30.62 ID:gKhdfQsFO
HAHAHA!と笑うオワタ。ワカンナインデスは、「凄いんです!流石はオワタ教官なんです!」と心酔した声を上げている。

\(^o^)/「さて、それじゃあお前達にも私の必殺技『エターナルカオスディメンション』を見せてやろうか。
なぁ、ギコ、ヒッキー、プギャー?」

(,;゚Д゚)(;-_-)( ;^Д^)「!!!」



40: ◆/ckL6OYvQw :2007/06/04(月) 16:40:54.72 ID:gKhdfQsFO
どこまでも抜けるような(性的な意味で)青い空、見渡す限り広がる紺碧のFRONTIER。
そこに響き渡る三人の新兵が奏でる、荘厳なるレクイエム。

今日もVIP基地は、平和なようだ。

\(^o^)/「晴れ渡る 世界に木霊すつわものの あやかなしけり 魂の叫び」

━━\(^o^)/は鬼軍曹のようです

-fin-



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