( ^ω^)は綺麗な街に住んでいるようです
- 3: ◆tOPTGOuTpU :2007/06/05(火) 21:28:28.81 ID:S+1J2rnY0
- 第3話
僕はあれを見たせいか、家に帰っても宿題に手がつかず、
かといって寝れる状況ではなかった。
最悪のコンディションで、僕は高校へ登校した。
ヴィップ唯一の高等学校である、公立ヴィプ高校は今日、出向日だ。
だから、提出する宿題が幾つかあるのに……
宿題する準備をしといて、結局やってないだなんて……。
僕は通学路を、憂鬱な顔でとぼとぼ歩いていた。
( ´ω`)「僕は何てのろまなんだお……」
ξ ゚听)ξ「今更気付いたの?」
(;^ω^)「……ってうわ! ツンかお! ビックリさせるなお」
ξ ゚听)ξ「かってに驚いてるのはそっちの方じゃない」
この勝気な少女は、同じクラスにして小学校からの仲のツンという。
僕と同じくハルヒルズに住んでいるが、中学校辺りからは、
一緒で遊ぶことは少なくなった。照れがどうしても出てしまうからだ。
ξ ゚听)ξ「で、何かあったの?」
(;^ω^)「実は数Aの宿題やってないんだお」
- 4: ◆tOPTGOuTpU :2007/06/05(火) 21:29:22.61 ID:S+1J2rnY0
- ξ ゚听)ξ「バ……ほんとにバカね……」
(;^ω^)「ゲ、ゲームで夜更かししちゃって……!」
ξ ゚听)ξ「……バカ過ぎて話にならないわ……」
('A`)「おっす、そこの良い感じの二人。空気読めない俺が登場しますよ?」
ξ ゚听)ξ「別にいい感じじゃないわ」
( ^ω^)「そ、そうだおドクオ……何勘違いしてんだお?」
ξ ゚听)ξ「……ふーん、じゃあね」
そう言うとツンはスタスタと前を早歩きで行ってしまった。
何故か少し怒っていた。意味が分からない。
(´・ω・`)「それは"分かってない"からさ」
未来のバーのマスター、ショボンが登場した。
- 5: ◆tOPTGOuTpU :2007/06/05(火) 21:30:21.60 ID:S+1J2rnY0
- ('A`)「分かってねえって、何がよ?」
(´・ω・`)「それはブーン自身が気付かないといけないね」
(;'A`)「質問してるの俺だろ!? なら俺には教えろってば!!」
二人は前日の「きのこvsたけのこ」戦争を彷彿させるような言い争いを開始した。
いつの間にか、2人は少し僕より進んでいた。
……どうしよう。この2人に、深夜、僕の目撃したあの事、言うべきだろうか?
でも、言ったらもう、3人の両足が奈落の沼に漬かってしまいそうで、
取り返しのつかないような気がする。
そう悶々している内に、ヴィプ高の校門に辿り着いた。
4階の一番奥の、1−C…自分のクラスへ向かう。久々の通学のためか本気で遠いと感じる。
ふー、やっと自分のクラスに辿り着いた。
教室内を見ると、ツンもショボンもドクオも既に居た。
……本当に薄情な奴らだ。
- 6: ◆tOPTGOuTpU :2007/06/05(火) 21:31:33.89 ID:S+1J2rnY0
教室に入り、自分の席に着き周りを見渡す。
クラスの大半の生徒は来ているが、先生はまだ来ていない。
本来なら朝のHRの時間だが、そんな状況では、休み時間と同等の状態になっていた。
( ^ω^)「お前ら本当にヒドい奴だお、置いてくなんて」
ショボンとドクオの二人に話しかける。
('A`)「だってお前が遅いから」
(´・ω・`)「何か考え事してたみたいだけど、何かあったのかい?」
ずばりショボンには見られていた。
しかし、今はあの事は言わないようにした。
( ^ω^)「え〜……と、ここでは言えない内容だお」
(*'A`)「ん!? ひゅ〜♪ AVがどうとか、て内容だろお!?」
ドクオが突然、騒ぎ出す。
(*'A`)「ツンにはゲームしてたって言ってたけどさあ〜実は…
「「「うるせえぞ陰キャラどもが!!!」」」
- 7: ◆tOPTGOuTpU :2007/06/05(火) 21:33:20.42 ID:S+1J2rnY0
- (#^Д^)「騒いでんじゃねーよカス!! 黙っとけよブっ殺すぞぉ!?」
(,,゚Д゚)「陰キャラは気楽でいいよな〜マジ死んどけよ……」
クラスのDQN達が僕らを威嚇した。
僕らはこうなったらもう、黙ってるしかない。
その黙った僕らの様子を見たDQN達は、そのまま仲間と喋りだした。
見たとおり、僕らのクラスカーストは低い。
特にドクオは目につけられており、イジメこそ無いものの、よくバカにされてる。
街のDQN達が消滅している中、何故あいつらは消えないんだろうか……?
('A`)「何であいつらが……消えないんだよ……」
ドクオがぼそりと呟く。僕と同じ疑問だったので驚いた。
(´・ω・`)「あいつらは狡猾だからね………」
確かにあいつらは、基本的に保守派なのか分らないが、
教師とは何だかんだで仲良くなり、厄介沙汰には逃げ、
自分の楽しめることだけ楽しもうとするタイプだった。
だから、あいつらは駆除されなかったのかもしれない。
そしてDQN達の様子を見る限り、どうも真剣な会話をしているようだった。
- 8: ◆tOPTGOuTpU :2007/06/05(火) 21:34:24.69 ID:S+1J2rnY0
- ('A`)「どうせ消えた仲間について話しているんだろ……」
悪態をつくようにドクオが言葉を吐く。
( ´∀`)「いや〜遅れてすまないモナ!」
担任が遅れて登場し、朝のHRは始まった。
- 9: ◆tOPTGOuTpU :2007/06/05(火) 21:35:14.56 ID:S+1J2rnY0
- 特に滞りもなく朝のHRは終了し、体育館での集会となった。
その集会も、迷惑行為、ゴミを捨てるなどという行為は止めましょうという
他愛もない話だけで終わったため、僕達は拍子抜けになった。
そしてそのまま……雪崩れ込むように、運命の宿題回収の時間がやってきた。
( ´∀`)「じゃ、次はブーン、宿題を提出しなさいモナ」
( ´ω`)「はい……」
( ´∀`)「物理のプリントよし、英作文よし…ん? 数Aのレポートは?」
( ´ω`)「すみません……忘れましたお」
(;´∀`)「何ぃぃ〜!? あのドクオでも提出してんだぞ〜」
その途端クラスでドっと笑い声が沸きあがる。
僕が忘れたという事実と、ドクオが引き合いに出されたからだ。
モナー先生は良い先生だけど、時折デリカシーがないのが玉に傷だった。
( ^Д^)「プギャーwwwwwマジ陰キャラうけるしwwww」
(,,゚Д゚)「つーかマジで生きてる価値ないだろ?」
(#´∀`)「こら! 二人ともそんなことはいわないモナ!!」
- 10: ◆tOPTGOuTpU :2007/06/05(火) 21:36:24.59 ID:S+1J2rnY0
- 3限目が終了すれば、生徒達は帰れるはずだったが、
僕達は文化祭のクラスの準備委員を任されていたので残って作業をする羽目になった。
あの日のショボンは、無駄に張り切っていたから……。
('A`)「あ〜かったるいわ。ショボン、何で準備委員になんかなったんだよ?」
(´・ω・`)「え!? あ、いや……実はただの気まぐれでね〜ハハハ……」
( ^ω^)「怪しいお……」
とか言いつつ、ちゃっかり僕は検討が付いていた。
あのショボンがねぇ〜と、思ったものだ。
どうも地下帝国の仮説といい、僕は想像力が豊かなようだった。
从'ー'从「あれれ〜糊がちゃんとくっ付かないよ〜?」
ξ゚听)ξ「ああ、そういうときはワタちゃ(´・ω・`)「両面テープを使うといいよ!」
ツンが言い終わらないうちに、ショボンがアドバイスを行う。必死で。
从'ー'从「ありがと〜ショボンちゃん」
(´・ω・`)「ち、ちゃん……? あ、いやハハハ、渡辺さんどういたしまして!」
- 11: ◆tOPTGOuTpU :2007/06/05(火) 21:37:14.74 ID:S+1J2rnY0
- あの冷静で僕とドクオの保護者のようなショボンが、
キャラが壊れたかのような発言を繰り返していた。
だって顔が、(´・ω・`)じゃなくて(*´・ω・`*)なんだ。
そしてこのショボンを見事なまでに陥落させたのは、
渡辺さんという女子。あだ名はワタさんだ。
その天使のようなルックスに加え、ほんわかした性格を持つため男子の人気の的となっていた。
僕は、友達としてなら面白そうな娘だな〜てずっと思ってる。
('A`)「おいショボン、だから何で、気まぐれなんか……」
ショボンがドクオの方に向き、ゆっくりと、しかし確実にこう呟いた。
(´・ω・`)「ぶ ち 殺 す ぞ」
('A`)「? ? ?」
ドクオの空気の読めなさというか、勘の悪さがたまに羨ましい。
- 13: ◆tOPTGOuTpU :2007/06/05(火) 21:38:32.57 ID:S+1J2rnY0
- 僕、ドクオ、ショボン、ツン、渡辺さん、
そして何だかやる気のないモナー先生、計6人の居る教室は、
昼の12時になっても作業が終わらなかった。
指揮のショボンが張り切りすぎたから。
流石に12時半になると、モナー先生が抑揚のない声で
「昼食にするモナ」と宣言したため、僕らはコンビニへ昼飯を買いに向かった。
*(‘‘)*「いらっしゃいませ〜♪」
('A`)「今日は腹減ってねえし、からあげ棒だけでいいや」
( ^ω^)「とことん体の健康無視してるおw 僕はハンバーグ弁当で」
(´・ω・`)「じゃあ僕は……あれ、渡辺さんの持ってるサンド美味しそうだね!」
そう言い、渡辺さんの方へ寄る。最近どうも大胆になっているな……。
从'ー'从「うん! これオススメだよ〜最近こればっか食べるんだぁ」
(´・ω・`)「へえ、じゃあ僕もカスタードサンド食べよっと!」
- 15: ◆tOPTGOuTpU :2007/06/05(火) 21:39:49.67 ID:S+1J2rnY0
- ξ ゚听)ξ「あたしは何にしようかな〜♪ う〜んまあ……これでいいか」
( ^ω^)「え! サラダだけかお!? 力つかないお!?」
ξ ゚听)ξ「いいのいいの。女の子は大体そういうもんなの」
('A`)「そうか。脂肪を燃料にする傾向があるってことだな」
从'ー'从「ひどいなドクオ君は〜」
ξ ゚听)ξ「ドクオ姿慎みな」
(´・ω・`)「ぶち殺すぞドクオ」
(;^ω^)「何という袋叩き……」
('A`)「……俺は気にしてないぞ」
- 17: ◆tOPTGOuTpU :2007/06/05(火) 21:41:56.27 ID:S+1J2rnY0
- 5人でコンビニを出て、教室へ戻る。
そこで食べ始めようとした瞬間、モナー先生が「僕の分は!?」と
突然喚いたので、少し変な空気のまま食事が進んだ。(先生は結局コンビニに一人で行った)
(´・ω・`)「このカスタードサンド美味しいね渡辺さん! 僕も気に入ったよ」
从'ー'从「ほんと〜? 嬉しいな!」
(´・ω・`)「い……いや、はっはっは……」
('A`)「かってに青春してろよ」
ドクオは渡辺さんがどうも苦手らしい。同年代でああいうタイプは引く、とか言ってた。
( ^ω^)「そういやツンはどうして準備委員になったんだお?」
ξ; ゚听)ξ「え!? あ…いや……ただの気まぐれよ!」
ん? 僕はデジャブを感じたが、気にしないことにした。
ガララ、と軽快なドアの開く音と共にモナー先生は帰ってきた。
ピスタチオを缶ビールというとんでもない昼食を持ちながら……。
( ^ω^)「ごちそーさまだお」
皆も大体僕と同じ時間に食べ終わり、片付けをする。
ふいにモナー先生が、僕らに注意をした。
- 19: ◆tOPTGOuTpU :2007/06/05(火) 21:43:50.69 ID:S+1J2rnY0
( ´∀`)「ちゃんとゴミは分別するモナよ! 最近は厳しいんだモナ!」
そういや、体育館での話も、ゴミがどうとかマナーがどうとか言ってたなあ。
と考えた矢先、ツンが質問した。
ξ ゚听)ξ「先生、何で最近はそんなに厳しいんですか?」
( ´∀`)「う〜ん、行政の方から強く言われてるんだモナ……」
( ^ω^)「行政……」
ξ ゚听)ξ「じゃあ、こんな噂は聞いたことありますか?」
( ´∀`)「? どんな噂モナ?」
ξ ゚听)ξ「罪人に深夜、無理やり掃除をさせてるっていうこの街の……」
( ^ω^)('A`)(´・ω・`)「 ! 」
从'ー'从「それ……なんか怖いね〜……」
( ´∀`)「どうせそれはただの都市伝説モナ。ツン、どうしてそんなコト聞くモナ?」
ξ ゚听)ξ「その……最近、可笑しいと思うんです。この街は、何だか……
皆、過剰っていうか……そんなときにその噂を聞いたものですから」
- 20: ◆tOPTGOuTpU :2007/06/05(火) 21:45:06.73 ID:S+1J2rnY0
- ( ´∀`)「確かに、ちょっと行き過ぎだとは僕も思うモナ。
でも、この街も綺麗になるんだし、気に病むことはないモナ」
ξ ゚听)ξ「そう……ですね」
( ´∀`)「自分の街を愛さねば駄目だモナ」
(´・ω・`)「……」
( ´∀`)「さあ、片付けが終わったら作りを再開するモナよ!
うちは他のクラスと比べてかなり遅れてるんだモナ」
从'ー'从「ええ〜そうなの〜?」
( ´∀`)「急ぐモナよ〜! 今日、正面部分が完成出来なかったら明日も来るモナ!」
(;'A`)「そ、それだけはご勘弁……」
僕達は急いで作業に移った。
でも作業に入ってからも、ツンが何故あんな質問をしたのか……それが気になっていた。
ツンに話すべきだろうか。
しかし、この話をツンにして、最悪の事態になったらどうする?
危険に巻き込むのはよそう、 ツンを巻き込みたくは、ない。
- 21: ◆tOPTGOuTpU :2007/06/05(火) 21:46:29.26 ID:S+1J2rnY0
- 作業は3時に終わった。僕ら3人は特に予定もなく、またも女神像公園のベンチに座っていた。
( ^ω^)「実は……ずっと言おうと思ってたんだけど、聞いてくれるかお?
……でも、これ以上、あの話題に関わりたくないなら、聞かないでくれお」
僕はとうとう、あの出来事を話すことにした。2人の意見を聞いてから。
('A`)「ブーン、水くせえぞ! 俺らはもう調べるって決めたろ?」
(´・ω・`)「君はもしかして、この話題に本当に興味があるの自分だけ、とか思ってない?
そんなことはない。一番地下帝国に感心があるのはまちがいなく……
(´・ω・`)「このs('A`)「それに俺は隠し事が嫌いなんでね……ふっ」
もしかして、地下帝国の話題に興味があるのは自分だけではないか?と思ってた。
もしかして、2人はただ、話に付き合っていただけなんじゃないか?て思ってた。
でも、そんなことは全然なかった。僕はやっぱり、1人じゃなかった。
その安心感が凄く心地よく、この真夏の暑さも吹き飛ばした。
( ^ω^)「ありがとう……じゃあ言うお。昨日の深夜、僕は見てしまったんだお……」
ショボンのドクオへの「ぶち殺すぞ」が飛ぶ前に、僕はさっさと喋りだした。
- 22: ◆tOPTGOuTpU :2007/06/05(火) 21:48:11.36 ID:S+1J2rnY0
- ( ^ω^)「深夜のコンビニの帰りのとき、白いバンが数台走ってるのを見たんだお」
('A`)「ま、まじかよブーン! そりゃ、ガチってことじゃん!」
(´・ω・`)「でも、それくらいじゃ掃除させてる証拠にはならないよ」
( ^ω^)「うん……でも、決定的なものも見たんだお。
何者かが薬中毒者達を無理やり白いバンに運んでたんだお! 数人で!!」
(´・ω・`)「……本当にかい? でも、白いバン自体結構ある代物だしなぁ……」
('A`)「ブーン! 間違いなくそれは証拠だ! 帝国の陰謀がビンビンだぜ!!」
ξ ゚听)ξ「だとしたら、何のために? その人が街の景観を汚すから?」
( ^ω^)「それは分からないおツン……でもショボンの言うとおり、
白いバンは在り来たりな物だし、断定は……」
う〜ん。あのジャンキーを連れてった白いバンは、本当に
「罪人に無理やり掃除をさせてる」っていうバンなのだろうか。段々と曖昧になってきた。
……あれ?
- 25: ◆tOPTGOuTpU :2007/06/05(火) 21:49:47.60 ID:S+1J2rnY0
ξ ゚听)ξ「だとしたら、ちょっと異常よね。シティーポリスマン氏は……
街の景観のために人を拉致したり、無理やり掃除させたり……」
( ^ω^)「恐ろしいお……」
( ^ω^)「 」
(^ω^)
(´・ω・`)「そういや、よくトムとジェリーで落下に気付いてから落ちるってシーンあるよね」
(;^ω^)「何でツンがここに居るんだぉおぉおぉおぉ!!!????」
ξ ゚听)ξ「あんたがバンを目撃したって喋ってるときから、後ろに居たけど……」
('A`)「お前、かなり熱弁してたもんな。ほんと、気付けって感じ」
(´・ω・`)「しかしブーン、ツンは既にこの話を聞いてしまったよ。さぁ、どうする?」
ξ ゚听)ξ「さぁ、どうする? ふっふっふん」
ど、どうする? ツンは……ツンは絶対、巻き込みたくない。
- 26: ◆tOPTGOuTpU :2007/06/05(火) 21:53:53.84 ID:S+1J2rnY0
自分はツンが好きなのか……よく分からない。
でも、白バンが街を走っていて、狂気じみた行為を行っていると聞いたとき
ツンが危険だ、と本能が叫んだ。
危ない目に遭わせるな、ツンを護れ!
………
そんな声が頭の中で響いた。
自分の"地下帝国について調べたい"という好奇心は、
ツンを護りたいという気持ちが原動力なのかもしれない。
いや、そんな曖昧な気持ちじゃ駄目だ!
ツンが好きなのか? どうなんだ自分!?
いや、好きなんだろう! 好きに決まってる!
そうだ、だから、巻き込ませない!
- 30: ◆tOPTGOuTpU :2007/06/05(火) 21:57:29.28 ID:S+1J2rnY0
- (´・ω・`)「君は、ツンを巻き込ませたくないんだろう?」
('A`)「へえ〜そうなんだ」
ξ ゚听)ξ「……でも、あたしだって、気になるのよ。だって、自分の街じゃない」
(;^ω^)「ど、どうどう……危険だお……この先どうなるかは」
ξ# ゚听)ξ「そんなの危険は承知よ! あんた達だって、ほとんど同じ目的でしょ?
"この街のことが知りたい、真実が知りたい"て。ならあたしも仲間に入れてよ!」
('A`)「こんなに熱弁してんだし、仲間に入れようぜ」
(´・ω・`)「どうするブーン? 僕はどっちでも構わないけど」
( ^ω^)「僕は、ツンを巻き込みたくないお!」
ξ# ゚听)ξ「あたしは覚悟してるって言ってるでしょ!?」
(;^ω^)「僕がまだ覚悟してないんだお! ツンが危険な目にあうことに!!」
ξ#゚听)ξ「…………」
(;^ω^)「皆にはまだ言ってなかったけど、僕は顔を見られたんだお!白バンの運転手に!!
だから、だから………ツン、本当に……危険なんだお……」
ξ ゚听)ξ「……でも……」
- 31: ◆tOPTGOuTpU :2007/06/05(火) 22:00:09.71 ID:S+1J2rnY0
- (;'A`)「み、見られてた……て、早めに言えよ……。いやもう、いいけどさ……」
(´・ω・`)「う〜む。ツンとブーン。ここは一つ、譲歩しないかい?」
ξ ゚听)ξ「え?」 ( ^ω^)「譲歩って?」
(´・ω・`)「ツンには後方支援を任せるのさ。サポートだよ」
( ^ω^)「後方支援……」
それなら、ツンも仲間に出来たってことだし、被害もほぼ食らわない。
今 狙われているという前提がなければ
しかし、仮に今も狙われてるとしたら、ここまで騒いでしまったツンは
どの道、マークされたってことになるんだ……。
- 33: ◆tOPTGOuTpU :2007/06/05(火) 22:05:30.46 ID:S+1J2rnY0
- (´・ω・`)「ブーン、ツンを無理に断ったら危険じゃないかな?」
そうだ……ツンなら、1人で単独行動してしまうかもしれない!
(´・ω・`)「だから、さ。……残念だけど、これが最善策じゃないの?」
ああ! もう、もう、もう。
……ここはもう、腹を括るしかない。ツンに後方支援を任せよう。
任せるしかないんだ………。
そして僕らは全力で護る。
それが、いつの間にか最善策となっていた……。
( ^ω^)「ツン……それなら、サポートでいいなら……」
…あれ? 居ない?
('A`)「お前がボーとしてる間に帰っちゃったぞ」
- 36: ◆tOPTGOuTpU :2007/06/05(火) 22:07:33.61 ID:S+1J2rnY0
- 夜。
夕飯を食べても、ドラマを観ても、風呂に入っても、僕は悶々としていた。
ツンにメールをしようか。
でも、僕はツンに自分からメールをしたことは一度もなかった。
どうしよう。どうしよう。メールするか、でも、出だしのメールかぁ……
絵文字や顔文字は、元々ツンは使わないから良いとして、
どういう文にしよう?
「後方支援なら、僕は君を護れる」? 臭い!!
「後方支援なら、大丈夫」? うーん、偉そうな感じだなあ。
「後方支援、お願い」? これも……元々ツンは前に出たがってたんだから、
これは怒らせるかも……。
う〜ん、う〜ん。どうしようか?
そう考えている内に、メールが来た。
ツンからだった! 僕は急いで内容を見た。
from ツン
sub 無題
護るってんなら絶対護ってよ!! あと、前線に行きたいって気持ちは
今も変わってないんだからね!
- 38: ◆tOPTGOuTpU :2007/06/05(火) 22:10:01.94 ID:S+1J2rnY0
翌日。僕とドクオはショボンの家に招かれた。
ショボンの家は、「バーボンハウス」の隣の号室にあり、いつも便利だな〜と考えていた。
('A`)「ツンは呼ばなくていいのか?」
(´・ω・`)「ま、飽くまでも後方支援だし。ブーン、会ったときに報告よろしくね」
( ^ω^)「ん。分かったお」
ショボンは目の前のトートバッグを漁りながら、話し始める。
(´・ω・`)「地下帝国っていうか、地下の空間が実在するか調べたいワケだ、僕としては」
('A`)「まあ……町長は何かやってるのかは間違いないけど、地下かは分からんもんな」
( ^ω^)「まあ……そう言われるとそうだお」
確かに、地下に「ある」という確証はまだない。
(´・ω・`)「というワケで、こいつの出番さ」
ショボンは鞄から、小型の黒い"何か"を取り出した。
- 39: ◆tOPTGOuTpU :2007/06/05(火) 22:11:31.65 ID:S+1J2rnY0
その黒い何かを、ドクオは直ぐにどういう物か、理解したようだ。
('A`)「小型の発信機か。でもそれは高いんじゃねえの?」
発信機。確かにそう見えないこともない、と思う。よく分からないけど。
(´・ω・`)「まとめ買いすると安く買えたんでね。一つくらい構わないよ」
( ^ω^)「でも地下だお? 電波とか大丈夫なのかお?」
(´・ω・`)「ブーン、心配には及ばない。この発信機を舐めないでくれ」
('A`)「うん、なるほどな……それをゴミ箱に投入し、実際ブーンの言ったとおり
地下で回収されているか調べるってこったな」
(´・ω・`)「ああ。しかもリスクは小さいからね。つくづくナイス作戦と思うよ」
( ^ω^)「おお……なんかワクワクしてきたお!」
- 43: ◆tOPTGOuTpU :2007/06/05(火) 22:24:47.92 ID:S+1J2rnY0
- __________ぁあぁ……散歩は気持ち良い。
心地よい。日々の疲れをこの足の疲れが癒すという不思議。
私はいつも深夜に散歩しているためか、
風景はあまり気にしていない。楽しみは取っておく。
昼の蒸し暑さと比べると、今の、深夜は何と心地よいことか。
露になった二の腕と涼しい風が触れ、私は何度も恍惚する。
山々に囲まれたヴィップは、
その恩恵とも言うべき、綺麗な空気を授かっていた。
ガスを放つ車の全く通らない今、私はその空気を堪能していた。
……さて、私は辿り着いた。
中に入り、見渡す。……おや?人が居るようだ。
<ヽ*`∀´>「うい〜ヒック! この噴水も、ウリの聖水で清めるニダ!!」
それは、酔っ払いのようだった。
その酔っ払いは、目の前の噴水に向けて、小便を行い始めた。
- 44: ◆tOPTGOuTpU :2007/06/05(火) 22:27:40.58 ID:S+1J2rnY0
- 私の脳細胞は、万場一致でこのクズ――酔っ払いを制裁することに賛成した。
この酔っ払いの背後に近づき、首を思い切り引っ掴んで、後ろに倒した。
小便を垂らしたまま、その酔っ払いは地面の上で困惑していた。
芋虫のように動くその姿に、私は嫌悪感を隠さずにはいられない。
私は常備している注射器をその酔っ払いの首に素早く刺し、中の液体を注入する。
騒ぐ間もなく、この酔っ払いは白目を向き、動きを停止した。
噴水に目を向ける。ああ良かった。女神像にこのクズの小便は掛かっていない様だ。
でも周りの水が、ヤラれてしまったよ。早く取り替えてあげるからね。
私は携帯電話を素早く取り出した――――――――(第3話終)
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