( ^ω^)は綺麗な街に住んでいるようです

5: ◆tOPTGOuTpU :2007/06/08(金) 21:43:12.13 ID:v8i61FpP0
第4話

ガランガラン、と音を立てて、ドクオの捨てたアルミ缶はゴミ箱の中に入った。
その音からするに、どうやら缶のゴミは結構溜まっているようだった。

('A`)「正直、勿体無い気がしてならんぜ。仮説が違ってたら、捨てたことになるぜ」

(´・ω・`)「なに。僕は地下帝国に興味があるのさ。違ってても悔いは無いさ」

( ^ω^)「wkwktktk」

僕らは早速外に出て、ゴミ箱に発信機を入れることにした。
どこのゴミ箱に入れるか、と思案した結果、集会所の前のゴミ箱に入れることを決定した。

(´・ω・`)「集会所の周りはゴミ箱が少ないのさ。
      ゴミ箱の中にダスト・シュートみたいなのがあるとすれば、
      集会所の地下近くに収集先を設置するのは非効率だからね」

と、いうことらしい。

('A`)「そんじゃ、このコンビニゴミを捨てるぞ」

( ^ω^)「頼むお」

コンビニのゴミを纏めた中に、発信機を入れた。
これはそうそう見つからないだろうし、
このゴミがショボンの部屋にあったのでこれを採用した。

ドクオが発信機をゴミ箱に入れようとした―――



6: ◆tOPTGOuTpU :2007/06/08(金) 21:44:53.05 ID:v8i61FpP0
( ,'3 )「こら!! お前らクソガキ!!!」

僕達は突然、乱暴な言葉で呼びかけられ、驚きながら振り返った。
……やっぱり、町長支持派の老人だった。
今度は、一体何なんだ?

( ,'3 )「ゴミ箱の下にチリ紙が落ちとる!! どういう了見じゃッ!? ええ!!??」

(;'A`)「あ……いや、これは僕らのじゃ…」

( ,'3 )「ボケがぁッ!! 誰が捨てたのはどうでもいい!! 何でゴミ箱に入れんのじゃ!?
     そんな近くにおって!! お前らみたいな薄情モンが、街をダメにするんじゃ!!
     分かっとるんか!! ええ!? ゴミを見かけたら捨てろボケ!!!」

(´・ω・`)「す…すみません。以後気をつけます」

( ,'3 )「おうそれと、お前らが今、捨てようとしとるそれ。そのビニール袋のそれじゃ。
     ちゃんと分別しとるんか? ワシに見せてみぃ」

(;^ω^)「!」

どうしよう。ドクオが今持っているコンビニゴミは、中に発信機が入っている。
結構奥に忍ばせたとはいえ、この老人にならバレてしまうかもしれない。
どうしよう……と思ったときだった。



7: ◆tOPTGOuTpU :2007/06/08(金) 21:46:46.19 ID:v8i61FpP0
(#'A`)「ふん」

ドクオは悪態をつくように鼻を鳴らすと、ゴミをさっさとゴミ箱に押し込んだ。

( ,'3 )「あ……! このクソガキィ!!!」

老人はドクオに掴みかかり、血走らせた小さな目でドクオの顔を睨みつくす。
ちらりと、ゴミ箱を一瞬見た後、またもドクオに、息が掛かるくらい顔を近づける。

(#'A`)「どうしたんですか? 俺達はちゃんと分別してますよ。
    それよりそんな、若者イジメは辞めた方がいいんじゃないんですか?」

( ,'3 )「お、……お前らガキなど信用出来るかっ!! クソッわしを舐めおって!」

(´・ω・`)「なら、今から分別して見せましょうか? ゴミ箱を開けてみて……」

ショボンがゴミ箱を眺めながら、諭すように老人に話しかける。

……そんな、実際に調べられて、バレたらどうするんだ!?
僕はハラハラとし、ショボンの言動を理解しようと努めた。

( ,'3 )「……っち、ガキがぁ……覚えとけよ? ワシを舐めやがって……!
     いいか、お前らみたいなんはゴミなんだよ!! カスさ!! 死んどけ!」

ドクオを乱暴に放し、老人は激昂しながら去っていった。



8: ◆tOPTGOuTpU :2007/06/08(金) 21:48:02.46 ID:v8i61FpP0
(#'A`)「ああいうジジイ、まじで嫌いだ! 若者いびりしか能のねえ糞ッ!!」

ドクオはゴミ箱を思い切り蹴る。反響音が鳴り響く。
しばらくドクオには話しかけない方がよさそうだ。
気になることがあったのでショボンに問いかける。

( ^ω^)「でもショボン……何であんなコト言ったんだお? もし実際に…」

(´・ω・`)「いや、ちょっとね。さっき面白い音を耳にしてね」


( ^ω^)「……音?」

(´・ω・`)「うん。ドクオがゴミを入れて少し経った時、変な音が箱からね。
      ……ゴロゴロゴロって。小さいけど確かに聞こえたのさ」

( ^ω^)「全然聞いてなかったお」

(´・ω・`)「あのご老人も、気付いてたね。チラっと見てたんだ。
      でも不審がる様子じゃなかった。だから、思ったんだよ。

      あの音は、ゴミが地下に流れる音で、老人もそれを知ってるってね」

( ^ω^)「だから……かお」



9: ◆tOPTGOuTpU :2007/06/08(金) 21:49:49.40 ID:v8i61FpP0
(´・ω・`)「最後の様子からするに、どうやら老人が"知ってる"のも間違いない……。
      あの老人はただの賛成派なんかじゃない。多分役員か何かだよ」

( ^ω^)「あいつは、何か下っ端みたいなイメージだお」

('A`)「下っ端に決まってんだろ、あんな奴」

(´・ω・`)「ドクオが蹴ったときの音からして、中は今、空っぽだね。
      早く家に戻ろう。ゴミがどこに行ったか、調べないとね」

(*^ω^)「うん! 急ぐお!」

やった!! 僕らは今、重要な一歩を踏んだ!

地下に何かがあるという、決定的な証拠を!
そう考えるだけで、体が軽くなり、
他の2人を引き離す程、爆走してしまう。

走っている途中、女神像公園の女神と目が合った。
何だか、まるで僕らを見守るかのような優しい瞳をしていた。



11: ◆tOPTGOuTpU :2007/06/08(金) 21:51:33.22 ID:v8i61FpP0
ショボンの部屋の、パソコンを3人で食い入るように眺める。
発信機の位置は、これでしか見ることが出来ないそうだ。

(´・ω・`)「う〜ん、これは場所からするに……vipグラウンドの下だね。
      ほら、今度の夏祭りを開催するとこだよ」

('A`)「あ〜はいはい。あそこね。 あそこの地下に、ゴミを集めているワケだ」

僕は窓からvipグラウンドを見る。
今は野球の試合をやっているようで、ここからでもその試合の熱気を感じられた。
そのグランドの周りを、小学年ほどの少年達が追いかけっこをしていた。
あの朗らかな場所の真下に、謎のゴミ収集所があるというのは、
俄かには信じられないことだった。


('A`)「んでさ、位置は把握出来ても、どうやって行く?
    ……というか、最終的な目的は何よ?」

( ^ω^)「……それは、地下帝国のことを調べるんじゃ………?」



13: ◆tOPTGOuTpU :2007/06/08(金) 21:53:05.08 ID:v8i61FpP0
('A`)「じゃあ、これからどうやって調べる? 更に調べた後の最終的な目的は何だ?」

(´・ω・`)「それは、確かに確認しないとね。  ブーン、どうだい?」

ショボンはコーラのビンを開け、コップに注ぎながらドクオに便乗する。

考えながらも僕は、語句を噛み締め、一字一字丁寧に答える。

( ^ω^)「まずは、地下帝国の存在理由。それを知る。
       そして、それが悪しき理由なら、帝国をブッ飛ばす」

少し大袈裟気味に僕は語った。ドクオが口笛を鳴らす。

('A`)「そりゃ、壮大な話だぜ。で、帝国侵入とかは、しちゃうわけ?」

( ^ω^)「そ、それは……う〜ん……」

コーラをちびちび飲みながら、僕は言葉を濁す。
ここから先、どうやって調べれば良いんだろう? それを考えてばっかりだった。

('A`)「俺らさ、ガキん頃はよく廃工場とか探検したじゃん? 懐かしいよなー」

あのやつれた、不健康がモットーみたいなドクオが、久々に目を輝かせていた。



16: ◆tOPTGOuTpU :2007/06/08(金) 21:55:07.65 ID:v8i61FpP0
ドアが開く音がする。ショボンだ。
どうやら、いつの間にかお菓子を取りに行っていたらしい。まるで気付かなかった。

(´・ω・`)「侵入か……かなり危険だよ、それは。オカルトスポットの比じゃないよ」

('A`)「分かってるって。そんな、下手したら死ぬかもしれない感じをさー」

ドクオは笑いながらショボンの持ってきた菓子を口に運ぶ。
地下の存在を知った瞬間、ドクオは一番張り切っているようだった。
普段、運動が苦手な割にはこういうコトには滅法目がないのが、ドクオだった。

どうでもいいけど、ショボンの持ってきた菓子、それは「きのこの山」だった。
ドクオ、いつもバカにしてた割にはバクバク喰っている。
そして、それを見てショボンが口を歪ませ、勝ち誇った顔をしていた。


(´・ω・`)「ふふ…・・・。じゃあ、次はあの老人達を調べるってのはどうだい?」

( ^ω^)「まあ、それで良いんじゃないかお」

('A`)「調べるって、尾行でもすんの?」

(´・ω・`)「あの発信機は、あと3つある。それを使おう」



17: ◆tOPTGOuTpU :2007/06/08(金) 21:56:51.48 ID:v8i61FpP0
( ^ω^)「使っちゃっていいんかお?」

(´・ω・`)「他に使うアテもないしね。欲を言えば、1つくらいは残しておきたいけど」

('A`)「さてはお前、それ使って渡辺をストーカーするつもりだな?」

(´・ω・`)「ご想像にお任せします」

( ^ω^)「この発信機をあの老人につけるのかお……ちょっと難しそうだお」

('A`)「いやいや。尾行すりゃ、何とかなりそーだぜ」

(´・ω・`)「それは早くても明日からだね。今日は流石にさ……」

('A`)「明日は無理だろ」

( ^ω^)「何でだお?」




('A`)「俺の誕生日じゃん」



19: ◆tOPTGOuTpU :2007/06/08(金) 21:58:41.21 ID:v8i61FpP0

(´・ω・`)「そうか。じゃあ明日、ドクオに尾行を頼もうかな?」

( ^ω^)「そりゃあ名案だお」

('A`)「ほお? よく分かったよ。君達が俺のことをどう思っているのかをな」


(´・ω・`)「あぁそうだ。それと、悪いけど今日はさっさと帰ってくれないかな?
      なんかオヤジが用事あるようだからさ、ゴメンね」

そういえば、もう日は傾き、空も土もこのヒルズもオレンジ色に染まっていた。
いつの間にか、僕らは相当時間を潰していたようだった。

( ^ω^)「分かったお」

('A`)「明日、お前らには期待してるんだぜ?」

(´・ω・`)「ばいばい、2人とも」



22: ◆tOPTGOuTpU :2007/06/08(金) 22:05:55.61 ID:v8i61FpP0
……夜。

ドクオの誕生日は、明日買うとして何が良いんだろう、と考えていた。

ドクオのことだから、中古のゲームでも相当喜ぶだろう。
じゃあ、何をあげようかな〜と思案していたときだった。


from ツン
sub 無題

明後日、ドクオの誕生日プレゼント買うから手伝って!!
その次の日の夏祭りにはサプライズもやりたいから、絶対ね!


……

to ok ツン
sub いや〜あの

ドクオの誕生日は明日だお



37: ◆tOPTGOuTpU :2007/06/08(金) 22:37:16.06 ID:v8i61FpP0
夏の朝日の眩しさは、まるで目覚まし時計が要らないくらいほど凄い。
今は朝7時。  親は絶対寝ている。

僕は窓を開け、地上を見下ろした。
あのジャンキーブラザーの件で、
僕は何となく、高い所から下を眺めることに抵抗を覚えていたが、
いつの間にか抵抗感なんて忘れていた。

見渡しても、ここからグラウンドは見えない。
ショボンの2番館からでしか、見ることは出来ない。見るつもりも無かったけど。


僕はエレベーターに乗り、待ち合わせ時間に間に合うよう急いだ。
確か集合時間は8時。 そして僕の時間もちょうど8時を指していた。

集合場所のエントランスに着くと同時に、耳にガツンと怒声が鳴り響く。


ξ#゚听)ξ「遅い!!」



38: ◆tOPTGOuTpU :2007/06/08(金) 22:41:04.54 ID:v8i61FpP0

( ^ω^)「そんなことないお。ちゃんと時間通りだお」

ξ#゚听)ξ「五分前集合しなさいよ! そもそもレディー待たすなんて!」
( ^ω^)「ホントにごめんだお!」

僕は素早く謝る。ツンはこの手法を使われるともう怒らない。
小学校の頃から僕はこれを使っていた。

ξ ゚听)ξ「……じゃ、ささっと行くよ。コンビニも、結構揃ってるもんだし」


コンビニへの道のりの間、ツンと他愛のない話をした……かった。

でも、少し前「ツンを危険な目に合わせたくない!」て啖呵を切った手前、
恐ろしいくらいの恥ずかしさが、ツンの顔を見る度にこみ上げてきた。
自分から話が切り出せず、もじもじとしていた。

そして、ツンもどうやら僕と同じような感じらしく、
お互い口の動きが鈍いまま、僕らは簡単にコンビニに辿り着いた。

コンビニに行く道で喋ったのは、「風が気持ちいいね」「うん」だけだった。

エントランスで会話が出来たのが不思議だった程だ。竜頭蛇尾のレベルではない。



40: ◆tOPTGOuTpU :2007/06/08(金) 22:42:46.33 ID:v8i61FpP0
ξ ゚听)ξ「これなんか良いんじゃない?」

コンビニに入っていきなりツンが手に取ったのは、アイスクリームの詰め合わせ。
確かにドクオはアイス好きだったなぁ。しかし、欠点はある。

( ^ω^)「でも、コンビニで買ったてのが悟られてしまうお」

ξ ゚听)ξ「ハッ!」

( ^ω^)「だから僕はこれを推すお」

そう言って僕が差し出したのは、ビーチバレーのボール。

ξ ゚听)ξ「ドクオはそんなの使う人じゃないでしょ!」

( ^ω^)「じゃ、これはどうだお? ドクオの大好きなぐび生。!」

ξ#゚听)ξ「あたし達に買えるワケないでしょ!!」

ξ ゚听)ξ「ほら、レジの上の方のお菓子詰め合わせは?」

( ^ω^)「ドクオは和菓子嫌いだお」

( ^ω^)「DVDを選ぶのはどうかお?」

ξ ゚听)ξ「予算オーバーよ………」



41: ◆tOPTGOuTpU :2007/06/08(金) 22:44:53.11 ID:v8i61FpP0

結局、僕らが買ったのはビール350mlの半ダース。
未成年でも、あまりに楽に買えたので驚いた。
ドクオはよく「コンビニは相当楽に買えるぜ」と言ってたが、本当とは。

ぶつくさ法律違反と愚痴るツンに、「これがドクオの望んでいるモノ」と
言い聞かせ、何とかツンを宥めた。

先ほどまで僕らはダンマリだったが、強烈な話題があると、お互い口がよく動く。
だから僕は、なるべくこの話題を持ち込もうとした。

( ^ω^)「ドクオは中一の時から、酒飲んでたお」

ξ ゚听)ξ「アンタがアホなら、アイツは愚かね……」

(;^ω^)「さりげなく僕までキツく言うなお」



43: ◆tOPTGOuTpU :2007/06/08(金) 22:47:11.29 ID:v8i61FpP0
ξ ゚听)ξ「そういえばタバコは吸うのかしら?」

( ^ω^)「エコーてタバコのパッケージが気に入ってるって」

ξ ゚听)ξ「本当にどうしようもないのね……」

( ^ω^)「でも吸ってないらしいお、理由はよく分からないけど」

僕達は1番館のエントランスに辿り着いた。
今は9時。
子供達がエントランス前の公園で遊んでいた。
あそこは、あのジャンキー達が拉致されていた現場で、正直良い気分はしなかったが
子供達の元気な姿を見ると、そんなことがどうでも良くなってくる。

エントランス内でエレベーターを待つ。
大理石で出来た、エレベーター前のスペースに精神的な涼しさを感じていた。
ツンはというと、窓から外を眺めていた。
そこから見える雲の形は雄大で、確かに見とれてしまうかもしれないが、
ツンの性格には合わないだろ、と心の中で突っ込んでおいた。



45: ◆tOPTGOuTpU :2007/06/08(金) 22:49:39.24 ID:v8i61FpP0

エレベーターの中。途中、話が途切れたせいで
またも僕とツンは沈黙に包まれてしまった。
今更ドクオの話題を出すのも何だしな、と思ってると
エレベーターは目的の階層に着いた。
流石に3階だと早い。

307号室に行き、チャイムを鳴らしてから扉を開ける。

やあ (´・ω・`)

ようこそ、僕の家へ。

このサイダーはサービスだから、まず飲んで落ち着いて欲しい。



47: ◆tOPTGOuTpU :2007/06/08(金) 22:51:27.68 ID:v8i61FpP0

ξ ゚听)ξ「プハァー。喉が渇いてるときのサイダーは格別ね」

(´・ω・`)「ねえ。渡辺さん呼ぼうって僕、言ったの覚えてる?」

( ^ω^)「ドクオ、渡辺さん苦手だからちょっと遠慮したんだお」

(´・ω・`)「………」


ξ ゚听)ξ「それにこのメンバーだと、あの話が出来るじゃない」

(´・ω・`)「ああ、そうだね。ブーン。近況報告をツンにお願い」

( ^ω^)「えーと、グラウンドの真下にゴミ集積所があるお」

ξ ゚听)ξ「え………? それ、ほんと? 本当なの?」

(´・ω・`)「うん。間違いないよ」


ξ;゚听)ξ「本当にあったんだ……。正直、地下の話は嘘と思ってたのに……」



48: ◆tOPTGOuTpU :2007/06/08(金) 22:53:15.23 ID:v8i61FpP0

(´・ω・`)「次の作戦は、職員と思われる人物を尾行することでね、
      こればっかりは本気で危ないから、君は無論参加しちゃだめだ」

ξ;゚听)ξ「あ……うん、分かったわ」

ツンはショボンを一目置いている。らしいけど、
最近の渡辺さんラブを見る度に、尊敬度は少しずつ下がっているらしい。

( ^ω^)「ドクオは何時に来るんだお?」

(´・ω・`)「11時に、尾行の段取りを決めるから来い てメールしたよ」

ξ ゚听)ξ「スネて来ないんじゃない?」

(´・ω・`)「プレゼントにビールでもやるよ、て送った。これなら来る」

( ^ω^)「じゃあ、その間アフリカ版の人生ゲームでもするかお」

僕の子供が9人目生まれた辺りで、ドクオがとうとう来た。
例によって、何の期待もしていない死んだ目をしていた。



50: ◆tOPTGOuTpU :2007/06/08(金) 22:57:36.00 ID:v8i61FpP0

('A`)「もはよう」

(´・ω・`)「おはよう。ここじゃなくて、バーボンに行こうか」

('A`)「把握」

( ^ω^)「何かドクオ、眠そうだお」

('A`)「おう、0時からずっと俺の誕生日を祈って貰ってた。パソ内の恋人に」

ξ;゚听)ξ「……! ……!」

ツンが罵倒するのを堪えていた。

ドクオに扉を開けさせ、4人で306号室に入った。


やあ (`・ω・´)

ようこそ、バーボンハウスへ。

ドクオ、この箱はプレゼントだから、まず受け取って落ち着いて欲しい。



52: ◆tOPTGOuTpU :2007/06/08(金) 23:01:46.53 ID:v8i61FpP0
('A`)「……?」

( ^ω^)「ドクオ、誕生日おめでとうだお!」

(´・ω・`)「このTシャツときのこの山はプレゼントだよ」

ξ ゚听)ξ「おめでとぉ!!」

(`・ω・´)「おめでとう、ドクオ君。君も大きくなったね」

('A`)「は? え……ま、まじ……?
   本当なの……? え、いやその……」


ξ ゚听)ξ「見たとおりの状況よ、ドクオ」



54: ◆tOPTGOuTpU :2007/06/08(金) 23:04:38.48 ID:v8i61FpP0
(;'A`)「こ、これはマジなの? ドッキリなんかじゃないよな?」

( ^ω^)「ドッキリなワケないお! 実は二日前から計画してたんだお」

ξ ゚听)ξ「そうそう。感謝してよね。明日にでもさ」

('A`)「……俺の、誕生日会?」

(´・ω・`)「その通りだよ」

('A`)「………!」


('A`)「あ、あの……。ショボン、何でそのシャツが誕生日プレゼントなんだぜ……?
    それって俺が前もって買った奴じゃん!!!11 嬉しいけどさ……。

    つーか、ほんとっ……何の期待もしてなくって……」



(;A:)ブワっ



56: ◆tOPTGOuTpU :2007/06/08(金) 23:08:15.36 ID:v8i61FpP0
(;A;)「あ、ありがとう……! ありがとう………!!」

(`・ω・´)「はははっ」

ξ ゚听)ξ「意外とモロいのね〜」

(´・ω・`)「ほら、きのこの山を食べてごらん?」

(;A;)「ありがとう……。き、今日はたまたまきのこが食いたくってよぉ!」

(´・ω・`)「はいはい、たけのこ厨たけのこ厨」


( ^ω^)「ゴディバ派の僕には関係ないおwwwwwww」

(´・ω・`)「それじゃ、そろそろケーキでも用意しようか?」

('∀`) 「おう!!」


日が暮れるまで、僕らはどんちゃん騒ぎをした。

ドクオが夕日と、それを背景に飛び交うカラスを見つめ、
ポエムを発したときには吹きそうになった。



60: ◆tOPTGOuTpU :2007/06/08(金) 23:13:51.26 ID:v8i61FpP0
ドクオの誕生日会を反芻する。
本当に面白かったなあ。

あそこまでイキイキしていたドクオは初めてだった。
それだけでも貴重な日だったと思う。

僕は楽しさのせいか、
地下への探求を何処か楽観的に見ていた。
危険だとは思っているけど、
まるで気分がふわふわと舞い上がり、危機感は消え去ってしまう。

明々後日は夏祭りだ。
この日も沢山楽しもう。

その前に尾行があるな……ちゃんと僕らに出来るのだろうか?
僕は遊びつかれたせいで、ベッドに入ると直ぐに眠りについた。



64: ◆tOPTGOuTpU :2007/06/08(金) 23:16:45.45 ID:v8i61FpP0
_____…………それでは、それ以外に質問はございませんか?

定例会議。私が中心となって行われる。とは言っても、そろそろ終わるのだが。

「あの……一つ、気になっとることがあるんですが……」

私はどうぞ、とその老人に促した。

( ,'3 )「へへ…ありがとうございますわ。弟者さん。
     実は、ちと気になっとるガキがおりましてね。
     本当、害虫のような存在でして……それで特別に駆除をお願いしたくて……」

「ほう、どんなガキだ?」

兄者が興味を持ち、乗り出しながら老人に促した。

( ,'3 )「あ〜とですね……。ゴミ箱にゴミ分別せんと捨てたりですね。
     他にも、目の前にちり紙が落ちとるってのに捨てんかったり……」

( ´_ゝ`)「分別しなかったのなら、その場でレベル2の駆除が出来るであろう」

( ,'3 )「あ! えっとですね……その可能性が高かったんですわ!!
     コンビニゴミを忠告も聞かんと捨てて、おまけにそれが流れてまって
     わしの身としてはどうすることも出来んかったんですわ!!
     最近の高校生は、もう全部殺してやりたいっすわ!!」



67: ◆tOPTGOuTpU :2007/06/08(金) 23:22:04.50 ID:v8i61FpP0
( ´_ゝ`)「ふむ……そうか」

ここで時計の鐘が鳴る。そろそろ終了の時間か。

( ´_ゝ`)「バルケンさん。その子供の顔を覚えているか?」

( ,'3 )「お、覚えておりますよ!」

……兄者、どうしたのか?

( ´_ゝ`)「いや、私が深夜目を合わせた子供のこともあるしな。
       少し気になっているのだ。……どれ。少し、調べてみるか」


会議終了後、兄者は報告書を纏めながら、私にあのことをぼやく。
ああ、Specialか……。あれは我々の頭を悩ます問題だったな。

( ´_ゝ`)「町長も探しておられる。もう時間も無い。可能性に賭けるしかないのだ」

……確かにな。多少非効率でも、可能性があるのなら、私も協力しよう。

( ´_ゝ`)「すまないな」(第4話終)



戻る第5話