戦え!アルバイター達!! のようです、お客様。
- 28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/10(日) 00:36:44.23 ID:+r0KERe9O
第2シフト
優しさに包まれたなら―闇に堕ちた君に贈る―
- 29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/10(日) 00:40:30.97 ID:+r0KERe9O
- ―――それは一瞬の出来事だった。
(,;゚Д゚)「何故俺のおもちゃを最大に駆使した技が通じない!」
凄く説明的なセリフありがとうございます、ギコさん。
ζ(゚、゚*ζ「……おもちゃなんて興味無いですよ」
ζ(゚、゚*ζ「それよりお客さん、このお花なんてどうでしょうか?」
一輪の白い花を手に持ち、対戦相手であるギコにゆっくりと歩み寄るデレ。
ζ(゚、゚*ζ「スノードロップ。花言葉は『希望』です」
(,,゚Д゚)「……」
ギコのすぐ側まで近づいたデレはその花を差し出す。
デレの優しげな眼差しに、笑顔に吸い込まれ、我を忘れそれを受け取るギコ。
ζ(゚、゚*ζ「四季折々―――お客さん、サービスにもう一輪お付け致します」
- 30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/10(日) 00:43:43.49 ID:+r0KERe9O
- ギコの耳元で囁かれた呪詛の言葉。
ギコは技を至近距離でまともに喰らってしまった。
(,;゚Д゚)「は?……っぐ!?」
口から泡を吹きながら地面に倒れるギコ。
全身は痙攣し、早く処置しないと命が危ないかもしれない。
ζ(゚、゚*ζ「あ、お客さん、言い忘れていました」
ζ(゚ー゚*ζ「スノードロップは相手に贈ると花言葉が変わってしまうんです」
微笑みながら地面に倒れ臥すギコに語りかける。
ζ(゚ー゚*ζ「その花言葉とは―――『あなたの死を望む』」
呟き終えると踵を返し、ゆっくりと闘技場の出口へ向かうデレ。
遠くなって行くデレの背中を見遣りながら観客達は口々に静かに言った。
『……悪魔の使者だ』
- 31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/10(日) 00:49:10.51 ID:+r0KERe9O
- 作業着姿のブーン、エプロン姿の悪魔。
そんな二人がこれから戦う。
観客席からは『あいつも終わったな……』なんて呟きが聞こえる。
( ^ω^)「見てたお、君のアルバイト力」
ζ(゚、゚*ζ「あらあら、それならもう小細工は通用しませんね」
ζ(゚、゚*ζ「なら正々堂々行きましょう。闇に堕ちたアルバイト力を御覧あれ」
デレはそう呟くとエプロンのポケットから小さな袋を取り出す。
ζ(゚、゚*ζ「風姿花伝―――お客さん、この種は日光がよく当たる処に植えて下さいね」
デレが紡いだ言葉は衝撃波となり襲いかかる。
闘技会場一杯に広がる衝撃波。
観客の一部は恐怖に震え、中には失禁した者も居た。
(;^ω^)「おっ?」
ブーンの胸元に先程デレが取り出した小さな袋が衝撃波に乗せられ、届けられていた。
ブーンは小さな袋を手に取り調べる。
( ^ω^)「ひまわりの種かお」
- 32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/10(日) 00:53:24.34 ID:+r0KERe9O
- デレが放った技は恐ろしいモノだった。
今、季節は冬。
ひまわりなんてビニールハウスでも無い限り育てられない。
どんなに咲かそうと思っても種が腐って死んでしまうだろう。
それかハム太郎の餌だ。
『あ…あ…』と半狂乱になった声が観客席のあちこちから聞こえてくる。
ζ(゚、゚*ζ「闇のアルバイト力を浴びた……貴方も終わったわね」
( ^ω^)「待つお」
しかしブーンは無傷で立っていた。
ζ(゚、゚*ζ「嘘…あの技に耐えたと言うの?」
( ^ω^)「待つお、夏まで」
( ^ω^)「そして君に一杯のひまわりを見せてあげるお」
ζ(゚、゚*ζ「そんなの嘘よ……今の若い人に種から育てる人なんて滅多に居ない」
( ^ω^)「嘘じゃないお!」
( ^ω^)「僕は…花が大好きだお!!」
ζ(゚、゚;ζ「っ!?」
- 35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/10(日) 00:56:29.67 ID:+r0KERe9O
- ζ(゚、゚*ζ
どんどん過ぎ去って行く時間の中で。
この汚さで満ち溢れた世の中で。
私は忘れていた。
小さな頃、見ていたあの綺麗な花を。
『ママ、あのお花さん綺麗だね』
『私、お花さん大好き!』
そんな言葉が頭の中に蘇る。
『僕は…花が大好きだお!!』
あの日の私と重なった。
……さぁ、もう一度咲かせましょう。
キボウノタネを植えて。
決して折れない花が咲くと信じて。
―――この澱んだ心に花を咲かせましょう。
- 36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/10(日) 01:01:22.23 ID:+r0KERe9O
- ζ(゚、゚*ζ「……ギブアップ。私の負けよ」
(;^ω^)「おっ?でもまだ君のアルバイト力は残ってるお」
ζ(゚、゚*ζ「良いのよ。その代わりひまわりが咲いたら見せてね」
( ^ω^)「約束するお!高岡石油の裏庭に植えるから夏にいらっしゃいませだお!」
ブーンは屈託の無い笑顔でデレに語りかける。
その笑顔を見てデレも微笑む。
ζ(゚ー゚*ζ「約束ね」
ブーンとデレは指切りをした。
第2シフト『またのご来店お待ちしております』
- 42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/10(日) 01:19:16.70 ID:+r0KERe9O
- ありがとうございます。
フタコイオルタナティブ
戦国BASARA2
魔女の宅急便
の提供でお送りしました。
某人気作者様の真似してみたけど何でも質問とかくれい。
参考にさせて頂きます。
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