戦え!アルバイター達!!   のようです、お客様。

4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/11(月) 16:52:18.51 ID:ik23P47bO





第6シフト
耳を澄ますと、確かに聞こえる僕の音








6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/11(月) 16:54:05.21 ID:ik23P47bO
VIP国際闘技場の休憩室でベンチに座り、ブーンは缶コーヒーを飲んでいた。

( ^ω^)「明日は決勝戦かお…相手は……」

「よう、ブーン」

その声に驚き後ろに振り返る。
そこには旧友の姿があった。

( ^ω^)「ドクオ!」

('A`)「高校卒業以来か?久しぶりだな」

( ^ω^)「だおだお!久しぶりだおー」

('A`)「お前はあの頃と全く変わってないな……」

表情を曇らせながら言うドクオにブーンは言い知れぬ不安を覚えた。

( ^ω^)「…ドクオ?」

('A`)「……」



7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/11(月) 16:56:13.31 ID:ik23P47bO
ドクオはゆっくりと口を開く。

('A`)「お前は天才だ。お前は何もしてないのに俺より上を行く」

('A`)「俺は学生時代、何をやってもお前に勝てなかった」

('A`)「どんなに努力してもお前に勝てなかった」

( ^ω^)「……」

('A`)「頑張ってテストに挑んでも、俺は26点、お前は34点」

('A`)「頑張って50m走に挑んでも、俺は11秒、お前は10秒」

(;A;)「どんなに…どんなに努力しても……お前に……」

鳴咽しながら語るドクオに、筆者は五十歩百歩なんて言葉が脳裏に浮かんだ。

( ^ω^)「ドクオ…僕は……」



9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/11(月) 16:58:16.49 ID:ik23P47bO
('A`)「だから!」

ブーンの言葉をドクオが遮り叫ぶ。
休憩室に響くくらいの声量だった。

('A`)「明日のアルバイトバトル、俺が絶対に勝つ!」

ドクオが決意の眼差しと共に言い切った。

( ^ω^)「……望むところだお」

( ^ω^)「ドクオの決意、しかと受けとったお!」

('A`)「ブーン……」

( ^ω^)「悔いが残らないくらい本気で行くお!」

('∀`)「…ああ!俺も本気で行くぜ!」

( ^ω^)「よろしく(な!)(だお!)」('∀`)

二人の声が重なった。
こんな時、握手をする物だろうが二人はしなかった。
心が、心が繋がっているのだ。
それはブーンもドクオも言わずとも分かっているのだろう。
親友でありライバルなのだから。



11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/11(月) 17:03:27.68 ID:ik23P47bO
('A`)「じゃ、俺行くわ」

( ^ω^)「ばいぶー、まただお」

('A`)「じゃあな」

ドクオが立ち去ろうとする。
そんなドクオの背中を見てブーンは呟く。

( ^ω^)「……ドクオは変わったお」

やや二人との距離がある所でドクオが振り返る。

('∀`)「あったりめぇだ、バーロー!」

(;^ω^)「聞こえていたのかお」

('∀`)「俺は頑張って生きる事、大切な人をこのバトルで手に入れたからな」

( ^ω^)「フヒヒ!あの女の子の事かお」

('∀`)「お前は何か手に入れたのかよ?」



13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/11(月) 17:05:37.48 ID:ik23P47bO
( ^ω^)「僕は……」

今までのアルバイトバトルの事を思い出す。
激しい戦いを繰り広げた対戦者達の残した言葉。

ノハ;凵G)『入れて…よ……ね?』
ζ(゚ー゚*ζ『約束ね』

( ^ω^)「入れたいお!」

そっちか。
そっちなのか。

('A`)「へ?」

(;^ω^)「今のは性的な意味で……いやいや!冗談だお!」

( ^ω^)「僕は賞金なんて要らないんだお」

息を深く吸い込み、腹に力を入れ叫ぶ。

( ^ω^)「アルバイト王に、僕はなる!」

('A`)「……」



14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/11(月) 17:07:50.60 ID:ik23P47bO
黙っていたドクオが突然笑いだす。

('∀`)「ぶっ!はははははははは!!」

('∀`)「クククククッ……はぁはぁ、俺を笑い殺す気か……」

(;^ω^)「ひでえ!」

('∀`)「しかも俺の問いの答えになってないし……ぶふふっ!」

(;^ω^)「あー……」

('∀`)「やっぱりお前は変わって無いな、安心した!」

先程とは違い笑顔で言う。
そんなドクオを見て安心するブーン。

( ^ω^)「明日は頑張るお!」

('∀`)「ああ!やってやるぜ!」

今度こそドクオは立ち去って行った。
ブーンの方を見ないで背中を向けながら、『バイバイ』とぶらぶら手を振るドクオ。

( ^ω^)「そういう、ぶっきらぼうな所は変わって無いお」



15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/11(月) 17:09:37.87 ID:ik23P47bO
( ^ω^)「……今、手に入れたお」

( ^ω^)「ドクオの決意、そしてそれに負けない事だお」


それと……。

え?
何であの子の顔が浮かんで来るんだお。
考えただけで胸が熱くなってドキドキするお……。
僕の心の音が聞こえるお。
胸が締め付けられて苦しいけど暖かいお……。
君を守りたいお、君を笑わせたいお。

これってもしかして……恋かお?




ζ(゚ー゚*ζ『約束ね』


第6シフト『またのお越しをお持ちしております』



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